売上130%・新規会員205%増。リピーター頼りのECから脱却し、事業成長を再加速させたサイトリニューアルの裏側

「本当の安心・安全は私たちの手で目でつくりあげる。」という信念のもと、高知県四万十川の清流を活かした化粧品づくりを自社工場で一貫して行うアロインス製薬株式会社。 主力製品「アロインス オーデクリームS」は世代を超えて愛され、全国で広く展開されています。 20年以上の歴史を持つ同社のECサイトは、長年のファンに支えられる一方で、時代の変化と共に深刻な課題に直面していました。スマートフォンでの閲覧性が悪く、商品の魅力がお客様に伝わりにくい構造。サイト更新はPC・スマホでそれぞれHTMLを編集する必要があり、煩雑な作業がスピーディな施策実行の足かせとなっていました。そして何より、購入者のほとんどがリピーター様で、新規顧客を獲得できていない状況に事業の将来への強い危機感を抱いていました 。 この状況を打破すべく、株式会社これからをパートナーに迎えてECサイトリニューアルを実施しました。 その結果、サイトからの売上は前年比約130%増、新規会員登録者数は約205%増を達成。お客様からは「見やすくなった」「購入しやすい」という声が多数届き、電話でのサイト操作に関する問い合わせが半減するなど、業務効率も大幅に向上しました。リピーター頼りの旧来の構造からいかにして脱却し、事業成長を再加速させたのか、その改革の全貌に迫ります。

アロインス製薬株式会社
■所在地:〒558-0011 大阪府大阪市住吉区苅田3丁目6-8
■代表取締役社長:橋本 昭弘
■オンラインショップ: https://shop.aloins.co.jp/
得られた成果
- ECサイトからの売上が前年比約130%増
- 新規会員登録者数が前年比約205%増
- ブログ開設効果でサイトアクセス数が前年比約150%増
- 社内でのEC事業への関心が高まり、他部署との協力体制が強化
リニューアル前の課題
- スマートフォンでの閲覧性が悪い
- 非効率なサイト運用体制
- 目的の商品にたどり着けない検索性
- 新規顧客を獲得できないサイト構造
これからが行ったこと
- futureshopのコマースクリエイターへの移行
- 回遊性と購買意欲を高める機能導入
- 信頼を醸成するコンテンツ強化
- 新規顧客獲得の仕組みづくり
課題:成長の壁となっていた、スマートフォン未対応と新規顧客の不在

20年以上運営されてきたECサイトは、リピーターに支えられる一方、事業の将来を見据えた際に看過できない課題を抱えていました。
―スマートフォンでの閲覧性
サイトはスマートフォン利用者がほとんどを占める中、スマホ対応できておらず、顧客にとって利用しづらいサイトになっていました。
―非効率なサイト運用体制
サイトの更新はPC用とスマホ用にそれぞれHTMLを編集する必要があり、煩雑な作業が発生していました。セール一つ開催するにもコンテンツ制作に多大な手間がかかり、スピーディな施策実行の足かせとなっていました。
―目的の商品にたどり着けない検索性
商品ラインナップの検索性が悪く、初めて訪れた顧客が自分に合った商品を見つけにくい構造でした。
―新規顧客を獲得できないサイト構造
結果として購入者のほとんどがサイトを使い慣れたリピーター客のみとなり、新規顧客の獲得がほぼできていない状況でした。 当時のCVR(購入率)はリピーター客ばかりで異常に高かったものの、それは新しいお客様が増えていない証拠であり、事業の成長が見込めない状態だったのです。
施策:「売れるサイト」への変革。課題を解消し、成長を促すための戦略的アプローチ
自社での改善に限界を感じ、外部パートナーとの協業を決意。futureshopの「コマースクリエイター」への移行を視野に入れ、実績豊富なパートナーを探す中で出会ったのが「これから」でした。 課題に対し、「これから」は以下の施策を提案・実行しました。
―UI/UXの全面刷新とスマートフォン最適化
コマースクリエイターへの移行を機に、スマートフォンでの閲覧を前提としたデザインに刷新。カテゴリー構成を見直し、購入ボタンまでのステップを短縮するなど、誰もが直感的に操作できるUI/UXを実現しました。

