売上10倍達成の次なる一手!やおきんがShopify導入で実現した「購買体験の飛躍的向上」と「月20時間以上のEC運営効率化」

「うまい棒」をはじめ、誰もが一度は口にしたことのある駄菓子でおなじみの株式会社やおきん様。同社はEC事業においても顧客を楽しませる創意工夫を凝らし、大きな成長を遂げています。
2020年にECサイトをリニューアルして売上が約10倍になるという目覚ましい成果を達成した後、事業成長に伴う新たな課題に対応するため、ECサイトのさらなる進化を決断されました。
プラットフォームをShopifyへ移行し、「購買体験の飛躍的向上」と「月20時間以上のEC運営効率化」を実現。本記事では、そのプロジェクトの全貌に迫ります。
読者の皆様がいち早く課題解決の糸口を見つけられるよう、本記事ではまず課題と施策の概要をご紹介し、その後、具体的な取り組みについてやおきん様のインタビューをお届けします。

株式会社やおきん
■所在地:〒130-0003 東京都墨田区横川5-3-2
■代表者:角谷 昌彦
■オンラインショップ: https://dagasiya.com/
やおきん様について
株式会社やおきんは、「うまい棒」などの駄菓子や玩具の企画・販売を手掛ける企業です。自社工場を持たないファブレス企業として知られ、協力会社と連携して多様な商品を展開し、国内外の子供たちに夢を提供しています。
お客様プロフィール
株式会社やおきん 小野様ECサイトの方向性策定やデザインディレクションを主に担当。クリエイティブな側面から同社のブランドイメージ構築に貢献。
得られた成果
- スマホ対応による顧客満足度の向上
- 会員制度刷新による、ロイヤルティ向上
- EC運営業務、月20時間超の削減
- EC運用業務全体の劇的な効率化
リニューアル前の課題
- スマホユーザーへの対応遅れ
- アナログな景品交換による手間
- 煩雑な見積もり業務による大きな負担
- 旧システムの機能的制約と操作性
これからが行ったこと
- 旧システムからShopifyへの移行
- UI/UXの改善
- 会員システムとポイントプログラムの刷新
- 見積機能の構築
- 商品管理・運用効率を上げるための機能実装
課題:リニューアル前の課題

初回のECサイトリニューアルで売上約10倍と大きな成長を遂げたやおきん様でしたが、今回のリニューアル前には次のような課題に直面されていました。
―スマホユーザーへの対応遅れ
旧システムはレスポンシブ未対応で、顧客の6~7割を占めるスマホユーザーに最適な購買体験を提供できておらず、機会損失の懸念がありました。PCサイトとスマホサイトの個別管理も大きな手間となっていました。
―アナログな景品交換による手間
購入回数に応じた景品プレゼントがアナログな応募券方式で、顧客と自社双方に手間と時間がかかっていました。
―煩雑な見積もり業務による大きな負担
大量購入を希望する学童保育様やイベント主催者様などからの電話やメールによる見積もり依頼に対し、都度手作業で書類を作成・送付する必要があり、コア業務を圧迫していました。
―旧システムの機能的制約と操作性
旧システムの管理画面UI変更による使いづらさや、レスポンシブ対応時の機能制限、セット商品の煩雑な在庫管理など、事業拡大の足かせとなるシステム上の制約が多く存在していました。
施策:課題解決と購買体験向上のための主要施策
やおきん様の課題を解決し、ECでの購買体験をさらに向上させるため、当社はShopifyの機能を最大限に活用し、以下の主要な施策を実行しました。
―遊び心と使いやすさを追求したUI/UXの実現
・やおきん様の「楽しい」ブランドイメージを体現する、動くキャラクターや購入金額で伸びるうまい棒グラフなどのインタラクティブなデザインを実装。 ・駄菓子屋で買い物をするようなイメージで、商品詳細ページに遷移せずに、一覧ページから直接複数商品をカート追加できる機能を導入し、ページ遷移のストレスを軽減。 ・カゴ落ちメールにも商品画像を挿入するなど、細部までブランドの世界観を統一。

―会員システムとポイントプログラムの刷新
・購入回数に応じたポイント付与とランクアップを実現するVIPプログラムをShopifyアプリとShopify Flowを連携させて構築。 ・貯まったポイントを限定景品と交換できる機能を実装し、アナログだった景品交換プロセスを完全にデジタル化。

