売上や効率化はあえて無視!? ラーメンの鬼・佐野実氏が創業した「支那そばや」の意外なEC戦略

category :  お客様の声

update :  2022/06/13(月)

staff :  kozue

ラーメンへの徹底したこだわりを生涯貫き、「ラーメンの鬼」とも呼ばれた佐野実さん。
1990年代後半からはメディアを席巻し、ラーメンブームの火付け役として活躍されました。
2014年に亡くなられた後、実さんの意思を受け継いだ妻のしおりさんは、「支那そばや」の暖簾をしっかりと守りながら、同時に新しい挑戦を続けています。誰もが知る有名店がECサイトをはじめた理由や、その裏に秘められた想いについて伺いました。

株式会社 サノフード様

■所在地:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町 4915-3 Paw print 1
■代表者:代表取締役 佐野 しおり
<ECサイト>
・おうちで支那そばや (これから社制作)
https://shinasobaya.shop-pro.jp/



 

時代を先取りし、仲間たちに愛された「ラーメンの鬼」の素顔

 

佐野実さんはまさに、ラーメン界の革命児!TVでの活躍も印象的でした。

ーー当時はラーメン屋の店内で、携帯で話したりタバコを吸ったり、そんな光景が当たり前の時代。
でも佐野は「ラーメンが伸びてしまうから、何分以内に食べろ!」なんて言うこともあったから、TVを見た人には、理不尽で変なオヤジだと思われていたかもしれません(笑)。


それだけ真剣だったということですよね。

ーー佐野の根底にあったのは、「命がけで作ったラーメンを、最高に美味しい状態で食べてもらいたい」という想いなんです。今の時代の変化を見ると、その気持ちがお客さんに伝わったのかなと思います。




佐野さんの情熱はお弟子さんにも受け継がれ、最近のイベントでも「佐野JAPAN」のメンバーが集結されたとか。

ーーはい、本当にありがたく思っています。 2022年に「東京ラーメンストリート」に出店した時も、佐野を慕ってくれる方たちがたくさん手伝いに来てくれました。こうした仲間の存在は、大きな支えになっています。
 

EC販売用の商品も、妥協せず徹底的にこだわって開発


有名店の「支那そばや」が、EC販売をはじめようと思った理由は?

ーーうちのラーメンは、本当に手間ひまが掛かります。
だからこれまでは店舗も増やさず、戸塚にある本店と、新横浜ラーメン博物館のみで営業してきました。
もともと食べられる場所が少ない上に、コロナがはじまってからは、店舗に来たくても来られないお客さんがいる。だったら、こちらから届けてあげたい、と思ったのがきっかけです。


EC販売用の商品は、どのように開発されましたか。

ーー「支那そばや」の味をそのままご家庭で味わっていただけるよう、本店で仕込んだ麺とスープを、冷凍でお届けすることにしました。




まさに本店の味そのものですね!

ーーはい。他社に外注して工場で大量生産するというやり方もありますし、実際、そうした会社からお声がかかったことも何度もあります。でも、それではクオリティが下がってしまうので、お断りしてきました。


効率化よりも味を優先する、その心意気がさすがです。

ーーなによりも、「支那そばや」を愛してくださるファンの方に、喜んでいただきたくて。
ラーメンはもちろん、包装や梱包にまで一つひとつ気を配り、作り方の説明書も丁寧に書いて同封しています。

ECサイトの制作から運営まで全部、“これから”さんにお任せ!

 

株式会社これからにECサイトの制作を頼んだ経緯は?

ーー最初は、ヤマトフィナンシャルさんのサービスを利用して、自分たちでECサイトを作り始めようとしましたが、同社のスタッフさんがとても親切な方で、「ECサイトを制作するなら、良い会社がありますよ」と紹介してもらったのが、これからさんでした。


最初の打合せの印象はいかがでしたか。

ーーこれからの営業さんが説明に来てくれて、信頼できると感じました。


制作でこだわったところは?

