越境ECとは|市場規模や立ち上げ方法など越境ECを始める前に知っておきたいことを解説!
国境を越えてオンラインショップを行う「越境EC」が日本でも盛んになってきています。 市場の盛り上がりから越境ECへの参入を考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は、越境ECの市場動向や立ち上げ方など、越境ECを始める際に知っておきたい知識をまとめて紹介します!
越境ECとは
国境を越えてオンラインショップを運営することを「越境EC」と言います。わかりやすく言うと、インターネットを通して日本国内から海外へ向けて商品を販売することです。主な出店方法は2通りあります。
- ・国内EC 同様、自社EC サイトを作成する
- ・各国のEC モールに出店する
越境ECの市場規模
世界のEC市場規模でトップなのが中国です。日本は現在世界4位で中国とは約16倍の差があります。越境ECに挑戦する場合、日本以上に規模の大きい市場で勝負することが可能になります。
※旅行やイベントのチケット、料金支払い関連、税金、送金、フードサービス、ギャンブル等。また中国は香港を含んだ数字ではない。
出典:経済産業省
EC市場規模の大きい中国と米国の越境EC市場規模を日本と見比べてみましょう。
出典:経済産業省
2020年の日本の越境EC市場規模は3,416億円でした。対前年比は7.6%です。米国の市場規模も1兆7,108億円で対前年比9.9%と伸びています。中でも中国の成長が著しく市場規模は4兆2,617億円で対前年比16.3%の成長をしています。中国や米国に比べると日本の越境EC市場はまだまだ小さいことがわかります。しかし、中国、米国の消費者による日本の越境ECから購入している金額が、年間計2兆9226億円分ということもあり、日本の越境ECはポテンシャルがあると言えます。
今後の越境EC市場は2026年には 4 兆 8,200 億 US ドルにまで拡大すると予測されています。 年平均成長率は約 30%であり、世界の BtoC-EC 市場規模の拡大を上回るペースで越境 EC の市場規模は拡大すると見られています。
出典:経済産業省
今後の拡大予測については、以下の観点から上昇が見込まれます。
- 【消費者目線】
- ・越境ECの認知度の向上
- ・自国にないアイテムの購買欲求
- ・自国にはない安価で信頼性の高いアイテムの購買欲求
- 【事業者目線】
- ・消費者ターゲットの積極的な拡大
- ・物流レベルの向上により海外発送が容易になった
以上のことから、越境EC市場は今後も飛躍的に成長することが見込まれています。
越境EC|人気プラットフォームの比較
越境EC に出店する場合は国内EC 同様、自社EC サイトを作成するか、各国のEC モールに出店するかの2パターンが王道です。 自社ECサイトとモールの人気プラットフォームを以下表にまとめました。是非、プラットフォームを決める際の参考にしてください。
まずは、自社ECサイトの比較表です。
自社 越境ECプラットフォーム | 自社 越境ECプラットフォーム | 自社 越境ECプラットフォーム | |
---|---|---|---|
サービス名 | Shopify | Live Commerce | Magento |
ECシステムの種類 | ASP型 | ASP型 | オープンソース型 |
流通総額 | 約12兆円 | 200億円以上 | 約17兆円 |
出店数 | 250万店以上 | 1000店以上 | 25万店以上 |
初期費用 | 0円 | 34,769円 | 0円 |
月額費用 | $29~ (プランによる) | 1,650円~ | 0円 (無料版)外注する場合の構築費用は300-500万円が多い |
決済手数料 | 3.25~4.15% | 3.6-5.0% | 3.6% |
主な特徴 | ・全世界NO.1の利用数・100種類の決済サービス・50以上の言語に対応 ・SNS連携に対応している | ・ストアデザインの自由度が高い・ISO9001認証ソフトウェアのため安全性が高い | ・多機能・カスタマイズできる幅が広い |
自社の越境ECサイトでは「Shopify」「Magento」「マルチリンガルカート」の3つが人気のカートです。
次にECモールの比較を見ていきましょう。
モール 越境ECプラットフォーム | モール 越境ECプラットフォーム | モール 越境ECプラットフォーム | モール 越境ECプラットフォーム | |
---|---|---|---|---|
サービス名 | Tmall Global | JD Worldwide | Amazon | eBay |
流通総額 | 約97.4兆円 | 15兆円以上 | 52兆円以上 | 10兆円以上 |
月間 アクティブユーザー数 | 8億人以上 | 5億人以上 | 未公表(会員数は2億人以上) | 1.7億人以上 |
初期費用(保証金) | 50,000~300,000人民元 | 10,000~40,000ドル | なし | なし |
運営費 | 30,000人民元または60,000人民元(年間) | 1,000ドル(年間) | 0-4900円(月額) | 0〜2,999.95ドル(月額) |