―見積もりプロセスの完全デジタル化
顧客がECサイト上でカート内容から直接見積もりを依頼し、承認後にはオンラインでそのまま購入できるシステムを構築。見積書(PDF)も顧客自身でダウンロード可能に。

―商品管理・運用効率を上げるための機能実装
・Shopifyのメタオブジェクト機能を活用し、キャラクターによる商品説明などの情報更新を一元化・効率化。
・画像・動画の容量や形式の制限を緩和し、リッチな商品情報の登録を容易に。
・バンドルアプリを導入し、セット商品の在庫管理を自動化、正確な在庫管理と柔軟な販売を実現。
・電話注文が発生した際、従来はオンラインストアの導線・使い方を説明していたが、Shopifyの「下書き注文」機能を活用することで、電話注文の処理を効率化。
・PayPay決済を導入し、顧客の利便性向上と入金確認業務の負担を軽減。


成果:株式会社やおきん 小野様インタビュー
ECサイトリニューアルの経緯から、Shopify導入の決め手、そして導入後の具体的な効果や今後の展望について、プロジェクトを推進された株式会社やおきんの小野様にお話を伺いました。
―まず、2020年の最初のECサイトリニューアルについてお聞かせください。どのような経緯で、どのような成果がありましたか?
小野様:当時、ECサイトは内製で「三冠王」という名称で運営していたのですが、デザインが古く、正直なところお客様に「古い」という印象を与えかねない状態でした。 やおきんとしての公式感や信頼性を高めたいと考えていたタイミングで、株式会社これからの待木さんと出会い、リニューアルをお願いしました。待木さんの熱意と提案力は素晴らしく、「うまい棒ランキング」のようなコンテンツも提案いただき、これがお客様に非常に好評でした。結果として、デザインやUI/UXが大幅に改善され、お客様からも「見やすくなった」「買いやすくなった」と評価いただき、売上もリニューアル前の月商数百万円程度から、多い時で数千万円と約10倍にまで成長しました。コンバージョン率も3%を超えるなど、大きな成功体験となりました。
―大きな成果を上げられた中、今回のリニューアル前に直面していた課題について教えてください。
小野様:大きな課題は、旧システムのシステムがレスポンシブに標準対応していなかったことです。お客様の6~7割がスマホ利用という状況で、PCサイトとスマホサイトを別々に管理する手間は限界でしたし、お客様にもご不便をおかけしていました。次にあがった課題として、電話やメールでの見積もり対応です。学童保育様やイベント主催者様からの大量注文の見積もり依頼が多く、これを一件一件手作業で作成して送付するのに、本当に膨大な時間がかかっていました。EC担当は3名いますが、他の業務も兼任しており人手不足でしたから、この業務負荷は経営課題レベルでした。他にも、購入回数に応じた景品プレゼントもアナログな応募券方式で手間がかかっていましたし、旧システムの管理画面のUI変更や機能制限など、日々の運用面でのストレスも積み重なっていました。
―様々な課題があったのですね。Shopifyへの移行を決断された最大の理由は何だったのでしょうか?
小野様:決め手は「業務効率化」への期待です。当初は旧システムのままレスポンシブ対応のみを進める予定でしたが、これからさんと協議を進める中で、Shopifyへの移行を決断しました。特に、お客様自身が見積もり依頼から購入までECサイト上で完結でき、請求書や納品書もダウンロードできるという機能は衝撃的でした。「これで、あの膨大な見積もり作業から解放される!」と。月額コストは上がりますが、実務の手間がこれだけ減るなら、人件費削減効果も見込めるので、むしろプラスになると判断しましたし、何よりスピーディーに対応できることは顧客体験向上にも影響するだろうと考えました。管理画面の使いやすさや、アナログだった景品交換をデジタル化できるShopifyのポイント機能やアプリの存在も大きな魅力でした。
―初回のリニューアルだけでなく、今回のリニューアルも当社へご依頼いただいた理由はありますか?
小野様:初回のリニューアルで、売上が10倍になったという実績もありましたし、何よりシステムへの詳しさや熱意から、今回もこれからさんへ依頼することはほぼ決定していました。 当初はウェブサイトのレスポンシブ対応のみをお願いするつもりでしたが、これからさんに相談したところ、それだけでなく『見積業務の改善』や『景品交換のデジタル化』といった、より本質的な課題解決に繋がる提案をいただき、大変驚きました。結果として、これからさんに任せればうまくいくだろう、と考え今回のリニューアルもお願いすることになりました。
