越境ECで利用できる決済方法｜海外決済代行サービスのおすすめや選び方

越境ECを展開する際、各国の消費者がどのような決済方法を好むかを把握するのは容易ではありません。異なる文化や経済状況に対応するために、最適な決済方法を選ぶことが求められます。

しかし、どの決済方法が最も効果的か、迷われる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、そんな悩みを解消し、シンガポールやフィリピン、マレーシア、中国、韓国などの主要市場で最適な決済方法を選ぶための具体的な情報を提供します。これにより、顧客満足度を向上させ、売上の最大化を図るための道筋が明確になるでしょう。

越境ECとは？

越境ECとは、国境を越えて商品やサービスを販売する電子商取引のことを指します。日本国内だけでなく、海外の消費者を対象とすることで、より広範な市場にアプローチできるビジネスモデルです。

越境ECの仕組みは、基本的に国内ECと同様ですが、異なる点として、複数の言語や通貨に対応する必要があります。また、国ごとの規制や物流、税制にも対応する必要があるため、事前に十分な調査と準備が求められるでしょう。

越境ECのメリットは多岐にわたります。まず、国内市場が飽和状態でも、海外市場に進出することで新たな顧客を獲得できる点です。また、為替レートの変動を利用して利益を上げることも可能です。さらに、日本製品は品質が高いと評価されており、特にアジア諸国での需要が高まっています。

一方で、デメリットも存在します。例えば、言語の壁や文化の違いにより、顧客対応が難しくなることがあります。また、物流コストや関税などの追加コストが発生するため、価格設定に注意が必要です。これらの課題をクリアするためには、現地パートナーとの連携や専門知識を持つスタッフの配置が欠かせません。

越境EC決済サービスの選び方のポイントは4つ

越境ECを成功させるためには、適切な決済サービスの選定が不可欠です。以下に、選び方のポイントを4つ紹介します。

対象国に合った決済サービスを選ぶ

まず、対象国の消費者に広く利用されている決済サービスを選ぶことが重要です。例えば、中国ではAlipayやWeChat Payが主流です。これらのサービスは、中国国内でのキャッシュレス決済の普及に大きく影響しており、越境ECにおいても導入することで消費者の利便性が向上します。

また、アメリカではクレジットカードやPayPalの利用率が高いです。これらの決済手段を導入することで、現地の消費者が安心して購入できる環境を提供できます。各国のキャッシュレス普及状況を踏まえ、現地の消費者が使いやすい決済方法を選ぶことが、購入率の向上につながります。

自社商品に合った決済サービスを選ぶ

次に、自社の商品やサービスの特性に合った決済サービスを選ぶことも重要です。例えば、高額商品を扱う場合には、信頼性の高いクレジットカード決済が適しています。

クレジットカード決済は、消費者にとっても安心感があり、特に高額商品ではその信頼性が購入の決め手となることが多いです。一方、低額商品やデジタルコンテンツの場合は、簡便な電子マネーやデジタルウォレットが便利です。

これらの決済方法は、消費者が手軽に利用でき、購入のハードルを下げられます。消費者にとって使いやすく、自社にとっても運用が簡単な決済方法を選ぶことがポイントです。

運用コストを考える

決済サービスを選ぶ際には、その運用コストも重要な要素です。手数料が高い決済方法を選ぶと、利益率が低下する可能性があります。

例えば、クレジットカードの手数料は比較的高めですが、利用率が高いため導入の価値があります。逆に、手数料が低いが利用者が少ない決済方法を選ぶと、売上に影響を与えることもあるでしょう。コストと利用率のバランスを考慮して選ぶことが重要です。

また、初期導入費用や運用中の手数料、為替手数料など、総合的にコストを見積もり、最適な決済方法を選ぶことが欠かせません。

安全性を考慮する

最後に、安全性も決済サービス選びの重要なポイントです。顧客の個人情報や決済情報を守るために、信頼性の高い決済サービスを選ぶ必要があります。

例えば、PCI DSS（Payment Card Industry Data Security Standard）に準拠している決済サービスを選ぶと、安全性が確保されます。また、二段階認証や不正利用検知システムを導入しているサービスも選択肢に入れるべきです。これらのセキュリティ対策を講じることで、顧客の信頼を得ることができ、リピート購入にもつながります。

