D2C事業とは|計画・立ち上げ・マーケティングやメリットデメリットを解説

category :  EC売上UP

update :  2022/10/28(金)

staff :  yamada

D2C事業に参入するには、市場の現状・求められるマーケティング・顧客のニーズや要望を把握して施策に活かすことが重要です。

D2Cの事業を立ち上げる自体は、決して難しいことではありませんが、望み通りの成果を出すには、商品を製造するメーカーという枠組みを超えた視点・取り組みが必要となっているからです。

D2Cに参入する企業が増えている背景には、化粧品・アパレルでスタートアップによる成功事例が注目されているだけではなく、EC市場の拡大もあります。

D2Cが自社にとってビジネスチャンスか、特徴・メリット・デメリット・重要なポイントなどを解説します。

D2C事業とは

D2C事業とは、中間の卸業者を通さず、自社ECサイトで直接販売して、消費者へ商品が届けられるモデルのことです。

主な特徴は下記です。

  • 自社が製造から販売まで一気通貫で担う
  • マーケティング・ブランドを重要視する
  • デジタルを活用する

中間の業者を介さず、消費者に直接商品を届けることの利点は複数あります。

  • 顧客とのコミュニケーションを通じてサービスの改善に素早く取り組める
  • 顧客との信頼関係を築きやすいのでリピーターとなることを期待できる。

これらを支える仕組みがデジタル化です。

データを蓄積・分析し施策実行までをスピーディーに行うことできるので、マーケティングの成果にプラスとなります。

D2Cが注目される背景には、消費者の価値観の変化です。

「ブランド・商品に共感できるもの」「自分に合うものを選びたい」「新し体験したい」と思っている消費者が増えています。

スマホの普及・SNSの浸透から、消費者の購入動機・行動の変化が起きているからです。

D2Cではこだわりをもった商品を、SNS・Webサイトを通じて消費者へ自社商品のイメージを伝え、購入後のアフターサービスにも力を入れます。

企業が製造からカスタマーサポートまでの工程を一気通貫で取り組むことで、顧客体験の向上を図ることができるため、ファンが生まれやすくなるからです。

EC市場で占める割合が高いAmazon・楽天などのECモールは、集客しやすいメリットがある反面、販売手数料の支払い・価格競争・マーケティングの制約があります。

しかし、自社 EC ではブランドの世界観を保ったまま訴求が可能であり、消費者と直接的なつながりを持つことで、顧客ニーズ・根拠に基づいたマーケティングが可能です。

ちなみにD2Cが盛んな業種は、アパレル・食品・化粧品のメーカーです。

D2C事業の市場規模

D2C事業の市場規模出典・参考:日本ネット経済新聞

「デジタルD2C」の市場調査では、2025年には3兆円に達する見込みです。

今後も中長期的に高い成長を継続し、からD2C市場の成長を加速させることが予想されています。

BtoCにおけるEC市場規模で大手ECモールが占める比率は、2021 年の上位 3 社で約 7 割と推定されており、モールの存在感は圧倒的に大きいです。

メーカーが自社 EC サイトで直販する DtoC が成長する伸びしろはまだまだあります。

 

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D2C事業へ参入するメリット

D2C事業へ参入するメリットは以下です。

  • ECの市場規模が伸び続けている
  • 仲介業者への費用が発生しない
  • 商品への想いやブランドを伝えることができる
  • 商品・サービスの改善がしやすい
  • マーケティングの自由度が高い

ECの市場規模が伸び続けている

D2C市場規模だけが拡大しているわけではなく、EC市場全体の同様の傾向です。

2021年における3分野合計(物販、サービス分野、デジタル分野)の国内BtoC-EC市場規は、20兆6,950 億円です。

対前年比で 11兆 4,171 億円の増加しました。

ECの市場規模が伸び続けている※出典:2022年8月の電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

