ニッチ・高単価な商品で顧客を掴む!法衣や仏具のECサイトが実践する「顧客との信頼構築」

株式会社川勝様は、法衣や仏具といった専門性の高い商品を扱いながら、10年以上前からECサイトでの挑戦を続けてこられました。
「オンラインでは売りにくい」と一般的には思われがちな商材で、どのように顧客の信頼を勝ち取り、購入へと繋げることができているのか?そのEC戦略を代表の川勝様にお伺いしました。
ECサイトで専門性の高い商品や高単価な商品を扱われている事業者様にとって、必見の内容です。
読者の皆様がいち早く課題解決の糸口を見つけられるよう、本記事ではまず課題と施策の概要をご紹介し、その後、具体的な取り組みについて川勝様のインタビューをお届けします。

株式会社川勝
■所在地:〒600-8255 京都市下京区清水町149
■代表者:川勝 悠平
■オンラインショップ: https://www.teragoods.com/
川勝様について
株式会社川勝様は、京都で培われた伝統技術をもって、全国の寺院向けに法衣や袈裟、仏具の企画・製造・販売を手掛ける企業です。業界では新しい存在でありながら、ECサイトを積極的に活用し、全国に顧客網を広げています。
得られた成果
- UI/UXの大幅改善
- スマホユーザーの利便性向上
- 広告経由でのROAS700%達成
- ECサイト経由の問い合わせ増加と高単価商品の成約
リニューアル前の課題
- ECサイトのデザインの陳腐化
- スマホユーザーにとってのUI/UXの最適化不足
- 同業他社のECサイト本格参入による競争激化
- 売上の伸びの鈍化
これからが行ったこと
- ECサイトのフルリニューアル提案・実施
- UI/UXの改善
- ターゲット顧客への的確なアプローチ支援
課題:リニューアル前の課題

ECサイト構築から右肩上がりで成長を続けてきた川勝様でしたが 、今回のリニューアル前には、主に以下の課題に直面されていました。
―ECサイトデザインの陳腐化とUI/UXの限界
長年ECサイトを運営する中で、初期に構築したサイトデザインが時流に合わなくなり、お客様に最適な購買体験を提供しきれていないという課題感がありました。 特に、当初はPCサイトがメインでしたが、スマホユーザーの増加に伴い、スマホでの使いやすさ(UI/UX)の改善が急務となっていました。
―競争環境の変化と売上の伸び悩み
コロナ禍を機に、これまでECに積極的でなかった同業他社もECサイトを立ち上げ始め、競争が激化。それまでは業界内で先行していたものの、大手企業の参入などにより、売上の伸びが以前に比べて鈍化する傾向が見られました。このままでは埋もれてしまうという危機感が、リニューアルを後押ししました。
施策:課題解決と持続的成長のための主要施策
川勝様の抱える課題を解決し、EC事業の持続的な成長を実現するため、当社は長年のパートナーシップで培った知見と信頼を基に、以下の主要な施策を実行しました。
―ECサイトのフルリニューアルによるデザインとUI/UXの抜本的改善
川勝様が最も重視された「シンプルな見た目」と「スマートフォンでの使いやすさ」を軸に、サイト全体のデザインを一新。 顧客が求める情報にたどり着きやすく、スムーズな購買行動を促すUI/UX設計を施しました。 ・検索機能の強化:顧客が欲しい商品にすぐたどり着けるよう、サジェスト機能付きの検索窓を設置したほか、牽引ページを作成。 ・売上ランキングの設置:新規顧客が回遊しやすいよう、カテゴリー別のランキングをTOPページに設置。 ・WordPressでのコンテンツページ構築: SEO対策と顧客への情報発信強化のため、ブログやお役立ち情報を発信できる基盤を整備。 ・店舗・問い合わせ案内:顧客の安心感を高め、高単価商品購入の後押しとなる店舗の案内やお問い合わせ先を掲載。

―スマホファーストの徹底
ECサイト利用者の多くを占めるスマートフォンユーザーにとって最適な閲覧・操作性を実現するため、レスポンシブデザインはもちろんのこと、スマホ独自のUI/UXを追求しました。

―ターゲット顧客への的確なアプローチ支援
リニューアル後のECサイトへ効率的にターゲット顧客を誘導し、売上向上を加速させるため、当社の自動広告運用ツール「Buzz EC」を導入。専門知識が求められる広告運用を自動化・最適化し、ROASの最大化を目指しました。

