全ての在庫の商品力を見える化!在庫を利益に変えるクラウド「FULL KAITEN」
今回はフルカイテン株式会社の宇津木氏をゲストに迎え、在庫を利益に変える分析クラウドの 「FULL KAITEN」 についてインタビューをしました!
フルカイテン株式会社
取締役COO 宇津木 貴晴 氏
これまで一貫してBtoB向けSaaS企業に勤務し、セールス、マーケティング、事業戦略などに従事。2019年にフルカイテン入社後、ビジネス組織の立ち上げを行い、2020年9月より取締役就任。
「売上・粗利・在庫高を改善したい」というお悩みの声が多数
ー-御社サービスの導入を検討される事業者様からよく頂くお悩みなどはありますか。
事業者様が抱える大きな課題は、 「売上・粗利・在庫高を改善したい」 という点です。具体的には、
- プロパー消化率が低い
- 戦略的な値引きができておらず余計な値引きをし、粗利を失ってしまった
- 欠品による機会損失が起きていて、同時に在庫過多が起きている
- 適切な在庫移動ができない 等
上記のような点で悩まれている事業者様が多くいらっしゃいます。
上記のような課題が起きている理由は、「商品点数が多すぎてちゃんと分析できていないことが原因で、余計な値引きをしてしまったり値引きをしなくても売れる商品を値引いてしまったり」ということが起きているからです。その他、分析作業の業務負荷が高く属人化がしやすいという点も事業者様が共通で持たれている課題感です。
ー-商品分析はどのような方法が多いですか?
Excelでの分析が主流です。しかし、Excelを分析に使うには不便な点が多いです。 Excelは、商品数が多い(何十万点など)と重くて動きにくくなります。そのため、何十万点 も商品があるのにも関わらず、例えば1番売れている商品と1番売れていない商品など2、3割の商品分析結果しか見ることができないため、売れ筋商品のデータだけを見がちになってしまいます。その結果、売れ筋商品は適切に仕入れがされていますが、他商品は放置されてしまい結局「全体の在庫の一部からしか利益がとれていない」ということが起きてしまいます。
ー-Excelの場合、本当に見るべきデータが見れず、最適な施策の決定が難しくなるのでしょうか。
はい。大事なのはデータの全体をみることです。商品は「売れるか・売れないか」の2軸だけではなく、「売れるけど売れ残る」というあいまいな状態もあります。そこに、宝の山があります。しかし、Excelデータのように一部のデータしか見ないと、宝の山を見落としてしまうことになります。
ー-Excelで見えていないところのデータもFULL KAITENだとまとめて見ることができるのでしょうか。
はい。どれだけ商品があっても、ワンクリックで分析・集計ができます。 大事なのは「どう商品を消化していくか」に一番時間を使えるようにすることです。 しかし、現状は分析や集計に時間がかかっている事業者様が非常に多いです。
FULL KAITENは手間のかかる分析や集計を担うことができ、更に手を打つべき在庫を見える化することができます。そのため、一番時間を使うべきクリエイティブな所に力を入れられるようになります。以上のように、事業者様が一番時間を使うべきところに時間をかけられるようサポートできるところがFULL KAITENの付加価値です。
在庫を利益に変える在庫分析サービス「FULL KAITEN」
画像出典:FULL KAITEN
ー-御社のサービスについて教えてください。
FULL KAITENは、EC・店舗・倉庫の今ある手元の在庫をAIを用いて予測・分析し、商品力を見える化する分析サービスです。全ての在庫の商品を見える化することで、適切な施策を実行することができるようになるため、売上・粗利・キャッシュフローの向上をすることができます。
FULL KAITENを開発する前、代表の瀬川はベビー服の小売ECを経営しておりました。 小売り未経験者で立ち上げたということもあり、在庫起因で3回倒産をしかけました。 FULL KAITENは、在庫起因による倒産を乗り越える過程で生まれたシステムです。そのため、システム屋が作ったのではなく在庫の恐ろしさを知り尽くした瀬川を中心に、多くの小売経験者で作られた分析サービスです。
FULL KAITENは似たようなサービスがないというのも特徴的です。そのため、他社と比較されることはほぼなく、FULL KAITENを導入するかしないかの2択になります。
ー-それでは、競合として意識するところはないのでしょうか。
そうですね。競合として意識するところはないですが、最近は似たようなサービスがでてきました。
「競合がいない」と言うと羨ましがられることがありますが、実際はメリット・デメリットどちらもあります。理由は、競合がいないということは、市場がないので自分たちで啓蒙していかないといけないからです。自分たちで啓蒙していくにはとても大変なことですし、体力が必要です。 最近、似たようなサービスは出てきましたが、競合ができるというのは市場が出来つつあるということなので、競合がでてきたことに対してネガティブにとらえてはいません。むしろ、「もっと手元の在庫を粗利に変える流れを作っていけるのかな」と思っています。
ー-ちなみに、これまで御社のようなサービスがなかった背景は、例えばアパレル業界でいうとIT化が進んでいない現状があるからこそ、在庫を利益に(粗利)に変えていく在庫分析サービスが生まれなかったのでしょうか。
