まるでバーのような空間体験をECで。
「たまにわ酒店」がShopifyリニューアルで実現した購入率倍増の裏側

category :  お客様インタビュー

update :  2025/06/09(月)

staff :  りんりん

運送会社の事務所の一角をDIYで改装し、全国的に見ても有数の珍しいボトルを扱っている「ウイスキー専門店」として顧客との対話を何よりも大切にする「たまにわ酒店」様。
希少なボトルを量り売りで少量から試すことができる、というスタイルが魅力の一つとなっています。
そのこだわりの接客体験をECサイトでも実現すべく、当社とタッグを組んでShopifyサイトをリニューアルしました。

キャラクター「たま店長」と共に新たなファンを獲得し、購入率約2倍という成果を上げた浅野様の挑戦と、その背景にある想いに迫ります。

読者の皆様がいち早く課題解決の糸口を見つけられるよう、本記事ではまず課題と施策の概要をご紹介し、その後、具体的な取り組みについてインタビューをお届けします。

たまにわ酒店

たまにわ酒店
(株式会社エーアイエス
酒販事業部)

■所在地:〒444-1323 愛知県高浜市田戸町7-2-30 須磨ビル1F
■販売責任者:浅野 弘直
■オンラインショップ: https://tamaniwa-cellars.com/

たまにわ酒店様について

運送会社を母体とし、その酒販部として立ち上がったのが「たまにわ酒店」です。ウイスキーをメインに国内外の限定品や希少なボトルを豊富に取り揃えています。その希少なボトルを量り売りで少量から試せるスタイルは、まるで「飲めないバー」とも称され、顧客から愛されています。ECサイトでは、「顧客との対話を大事にするバーのような雰囲気」という魅力を全国へ発信し、特別な一本との出会いを多くの人に届けています。

得られた成果

  • ECサイトのブランド体験向上
  • 購入率が2倍に向上
  • カート追加率の上昇

リニューアル前の課題

  • 新規顧客への訴求力不足
  • UI/UXの最適化不足
  • 定番商品の販売力不足

これからが行ったこと

  • コンセプトに基づいたECサイトのリニューアル実施
  • UI/UXの改善
  • SNS連携機能の実装支援

課題:リニューアル前の課題

たまにわ様ECサイト

実店舗ではお客様一人ひとりとの対話を重視し、丁寧な提案を強みとしていた「たまにわ酒店」様。しかし、ECサイトにおいては以下のような課題を抱えていました。

―新規顧客へのアプローチとブランド体験の不足

ECサイトはカタログ的な役割に留まり、店舗での「お客様との対話を通じた提案」まるで「飲めないバー」とまで称される顧客体験を十分に提供できていませんでした。そのため、常連客以外の新しい顧客層への訴求力も課題でした。

―デザインとユーザビリティの改善余地

既存サイトは手探りで構築したため、デザイン面でお店の個性や「もっと気軽に楽しんでほしい」という想いを表現しきれておらず、ユーザビリティ面でも改善の余地がありました。

―定番商品の販売強化

希少な限定品に注目が集まりやすい一方で、日常的に楽しめる定番商品の魅力を伝え、販売を強化していく必要性を感じていました。

施策:課題解決のための主要施策

当社は、上記の背景と課題を踏まえ、「たまにわ酒店」様の独自性と顧客中心の姿勢をECサイトで最大限に表現するため、以下のポイントに注力してリニューアルを実施しました。

―「バーのような体験」を提供するコンセプトデザイン

実店舗の魅力である「お客様との対話」「居心地の良いバーのような雰囲気」をECサイトのデザインとUI/UXに落とし込みました。
親しみやすさと専門性を両立させ、ウイスキー初心者から愛好家まで、誰もが楽しめるサイト空間を目指しました。

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―ユーザビリティの最適化と回遊性向上

トップページのデザイン変更、ナビゲーションの改善、商品の情報整理などを行い、ユーザーが目的の商品を見つけやすく、かつ様々な商品に出会えるような導線設計を実施しました。

・新着・予約商品の露出強化:購入率の高い既存顧客が回遊しやすいよう、新着商品予約商品をトップページからひと目でわかる構成に。

・サイトのコンセプト:新規顧客が親しみやすいサイトを目指し、おすすめ商品や説明文に「ニャ」という猫らしい語尾を入れるなど、たま店長が運営しているバーというコンセプトを演出。

・遊び心のあるコンテンツの実装:サイト内に「ちょいわるトラ猫」が稀に出現し、クリックするとレア商品のページにアクセスできるといった遊び心のある仕掛けを導入し、リピーター顧客のサイト訪問の楽しみを創出。