【国別】越境ECでおすすめの決済方法

ここでは、各国の越境ECにおける代表的な決済方法を紹介します。

シンガポール

シンガポールは高度に発展したキャッシュレス社会であり、多くの消費者がデジタル決済を利用しています。特にクレジットカードやモバイル決済が主流です。

政府のキャッシュレス推進政策や、インターネットインフラの整備もあって、オンライン決済の普及率が高まっています。

【代表的な決済方法】

• Visa/MasterCard
• PayPal
• GrabPay
• AliPay

フィリピン

フィリピンでは、現金取引が依然として一般的ですが、電子決済の利用も増加しています。特にモバイルウォレットの普及が顕著です。

地方部では現金が主流である一方、都市部ではデジタル決済の利用が急速に増えています。

【代表的な決済方法】

• GCash
• PayMaya
• 代金引換（COD）
• 銀行振込

マレーシア

マレーシアでは、クレジットカードとモバイルウォレットが広く使われています。特に、電子決済が都市部で盛んです。

政府のキャッシュレス推進政策や、便利なモバイル決済アプリの登場により、デジタル決済が急速に普及しています。

【代表的な決済方法】

• Visa/MasterCard:
• Touch ‘n Go eWallet:
• Boost
• FPX

中国

中国は世界でも有数のキャッシュレス社会であり、モバイル決済が圧倒的に普及しています。

政府の積極的なデジタル経済推進政策や、インフラの整備が進んでいるため、都市部だけでなく農村部でもデジタル決済が広がっています。

【代表的な決済方法】

• WeChat Pay
• AliPay
• UnionPay
• JD Pay

韓国

韓国では、クレジットカードとモバイル決済が主要な決済手段です。キャッシュレス化が進んでいます。

高度に発達したインターネットインフラと、政府の支援により、デジタル決済の普及が進んでいます。

【代表的な決済方法】

• Visa/MasterCard
• KakaoPay
• Naver Pay
• Samsung Pay

タイ

タイでもモバイル決済が急速に普及していますが、依然として現金取引も一般的です。

政府のキャッシュレス推進政策と、銀行やフィンテック企業の努力により、デジタル決済の利用が増えています。

【代表的な決済方法】

• Visa/MasterCard
• PromptPay
• TrueMoney
• Rabbit LINE Pay

台湾

台湾ではキャッシュレス化が進んでおり、特にモバイル決済の利用が拡大しています。政府の政策とフィンテック企業の成長により、デジタル決済の普及が加速しています。

都市部ではほとんどの店舗がモバイル決済に対応しており、地方でも利用が広がりつつあるのが特徴です。

【代表的な決済方法】

• Visa/MasterCard
• LINE Pay
• JKoPay
• 街口支付（JKoPay）

アメリカ

アメリカではクレジットカードの利用が圧倒的に多いですが、デジタルウォレットの利用も増加しています。特にモバイル決済の普及が進んでおり、消費者の利便性が向上しています。

クレジットカードの普及率が高く、多くの消費者が複数のカードを所有しているのが特徴です。

【代表的な決済方法】

• Visa/MasterCard
• PayPal
• Apple Pay
• Google Pay

まとめ

越境ECを成功させるためには、各国の文化や消費者の好みを理解し、最適な決済方法を提供することが重要です。シンガポールではVisaやMasterCard、フィリピンではGCashやPayMaya、マレーシアではTouch ‘n Go eWallet、中国ではWeChat PayとAliPay、韓国ではKakaoPayなどが代表的な決済手段です。

これらの情報を踏まえ、対象国ごとに最適な決済方法を導入することで、顧客満足度を高め、売上向上につなげられるでしょう。次のステップとして、自社のビジネスに最適な決済サービスを選び、実際に導入していくことが必要です。

※当社2024年1月実績