―実際にプロジェクトはどのように進みましたか?また、当社の対応はいかがでしたか?
小野様:これからさんは私たちの要望を本当に良く汲み取ってくれて、Shopifyの機能を最大限に活かした提案をしてくれました。例えば、私たちの「”某インク塗り陣地取りゲーム”みたいに楽しくカラフルでわくわくするデザイン」という要望に対して、トップページのうまい棒グラフが購入金額に応じて伸びるアニメーションや、スマホ版で「うまいケルくん」が動くといった遊び心満載の演出をShopifyの自由度の高いテーマカスタマイズで実現してくれました。駄菓子屋さんのように色々見ながらカートにどんどん入れていく買い方に合わせ、一覧ページからでもスムーズにカート追加できる機能もこだわった点です。 構築期間も非常にスピーディーで、要件定義後は約2週間で基本的なサイトが形になりました。苦労したのは基幹システムとのCSV連携部分の調整や、沖縄県への送料問題の整理でしたが、これらもこれからさんが粘り強く対応してくれました。
―リニューアル後、特にどのような成果を実感されていますか?
小野様:何よりも見積もり業務が劇的に楽になったことです!公開して1週間も経たないうちから新しい見積もり機能をご利用いただくお客様がいらっしゃって、本当に感動しました。以前は1件対応するのに相当な時間がかかっていましたが、今ではお客様側で完結できます。月20時間以上の業務時間削減は確実で、その時間を新商品の企画やお客様とのコミュニケーション施策など、より創造的な業務に充てられるようになったのが最大の成果です。また、PayPay決済を導入したことでお客様の利便性が向上し、銀行振込の入金確認の手間も減りました。セット商品の在庫管理もバンドルアプリで自動化され、正確な管理が可能になったので、今後の商品展開にも役立ちます。ゲスト購入を導入したことで購入のハードルが下がり、売上の微増にも繋がっていると感じます。
リニューアルの主な成果
- スマートフォンに完全対応した快適なUI/UXにより、顧客満足度が向上。
- 進化した会員プログラムとデジタル化された景品交換により、顧客ロイヤルティが向上。
- 見積もり業務の工数が月20時間以上削減され、コア業務へリソース集中が可能に。
- 商品管理、在庫管理、注文処理における手作業が大幅に削減され、運用業務全体の効率が飛躍的に向上。
- PayPay決済導入やゲスト購入の実現により、顧客の利便性が向上し、売上にも貢献。
展望:今後のECサイトの展望
―今後のECサイトの展望についてお聞かせください。
小野様:Shopifyで基盤が整ったので、やりたいことがたくさんあります。まず、セット販売がしやすくなったので、「駄菓子屋さん開業セット」や「季節のイベント用駄菓子詰め合わせ」のような、夢のある企画商品を展開していきたいです。減少している駄菓子屋さんをECを通じてサポートしたり、新たに駄菓子屋を始めたい方を応援するような取り組みもしたいですね。デジタルスタンプラリーのようなアナログとデジタルを融合させた企画も面白そうです。そして、越境ECにもチャレンジしたい。Shopifyはその点でも強みがありますから、日本の駄菓子の魅力を世界に広めていきたいです。そのためにも、商品の魅力的な見せ方や翻訳対応のメンテナンスはしっかりやっていきたいですね。
―最後に、ECサイト運営を担当されている他の企業の方へアドバイスをお願いします。
小野様:「自社の顧客が誰で、その顧客が何を求めているのか」を第一に考え、そのお客様がストレスなく、楽しく快適にお買い物ができるサイト作りを心掛けることが最も重要だと思います。見た目のかっこよさだけではなく、お客様目線のUI/UXを追求することが、結果的に成果に繋がると信じています。そして、信頼できるパートナーを見つけることも非常に大切ですね。
まとめ
どのユーザーに対しても「楽しく、使いやすいサイト」にしたい。そんな思いから始まったやおきん様のリニューアルプロジェクト。顧客を第一に考えたサイト設計が、目に見える購入率の向上だけでなく、これまで多くの時間を費やしていた見積作成業務などの大幅削減につながりました。その結果、お客様へのより良いサービス提供や、新たな価値創造といった本質的な業務に集中できる環境が整いました。 私たち株式会社これからは、目先のデザイン変更や機能追加に留まらず、お客様の事業そのものの成長と成功に貢献するECサイト構築を、揺るぎない使命としています。 ECサイト運営の未来図が描けない、自社のボトルネックが見えない。もしそのような課題をお持ちでしたら、ぜひ一度、私たちにお聞かせください。
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