【図1:カテゴリーページへの導線Before→After】
―回遊性と購買意欲を高める機能導入
お客様が商品を探しやすくするために、「お悩みで探す」という検索軸をビジュアルでわかりやすく表示。また、商品ごとに悩み別のタグ付けや保湿力のチャートを追加。さらに、レコメンド機能の実装により、お客様がサイト内を回遊し、新たな商品と出会うきっかけを創出しました。

【図2:購入導線のBefore→After】
―信頼を醸成するコンテンツ強化
お客様の購入を後押しするレビュー機能の強化に着手。外部のレビューツールを導入し、購入後にメールでレビュー投稿を促す仕組みを構築しました。その結果、それまでほぼゼロだったレビューが800件以上にまで増加しました。また、「商品づくりへのこだわり」ページを新設し、企業の想いや姿勢を伝えるブランディングにも注力しました。

【図3:レビューやこだわりページ】
―新規顧客獲得の仕組みづくり
最大の課題であった新規顧客の獲得に対しては、「新規会員登録で300ポイントプレゼント」という分かりやすいオファーを設計し、サイト上で常に告知。これがフックとなり、多くの新規顧客が会員登録を行うようになりました。
成果:お客様インタビュー・数字と社内に表れた、確かな変化
リニューアル後、EC事業は確かな手応えと共に大きな変化を遂げました。当時の課題やリニューアルの決め手、施策、その成果について、EC責任者の橋本様、システム責任者の水谷様にお話を伺いました。

【図4:EC事業の課題と成果】
―今回リニューアルを検討されるに至った背景や、当時の課題についてお聞かせいただけますか?
橋本様:リニューアルを検討し始めたのは2022年の秋頃です。一番の課題は、スマートフォンユーザーの増加に対応できていなかったことでした。個人的にスマホで自社のECサイトを見たときに、デザインが古く、見にくくて…。これではお客様に商品の魅力が伝わらないなと、強い危機感を抱いたのがきっかけです。
水谷様:当時のサイトは、更新作業も大変でした。PC用とスマホ用に、それぞれHTMLを直接打ち込んで更新する必要があったんです。セールを一つ開催するにも手間がかかり、スピーディな施策が打てない状況でした。
橋本様:サイトの構造にも問題がありました。商品を探しにくく、結果として購入者のほとんどが昔からのリピーター様になっていました。新規のお客様がほとんど増えていなかったんです。リピーター様がいてくださるおかげで、当時のCVR(購入率)は一見すると非常に高かったのですが、これは裏を返せば新しいお客様が入ってきていない証拠。このままでは事業の成長は見込めないと考えていました。

―まさに事業の転換点だったのですね。数ある制作会社の中から、弊社「これから」をパートナーとしてお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか?
水谷様:前の制作会社さんがなくなってしまったこともあり、新しいパートナーを探す必要がありました 。ちょうどfutureshopの「コマースクリエイター」への移行を考えていたので、その実績が豊富な制作会社さんを探していたところ、「これから」さんに出会いました。
橋本様:数社にお話を伺ったのですが、「これから」さんの提案は圧倒的に具体的でした。特に印象的だったのが、トップページの構成案を細かく作って提案してくれたことです。おかげで、リニューアル後のイメージが非常に湧きやすかったです。「単に綺麗なサイトを作る」のではなく、「どうすれば売上が上がるか」という視点で考えてくれていると感じました。最終的には、実績や提案内容といった総合力、そして何より「一緒に作り上げていく」という姿勢が最も強く感じられたのが決め手になりましたね。
―具体的には、どのような施策で課題解決に取り組んでいったのでしょうか?
橋本様:まずは、UI/UXの全面的な見直しです。スマートフォンでの見やすさを大前提に、カテゴリー構成を整理したり、購入ボタンまでのステップを短くしたりと、お客様が直感的に使えるサイトを目指しました。
水谷様:お客様が商品を選びやすくなるような工夫もたくさん提案していただきました。「お悩みで探す」という検索軸をビジュアルでわかりやすく、見やすくしたり、サイト内を回遊してもらうためのレコメンド機能を設置したり。特にレビュー機能の強化は大きな課題だったのですが、「これから」さんに紹介してもらった外部のレビューツールを導入したことで、今まではほとんどなかったレビューが今では800件を超えています。
橋本様: そうですね。レビューって、お客様が購入を決める上でとても重要な要素だと思うんです。そのレビューに対して1件1件確認し、返信をしています。ここは、お客様の安心感に繋がっていると思います。それから、更新作業が格段に楽になりました。コマースクリエイターの機能で、HTMLを直接編集せずに直感的にデザインを変更できる仕組みのおかげで、更新にかかる時間が半分くらいに減り、その分の時間でメルマガなど新しい施策に挑戦できるようになりました。