販売手数料 | 0.5%〜5% | 0.5%~6% | 8%~15% | 0 (200品まで無料) |
決済手数料 | 不明 | 不明 | 3.9%(amazon payの場合) | 0.4%~1.35% |
主な特徴 | ・中国最大規模の越境 EC プラットフォーム ・日本商品の人気が高い ・利用ユーザーは中間所得層が多い | ・独自の物流ネットワークによる配送スピードの速さ。 ・ デジタル製品・家電に強み。 | ・出品数の制限なし ・すぐに始められる ・米国ECシェア規模最大 | ・参入障壁が低い ・世界30ヶ国に拠点を持つ ・低価格帯の商品に合う |
海外で最もEC 市場の大きい国は中国です。もし中国に出店するのであれば、アリババが運営する中国用の越境EC モール「Tmall Global」や「JD Worldwide」に出店することをおすすめします。アリババ全体で、2019 年の売上は5 兆6,000 億円を超えています。中国では自社EC サイトの立ち上げのハードルが高く、集客対策が難しいため、モールが人気になるのです。そして、アメリカに出店するならAmazon.comやeBayがオススメです。
越境ECの立ち上げ方法と注意点
越境ECの立ち上げで発生する主なフローは以下です。
- 1,販売先・ニーズを決める
- 2,法律や規制、関税の確認
- 3,出店方法を決める
- 4,配送方法を決める
- 5,決済方法を決める
1,販売先・販売商品を決める
まず初めに、販売先を決めましょう。国によって活用できるプラットフォームが異なるからです。例えば、中国の場合「Tmall Global」や「JD Worldwide」アメリカの場合は「Amazon」や「eBay」が有名です。 そして、進出先のトレンドやニーズを把握した上でどのような商品を売るのかを決めましょう。
2,法律や規制の確認
越境ECは販売先によって法律や規制が異なります。例えば、中国に向けてEC事業を行う場合、EC事業を始める際に必要な許可書である「ICPライセンス」が必要になります。未取得の場合、ECサイトの閉鎖や罰金などの処罰が科せられるので注意しましょう。その他、国によって出品できないもの、かかる関税率も異なります。そのため各国の市場状況を分析し、臨機応変に対応することが大切です。
3,出店方法を決める
越境EC に出店する場合は国内EC 同様、自社EC サイトを作成するか、各国のEC モールに出店するかの2パターンが王道です。例えば、中国は世界で最もEC市場が大きい国のため、自社ECサイト立ち上げのハードルが高く、集客対策が難しいです。そのため、モール出店が人気です。進出先の市場状況を考慮して出店方法を決めることが大切です。
4,配送方法を決める
配送方法も国によって異なります。例えば、中国の場合主な配送方法が2種類あります。
- ・EMSなどの国際物流(直送モデル)
- ・船便など一般的な国際物流(保税区モデル)
このうち保税区モデルは、注文後、中国国内から出荷するため納期が短く済みます。そのため、直送モデルよりも利用が進んでいます。アメリカは、EMSの他に「ヤマトの国際宅急便、FedEx、UPS、DHL…等」を利用することができます。進出国の主流な配送方法を調べ、自社のECビジネスモデルにあった配送方法を選びましょう。
5,決済方法を決める
決済方法の種類は多くありますが、特に利用者が多い支払い方法は以下です。
- ・クレジットカード
- ・デビットカード
- ・第三者支払いサービス(PaypalやWeChat Pay、Alipayなど)
決済方法の種類を充実させることは、ECサイトの売上を伸ばすために押さえておくべき基本的なポイントです。進出先の主要な決済方法をよく調べて多様な支払い方法に対応させましょう。
立ち上げの注意点
立ち上げの際に特に注意したい点は以下です。
- ・販売する商品のニーズが販売先の国に合っているか
- ・販売先の法律や規制の確認がしっかりできているか
まず、販売する商品のニーズが市場になければ売れません。国によって販売できる商品やそうでないものがあることや、ECサイト立ち上げの際に証明書が必要など、他にも法律や規制がたくさんあります。トラブルを起こさないためにも事前に調査しておくことが大切です。
よくあるご質問
Q1.越境ecの決済は何がありますか。主流どころなど
A.越境ECの決済方法は、「クレジットカード、デビットカード、第三者支払いサービス、電子マネー、ネットバンキング、代金引換」と多岐にわたります。そのため、越境ECの対象国に合わせて最適な決済方法を取り入れることが重要です。
Q2.越境ECは個人でもできますか。
A.はい。個人でもできます。立ち上げ方法については、本記事の「越境ECの立ち上げ方法と注意点」を参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、越境EC市場から立ち上げ方法までご紹介しました。越境ECを始めることは、中国や米国など日本よりもスケールの大きい市場で勝負することができます。その分成功したら大きな利益を生み出すことができるでしょう。越境ECを始めようか悩んでいる方は是非トライして見てください。
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