「京都から世界へ」革小物ブランド“京でん”が描く挑戦と未来
今回ご紹介するのは、革小物の製造販売を行う株式会社京でん様です。
京都を拠点にCOTOCUL(コトカル)という革小物のブランドの運営を行う、人気のメーカーの京でん様。
弊社ではECサイトの制作やAdSISTを通じてEC事業のお手伝いをさせていただきました。本日は、京でん様の歴史やECサイトのこと、当社を選んでいただいたきっかけやこれからのことまで、代表の竜田様(写真 左から2人目)に興味深い話をたくさん伺いましたので、以下の記事からご覧ください。
COTOCUL(コトカル)
■所在地:京都府京都市中京区壬生松原町16番地2 室谷ビル3階
■代表者:竜田 昌雄
■オンラインショップ: https://cotocul.com/
アパレル業界から革小物製造販売への転換
内田(インタビュアー):まず、貴社の事業について簡単に教えていただけますか?本日お話を伺う前に貴社のHPを拝見して来たのですが、製品の開発背景やビジネスモデルの変遷にとても興味を抱いています。
竜田様(以下、敬称略):ありがとうございます。当社では、手作りの革小物、特に財布の製造・販売を主軸に事業を展開しています。以前はアパレル業界に身を置き、ジーンズの二次加工、卸を手掛ける、BtoBのビジネスを行っていました。しかし、リーマンショックや震災、その他外的影響を受けることが続いた結果、BtoBモデルに限界を感じました。そこで、直接お客様と向き合うB2Cモデルに移行し、現在の事業形態に至ったのです。
内田:アパレルの卸(BtoB)から革小物の製造販売(BtoC)に転換されるのは大変な決断ですよね。ただその中で、経済環境だけでなく、「直接お客様と向き合う」という理念があったことがとても素敵だと感じました。
竜田:そうです。お客様一人ひとりの声に耳を傾け、彼らの声をダイレクトに製品に反映できるという点が非常に魅力的でした。また、革という素材には特有の温もりがあり、それを手作業で形にしていくことに大きなやりがいを感じています。最初は小さな規模でのスタートでたくさんの苦労と挫折がありましたが、徐々に製品が評価されるようになり、現在の形に至りました。
内田:大きな事業転換だと思いますが、特に苦労した点はどういった点だったんでしょうか?
竜田:色々ありました。人が入れ替わったり、ビジネスモデル自体も180度違うような転換だったので。ですが、意外と一番苦労したのは、自分たちで生産できると思っていたけどできなかった、勘違いをしていた点だったかもしれません。ミシンを習ったら、簡単に製品を作れると思っていたんです。しかし、ジっとしてるのがどうも苦手で。性に合わず作れませんでした(笑)
内田:思わぬところで苦労なさったんですね(笑)
竜田:ビジネスモデルはビジネスコンペティションで賞をいただくなど自信を持っていました。しかし上記のようにやってみないと分からない苦労もとても多かったですね。
百貨店販売からオンライン展開へ
内田:ECサイトの立ち上げについて伺いたいのですが、以前は百貨店を主とした販売が主軸だったと伺いました。そこからオンラインへと移行された背景や具体的な経緯を教えていただけますか?
竜田:百貨店での販売はもちろん重要でしたが、顧客との接点を増やすためにはオンライン展開が必須だと感じていました。特にクラウドファンディングで展開したミニ財布のプロジェクトが成功したことで、オンラインでの販売に手応えを得たのが大きなきっかけです。
内田:クラウドファンディングは近年注目されていますよね。当時はどのような商品が評価されたのでしょうか?
竜田:当時は非常にシンプルでコンパクトな点が評価されミニ財布が人気を集めました。これをきっかけに、百貨店や展示会での販売に加え、ECサイトの必要性を強く感じ、ECサイトの運営にも着手しました。当初はクリーマ、それからAmazon、楽天に出店し外部の業者に運営を委託していました。委託したのはいいものの、外部委託のままでは自分たちのブランドストーリーを十分に伝えられないもどかしさがありました。また、商品の見せ方や顧客対応の質にも課題を感じ、内製化への移行を決断しました。
内田:内製化への転換には、多くの試行錯誤があったのではないでしょうか?