・商品の状態を伝えるラベル表示:「新入荷」や「予約商品」、「残りわずか」といった情報を商品ごとにラベルで表示し、購入する際の重要な情報がひと目でわかるような仕組みに。

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―SNSとの連携

Shopifyのアプリを活用し、Instagramで投稿した内容をECサイト上に表示。更新頻度の高いSNSと連携することで、サイトの鮮度と信頼感を高めました。

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成果:たまにわ酒店 浅野様インタビュー

浅野さん

リニューアルプロジェクトを主導された、たまにわ酒店の浅野様に、事業への想いやECサイトリニューアルの経緯、プロジェクトのエピソードについて詳しくお伺いしました。

―まず、たまにわ酒店様の事業内容や大切にされている価値観について教えていただけますか?


浅野様:母体は株式会社エーアイエスという運送会社です。日本の素晴らしいウイスキーを海外へ輸出したいという思いがあり、令和元年より酒販部として立ち上がりました。

ECサイトは当初、海外への輸出を視野に入れ、越境ECができるShopifyで簡易的にサイトを立ち上げました。SNSで情報を発信し始めたら、「お店に行っていいですか?」という問い合わせが相次いで。元々は何もない運送会社の事務所だったので、自分で木材を買ってきて棚を作り、DIYで店舗スペースを作ったんです。日曜だけ営業する形でスタートしました。

大切にしていることは、お客様としっかりお話しして、その方の好みや気分に合わせた一本を提案すること。「興味があるけれどボトル1本は安くない…。」 「もし口に合わなかったらどうしよう…。」といった不安を取り除くため、量り売りを行っていることも魅力の一つです。
お客様からは、まるで「バーでお酒を選んでいるみたいだね」と言われる事があります。
ご提案した量り売りで気に入ったものを見つけて、後日ボトルを購入頂けたりすると、とても嬉しいですね。

この「よくお話を聞いて提案する」というスタイルをECサイトでも表現したいとずっと思っていました。

商品写真

―ECサイトリニューアルの経緯と、以前のサイトで感じていた具体的な課題を教えてください。


浅野様:一番は、サイトのコンセプトやデザイン面です。以前のサイトは手探りで作ったもので、営業先で見せるウェブカタログのような位置づけでした。
常連さんは、デザイン関係なく、新入荷商品を見てくださるんですが、それだけだと新しいお客様はなかなか増えません。

ウイスキーのサイトって、どうしてもカッコよくて重厚なデザインが多いんですが、それだと新規の方が入りにくい。「もっと自由に、若い方から女性、ウイスキーを全然知らないという方まで、買い物を楽しめるような、買いたくなるようなサイトにしたい」という想いが強かったです。

あと、うちは限定品だけでなく、日常的に楽しんでいただける定番商品も大事にしているので、そういった商品をもっとうまく訴求したいというのも課題でした。

―数ある制作会社の中で、当社を選んでいただけた理由は何だったのでしょうか?


浅野様:きっかけは、営業のお電話をいただいたことです。営業の方の話に説得力があり、普段ならあまり取り合わないんですが、話を聞いてみることにしました。

決め手としては、Shopifyの制作実績が多数あり安心感があったこと。もともとShopifyを使っていたので、ドメインを変えずにスムーズにリニューアルできるというのは非常に大きなメリットでした。

ちょうどスタッフを一人雇って、ECサイトの運営を強化しようと考えていたので、タイミングが良かったこともあります。具体的にECサイトのリニューアルについて話を聞いたのは、「これから」さんが初めてでした。

商品写真2

―ECサイト制作中の印象的なエピソードについてお聞かせください。


浅野様:最初は、ECサイト上で質問に答えていくとおすすめのウイスキーを提案する、みたいな機能も面白いかなと思ったんです。まさにお店でやっていることなので。でも、うちは限定品が多くて、人気商品はすぐに売り切れてしまう。散々質問に答えた結果、辿り着いた商品が売り切れだったらお客様をがっかりさせてしまうので、現実的ではないなと。

そこで、ウイスキー初心者の方にも楽しんでもらうためのコンセプトを作るには「もうキャラクターで押すしかない!」と考えました。それで生まれたのが「たま店長」です。
別の依頼先で見つけたキャラクターデザイナーさんに「こういうキャラで」とお願いして、イメージ通りの絶妙にかわいい猫の店長を作ってもらいました。

―実際のサイト構築は、どのように進んでいきましたか?