市場規模は、前年19.3兆円・前々年19.4兆円です。前年比7.35%増と年々拡大しています。

物販系のECは13兆2,865円で、2020年の12兆2,333億円から8.61%伸長しており、今後の成長も期待できます。

仲介業者への費用が発生しない

仲介業者の中間マージンが発生しません。

自社 EC サイトを通じて消費者に直接販売するからです。

中間マージンが発生しない分、商品開発やサービス改善に投資することができます。

結果的に顧客満足につながるので、売上を伸ばしやすくなる環境となります。

商品への想いやブランドを伝えることができる

D2Cでは、売り方・商品の見せ方を自分たちでプロデュースができるので、ブランドのメッセージを伝えやすいです。

カスタマーサポート・商品の同梱物など顧客との接点は色々とあります。

消費者の心をつかみリピーターとなってもらうために、商品への想いやブランドを伝えることは欠かせません。

商品・サービスの改善がしやすい

顧客と直接コミュニケーションを取ることができるので、顧客からの感想・意見を商品・サービスの改善に活かしやすくなります。

例えば、定期購入の解約理由にありがちな「商品使い切れない」などの意見を踏まえて、使い方の具体例を提示したり、量を調整して使いやすくします。

双方向のコミュニケーションを図っていくことでファン化につながります。

客単価が見込めることのみならず、口コミによる顧客の新規開拓にも波及効果が期待できます。

マーケティングの自由度が高い

製品の製造から販売までを自社で一気通貫で行える分、マーケティング施策の自由度の高さとスピーディーな実行が可能です。

例えば、トレンドに合わせて自社ECサイトでキャンペーンの実施、商品の世界観に合ったターゲット・メディアを絞った広告を配信することができます。

卸・小売を経由する流通では、マーケティングに一定の制約を受けるケースがほとんどです

D2Cはマーケティングの戦略・戦術を思いのまま実行にできるのが強みと言えるでしょう。

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D2C事業のデメリット

D2C事業へ参入するデメリットは以下です。

  • ECサイト構築・運営にリソースがかかる
  • 集客のコスト・ノウハウが必要
  • 黒字化するまで時間がかかる

ECサイト構築・運営にリソースがかかる

ECサイトの構築・運営にリソースが発生しますが、特に費用と人材面です。

近年は、低コストでECサイトを構築・運営ができるECプラットフォームも増えていますが、運営する人材は欠かせません。

例えば、サイトの更新・受注処理する担当を中心に、規模が多くになるつれページを作成するデザイナー・コーダーを採用することも必要です。

カスタマーサポート・在庫管理など業務はアウトソーシングすることが多く、サイトの月額料金以外にも固定費は発生します。

ある程度の規模感になってくると、自社のみでマーケティングを完結することが難しくなるので、外注を活用しながら運用するのが良いでしょう。

集客のコスト・ノウハウが必要

ECサイトの集客にはコスト・ノウハウが必要不可欠です。

基本的にECサイトは集客施策を継続的に行わないと、ほとんど訪問者がいないからです。

例えば、Instagramを中心としてSNSから集客することは、世界観を重視するD2Cとの相性が特に良いですが、Instagramにもアルゴリズムがあるので、効率的な集客にはノウハウが必要です。

数多くのECサイトが抱える課題が集客ですが、その理由はECサイトの売上の公式は以下だからです。

売上=アクセス数×購入率×平均客単価

事前にどのような方法で集客するのかを計画を立てましょう。

黒字化するまで時間がかかる

安定的な売上に達するまでに時間がかかるのは、事業の立ち上げ時は自社の商品やブランドの認知度が低いこと、集客・商品ページのクリエイティブの最適化に時間を要するためです。

特に定期購入(サブスクリプション)の場合は、会員数が積み上がること、利益が増えていくモデルです。

商品・原価・販売方法などの条件にもよりますが、黒字化するまで1年かかることも珍しくありません。

予め中長期的な視点で計画を立てる必要があります。

D2Cに向いている商材

D2Cで主流となっている商材は、アパレル・化粧品・健康食品が中心です。

季節性やトレンド性に影響消費される・繰り返し購入されるもの・お悩み商材が適しています。

メリットは以下です。

  • トレンドの影響によって売上が大きく変わる
  • 繰り返し購入されるものは定期購入と相性が良い
  • 頭髪・体型などのお悩みは常に需要があり解決したいニーズが強い
  • 軽量な商品は配送・在庫管理のコストが比較的安い

