ECサイト運営の業務・管理内容とは?|必要なスキルや運用方法の基礎知識を解説
経済産業省の調査によると、2019年にEC市場規模は10兆円を超え、ネットショップの開設も今後ますます増加すると予測されます。ECサイトを成功に導くには、しっかりとした管理に基づく運営が必要です。
この記事では、ECサイト運営に必要なスキルや基礎知識をご紹介します。ぜひ開設前にじっくりと計画を練り、収益の上がるショップを目指してください。
ECサイトの運営の基本的な流れとは
ECサイトのECとは「Electronic Commerce」の頭文字を取ったもので、「Eコマース」や「電子商取引」と呼ばれることもあります。ECサイトはインターネットを介して物品やサービスを販売するサイトのことで、PCやスマートフォンが浸透したことで急速に市場が成長しています。
ECサイトの運営には、大きく分けて「フロント」と「バックエンド」の業務があります。
【フロント業務】
- ・商品企画
- ・ECサイトの作成
- ・仕入れ
- ・プロモーション
【バックエンド業務】
- ・受注
- ・在庫管理
- ・出荷梱包
- ・配送
- ・アフターサービス
サイト訪問者が購入に至るまでのマーケティング部分が「フロント業務」、購入後のアフターフォローが「バックエンド業務」になります。それぞれの業務内容を次項で解説していきます。
フロント業務とは
「フロント業務」とは、お客様にサイトを訪問していただき、購入に導くための業務です。仕事の内容としては、商品企画、ウェブサイトのデザインや作成、商品の仕入れ、プロモーション(集客)などがあります。
フロント業務は売上に直結するため、立ち上げの段階では特に力を入れたい部分です。いくら商品が魅力的でも、消費者の目に留まらなければ収益にはつながりません。
そのため、他では買えない独自商品を企画したり、購入金額に応じた特典をつけるなど他サイトとの差別化を図る必要があります。また、商品に興味を持つ層をマーケティングし、それらの層が利用するサイトに広告を出すなど、効果的なアピールをすることも重要です。フロント業務は集客につながる戦略を練り、収益を生み出す大事な役割と言えます。
バックエンド業務とは
フロント業務で獲得したお客様を、リピーターとして囲い込むのが「バックエンド業務」です。一時的に集客が成功しても、リピーターのいないネットショップは短命で終わってしまいます。また、商品が欠品したり配送に手落ちがあれば、ショップの評価にも悪影響が出ます。
そうならないためには、顧客の満足度を高めて「次もまたこのショップで買おう」と思ってもらうことが大切です。例えば、在庫の補充や速やかな発送、手厚いアフターフォローや問い合わせに対する丁寧な対応など、バックエンド業務をきちんと行うことで、長く安定した売上が得られます。
さらには、リピーターの口コミ評価が高まることで、新規の集客につながるメリットも。バックエンド業務は、ショップが成長していくためには不可欠な業務と言えます。
ECショップ運営の業務内容・管理内容
「フロント業務」と「バックヤード業務」の内訳を、ひとつずつ解説します。運営、集客、商品管理など、慣れないうちはやることが多くて大変かもしれませんが、どれも大切なECサイトの要素です。ショップ開設にあたっては、スムーズに業務がはかどるよう、フローを整理しながら進めていきましょう。
商品企画
「商品企画」は、何を売るのか、どのようなラインナップにするのか、ショップのコンセプトを決定する大切なステップです。数多くのショップの中から選ばれるためには、「売れる商品」を企画することが重要となります。
そのためには、まず十分なマーケティングを行い、ターゲット層を分析することが基本です。その上で商品構成に季節感、トレンドなどを盛り込んでいきます。さらに、コストや利益率などビジネスプランをシミュレーションすることで、無駄のない商品企画ができあがります。
ポイントとしては、あまり欲張らないことです。商品数や顧客層を広げ過ぎると、訴求ポイントがぼやけてしまうので、最初は在庫管理の面からも、絞り込んだ商品企画で明確なコンセプトを打ち出しましょう。
ECサイトの作成・更新
