ECサイトのKPIについて解説|KPIツリーや目標設定方法についてご紹介

category :  EC売上UP

update :  2023/02/27(月)

staff :  石澤ちゃん

KPIとは事業目標を達成するために行う日々の活動の具体的な行動指標のことです。 ECで売上を上げていくには、適切なKPIの設定が必要です。今回はEC運営をしていく方向けに、ECサイトのKPI設定方法について解説していきます!

KPIとは

KPIとは事業目標を達成するために行う日々の活動の具体的な行動指標のことです。「Key Performance Indicator」の頭文字を取った言葉で、日本語に直すと「重要業績評価指標」という意味です。

事業目標を達成するにあたり、その目標達成にはどれだけの数字が必要で、その数字を達成するためには何を行えばいいのか、というプロセスを指標として表しています。EC サイトの目標設定や評価を行う際に、とても有効な指標です。例えば、「〇年後までに売上〇%アップ」というKGIが設定されている場合、「〇月までにオーガニックからの流入数を〇倍にする」「○月までに広告からのCV(コンバージョン)を〇倍にする」というような内容がKPIの例として考えられます。KPIは、以降に説明するKFSを数値化した指標です。

KGIとは

KGIとは、企業の目指す最終的な定量目標(=数値目標)を意味しています。 「Key Goal Indicatorの頭文字を取った言葉で、日本語に直すと「重要目標達成指標」といいます。たとえば、「1年後までに売上30%アップ」といった目標はKGIといえます。 上記のようなKGIを達成するために、中目標にあたるKPIを設定し達成していく必要があります。

KSFとは

KSFとは、KGIの達成のためにどのような要因が必要であるかを特定して言語で表すものです。 「Key Success Factor」の頭文字を取った言葉で、日本語に直すと「重要成功要因」と訳されます。 例えば、「売上〇%アップ」というKGIを目指すケースで重要な要因の一つとして「購入率」に着目した場合のKSFは、「購入率の向上」になります。さらに、このKSFを具体的な数値目標に落とし込み「購入率〇%UP」のように具体的な数値指標にしたものがKPIとなります。なお、同義語として、CSF(Critical Success Factor)が挙げられます。


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ECサイトのKPIは「アクセス数/購入率(CVR)/平均客単価」のこと

ECサイトのKGIは売上です。売上をKGIとした場合にKPIとなるのが、「アクセス数/購入率/平均客単価」です。ECサイトの売上は以下3つの要素のかけ算によって構成されています。

アクセス数×購入率×平均客単価=売上

この公式は、EC サイトに何人が訪れ、そのうちの何%が購入し、その平均購入金額がいくらか、ということを表しています。

たとえば、月商 100 万円の EC サイトがあったとします。 その内訳としてアクセス数が 1万人、購入率が 1%、平均客単価 10,000 円で商品を購入した場合、 1,000,000 円= 10,000 人× 1% × 10,000 円で売上を表すことができます。

売上を伸ばすには、この 3 つの数字を複合的に伸ばしていく必要があります。


アクセス数

アクセス数(訪問者数)は、自社サイトに訪れるユーザーの数です。 アクセス数の定義は広く、PV数やセッション数、ユーザー数もアクセス数の一部です。 ECサイトへのアクセスがなければ購入者が入ってこないのでECサイトの売上は上がらないでしょう。 そのため、ECサイトの売上を上げるためにアクセス数は大切なKPIとなります。

〇アクセス数を改善する施策内容の例
  • サイトが検索結果に上位表示されるようにSEO対策を行う
  • SNSを運用してサイトのファンを増やす
  • ウェブ広告やアフリエイトを運用し、サイト認知を拡大する 等

石澤ちゃんコメント

アクセス数に関連して、ECサイトの回遊率も大切です。回遊率は、一人のユーザーがECサイトを何ぺージ閲覧したかを指す数値です。回遊率は、「PV数÷セッション数=回遊率」で数値をだすことができます。アクセス数が高くても回遊率が低い場合は、ユーザーの満足度が低く直帰率を上げてしまっているでしょう。回遊率が高いほどユーザーのエンゲージメント率が高いため、回遊率を上げる施策も合わせて実施することをおすすめします。


購入率(CVR)

購入率(CVR)は、ECサイトに訪れたユーザーの内、何割のユーザーが商品を購入したのかを指す指標です。 購入率=注文件数÷アクセス数で求められます。

購入率が改善するとECサイトの売上は爆発的に伸びます。 例えば、「アクセス数:1 万人 / 購入率:0.1%/ 売上件数:10 件」のECサイトの場合、 売上件数の改善策として、アクセス数を2万人にすると、売上件数は20件になります。しかし、購入率を1%に引き上げることができれば、売上の件数は100件になります。このように購入率はECサイトの売上改善においてインパクトがあるKPI項目です。

〇購入率(CVR)を改善する施策内容の例
  • 購入フォームの入力項目を最小限にし、カゴ落ちを防ぐ(フォーム改善)
  • 決済方法を充実させる
  • 離脱されないサイトレイアウトに改修する 等

平均客単価(AOV)

