コスト構造がブラックボックス化… 危機的状況から月間コスト70%削減と売上増を実現した老舗茶舗のECサイト改革

京都・宇治田原町にて創業100年になる株式会社尚美園製茶場様は、長年にわたり全国のファンに高品質な宇治茶を届けてきた老舗です。事業承継を機に代表取締役に就任された西出様は、会社の未来を見据え、ECサイトの抜本的な改革を決意されました。 高額な運用費、内製化不能なシステム、そして、お客様にとって使いづらいサイトデザイン。数々の課題を抱えた旧サイトは、リニューアルによって大きく変化を遂げました。 月々の運用コストは約70%削減され、EC売上は前年比増を達成しました。しかし、成果は数字だけではありません。アナログな受注管理から解放された業務効率の改善、そして何より、お客様が快適に買い物を楽しめるサイトへと生まれ変わったのです。 事業の転換期に、同社はどのようにして課題を乗り越え、EC事業の新たな一歩を踏み出されたのでしょうか。 本記事ではまず、リニューアルの要点である「得られた成果」「リニューアル前の課題」「これからが行ったこと」をダイジェストでご紹介します。その後、プロジェクトを推進された西出様のインタビューを通して、改革の全貌に迫ります。

株式会社尚美園製茶場
■所在地:〒610-0221 京都府綴喜郡宇治田原町湯屋谷西塔ヶ谷1-45
■代表取締役:西出三希子
■オンラインショップ: https://www.uji-cha.com/
得られた成果
- 月々の運用コスト約70%削減による、収益性の改善
- ポイントシステムの正常化による、顧客満足度の向上
- 受注管理の自動化による、月間数十時間の工数削減
- ECサイト全体の運用内製化と業務効率化
リニューアル前の課題
- ブラックボックス化した高額な運用コスト
- 非効率な手作業による、膨大な受注管理業務
- 内製化を妨げるシステムと、機能不全による顧客体験の低下
株式会社これからが行った施策
- 旧ECサイトからmakeshopへのシステム移行
- 顧客体験を向上させるためのUI/UX設計
- ポイントシステムの正常化と、魅力的な商品ページの実現
- 受注・顧客管理のシステム化による、運用業務の効率化
課題:事業承継を機に直面した、ECサイトの深刻な課題

事業承継を機に、100年の歴史を持つ尚美園製茶場様の代表に就任された西出様でしたが、EC事業においては早急に解決すべき多くの課題に直面されていました。
―ブラックボックス化した高額な運用コスト
サイトの更新費や保守費に加え、売上に対して手数料が個別に発生しており、コスト構造が不透明かつ高額な状態でした。更新や日常業務を行い続ける度に都度コストが発生する体制は、収益性を圧迫する大きな要因となっていました。
―運用内製化を妨げるシステムと、非効率な受注管理
社内では軽微な修正も行えず、サイト運用を外部へ依存していました。また、受注管理は注文メールを一件一件印刷して手動で確認・連絡を行うアナログな方式で、スタッフに膨大な手間と負担を強いていました。
―機能不全が招く、顧客体験の低下
お客様が自身の保有ポイントを確認・利用できないポイントシステムや、不具合の多いサイト内検索など、一般的なECサイトと比較し、使いづらいUI/UXになっていました。これによりお客様の買い物体験を損ね、機会損失に繋がっていました。
施策:課題解決とEC基盤の再構築に向けた主要施策
尚美園製茶場様が抱える深刻な課題を解決し、EC事業の基盤を根本から再構築するため、当社はmakeshopの機能を活用し、以下の主要な施策を実行しました。
―顧客体験を刷新するUI/UXの実現と機能実装
・デザインの刷新:テキスト中心のデザインを刷新し、お客様が視覚的に商品を選べるよう、画像クリエイティブを用いた魅力的な商品ページを構築しました。
・特集ページの実装:お中元やお歳暮ニーズに合わせて、HTMLの知識がない方でも簡単に特集ページを制作することができるテンプレートを実装しました。
・基本機能の正常化:これまで正常に機能していなかったサイト内検索や、お客様の声を可視化するレビュー機能など、ECサイトに不可欠な基本機能を新たに実装しました。

【図1:UI/UX実装イメージ】
―ポイントシステムの正常化
お客様から「使いづらい」と指摘されていたポイントシステムを刷新し、マイページでいつでも自身の保有ポイント数を確認できるようにしました。 貯まったポイントを決済時に1ポイント=1円として、お客様が任意の値引きに利用できる機能を実装し、ポイント制度の価値を向上させました。

【図2:ポイント利用フローのBefore・After】
―受注管理のシステム化による運用業務の効率化
注文メールを印刷して一件一件手作業で確認していたアナログな業務フローを廃止し、makeshopの管理画面上で全ての受注をステータスごとに一元管理できる体制を構築しました。 これまで手動で個別送信していた注文確定や発送完了の連絡を自動メール化し、受注関連業務の工数を大幅に削減しました。
成果:株式会社尚美園製茶場 西出様 インタビュー