成果:株式会社川勝 川勝様インタビュー
ECサイトリニューアルの経緯から、これからとの連携、そして導入後の具体的な効果や今後の展望について、株式会社川勝 ご代表の川勝様にお話を伺いました。
まず、ECサイトへの取り組みの始まりと、当社との出会いについてお聞かせください。
川勝様:事業としては個人事業主から数えると30年ほど、法人化してからは約15年になります。 京都で培われた伝統技術をもって、全国のご寺院様に法衣や袈裟、仏具を企画、製造、販売しています。 ECサイトを始めたのはもう10年以上前ですね。 この業界は老舗が多いのですが、うちは業界で一番新しいぐらいの存在です。それを逆手にとって、当時まだ珍しかったECサイトをやってみようと考えました。 老舗には固定客がいらっしゃいますが、うちは知名度がなかったので、新規のお客様を開拓する必要があったんです。実際にECサイトからのお客様はほとんどが新規でしたね。 これからさんとの最初の出会いは、これからの吉本さん(現 大阪支社 支社長)がふらっと飛び込みで営業に来られたのがきっかけです。 当時、ああいう独特な風貌の方は珍しくて(笑)力まず自然体な感じだったので、話しやすく、逆に信用できたんです。それでネットショップを考えていることを相談し、いろいろご提案いただいて、それに乗っかったという感じです。 システムの提案から構築まで、全てお任せしました。
―最初のECサイト構築から順調に成長された後、今回リニューアルを決断された背景には、どのような課題があったのでしょうか?
川勝様:最初のサイトを作っていただいてからは、本当にやった分だけ反応があって、ずっと右肩上がりでした。 広告なども少しずつ力を入れるようになって、さらに反応があったので、これは大事だなと勉強になりました。 今回のリニューアルのきっかけは、コロナ禍で同業他社さんもECサイトを少しずつオープンし始めたことです。 それまではうちが先行していたんですが、大手さんが一気に距離を縮めてきたので、このままではいけないな、とテコ入れが必要だと感じました。 それと、お客様がスマホからアクセスされるようになってきたので、そこは重視しましたね。パソコンを立ち上げてECサイトに来るよりも、手元のスマホでパッと来てもらう方がいいなと思ったので。
―今回のリニューアルも当社にご依頼いただいた理由は何だったのでしょうか?
川勝様:やはり今までの実績と信頼関係があったので、そのまま迷わずにお願いしました。日々いろいろな営業が来ますが、これからさんは、メールでちょこちょこ質問してもその都度丁寧に答えてくださるんです。 大きい会社だと問い合わせしても反応が遅かったり、窓口が大きすぎてなかなか話が進まないことがあるんですが、これからさんは担当の方と直で話せて、具体的に提案していただいて改善できたのが良かったです。
―今回のリニューアルで重視されていたポイントを教えてください。
川勝様:一番はシンプルな見た目と、スマホでの使いやすさです。ガチャガチャしているよりシンプルなものが良いと思いました。 扱っている商品には、お客様がご自身で選ぶのに専門知識が必要なものや、高額なものも多いです。ですから、サイトが見にくい、使いにくいというのは致命的です。 お客様がストレスなく商品を探せて、安心して問い合わせや購入ができる、という点を重視してこれからさんにリニューアルをお願いしました。 リニューアル前のサイトはやはり古くなってきていましたし、スマホ対応も十分ではなかったので。
―リニューアルと広告運用の強化で、具体的にどのような成果がありましたか?
川勝様:売上は伸びていますね。リニューアル前と比較し、月の売り上げが1.5倍になりました。 広告は、やるだけ上がるというのが見えてきたので、そこは重点的にやっています。費用対効果は良いなと私も感じていますね。お客さんや同業者の仲間から「(川勝さんの広告を)インターネットでよく見かけるよ」と言われることが増えました。これは、ちゃんと届けたい相手に情報が届いているんだな、と感じますね。 ニッチな商品なので、やみくもに広告を打っても意味がありません。的確な相手に「ああ、あのお店ね」と認知してもらうことが、高額な商品を検討してもらう上での最初のとっかかりになると思っています。
―高単価な商品は、ECサイト上ですぐに購入とはなりにくいかと思います。どのような工夫で成約に繋げているのでしょうか?
川勝様:単価が高いもの、例えば数十万円するような別注品などは、お電話やメールでお問い合わせをいただくことがほとんどです。 そこで細かくご要望を伺い、内容を確定させてから、そのお客様専用の購入ページをネットショップに作って、「ここからお願いします」という形にしています。 手間はかかりますが、お客様もこちらも安心ですし、特にオーダーメイド品の場合はそれが確実です。 実店舗を構えていて、電話すれば私や担当者と直接話ができるという安心感も大きいと思います。そういったお問い合わせは、平均して1日に1件は必ずありますね。
展望:今後のECサイトの展望
―今後のECサイトの展望についてお聞かせください。
川勝様:まずは、今のサイトをもっともっと使いやすく、分かりやすくしていくことです。宗派や用途、細かい仕様など、専門的な情報が多いので、お客様が迷わず、ストレスなく目的の商品にたどり着けるように、UI/UXは常に改善していきたいですね。これは高額な商品を安心して選んでいただくための基本だと思っています。 その上で、コンテンツを強化したいですね。商品知識や業界の背景など、専門的な情報をブログなどで発信することで、お客様の理解を深め、信頼感を高めることにも繋がると思っています。SEOにも興味がありますし、専門部隊を作って取り組みたいですね。 そして、大きな夢としては海外販売です。定期的に海外からのお問い合わせや注文があるので、手応えは感じています。海外にも日本のお寺はありますし、そういったところで使われる法衣や仏具を、本場の京都からお届けしたいです。日本の伝統技術、例えば漆塗りや金箔といったものを、海外のデザイナーや建築家の方々にも知っていただき、何らかの形で繋がっていけたら面白いなと思っています。
まとめ
法衣や仏具という専門性の高いニッチ市場で、高単価な商品もECサイトを通じて着実に販売している株式会社川勝様。その成功の裏には、オンラインでありながらも顧客一人ひとりとの「対話」を重視する姿勢と、ECサイトの使いやすさを追求する「絶え間ない工夫」がありました。 「実店舗のような安心感」をECでどう提供するか。その答えは、サイトの信頼性を高めるデザイン、分かりやすい情報提供、そして問い合わせへの丁寧な対応と、そこから生まれる個別の購入体験のデザインにあります。 当社は、川勝様のような専門性の高いビジネスを展開されるお客様が、ECを通じてその価値を最大限に発揮できるよう、これからも伴走してまいります。ECサイトでのニッチ・高単価な商品の販売戦略にお悩みでしたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。
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