私たちも、「なぜFULL KAITENのようなサービスがないのだろう。」と不思議に思っていました。むしろ、大手企業だったら在庫分析を当たり前にやっていると思っていました。 そのためFULL KAITENをリリースした時、中小規模の事業者をターゲットにリリースをしました。
実際は大手企業様からの問い合わせの方が多く、話を聞いてみると「在庫分析のところが全然できていなかった。」というお話をいただくことが多かったです。
「なぜ、手元の在庫をしっかり分析することをしない企業様が多いのか。」ということが長らく不思議でした。あるとき、「これまでの小売業界の考え方は、『新店舗増やして、新商品を増やして成長していく。』という考え方で長らくやってきている。」とお話をいただく機会がありました。その状況下で、成功体験を積んだ方々が今の経営者になっています。 そのため、「これまでの考え方がずっとこびりついていて、手元の在庫からもっと売上・利益を上げようという考え方がそもそも小売業界にはない。」と言われて、これまでFULL KAITENのようなサービスが生まれなかったことを理解しました。
特に、コロナ前の小売業界ではこれまでの考え方が強かったです。コロナが始まってからは小売の需要が減ったので、在庫を効率的にお金に変えていかないと、小売業界は生き残れないという流れが広まりはじめました。そこで、我々へも問い合わせが増えてきて、徐々に「手元の在庫からもっと売上・利益を上げよう」という考え方が広まりました。
ー-すごいですね。企業の考え方を変えてしまうご提案というのは。
そうですね。しかし、簡単ではありません。 「手元の在庫からもっと売上・利益を上げよう」という考え方の啓蒙にはとても投資しました。具体的には、専門誌などのメディアにFULL KAITENの考え方を取り扱ってもらえるようなネタ提供・コンテンツ作成だったり、ウェビナーを本当にたくさん開催したり等。ベンチャー企業が新しい考え方を提唱しても周りの方々に聞き入れていただくことは難しいです。そのため、「著名な方と一緒にウェビナーをすることで経営者を振り向かせて、FULL KAITENの考え方をインプットしていく」ということをたくさん行いました。上記施策を通して、粗利経営といえば「瀬川(せがわ)※」や、在庫の解決と言えば「FULL KAITENまたは瀬川※」と認識されるよう戦略的に目指していきました。
※:フルカイテン株式会社 代表取締役
FULL KAITENの強みは「実績」と「サポート力」
ー-御社サービスの強みや特徴はどこでしょうか。
何よりも「実績がある」ところが圧倒的な強みになります。 FULL KAITENで在庫分析をする際に、企業のデータを吸い上げて分析します。 企業のデータを吸い上げることは技術的にとても大変なことで最も苦労する点です。 その点弊社は、支援実績が多く成果が出ていますしプロダクトも何度か作り替えて、その度に技術面もブラッシュアップしてきました。高速データ処理やAI精度などの技術的な優位性もあり、これらを担保した在庫分析ツールを提供できている競合他社はいません。
特徴は、ご契約いただいた企業様に専任のコンサルタントをアサインしている点です。弊社では、人的サービスにかなり力をいれています。そのため、毎週施策単位での事例がたくさん生まれています。施策単位の事例を他の企業様に「こうやってうまくいっていますよ」とお伝えできるのも非常に大きな価値だと思っています。
ー-入り込んで支援することは、クライアントさんにとってみるとすごく嬉しいことですよね。やはり、そこまでしないとクライアントさんの方でなかなか物事が進まないということがあるのでしょうか。例えば「使い方がわからない、どこから着手すればよいかわからない。データの見方がわからない」など、いろんな問題がはらんでいるから行っているのでしょうか。
おっしゃる通りです。
最初は人的支援は今ほど頻繁にはやっていませんでした。 ただFULL KAITENは、見たことも聞いたこともないツールですし、結構高額なツールです。かつ在庫問題は、経営課題に関わる問題なので経営者と話して導入が決まることが多いです。 経営者とだけ話して導入をすると、現場からすると「いきなりわけのわからないツールが導入された。しかも使い方がよくわからない。」ということが起き、結局使われずに解約されてしまうことが昔はありました。それを防ぐために導入時点で経営者が持っている経営課題と現場で起きている業務課題をヒアリングし、「現場で起きている業務課題をFULL KAITENでこう解決するから、結果として今の経営課題が解決できるんですよ。」と現場の人にも理解していただき、半年後にはFULL KAITENを活用して成果をだせるようになるために、業務定着から成果を出すところまでミーティングにてご支援しております。
在庫の質を4つに分類し隠れた売れ筋商品を見つけ出せる
画像出典:FULL KAITEN
ー-FULL KAITENにはいろんな機能があると思いますが、実際に使われているお客様から一番好評をいただいている機能はありますか。
基本機能にある「クオリティ分析」は好評をいただいております。
