まずは「参考にできる型」を見つけ、自分自身に落とし込む。内定者インターン時代から一貫してきた守破離の姿勢

順風満帆にも見えますが、決して内定者インターンの序盤からアポが取得できたわけでも、フィールドセールスとしてスピーディーに受注ができたわけでもなく、苦悩した日々も長かったといいます。そして、そこから成果を出してきた背景には、まず「参考にできる型を見つけ、落とし込む」という一貫した姿勢がありました。
内定者インターン時代や入社1年目の試行錯誤を振り返りながら、コマタイが見つけた「自分らしい仕事への挑み方」を語ります。
こまたい
komatai
2024年4月入社。フィールドセールス所属。もともとは安定志向だったが、「自分に負荷を掛けられる厳しい環境に身を置きたい」とこれからに入社。内定者インターンとして、半年間インサイドセールスで働いていた時期には、他部署の先輩とも積極的にコミュニケーションを取り「仕事観」などをヒアリング。現在は、全国の新卒1年目社員の中でトップの営業成績を残している。
もともとは大手志向も、自分に負荷をかけて頑張るためにベンチャーへ
ーコマタイさんは、2024年の新卒入社ですが、どのような学生生活を送っていましたか。
2020年4月に大学に入学したのですが、ちょうどコロナ禍が始まったタイミングで。2年間はリモートで授業を受けるという、想像とは違った大学生活でした。そのなかでも、「今しかできないことをしよう」と思って、東京オリンピックでアルバイトをしてみたりもして。ただ、就職活動を行ううえでは、もう少し話せるエピソードを持っていないと周りと差別化ができないなと思って、大学3年のときにはTOEICの勉強にも力を入れました。
ーTOEICの勉強はどのように行ったんですか。
僕はもともと勉強が得意ではなくて、最初にTOEICを受けたときには300点台だったんです。そこから点数を伸ばさないといけなかったんですが、就職活動が始まるまでの時間も限られていて、かつ読み書きが苦手だったので、リスニングに絞って強化することに。その結果、リスニングの点数が100点台から400点台にまで上がり、合計が730点になったんです。もちろん、もっとTOEICの点数が高い人はたくさんいるものの、短期間で倍以上の点数になったことや、リスニングに絞って勉強したという、インパクトのあるエピソードを作ることもできました。
ー就職活動の軸などはありましたか。
安定志向だったので、東証プライム市場に上場しているような、いわゆる大手企業を中心に受けていました。ただ、なかなか結果が出ないまま大学3年の12月を迎えてしまって。それで、面接で話せるエピソードを増やしたいという思いと、力を付けたいという思いから、ある学生インターンに参加してみたんです。その学生インターンがきっかけで、価値観などが変わりました。
ーぜひ学生インターンのエピソードも教えてください。
東大や早慶などの学生も参加しているインターンに運良く受かったので、「せっかくの機会だから、彼らを観察してみよう」と思ったんです。観察していると、彼らは地頭がいいのはもちろん、行動量がとても多いことに気付いて。自分の行動量では全然足りないなと感じたんです。インターンのプログラムの中には、見込み顧客に対して電話でサービスを案内する営業の業務もあったので、「まずは誰よりも多く電話を掛けてみよう」と決めて行動してみることに。その結果、成果を出すことができたので、取り組み方しだいでは優秀な学生と戦えると気付いたんです。
ーその経験は、かなりの自信に繋がったのでは?
そうですね。そこで得た自信が、就職活動にもいい影響を与えたのか、大手企業からの内定もいただくことができました。ただ、自分に負荷をかけて頑張るためにも、あえて厳しいベンチャーに身を置こうと思い、最終的にはこれからを選びました。
ーこれからの選考過程で、印象に残っていることはありますか。
ありのままの自分を受け入れてもらえたことでしょうか。僕は高校を辞めてしまってた時期があって、大手企業の選考ではそこを突っ込まれてマイナスの印象を持たれてしまうこともあったんです。けれど、これからの一次面接の面接官を務めてくれた先輩は、「そういう経験があってもいいやん」と言ってくださって。その先輩も、大学を途中で辞められた背景があったようで、「俺もやっていけてるから」とお話をしてくれたんです。いろんなバックグラウンドを持った人たちが若いうちから活躍している環境に身を置いてみたいと思ったことも、入社の決め手になりましたね。
インターン生の特権を生かして、「成果を出してきた先輩社員の思考」をヒアリング
ーこれからの内定が出た後、コマタイさんは内定者インターンをされていたんですよね。大学4年生の9月から卒業までの半年間、インサイドセールスでインターンをしていました。最初は週2~3日、10~17時までという感じでしたが、卒業前の3月は週5で行っていました。
ーインターンではどのような業務をしていたんですか。
過去にセミナーに参加していただいたり、問い合わせをくださったりと、当社と何らかの接点があったお客様に架電を行って、課題をヒアリングしたり、サービスの説明をしたりした上で、ニーズがあればアポイントを獲得するというものでした。
ー学生インターン時代にも経験があったようなので、テレアポには慣れていたのでは?