―リニューアルによって、どのような成果がありましたか?
橋本様:まず、数字として明確な成果が出ています。サイトリニューアル後、ECサイトからの売上は前年度比で約130%増、新規会員登録者数は約205%増、ブログ開設の効果もありサイトへのアクセス数は約150%増となりました。本格的な広告を打つ前から、ここまで成果が出たのは期待以上でしたね。
―数字以外の面で、何か変化はありましたか?
水谷様:はい、様々な面で良い変化がありました。まず、お客様から直接「サイトが見やすくなった」「購入しやすい」といったお声を多数いただけるようになりました。何より、以前は多かったサイトの操作方法に関する電話でのお問い合わせが半分近くまで減り、業務効率が格段に上がったのは大きな成果です。
橋本様:社内の意識も大きく変わりましたね。EC事業の成果が社内全体で共有されるようになり、デザイン部など他部署からの協力体制も強化されました。今では「ECだけの話じゃない」という雰囲気が生まれ、会社全体でECを盛り上げていこうという一体感が生まれています。

―今回のプロジェクトを振り返って、弊社(これから)の対応はいかがでしたか?
水谷様:非常に信頼できるパートナーだと感じています。常にスピーディで誠実な対応をしていただき、安心してお任せすることができました。サイト制作だけでなく、レビューツールや広告運用など、事業フェーズに応じた総合的な提案をいただけることが非常に心強いです。
橋本様:最終的な決め手は、実績や提案内容の総合力でしたが、他社と比較して「一緒に作り上げていく」という姿勢が最も強く感じられたことです。私たちの課題を的確に理解し、ターゲットに刺さるデザインと構成を提案してくれました。

展望:ファンづくりとLTVの最大化へ。EC事業の新たな挑戦

―今後のECサイトの展望についてお聞かせください。
橋本様・水谷様:今後は、EC限定商品の展開やコンテンツ強化を進め、お客様にファンになっていただき、LTV(顧客生涯価値)を最大化することを目指したいです。売上はもちろんですが、サイトを通じてお客様とのコミュニケーションを深め、もっとアロインスを好きになってもらうための活動に力を入れていきたいですね。 そのためにも、「これから」さんには、データ活用のサポートや広告運用の強化など、今後のフェーズに応じた継続的なご提案を期待しています。
まとめ:確かな戦略と伴走力で、EC事業の未来を拓く

「サイトのデザインが古く、スマホに対応できていない」「新規顧客が増えず、長年のリピーター頼りになっている」アロインス製薬様が抱えていたこれらの課題は、多くのEC事業者様にとって決して他人事ではありません。 今回の事例は、そうした課題に対し、単なるサイト制作に留まらない、事業の成長に「伴走」するパートナーシップがいかに大きな成果を生むかを示しています。 売上130%増、新規会員205%増という目覚ましい成果はもちろん、EC事業の成功が社内全体に共有され、他部署との協力体制が強固になったという組織的な変化こそ、この取り組みの真の価値と言えるでしょう。 ECサイトは、もはや単なる販売チャネルではありません。企業の想いを伝え、全国のお客様と直接つながり、新たなファンを育てるためのブランドの中核となる拠点なのです。 ECサイトを基点とした事業全体の成長についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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