商品企画が決定したら、ECサイトの作成をします。まずは頭の中で商品イメージやターゲット層を明確化し、それをデザインに落とし込んでいきます。商品を手に取れる実店舗と違って、ECサイトはモニターから得られる情報が全てです。そのため、サイト設計は滞在時間や直帰率に大きく関わってきます。
具体的には、見やすいサイトであることが最重要です。特に写真はビジュアルに訴える力が大きいので、魅力的に演出する工夫が必要です。また、商品の機能をイラストで説明したり、目を引く見出しを入れるのも効果があります。なお、ECサイトは小まめに改善と更新を行い、情報を新鮮に保つことも売上を伸ばす必須条件です。
仕入れ
商品企画で立案した販売計画に沿って、取引先からの買い付けやオリジナル商品の製造を行い、販売するための在庫を準備するのが「仕入れ」です。まとまった資金が必要になる業務なので、数量を確認しながら慎重に進めてください。
外部から仕入れる場合、可能であれば複数の仕入れ先を確保しておくと、品不足が起こった際にも在庫切れを防げます。また、仕入れた商品の保管場所、商品番号の振り分けや検品など、仕入れに関連する業務は非常にたくさんあります。新商品をいち早く販売したい場合は、大都市で行われる展示会にも足を運んでみるといいでしょう。
プロモーション
「プロモーション」は宣伝および、集客のための様々な手段を意味します。ECサイトは実店舗とシステムが違うため、集客もインターネットに応じたアイデアが必要になります。ECサイトの集客に有効な方法をリストにしてみました。
- web広告を出す
リスティング広告、アドネットワーク広告、SNS広告、動画広告などがあり、細かいターゲティングやデータ分析が可能ですが、広告費用が発生します。
- SEO対策
検索結果が上位に表示されるとサイトの信用や訪問数が上がりますが、キーワード設定やカテゴリの最適化など、SEOの専門知識と時間、根気が必要とされます。
- メディアやSNSの運用
Twitterやインスタグラム、Facebookなどに公式アカウントを作成するのも一手です。ただし適するSNSの判断が難しく、最低でも毎日更新する手間がかかります。
ECサイトのプロモーションを効率的に行うには、専門のツールが便利です。「AdSIST」はサイト管理者に代わってSNSや検索エンジンへ最適な広告を出稿し、自動で集客してくれるお役立ちツールです。
受注
「受注」は、ECサイトで購入された商品の品番や数量などの情報を、倉庫や製造工場に通知し、出荷の指示を行う業務です。ECサイトはお客様との接点が希薄になりやすいため、注文確定や入金確認などのメールで丁寧に感謝を伝え、良いイメージを与える努力が必要です。ショップによっては手書きのお礼状を商品に同梱することもあります。
また、受注部門は問い合わせやクレームを兼任することが多く、対応内容がショップの口コミ評価に影響するため、マニュアルなどを作っておくといいでしょう。近年では受注業務を外注できる専門業者が増え、少人数で管理をしているショップには重宝されています。
在庫管理
「在庫管理」は、ショップの売上に合わせて在庫を最適に保つ業務です。売れた分だけ補充するのではなく、不良在庫になりそうな商品を見極めて対策を提案するなど、在庫の全体図を見渡して管理する能力が求められます。
在庫管理は入荷した商品の検品や、仕入れ先との交渉など、在庫に関する様々な業務が発生します。このとき、重要になるのが受注部門との連携です。品薄になりやすい売れ筋商品を把握し、常に過不足がないよう、発注のタイミングを見計らうのも仕入れの大切な部分です。お客様からは見えない業務ですが、ECサイトの安定した運営には、在庫管理のスキルが大きく影響してくると言えるでしょう。
出荷梱包
「出荷梱包」は、商品をお客様に届ける最後の仕上げ業務です。ショップによって細かい作業は異なりますが、注文品のピックアップ、梱包、送り状の貼付などが大枠の流れとなります。
出荷梱包はお客様の手元に届く荷物を整える業務なので、細かい確認作業が必要です。商品内容や送り先などが間違っていないか、配送中に傷つかないよう丁寧に梱包されているか、複数人・複数回の徹底した確認作業を行います。また、販促用の印刷物や新商品のサンプルなど、プロモーションにともなう同梱物が発生することもあるため、最後までチェックを怠らないことが肝心です。出荷梱包がルーズなECサイトは、口コミで評価が下がりやすいので注意しましょう。