抵抗感は無かったです。ただ、学生インターン時代は個人へのテレアポで、これからでは企業へのテレアポだったので、やはり勝手が違って難しいところはありました。すぐに成果が出たわけではありませんでしたし、同じく内定者インターンをしていた同期の方が先に成果を出していましたね。ただ、学生インターン時代に、「全員に同じ話、同じ伝え方をしても刺さらない」ということは学んでいたので、相手に応じて、内容や聞き方や伝え方を変えてみるということはできていたのかなと思います。
ーすぐに成果が出たわけではないなかで、転機となったことはありましたか。
先輩方からお話を伺ったことが大きかったです。テレアポを行う中で、僕たちインサイドセールスがアポを取れたときにパスをして商談をお願いする、フィールドセールスの先輩方の考えを知りたいという思いが強まって。インストラクター以上の4名の方にお話を伺ったんです。テレアポについて具体的なアドバイスをもらったり、ロープレをしていただいたりしたわけではないんですが、ビジネスマンとしての心構えがとても参考になりました。
ーたとえば、どんな先輩にお話を聞いたのですか。
まず最初にお話を伺ったのは、当時「転職して数か月ながら、社内最速で売上1000万円を達成した」という先輩でした。その方は、異なる業界からキャリア入社をされてすぐに結果を出したということで、業界や商材が変わっても成果を出せる秘訣や、成果を出すための思考を知りたいと思ったんです。どのようなプロセスで成果を出したのかや、どういったマインドでセールスに臨んでいるのかを伺いました。
ー印象に残っていることはありますか。
その先輩は最終的に独立を目指している方だったため、「『今の環境では〇〇を得たい』という目的を置いて仕事をしている」というお話が印象に残っています。アポがなかなか取れないと、どうしても視野が狭くなってしまいますが、「今この経験を通して何を得たいか」を設定することで、仕事に臨む姿勢が変わりそうだなと思いました。
ー成果を出す先輩の思考を知って参考にできたんですね。
他にも、フィールドセールスでコーチやインストラクターを務めている先輩3人に時間を取っていただいて、皆さんの新卒時代のエピソードなどを伺いました。皆さん、「コツコツ続けた先に成果が出た」というところが共通していて、諦めずに試行錯誤を続ける大切さを改めて学びました。
「耳馴染みが良かった」先輩のテレアポの録音を聞きながら通勤
ー他に、転機となったことはありますか。
テレアポが上手な先輩の話し方を参考にしたことです。いろいろな方が電話をしている様子を観察する中で、僕の一学年上でフィールドセールス所属のカイさんのテレアポが、とてもリズムが良いように感じたんです。かつ、テレアポなのに営業感が薄くて、でも信頼できる話し方で、聞き心地が良いなと。それで、カイさんがテレアポをしているときに横で聞かせてもらったり、カイさんのテレアポの録音を聞きながら通勤するようにしたんです。すると、どんどん自分に馴染んできたのか、テレアポがスムーズにできるようになりました。
ーお話を聞いていると、コマタイさんはまず分析をした上で、「この試行をしてみよう」と決めて行動量を積み重ねたり、今の自分に必要なものは何かを判断してそれを得るために行動している印象を受けます。
たぶん、臆病だからだと思います。本当は、「とりあえずやってみる」っていう姿勢が理想なんですよ。だけど、瞬時に行動したり、勢いで飛び付いたりといったことが得意じゃないので、分析して行動する、という風になっているのかなと思います。
ーいろんな先輩方を頼れる点も素晴らしいですよね。
フィールドセールスの先輩方とは、業務の中で面識があったわけでもないですし、席が近かったわけでもないんです。いきなりChatworkで「お時間いただけますか」と送ったんですが、皆さん快く時間を取ってくださって、「面白いヤツだな」という感じで優しく接していただきました。まさに、インターン生の特権だと思います。
「先輩の型」をたくさん取り入れたことで、受注に繋がる提案ができるように
ー内定者インターンで手応えを掴んで、そのまま入社という感じだったんですかね。
そうですね。内定者インターン時代は、1月頃にようやく手応えを感じられるようになったんですが、そのまま4月に入社しました。入社後も、研修の一環でテレアポをするんですが、内定者インターン時代の経験があったので成果が出しやすかったかもしれません。
ーテレアポで成果が出せたら、業務範囲が広がるのですか。