浅野様:「たま店長」ができてからは、これからさんがコンセプトをうまくくみ取ってくれ、デザインやサイトに組み込んでくれたので、トントン拍子でサイト構築が進みました。
特に、ディレクターの小池さんは、細かい修正や要望へのレスポンスが「超爆速」で、お願いしたら翌日にはサイトに反映されている、というスピード感でした。

サイト内に「先代のちょいわるトラ猫」という、うちの社長をイメージしたキャラがたまに出てきて、クリックするとレア商品のシークレットページにアクセスできる、という遊び心のある仕掛けも提案したら、次の日には見事に実装してくれていて。
あれは「これから」さんの良い仕事の一つとして印象に残っています。

作業風景

―リニューアル後の反響や具体的な成果について教えてください。


浅野様:サイトを公開してからまだ1ヶ月も経っていないのですが、数字にははっきり変化が出ています。特に購入率ですね。リニューアル前とリニューアル後で購入率が約2倍になりました。

セッション数(サイト訪問者数)がリニューアル前から約10%増えたことに対し、購入率が2倍というのは良い傾向だと思います。また、カートに商品を追加してくださる割合も17%上昇しました。

もともと限定品を買いに来るお客様が多いため購入率は高い方ではないのですが、サイトが見やすくなり、お客様がじっくり商品を選んで、「よし、買おう」と納得して購入してくださる流れができてきたのかなと感じています。

浅野さん2

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展望:今後のECサイトの展望

今後の展望

―今後のEC運営に関するご展望をお聞かせください。


浅野様:最初の想いに立ち返りますが、やはり「輸出をしたい」という気持ちは強くあります。日本のウイスキーは本当に素晴らしいものが多く、蒸溜所の方々とも直接お話しする中で、その品質や情熱に触れています。

この素晴らしい日本のウイスキーを、もっと世界中の人に知ってほしいですし、安心して買ってもらえるようにしたい。
そのために、このECサイトをベースにShopifyの越境EC機能を活用して、海外の個人のお客様にも直接お届けできるような展開を考えています。これは必ずやりたいですね。

国内では、ウイスキーに興味はあるけれど、まだなかなか手を出せないでいる若い方や初心者の方に、
「まずはうちで買ってみよう」 「たまにわ酒店で買ってよかった」と思ってもらえるような提案やサイト作りを続けていきたいです。
例えば、量り売りの初心者向けおすすめセットみたいなものも、もっと充実させていきたいですね。

―最後に、この記事を読んでいるEC事業者の方へメッセージをお願いします。


浅野様:ECサイトって、顔が見えないからこそ、お店の想いや個性をどう伝えるかが本当に大事だと思います。
うちは特にSNSからの流入が多いのですが、それは「中の人」の顔が見えるから買いやすい、というのがあると思うんです。

ECサイトも同じで、単に商品を並べるだけでなく、どういう想いでこの商品を扱っているのかどう楽しんでほしいのか、そういうストーリーを伝えることが、お客様との繋がりを生むのではないでしょうか。
難しく考えずに、自分たちが「これだ!」と思うことを、楽しみながら発信していくのが一番だと思います。

まとめ

まとめ

運送会社の事務所の一角から始まった「たまにわ酒店」様は、浅野様のウイスキーへの尽きない情熱と、お客様一人ひとりを大切にする温かい心遣いに満ちています。DIYで作り上げた実店舗の雰囲気、SNSでの親しみやすいコミュニケーション、そしてなにより、お客様との対話を大事にし、本当に合った1本を提案するスタイルは、顧客から「まるで飲めないバーだね」といわれるほどに愛されています。

今回のECサイトリニューアルは、そんな浅野様の「想い」と「こだわり」をデジタルの世界でいかに表現するか、という挑戦でした。
リニューアル後、着実に成果として表れている購入率の向上は、単にデザインがきれいになったから、というだけではありません。
サイトそのものが、これまでとは違う新しいお客様を惹きつける魅力的な『出会いの場』となり、お店のこだわりや楽しさが伝わることで、お客様との間に信頼関係のような温かいつながりが生まれ始めた、ということを意味しているのではないでしょうか。

当社は、たまにわ酒店様のように一人ひとりの顧客の声を大切にし、寄り添いたい、という思いをECを通じて最大限に発揮できるよう、これからも伴走してまいります。 ECサイトでのブランド・顧客体験を向上させたい、そのような課題をお持ちでしたら、ぜひ一度私たちにご相談ください。

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