ネットショップの売上を伸ばすのに必要な分析とは

自社ECサイトをこれから始める人であっても、すでに運営している人であっても、 実はわかっていないことが多い自社ECサイトの分析。 今回から数回に分け、このECサイトの分析の手法について解説していきます。
自社ECサイトの分析
自社ECサイトの立ち上げや売上を伸ばすには「現状分析」や「他社比較」などを行い、 自社のサイトはどういった特徴を持ち、どのような目的を持った人がどれだけの人数アクセスをしているかなど、 現状をより明確に知る必要があります。
例えば「自社にとって重要な顧客は?」を考えた際、 自社ECサイトがターゲットとする顧客はどういった物を好み、 他社と比べ何を気に入って自分の店を選び、 何回目の購入で定期購入に切り替えてくれる。 これらがデータが明確になっているのと、なっていないのでは対応しうる施策の幅が変わってきます。
また、自社ECサイトを訪れる人が、 どういう経路で、どのページを見て、どのページから離脱をしているか
というのが明確になっていることで、 広告を強化するのかアフェリエイトの見直しをするかなどの集客施策や、サイトのデザインのどこを変えていくかを決める基準になります。
現状を分析せずに改善を行うと つい主観的な思い込みや、 根拠の薄い改善施策から、 なんとなく修正を行い、 結果が付いてこないため、改善をやめてしまい、 結果として、自社ECサイトは売れないと判断をし、 惰性で続けるだけになってしまいます。
そうならないためにも、サイトの分析を行う必要があります。
定性×定量でサイト理解を深める
では、どのように分析をしていけばいいのでしょうか。
自社ECサイトの分析といえば、「アクセス数」や「購入率」のような数字の要素を最初に思い浮べる方が多くいると思います。 実際Webでの検索で出てくる記事や書店に並ぶ本も、これら数字分析の際に欠かせないツール「Googleアナリティクス」に関しての情報はたくさん出てきます。
定量分析は、これらの数字を使ってあらゆることを分析するので、経験や外部要因に左右されず分析できる手法です。 しかし、そういった数字面の分析だけでは不十分。
より細かな分析を行うには外的要因や消費者の行動分析などを体系化した「定性分析」から行う必要があります。 この定性分析の要素と定量分析の要素の2つの側面から、自社通販サイトの分析や、業種商材の理解、場合によっては通常業務の改善ポイントまで、様々な理解を深めていく必要があります。
定性分析について
ではそもそも定性分析とはどういう意味になるのでしょうか。 「定量」という言葉より、少しわかりにくいため、掘り下げてみましょう。
まず、三省堂 Web Dictionary(https://www.sanseido.biz/)によると、
定性分析は
「物質の成分を確かめる化学分析」
という意味の言葉だそうです。 しかし、ビジネスで使う際の意味合いで言えば、「数字では分析のできないデータや、行動方針を分析する際に利用する考え方」にという意味合いになります。この定性分析、自社ECサイトの世界で使う場合は 「お客様の行動分析」や「他社比較」などが当てはまります。
では、なぜこのような分析が必要かを紐解いてみましょう。
数字を使った定量分析だけではあくまでサイト内の数字から導き出される分析であり、 外部に起因する要因分析を考慮していません。
しかし、本来 「この商品をどんな目的で検討しているのか?」 「いつ使うことを検討しているのか?」 「なぜうちのお店ではなく他のお店のサービスを導入したのか?」 こういった、他社と比べたときに強みや、どういう風にお客様が行動しているかなど、 よりリアルなシチュエーション、ニーズ、その時々の気持ち こういったものを解析し体系化していくことも売上を伸ばすために必要な顧客理解に繋がります。
そのため、こういった機会でよく使われるSWOT分析やカスタマージャーニーマップなどのフレームワークに落としこみ、分析し、 数字面以外の課題を明確にすることで、購買予測に基づいたより深度の深い購買予測を立てることができ、より深い分析が可能となります。
それにはまず、顧客視点のマーケティングアプローチを行うために、定性分析が大切です。
定量分析について
定量分析は前述した通り、「アクセス数」などの数字を見る分析が必要になります。 具体的に見るべき数字は、売上を立てるための構成要素である
・アクセス数 ・購入率 ・客単価
の3つを構成する数字から、明確に考えていくべきです。
これらの数字が必要な理由は、PDCAのサイクルを回すためです。
データ分析を行うことで現状の結果についてしっかりと認識し、それがなぜ起こっているのか原因を追究します。 その原因に対する解決策を検討し、実際に実行に移すのです。 もし解決策を実行しても改善が見られなければ、再び原因を見直す必要があるでしょう。
例えば、購入率が低いサイトの場合、ユーザーの滞在時間が短い事例が多くあります。 実際Googleアナリティクスを使い分析をしたら、滞在時間が短いというレポートが出てきました。 改善策として、よく見られているページとそうでないページの閲覧数や遷移数も踏まえ、 なぜ離脱が多いのか仮説を立て解決に向けて改善をし、 改善後も結果を検証し、課題が解決できたかを確認します。 このサイクルをまわしていくために、客観的な数字の面から、どこができていないのかを明確にする必要があります。
まとめ
自社ECサイトの売上を伸ばしていくには、現状分析を行い、 色々な要素を客観的に見てから、自分たちには何が足りていないのかを明確にする必要があります。
しかし、ゴールはそこではありません。 あくまでゴールは分析をすることではなく、売上を上げること。
では、次の章ではその売上とは何かを解説いたします。
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