食品ECサイトの課題とは|成功事例・市場規模・売上高ランキングもご紹介
株式会社これからの取締役。 2004年、IT系上場企業に新卒入社。ECサイトのコンサルティング営業に従事。 その後、株式会社これからに創業メンバーとして参画し、取締役就任。 小規模ショップから東証1部上場企業まで、500社以上のECサイト戦略について支援。 自社EC売れるECサイトを作りたいならまず「レイアウト」から!サイト支援で業界トップクラスの実績を誇る。 年間100回以上のECセミナー登壇や大規模展示会での講演多数。 書籍「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」(技術評論社)の執筆も手がける。
近年、EC市場が全体が盛り上がりを見せており、食品EC業界の市場規模もどんどん伸びています。しかし、EC化率は全産業(物販系)のEC化率が9.13%に対し、4.16%※とまだまだ低い状態です。食品業界のEC化がなかなか進まない課題はなんでしょうか。今回は、食品EC業界に興味を持っている方向けに、食品ECサイトの市場規模を解説しつつ課題点にも触れていきたいと思います。
食品ECとは
食品ECとは、インターネット上で生鮮食品や加工品、食材、飲料品、酒類などを販売することを指します。ネット販売やネット通販などともいわれます。インターネット環境が整備されている場所であれば、いつでもどこでも商品を売買することができます。
食品ECの市場規模とEC化率
分類 | 2021年 | 2022年 | ||
市場規模 (億円) ※下段:前年比 |
EC化率 |
市場規模 (億円) ※下段:前年比 |
EC化率 |
|
食品・飲料・酒類 |
25,199 (14.10%増) |
3.77% |
27,505 (9.15%増) |
4.16% |
生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 |
24,584 (4.66%増) |
38.13% |
25,528 (3.84%増) |
42.01% |
書籍、映像・音楽ソフト |
17,518 (7.88%増) |
46.20% |
18,222 (4.02%増) |
52.16% |
化粧品、医薬品 |
8,552 (9.82%増) |
7.52% |
9,191 (7.48%増) |
8.24% |
生活雑貨、家具、インテリア |
22,752 (6.71%増) |
28.25% |
23,541 (3.47%増) |
29.59% |
衣類・服装雑貨等 |
24,279 (9.35%増) |
21.15% |
25,499 (5.02%増) |
21.56% |
自動車、自動二輪車、パーツ等
|
3,016 (8.33%増) |
3.86% |
3,183 (5.55%増) |
3.98% |
合計 |
132,865 (8.61%増) |
8.78% |
139,997 (5.37 %増) |
9.13% |
経済産業省によると、2022年時点での食品EC市場規模は、2兆7,505億円を記録しました。他の分類よりも前年比の伸びが大きく、EC化率は2021年3.77%だったのに対して2022年は4.16%に拡大しています。EC化率は伸びているものの、他分野と比べてまだまだ低いことがわかります。
※当社2023年10月実績
食品ECサイトの課題
食品ECサイトのEC化率が伸びにくい理由としては以下の課題が主にあげられます。
- スーパーやコンビニの利便性に勝てない
- 実際に手に取り確認して鮮度がいいものを購入したい
スーパーやコンビニの利便性に勝てない
上記の課題はスーパーやコンビニ(実店舗)の利便性にかなわない点だといえます。例えば、ECサイトで注文した場合、商品が届くまで数日かかることや配送料金がかかります。
実店舗の場合、休憩時間や帰宅時に寄ってすぐに商品を購入することができます。 実際に商品を手にとり鮮度の確認をすることができますし、配送時間や配送料は必要ありません。すぐに商品を手に入れたい場合は、実店舗の利便性にはかなわないことがわかります。実際に手に取り確認して鮮度がいいものを購入したい
食品の場合、鮮度を確認したいニーズがあるため、実際に商品の状態が確認できる実店舗の方がユーザーにとって利便性が高いと言えます。
食品ECサイトの場合、商品を直接見ることができないことや配送料がかかる、最短でも2時間は配送までに時間を有することは不便だと感じるため、食品ECの課題点となるでしょう。
食品ECサイトを成功させるには