アパレルではニッチなセグメントで展開するD2Cブランドも多いです。

例えば、マタニティウェア専門の「CHOCOA」・小柄な女性に向けたファッションの「COHINA」は、年商で数億円規模まで売上を伸ばしています。

化粧品・健康食品は、定期購入(サブスクリプション)と相性が良いです。

商品は30日間で使い切りで、2回目以降も自動で届く仕組みになっているため、継続的なリピート購入が期待できるからです。

例えば有名なブランドでは「BULK HOMME」・「BASEFOOD」・「北の快適工房」などです。

向かないのは、在庫や配送のコストが高くなる生鮮食品や安価でどこでも販売されている日用品が最たる例ですが、これはD2CにかぎらずEC全体の課題です。

そもそもですが、市場のリサーチを行い、ジャンル・ターゲットなどのセグメントを決めてどのポジショニングを狙うのかを定めましょう。

ニッチな市場で成長しているD2Cブランドは多くあります。

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D2C事業を立ち上げるまでの流れ

D2C事業の立ち上げるまでの流れは大きく5つです。

  1. 事業のビション・ブランドの世界観を言語化する
  2. 商品を開発する
  3. ビジネスモデルを策定する
  4. マーケティングの計画を立てる。
  5. ECサイトを構築する

ビジョンやブランドの世界観が重要な理由は、事業の戦略に関わるからです。

顧客にどんな価値を提供することを約束するのか、どんな体験をしたもらいたいのか?を定めることによって商品・サービスの方向性が決まります。

顧客満足を通じてリピーターになってもらうことは、中長期的な事業の成長に欠かせません。

D2Cで注目されているブランド「VALX」・「北の快適工房」も商品開発に徹底したこだわりを持っています。

ビジネスモデル策定ではどのようにして利益を生み出すか、競争力の優位性を導き出します。

「利益をどうやって伸ばすか」「販売チャネルは自社ECサイトだけか?」などを検討し、事業の組み立て方や差別化を検証します

マーケティングの計画では商品・ブランド・ターゲットを軸にしたプロモーションの立案やKGI・KPIを設定します。

D2CにおけるECサイトの構築は、ASP型のショッピングカートを利用することがほどんどです。例えば、ecforce・リピスト・サブスクストアなどです。最近はShopifyも増えつつあります。

合わせて受注からカスタマーサポートまでのオペレーションを検討することをオススメします。

D2Cで売り上げを伸ばす施策

売上を伸ばす代表的な施策は以下です。

  1. SNSや広告を活用して集客する
  2. 施策・クリエイティブの効果検証をする
  3. リピーターを増やす

集客方法でSNS・広告のどちらを注力するかは、商品・ブランド次第です。

特にアパレル・化粧品はInstagramの活用が重要です。ターゲット層が多くいるメディアで、ブランドの世界観を大事にする商品との相性がいいからです。

施策の効果検証は当然ですが、バナー・ランディングページのクリエイティブも非常に重要です。

特に広告配信を行っている事業者で成果を伸ばしている要因は、クリエイティブの重要性を認識し、度重なる検証を行っているからです。

リピーターを増やす目的は、効率的に売上・利益を伸ばすためです。

基本的に利益は新規顧客ではなく、既存顧客から生まれるからです。

1:5の法則では、新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストがかかるといいいますが、D2Cではそれ以上のコストがかかることも珍しくありません。