配送
「配送」には、配送業者に荷物を委託する窓口業務と、配送料などの交渉業務があります。窓口業務は、荷物の個数や荷姿、送り状などを最終確認し、データ入力して確実に到着するまでを管理します。また、返品の処理や宛先不明、配送中の破損などの対応も担当します。
交渉業務は、配送料金やお届け先までの日数などを業者と交渉する仕事です。荷物のサイズや地域に合わせて業者を使い分けることで、コスト削減できることもよくあります。ECサイトでは「配送料が安い」「お届けが早い」ことは、お客様にとって大きな選択のポイントとなるため、配送の担当者は常に時流に合わせた見直しをすることが求められます。
アフターサービス
商品購入後のお客様のご要望に対応したり、リピーター獲得のための手段を講じるのが「アフターサービス」の仕事です。多くのECサイトでは、購入後一定期間を置いて、商品の感想をお伺いするメールや特典DM送付などを行います。これは、商品の記憶が新しいうちにショップの印象を深める目的があり、上手なイメージアップができればリピーターの獲得率が大きく上がります。
また、商品によってはリペアや付属品の追加など、本体の購入に付随するサービスを提供することがあります。この場合も親切で丁寧なアフターサービスを行うことで、ECサイトの信頼度を上げることができます。販売すればそこで終了ではなく、つながったご縁をいかに将来に生かすかが、アフターサービスの大切な役割です。
ECサイト運用に必要なスキル
ECサイトを立ち上げるために、特別に必要なスキルはありません。やる気さえあれば誰でもショップのオーナーになれますが、以下にリストアップした知識やスキルがあれば、さらに有利にはたらきます。
- HTMLなど簡単なコーディングの知識
価格の変更、写真の差し替え、誤字の修正などを自分で処理できる知識があれば、コストや時間のムダが省けます。
- SEOやWEBマーケティングの知識
専門業者への委託は、費用的に厳しいサイトも多いはず。キーワード設定やまめな更新など、最初は自分でやれることから始めてみるといいでしょう。
- Excelの知識
商品や受注の管理、分析、モール出店の際のCVSファイルアップロードなど、利用する機会が多いので、使いこなせると有利です。
- 顧客や業者とのコミュニケーションスキル
店舗で接客できないECサイトでは、お礼メールや問い合わせなどの顧客対応で印象が左右されます。業者との交渉も、コミュニケーションスキルが高いほど多くの情報が得られます。
どんな仕事でも、業務内容に合わせたスキルアップは必要です。ECサイト開設を目指す人は、これらのスキルを磨いておくことをおすすめします。
売り上げを上げるためのECサイト運用方法
ECサイトの収益をアップするために、真っ先に取り組みたいのが「効率化」です。あらゆるビジネスの基本であり、少人数で管理しているECサイトでは特に不可欠です。商品の売り上げが伸びると一人当たりの業務量が増え、出荷の遅延や人為的なミスが起こりやすくなります。その状態が続くとクレームや顧客満足度の低下につながるため、効率的に業務が遂行できる体制づくりが必要です。
対策としては、効率化ツールの導入が手軽で現実的です。在庫管理や請求書の処理など、ツールによるIT化で人件費の削減に成功した企業は少なくありません。また、販売促進においては複数のツールを活用することで、より効果の高い集客が見込めます。おすすめは、ECサイトに特化した専用ツールです。「AdSIST」は手間のかかる集客やプロモーションを自動化できるため、ECサイトの効率化に大きく役立ちます。
EC運用業務を効率化してうまく運用しよう!
ECサイトは商品の魅力はもちろん、入念な準備と効率的な運用による「集客」で成否が決まります。これからECサイトを立ち上げる方、売上の伸び悩みでお困りの方は、自動で集客を代行してくれる「AdSIST」で、ターゲットに届くプロモーションを実践してみてはいかがでしょう。
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