食品ECの課題はありますが、成功に近づくにはどうしたらよいのでしょうか。 食品ECサイトの成功ポイントをご紹介します。
- 物流の整備が整っていて、配送時間が短く鮮度の高い商品を届けられること
- 定期購入対応するなどリピーター対策ができていること
- ECサイトへの集客対策をしていること
- ECサイトに信頼感や知名度があること
食品ECは実店舗にかなわない点がありますが、ECサイトにしかできないこともあります。 重くて持ち帰るのが大変な商品を配送してもらえることや、習慣的に購入する商品を定期購入にし実店舗に行かずに商品を手に入れることができます。
もちろん「今すぐほしい」には実店舗と違い対応することはできませんが、物流の整備が整っていればその日中に配送することができますし鮮度も高いです。
ECサイトへの集客対策や信頼、知名度は食品ECに限らずどのEC分野でも成功するには必須のポイントです。ECサイトにしかできない強みを活かしユーザーに付加価値を与えることができれば売上もついてくるでしょう。
食品ECサイトの売上高ランキング
コロナ禍による追い風により食品EC業界の規模は拡大傾向にあります。 食品業界の状況をさらに知るためにも、食品EC業界の中で大きな売上を出している企業をランキング形式でお伝えします。
順位 | 会社名 | 売上高(百万円) | 増減率(%) | 決算月 | 本社 | 主力商品 | 主力媒体 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | アマゾン(日本事業) | 60,000円 | ― | 12月 | 東京 | 総合 | ネット |
2位 | オイシックス・ラ・大地(Oisix) | 49,860円 | 39.0% | 3月 | 東京 | 総合 | ネット |
3位 | イトーヨーカ堂 | 35,734円 | ▲10.0% | 2月 | 東京 | 食品・日用品(amazon payの場合) | ネットスーパー |
4位 | 楽天グループ | 30,000円 | ― | 3月 | 東京 | 総合 | ネット |
5位 | ベルーナ | 26,614円 | 42.9% | 3月 | 埼玉 | 総合 | カタログ・新聞 |
1位は「アマゾンフレッシュ」を展開するアマゾンで売り上げは600億円(日琉ウェブ推定)。 2位はオイシックス・ラ・大地が展開する食品EC「Oisix」です。定期購入会員を順調に伸ばして前期比39%増(約140億円増)の498億円となりました。総合通販のベルーナは、21年3月期におけるワインや日本酒、弁当、おせちなどの合計売上高が266億1400万円となり上位にランクインしました。
食品ECサイトの成功事例
弊社の食品ECサイトの成功事例をご紹介いたします。是非ご覧ください。
ECサイトのレイアウト最適化と集客対策で過去最高の売上を達成
画像出典:株式会社とり祥
株式会社とり祥様は、ECサイトのレイアウトを最適化し、集客対策を実施したところ、売上の向上と新規顧客の開拓に成功しております。 ECサイトの立ち上げ時は、既存のお客様からの購入が中心で、売り上げは月に数万円程度でした。また、新規のお客様からのご注文は数件程度でした。
そこで、お客様が買い物しやすいサイトレイアウトになるようECサイトを改修しました。ECサイトを改修してから2か月後には、売り上げが以前に比べて4-5倍になり、過去最高の売上高を記録しました。
さらに、自動集客ツール「AdSIST」を導入し、集客対策をしたところ、新規顧客の開拓にも成功し、売上向上と新規顧客の開拓に寄与しました。
集客対策を実施しアクセス数を3倍に!
画像出典:株式会社酔心
株式会社酔心様は、ECサイトの集客対策を実施しアクセス数の増加に成功しています。 ECサイトの立ち上げ後に、自動集客ツール「AdSIST」を導入し、集客対策をしたところ、導入前に比べてアクセス数が3倍に増加しました。 ECサイトを成功させるには、集客対策は必須で実施しましょう。
まとめ
今回は、食品ECサイトの市場規模について解説しました! 食品ECサイトは実店舗と比べて利便性に欠ける点がありますが、ユーザーが買いやすくなるように徹底してECサイトを整えることで、売上も拡大してくことができるでしょう。これまでのEC全体の市場規模やEC化率の成長から、引き続き食品EC業界も拡大してくことが予想されます。 本記事を通して食品ECサイトを始めるきっかけになりますと幸いです。
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