ECサイトリニューアルの経緯から、パートナー選定の決め手、そして導入後の具体的な効果や今後の展望について、プロジェクトを推進された株式会社尚美園製茶場の西出様にお話を伺いました。
―まず、事業承継を機にECサイトをご覧になった際、どのような課題に直面されたかお聞かせください。
西出様:私が代表に就いたとき、社内にはECに詳しい人が誰もいませんでした。サイトは外部の制作会社に頼りきりで、まずそのデザインの古さが気になりましたが、問題はそれだけではなかったのです。 調査を進めると、売上に対して許容量以上コストが発生していることが分かりました。サイトの更新費とは別に保守費がかかり、さらにEC売上の一定を手数料として引かれていました。その上、カード決済手数料も別途発生する状態でした。コスト構造が完全にブラックボックス化していたのです。 他にも、お客様が自身のポイントを確認・利用できないポイントシステムや、正常に機能しないサイト内検索、注文メールを一件一件印刷して手動で管理する受注業務など、改善しなければいけない点がいくつもあり、会社の信頼と業務効率の両面で、課題が山積していました。

―様々な課題があったのですね。リプレイスを決意され、数ある制作会社の中から当社「これから」をお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか?
西出様:リプレイスを決意し、情報収集のために様々な企業のセミナーに参加しました。その中で、他社とは一線を画す存在だったのが「これから」さんでした。セミナーで「うちは日本で一番マニアックにECサイトを作る会社です」とおっしゃっていて。その独特な表現に驚きましたが、同時にECに対する並々ならぬ熱量と自信に惹かれ、一度話を聞いてみようと思いました。 実際の打ち合わせでも、他社のように不要なシステムを売ろうとすることは一切なく、私たちが抱える課題や要望を真摯に受け止め、「それなら、こういう形で実現できるかもしれません」と一緒に考えてくれる姿勢が印象的でした。IT導入補助金の申請を包括的にサポートしていただけたのも、非常に心強かったです。
―実際にプロジェクトはどのように進みましたか?特にこだわった点や、当社の対応はいかがでしたか?
西出様:プロジェクトで特にこだわったのは、お客様にとっての「見やすさ」と「使いやすさ」でした。以前のサイトは、例えば煎茶だけでも20種類あるのに、すべて文字情報だけで、写真も詳しい商品説明もありませんでした。初めて訪れたお客様は、値段でしか判断できなかったはずです。 これからさんの提案も受け、リニューアルサイトでは商品をカテゴリ分けし、それぞれに美しい写真と詳細な説明を追加しました。さらに、当社の試みとして、お茶ごとの「甘み・うまみ」「渋み」「香り」などを星の数で示すレーダーチャートを導入し、お客様が直感的に選べるようにしました。 最初に新しいサイトのデザインを見たときは、会社の皆で「すごい良くなったね」と喜びました。プロが作るデザインはやはり綺麗だなと感心しましたね。

―リニューアル後、特にどのような成果を実感されていますか?
西出様:何よりもコスト削減効果は大きかったです。以前は複雑にかかっていた運用費や手数料がなくなり、月々のコストは約70%も削減できました。これは本当に大きいですね。 日々の業務効率も改善されました。一番変わったのは受注管理です。以前は注文メールを印刷し、手作業でステータスを管理していましたが、今では管理画面上で全て完結します。出荷完了のお知らせも、以前は一件一件手動でメールを送っていましたが、その必要もなくなりました。この変化で生まれた時間の余裕は計り知れません。 もちろん売上も、繁忙期で比較して前年比増と、きちんと成果が出ています。

展望:今後のECサイトの展望

―最後に、今後のEC事業の展望についてお聞かせください。
西出様:ECサイトという強固な基盤が手に入ったので、今後はWeb広告なども活用し、リピーターのお客様だけでなく、新規のお客様にもっと当社のことを知っていただきたいと考えています。将来的には海外のお客様に向けた越境ECにもチャレンジできたら、という夢も持っています。 振り返ってみると、リプレイスによって得られた効果は本当に大きいものでした。リスクやマイナス面も含めて率直に話をしてくれる「これから」さんのようなパートナーがいたからこそ、安心してプロジェクトを進めることができたのだと思います。お願いしてよかったです。
まとめ

事業承継を機に直面した、ECサイトの危機的な状況。100年の歴史を持つ老舗の信頼を守り、お客様に誠実な購買体験を届けたい。そんな強い思いから、尚美園製茶場様のリニューアルプロジェクトは始まりました。 EC基盤そのものを再構築するという決断が、月々約70%のコスト削減や、これまで多くの時間を費やしていた受注管理業務の大幅な効率化に繋がりました。その結果、EC事業の収益性が改善されただけでなく、新たな顧客獲得施策といった、未来への成長に向けた本質的な業務に集中できる環境が整いました。 私たち株式会社これからは、目先のデザイン変更や機能追加に留まらず、お客様の事業そのものの成長と成功に貢献するECサイト構築を、揺るぎない使命としています。 自社ECサイトがブラックボックス化し、コストや運用に不安を抱えている 。何から手をつければ良いか分からない。もしそのような課題をお持ちでしたら、ぜひ一度、私たちにお聞かせください。
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