竜田:その通りです。初めての挑戦だったため、とにかくたくさん勉強しました。楽天やAmazonのセミナーや勉強会で集客方法やSEO対策、商品の魅せ方など、一つひとつ学びながら知識を貯めて、2〜3年かけて一定の売上が立てられるようになりました。そのような中、自社ECも運営していきたいと思ったんです。ただ自社ECは専門性が高く、当時は分からないことも多かったので、あまり手をつけていない状況になっていました。
コレカラを導入いただいた背景
内田:まさに今いただいた内容に直結するかもしれませんが、弊社サービスを導入いただいた背景を教えていただけますか?
竜田:ECサイト運営を内製化する中で、自社ECに関してはとにかく専門性が必要でした。運営の効率化や売上向上の手段、ありとあらゆる専門的な情報が求められていたんです。そんな際に御社からタイミング良く(笑)電話をいただき、的確なソリューションの数々とマーケティング支援まで、包括的なサポートを案内いただきました。専門性を欲していた我々からすると非常に魅力的でした。
内田:ありがとうございます。実際に売上面でも効果があったんですか?
竜田:実際、導入前と後では売上のケタが一つ増えました。この結果には、貴社のサポートが大きく寄与していると感じています。また、単なるシステム提供にとどまらず、継続的なサポートやアドバイスをいただけたことも非常にありがたかったです。
内田:ありがとうございます。売上向上に貢献できたことは大変光栄です。
レビューを活用した信頼構築と製品改良
内田:色々な苦労の上、多角的なECサイト運営に取り組まれていますが、ECの運営において、特に大切にされているポイントを教えてください。運営方針やポリシーの部分に興味があります。
竜田:私たちが特に重視しているのは、顧客からのレビューです。自分たちでどれだけ「良い商品」とアピールしても、実際に購入いただいたお客様からのリアルな声にはかないません。レビューは、他のお客様が商品を選ぶ際の貴重な参考情報となるだけでなく、私たち自身が改善点を見つける重要な材料でもあります。ちなみに、お客様の声がどれだけ強いのか、これは百貨店での接客で気づいたんです。過去に買ってくださったお客様がお友だちをお連れになって来てくださったことがあるんです。その方がおススメすると、簡単に買ってくださるんですよね。これはECのレビューに通じる点がありますよね。
内田:確かに、レビューはお客様同士をつなぐ信頼の架け橋になりますね。
竜田:その通りです。また、レビューをきっかけに製品を改良することで、さらなる満足度の向上にもつながります。例えば、「少しサイズを変更してほしい」「別のカラーが欲しい」といった声をもとに、新しい商品を開発したこともあります。このように、レビューは単なる評価の場ではなく、私たちとお客様をつなぐ大切なコミュニケーション手段です。
「都レザー」ブランドの開発と展開
内田:現在注力されている取り組みについて、詳しく教えてください。
竜田:「都レザー」というブランドの展開が、私たちにとって最大のプロジェクトです。京都で育った牛から採れる原皮を使用し、地元の金箔や漆を取り入れた革製品を開発しています。このブランドは、ただの製品ではなく、京都の伝統文化や職人の技術を体現したストーリーそのものです。
内田:都レザーは、京都らしさを前面に出した素材ブランドということですね。この独自性は世界でも通用しそうですね。
竜田:はい。特に海外市場では、サステナビリティやローカルストーリーが評価されやすい傾向があります。都レザーを軸に、他社との差別化を図りながら、国内外の市場に訴求していきたいと考えています。
今後の展望について
内田:最後に、貴社の今後の展望をお聞かせください。
竜田:私たちの目標は、京都発信の世界ブランドを築き上げることです。革製品を通じて、京都の伝統や技術を広めるだけでなく、持続可能な素材を活用し、新たな価値を提供していきたいと考えています。特に、都レザーを軸にした製品展開をさらに強化し、他社にはない魅力を発信していきます。ちなみになんですが、”京でん”って社名は「京都を伝える」ところから来ています。当時は和柄の商材なんかも扱ってましたし、ビジネスを意識してつけた社名なんですが、今となっては私の”人生をかけて成し遂げたいこと”のようになっていて、”京都発信の世界ブランドを築き上げること”は私の一つのライフワークにもなっているんです。
内田:素晴らしいですね!感動しました。「京都の魅力を世界に広めるプロジェクト」、これからの展開を楽しみにしております。
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