ーー「シンプルだけど目立つようにしたい」という希望と、「白と黒、差し色で赤」というカラーのイメージだけお伝えして、あとは全てこれからさんにお任せしました。




完成したECサイトを見た感想は?

ーー思った以上の出来栄えで、何も言うことがありませんでした!
「シンプル」って、実は一番難しいと思うんですが、私たちの想いが真っ直ぐ伝わるECサイトになったと思います。


運営はスムーズにできていますか?

ーー困ったことがあっても、電話をすれば、これからさんがすぐに対応してくださるので安心です。
先日も、経理上の書類を作るために必要なECサイトの売上の見方を教えていただきましたが、そうした細かい点までフォローしていただけるので助かっています。

実店舗とはひと味違う、
ECサイトならではの反響&コミュニケーション

 

ECサイトをオープンしてからの反響は?

ーーお店のSNSで告知をしたら、「支那そばや」のファンのお客様や、繋がりのある方たちがシェアしてくださって、想像以上の反響をいただきました。


そうすると注文もかなり多かったのでは。

ーーオープン当初は、1日数百件もの注文がきて驚きました。
これだと店一軒分の量になってしまうから、どうしようと困ったほどです(笑)。


お客さんが待ち望んでいた証拠ですね。その後の推移は?

ーー今は月の売上も安定して、コンスタントにご注文をいただいています。




実店舗とECサイトで、何か違いはありますか。

ーーECサイトでは、贈り物として選んでくださる方も多いようです。
注文のメールを見ながら、「これはご両親に送られるのかな?」なんて想像すると、なんだか嬉しくなりますね。


ECサイトは顔が見えないやり取りだと思いがちですが、そう考えると面白いですね。

ーー常連のファンの方には、手書きのメッセージをひと言添えたり、オリジナルグッズの佐野実シールをこっそり入れたりすることも。
そうやって、お客さんとの新しいコミュニケーションを楽しんでいます。


素敵な交流が生まれているんですね。

ーーはい。店舗に来るのが難しい遠方の方などから注文がくると、ECサイトをはじめて良かったと思います。
 

「数を売るんじゃない。味を売れ!」という言葉に秘められた夫との約束

 

今後の目標や展望は?

ーー現在は新横浜ラーメン博物館で、「浅草 來々軒」の復活プロジェクトに参加。
明治時代の味を再現し、店舗を運営するお手伝いをしています。いずれその契約が終わったら、スタッフが働く場所を確保するためにも、新しい展開を考えなくてはなりません。


具体的にはどんな展開でしょうか。

ーー東京の世田谷などのあたりに、新店を出したいと思っています。まだまだ先の話で、物件も見つかっていませんが、アンテナは常に張っています。


ECサイトの展開については?

ーー正直なところ、そんなに増やそうとは思っていません。
今以上の規模になると、仕込みの場所やスタッフを確保して、新しく体制を整えなければいけませんから。




有名店だけに、お客さんの潜在需要はまだまだありそうですが…。

ーー支那そばやのラーメンを食べたい、と言ってくださるお客さんのために、たくさん届けたい気持ちはあります。
でもやっぱり、しっかりとクオリティを保てる範囲で真摯に続けていきたいんです。


ラーメンの味も思いも、ブレない姿勢が素晴らしいです!

ーーそこは決してブレちゃいけないと、佐野に教わりましたからね。
味を変えずに継続していくのは本当に難しいことですが、佐野が生涯こだわり続けたラーメンの味を、できる限り守っていきたいと思います。




編集後記

目先の売上や効率化を追求するよりも、ただ純粋に、美味しいラーメンをお客さんに届けたい。ECサイトはそのためのツールであるというところに、有名店のたしかな矜恃を感じました。
そんなお話の途中、しおりさんが何気なく見せてくれたのは、思い出の場所で撮ったという実さんのお写真。
何年経っても変わらない夫婦の絆と同じように、「支那そばや」のラーメンの味も変わることなく、ずっと受け継がれていくことでしょう。


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