既存顧客からの利益を増やすために、リピーターを増やし客単価を伸ばすことはD2C事業者の最重要課題の1つです。

ある程度の会員数が増えてタイミングで、CRMのツールも導入して顧客の購入データを管理することをオススメします。

また、顧客からの商品の感想や意見のフィードバックしてもらい、サービスの改善を続けることも新規顧客・リピーターを増やすためにも重要です。

理想のマーケティングは、広告宣伝をしなくても顧客自ら購入したくなる仕組みを作ることですが、ほとんどは様々な取り組みを重ねていき事業の基盤を強固にしていきます。

 

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※当社2022年8月実績

国内のD2Cの成功事例

国内の成功事例として、アパレル・食品・化粧品の各ジャンルから紹介します。

Factelier(ファクトリエ)

ファクトリエは、日本製の高品質な商品を適正価格で提供するメイドインジャパンの工場直結型のブランドです。

ビジョンが「日本の工場(ファクトリー)から世界一流ブランドを作る」。

「作り手の想いを伝える」服で、日本の縫製工場を元気にしたいとの思いから、国内の指定工場で製造された質の高い製品を展開しています。

その品質やデザインに魅了されたファンは著名な経営者やアスリートにもいるほどです。

通常、アパレルの原価率は15~20%程度といわれていますが、ファクトリエの原価率は50~60%です。

2012年にブランドを立ち上げから、あえて広告宣伝費をほとんど使わない独自のプロモーションを展開。約4年で売上10億円まで成長しています。

今後も、さらなる成長が見込まれるブランドです。

参考:GEMBA

BASE FOOD

BASE FOODは、1食で1日に必要な栄養素の1/3がとれる完全栄養食のブランドです。

ミッションは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」、商品コンセプトは「かんたん・おいしい・からだにいい」です。

2017年に完全栄養食のパイオニアとして、完全栄養パスタ「BASE PASTA」から販売開始。

販売チャネルは、自社EC・ECプラットフォームから始まり、現在では全国各地で卸販売もしています。

収益構造の大半は定期購入で、2022年8月での定期会員数は13万7620人、顧客継続率は93.2%。

BASE FOODのマーケティングの特徴は、「お客様の声を中心にしたマーケティング」を実行していることです。

定期購入にありがちな「商品の飽き」を防ぐためです。

現在は、完全栄養パン「BASE BREAD」・完全栄養クッキー「BASE Cookies」とラインナップを増やし、様々なニーズに応えています。

2022年2月に、総額20億円の資金調達を実施、同年11月には東京証券取引所グロース市場へ株式を新規上場します。 

FUJIMI(フジミ)

FUJIMI は、ユーザー1人1人の肌に合わせたサプリメントやフェイスマスクをサブスクリプションで提供するブランドです。

パーソナライズしたサプリメントは、無料の美容診断サイトによる20問ほどの設問を通して回答者の肌の状態を分析。

その結果をもとに一人ひとりの肌の悩みに合わせたサプリメントを提供します。

2019年3月に販売を開始し、すでに約50万人が肌診断を体験。

トリコの2020年3月期の売上高は1億7300万円、2021年3月期の売上高は13億5000万円の着地見込みまで成長。

ここまで伸びた理由は、広告の成果です。

当初はSNSでインフルエンサーやInstagramの広告を活用していたのを、広告媒体の広げてTwitter・YouTubeなどでも広告を実施。

結果、新規のユーザー数が増加しました。

さらなる成長をするために、2021年3月には、ポーラ・オルビスホールディングスの子会社となりました。

まとめ

D2Cは市場規模も大きさ・伸び率から、国内で定着した販売形態となっています。

今後もネットショッピング・SNSを日々利用する世代が増えて、D2C事業へ参入する企業も増加していくでしょう。

既存の流通を生かした販売モデルとは異なり、商品開発・販売・配送まで行う一連の仕組みを作り、顧客と直接繋がることは新たなビジネスチャンスです。

一方で、顧客ニーズ・競合に対応するために事業者側の負担も大きくなっているのが実情です。

売上を伸ばし、効率的な運営にどう取り組むのか、実績が豊富なEC支援事業者に相談してみることをオススメします。

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※2022年7月18日現在

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