「自分が獲得したアポ経由で2件の受注」という目標を6月に達成できたので、アポ獲得だけでなく、提案や受注の部分まですべてを担う、「インサイドセールス+フィールドセールス」のような役割を任せていただけるようになりました。
ーフィールドセールスの領域で成果を出すまでも、かなりスムーズだったんですか。
いえ、そう上手くはいきませんでした。内定者インターン時代にも経験していなかった業務だったので、新しい知識や提案の引き出しを増やさなければならなくて苦労しました。しかも、お客様のニーズや志向もさまざまなので、「このように提案すればいい」という型があるわけではないですし、先輩に質問をするにしても「何から聞けばいいか」さえわからなくて。「アポは取れたものの、どんな提案をすれば受注に繋がるのか」ということが見えずに、負のループに入ってしまったこともありました。
ーけれど、コマタイさんは現在、全国の新卒でトップの営業成績を残されています。成果が出るようになるきっかけはあったんでしょうか。
一つは、商談解析ツールが導入されたことが大きかったです。フィールドセールスの先輩方がお客様に提案している動画がいつでも見られるようになったので、それを見ることで、いろんな提案のパターンを知ったり、お客様とどのようにコミュニケーションを取っているのかを知れるようになって。参考にできる型がたくさん見つかったのは、僕にとっては大きかったです。
ー自分ひとりでゼロから考えるのではなく、先輩方の提案を参考にすることがきっかけになったんですね。
そうですね。もう一つ、かなり大きかった転機が、フィールドセールスを統括している伊藤さんの隣の席で仕事をするようになったことです。ちょうど悩んでいたときに、伊藤さんとご飯に行く機会があったので、「どう提案すべきかわからないんです」「何をどうしていけばフィールドセールスとして成長できるでしょうか」ということを正直に話して。すると、伊藤さんの計らいで、隣で仕事をさせてもらえることになったんです。隣で伊藤さんの提案を聞いていると、新しい提案のパターンを増やせただけではなくて、「なぜこのお客様には、この提案をするのか」という意図が理解できるようになったので、自分自身の腑に落ちて提案がしやすくなったんです。
ー理解することで、自分自身の型として落とし込むことができたのかもしれませんね。
そうですね。あと、以前の僕は「商談の1時間を遣い切らないと」と考えてしまっていたんですが、伊藤さんから「今回の商談では何をゴールにするのか」を明確にすることの大切さも教えてもらって。実践してみたところ、そのステップを積み重ねていくと受注に繋がることも体感できるようになりました。伊藤さんから、「重く考えすぎなくていいよ」と言ってもらって、力を抜いて商談に臨めるようになったことで、ひとつ壁を乗り越えた部分もあるのかなと。それで、9月頃からは成果が出るようになりました。
インターン生という特権を存分に生かして、人として成長できる機会に
ー今のお仕事のやりがいは、どのようなところに感じますか。
僕が担当するお客様は、何度も何度も商談を重ねて、結果的に発注を決めてくださる熟考タイプの企業様が多いんです。僕自身も即決はできないタイプなので、自分が準備して会話を重ねた結果、お客様から信頼をしていただいて、お客様にじっくり検討していただいた上で発注いただけるという今のプロセスにはやりがいを感じています。
ーインターンや新卒1年目を振り返ってみての感想はありますか。
実際に働いてみたことで、自分は「型がまったく無い状態で何かに取り組むこと」が苦手で、「ある一定の型をもとに、工夫しながら最適な方法を見つけていくこと」が得意だということに気付きました。そうした意味では、インターン時代も1年目も、いろんな先輩の型をまず見せてもらって、知ってというプロセスを経たことが、成果を出せるようになった分岐点だと感じています。一方で、これからは「かっちりと決まった型」が与えられる会社ではないからこそ、その環境で自分なりに試行錯誤して、型を見つけたり作ったりする過程で成長できた部分もあると感じています。
ー今後、これからでインターンを経験する学生や内定者に対してアドバイスはありますか。
インターン生という今しかない特権があるのだから、その特権を存分に生かして、たくさん行動や挑戦をしてくださいということでしょうか。また、「入社前に業務に慣れる」ことだけを目的にインターンをするのではもったいないので、「ビジネスマンとして/人として成長する」機会として捉えて活用してみてください。
※2024年11月の情報です。

この記事は 倉本 祐美加 が書きました
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