平均客単価(AOV)は、一人のお客様が1回の取引で支払った金額を意味します。 平均客単価=合計売上÷注文件数で求められます。

AOVはAverage Order Value の頭文字を取った言葉です。日本語に訳すと「平均注文金額」といいますが、 小売業界では平均客単価と呼ばれることがおおいです。 平均客単価を上げる施策は、合わせ買いなどを促す工夫をサイト内に施すことなどがあげられます。

〇平均客単価を改善する施策内容の例
  • レコメンドツールを導入して合わせ買いを促す
  • 商品詳細ページを購入したくなるようなページに改修する
  • 購入へとスムーズに導く商品検索フォームを導入する 等


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ECサイトのKPI設定方法

ECサイトのKPI設定方法は下記の通りです。

  1. KGIを立てる
  2. KPIの定量化・定性化する

手順1:KGIを立てる

自社ECサイトが「いつまでに、どのような状態になっていたいか」最終的な目標(KGI)を立てましょう。 ECサイトのKGIは多くの場合「売上」であることが多いです。 例えば、「来年度中に売上を今より40%向上させる」という目標はKGIにあたります。 まずは、期間と将来像を明確にした最終目標(KGI)を立てましょう。

石澤ちゃんコメント

KGIは「いつまでに達成させるのか」をきちんと設定しましょう。 期間を決めなければ、だらだらと施策を続け目標の達成目途が見えません。 期間を決めることで明確にPDCAを回すことができKGI達成につながるので、期間は明確にしておきましょう。


手順2:KPIを定量化・定性化する

次に、KGIを達成させるためのKPIを設定します。 先程の例で紹介した、「来年度中に売上を今より40%向上させる」という目標を達成させるため、 「アクセス数を○ % 改善」「購入率を○ % 改善」するための施策を行い、今より 40%向上させるという具体的な数値目標を設定しましょう。 目標の数字を決定し、どうすれば目標を達成できるかをひとつずつ明確にすること、「何をしたら、どのような 結果になるか」という筋道を立てることが大切です。

KPI 設定では、「アクセス数を毎月 1 万件増やすために、広告を出稿する」など、 定量目標と定性目標をセットで設定することがポイントです。このKPIを達成させるための成功要因(定性的な部分)がKSFになります。

石澤ちゃんコメント

KPI は立てて終わりではなく、その効果を検証しながら PDCA を回していくことが目標達成のカギとなります。

ECサイトのKPI設定の事例

〇〇社のECサイトの現状

アクセス数:1 万人 / 購入率:0.1%/ 売上件数:10 件

売上件数を2か月以内に20件にしたい場合は下記のKPIが立てられるでしょう。

  • KGI:2か月以内に売上件数を20件にしたい
  • KSF:購入率の向上
  • KPI:2か月以内に購入率を1%に引き上げる(KSFを数値化したもの)

EC サイトのアクセス数を2万人にすると、売上の件数は20 件になります。しかし、購入率を一般的な水準の 1% まで引 き上げることができれば、売上の件数は 100件になります。1万人のアクセス数を倍にするのと、購入率を一般的な水準の1%まで引き上げるのであれば、後者のほうが難易度が低く、よりインパクトの大きい効果的な施策になるのです。このように、KPI を設定するときは、改善幅が大きい箇所から選ぶことが重要です。

KPIを設定したら、KPIを達成させるための施策をいくつか考えましょう。今回のKPIが購入率を上げることなのであれば、 購入率向上につながる施策を計画しましょう。例えば、カゴ落ち対策や決済方法を充実させたり、買いやすいサイトレイアウトにしたりなど。このような施策は購入率を上げます。


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ECサイトのKPIツリー

KPIツリーとは、重要目標達成指標であるKGIを頂点とし、目標達成のために必要な要素であるKPIを樹形図で可視化した図のことを指します。 ECの場合、KGIである「売上」を達成するためには、アクセス数・購入率(CVR)・平均客単価(AOV)をKPIとして設定します。 この3つの要素は、KGIである売上を達成するために必要な要素として頂点の下に位置します。KPIツリーを作成することで、KGIを達成するための具体的な行動量と過程を把握することができます。

ECサイトのKPIツリーの見方

KPIツリーの見方は下記の通りです。

ECサイトのKPIツリーの見方
  1. 定量化させたKPIを見て、達成したKPI/未達だったKPIを見る
  2. 未達だったKPI要素はどうして未達だったのか、要素を分解して分析する

例えば、未達だったKPI要素が「アクセス数」だった場合、アクセス数を向上するために行っていた施策の中で 上手くいっていなかった施策は何か確認しましょう。

〇例
  • オーガニック検索:検索順位が下落した
  • メルマガ:開封率やクリック率が減少した/配信数が少なかった
  • WEB広告:広告のクリック率が減少した
  • SNS:フォロワー数の減少 等

上記のように施策単位まで状況が確認出来たら、 ボトルネックになっていた施策をもう一度仮説だててPDCAを回していきましょう。

KPIは立てて終わりではなく、その効果を検証しながらPDCAを回していくことが目標達成のカギとなります。 KPIツリーを一度作ってしまえば、各KPIの状況分析に定常的に使用することができるので作成することをおすすめします。


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まとめ

今回は、ECサイトのKPIについて解説しました。 自社ECサイトの目標とするゴール(KGI)によって適切なKPIは異なります。 ゴール(KGI)を明確にし、適切なKPIを設定することでEC運営の成果を最大化させましょう。

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