クオリティ分析は、「この先どうなりそうか?」という予測に基づいて在庫の質 を可視化できる機能です。在庫は売れるか売れないかの2軸だけでなく、売れるけど売れ残ってしまうというあいまいな状態もあります。あいまいな部分に宝の山があります。
実際、多くの事業者様は宝の山に気が付かず、「どんどん在庫を詰みまわして売上を上げていくけど、結局在庫過多になって利益が圧迫する」という悪循環になっています。
FULL KAITENの分析機能を使うと、全在庫の状態(商品リスク)を4つに分類することができます。4つの分類は以下の通りです。
- Best
- Good
- Better※
- Bad
※プロパー消化率UPや値引き抑制、キャッシュサイクル改善に大きな貢献をする隠れた売れ筋商品(=宝の山)
この4つの分類から、売れるけど売れ残ってしまうような在庫群というのが誰でも簡単に分かるようになります。そこを、いち早く見つけて対策します。例えばアパレルの場合、シーズン中に露出を強めて消化を進めていく等。余計な値引きをしないで消化を進められる商品が見つかります。そこを一番ご活用いただいております。
4つの分類の中で、Betterが宝の山です。ここに気が付かない方が多いです。 Bestという一番良い位置に分類されていたものがBetterに落ちてくることは非常によく発生します。
新商品がでると新商品の販促に注力するので、少し前まで売れ筋だった商品の販促が手薄になると在庫リスクが発生しBestにいたものがBetterに落ちてきます。しかし、Betterに落ちてきたことにすぐ気が付くと、もう一度露出を増やしたり情報発信をしたりすると定価で売ることができます。
これに気が付かないで放置をすると、どんどん商品力がおちて旬が過ぎていくので、今度はBadという一番悪い状態になります。Badになると大きく値引きをしないと消化できないことや、値引きをしても消化ができないようになります。実は、その状態になってはじめて気が付く方が多いです。その結果、手遅れになり在庫過多になります。
私たちは、様々な企業様を支援していますが、期末に在庫を残さないように出来ている事業者様は、在庫をしっかりモニタリングしてリアルタイムで手を打っています。放置してしまうと期末にBad商品がたくさん増え、残ってしまった商品は、期末に大きく値引いてセールをするか、翌年にキャリーするしかないです。これらの商品の中は、在庫の質を期中でしっかりモニタリングできていれば抑制できるものもたくさんあります。
FULL KAITENの活用で消化率・欠品率が大幅に改善
ー-御社サービスを導入されているお客様の改善事例を教えてください。
FULL KAITEN全在庫の質が可視化できるようになった
ー-御社のサービスを導入後お客様からどういったお声(評価)をいただいておりますか。
これまでいただいたお声の中で以下が非常に印象的でした。
「これまで売れない在庫というのは、倉庫の奥に眠っていてあまり見ないものとして蓋をしているイメージがありました。FULL KAITENで全在庫の質が可視化できるようになったので、冷蔵庫にある食材を見るような感覚になりました。『~と~を組み合わせたら売れそうだ』など、簡単に分かるようになったので在庫分析が楽しくなった。」というお声をいただきました。
各機能を進化させてマルチプロダクト化を目指す
ー-今後の展望は
FULL KAITENには6つの機能がございます。現在は、この6つの機能をあわせて「FULL KAITEN」という1つのプロダクトを提供しておりますが、来年はマルチプロダクト化を行う予定です。6つの機能を更に進化させ、単体でも大きな成果が出せるようなプロダクトにしていきたいと考えています。
ー-最後に、御社サービスの導入を検討している事業者様にメッセージをお願いいたします。
今後縮小する市場下において、粗利を意識することは非常に重要なことです。
粗利を上げるというと、「原価を下げれば良いのでは」と皆さん考えがちです。 原価をさげるには、「大量に発注をしてロットを増やし、原価を下げる」ことをします。 これは半分正解で半分間違いです。確かに原価を下げれば粗利は増えますが、余力以上の仕入れをすると結局売れ残ります。そうすると、値引きをたくさんすることになります。値引きをしても売れなかったものは評価減として戻ってきてしまうので、結局粗利は圧迫します。
粗利は原価だけではなく、値引き、評価損、商品原価で成り立っています。そのため、粗利を意識するには「自分たちの販売力に応じた商品を仕入れる。それを極力値引きせずに消化する。そして残在庫を抑制して評価減を少なくする。」これが一番です。そうすることで、粗利が増えるので特別なお買い物体験を提供するところに投資ができますし、商品力を上げるために商品投資もできます。それから、販売スタッフの教育や売場への投資も可能になります。
上記を実現するためには粗利がないと実現できません。ですので、投資するべきところに投資できるよう、粗利経営(※)を意識していくべきだと思います。私たちは、粗利経営をしていくためのお手伝いができますので、是非ご活用いただけますと幸いです。
※粗利経営:従来のように売上を重視するのではなく、粗利を重視したビジネスモデル 参考:代表取締役・瀬川が語る「アパレル業界の縮小する国内市場で勝ち抜く粗利経営」
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