EC化率の世界と日本の現状と予測|市場は今後どうなるのか
EC市場の成長は、国内だけではなく世界的な潮流となっています。
2021年における日本のBtoC市場のEC化率は8.78%に対して、世界のEC化率は19.6%です。
特に海外市場は急速な拡大をしており、EC事業を展開する上で、ECの市場規模のみならず、EC 化率についても重要な判断材料となります。
EC化率の現状や今後の予測を把握して、今後の事業計画の参考にして下さい。
世界と日本のBtoC市場規模の現状
世界のBtoC-EC市場は成長し続けています。
世界のBtoC-EC市場は4.92兆USドル(545兆円*)、EC化率は19.6%で、日本のBtoC-EC市場は、13.2兆円、EC化率は8.78%です。
※1ドル2021年間平均レートの110.8円換算
世界のBtoC-EC市場が拡大している背景には、世界的な感染症の拡大によりEC 需要が増加し、市場規模・ EC化率の増加に繋がったと見られます。
日本は世界と比較すると市場規模の伸長率は下がっており、今後も同じ傾向が続くと考えられます。
ちなみに、2021 年の国別の BtoC-EC 市場規模のランキングは以下です。
- 1位:中国52.1%
- 2位:米国 19.0%
- 3位:イギリス 4.8%
- 4位:日本 3.0%
- 5位:韓国 2.5%
上位 2 か国で世界の 71.1%のシェアとなっています。
世界と日本のBtoC市場の予測
世界のBtoC市場の予測は、引き続き年ごとに成長していきます。2024年には702兆円市場(110円/ドル換算)となる見込みです。
野村総合研究所の調査では、国内のBtoC 市場は2026年度に、29兆4000億円(非物販含む)まで成長すると予測しています。
物販の市場における割合は、2020年の実績では約63%です。この割合で試算すると物販のみで18兆5000億円となります。
※参考:野村総合研究所(NRI)「ITナビゲーター2021年版」
※当社2023年10月実績
世界と日本のEC化率の現状の比較
世界のBtoC市場のEC化率は2021年で19.6%、日本のEC化率は8.7%です。世界から見ると日本のEC化率は低い水準であることがわかります。
日本のEC化率は、一見すると世界と比べて低いです。
大きな理由は市場規模が圧倒的に大きい中国・アメリカが突出してEC化が進んでいるからです。
以外の先進国と比べても、著しく低いわけではありません。
アメリカのEC化率
アメリカのEC化率は2021年時点で19%です。
日本と比較して、EC化率・市場規模ともに大きくリードしています。
アメリカの小売業ではAmazonが売上高ランキングで第2位となっています。1位のウォルマートもECを推進しており、EC化率は今後も成長が続くでしょう。
中国のEC化率
中国のEC化率は2021年時点で52.1%です。日本の約5倍です。世界で最も EC 市場が大きく、EC化率も最も高いです。
市場規模が拡大してる最たる要因は、中国のネット人口です。
コロナ禍の影響で、インターネット人口がさらに増え、10億人に迫ると言われています。
韓国のEC化率
直近、韓国のEC化率は具体的なデータが公表されていません。ただ、日本より早くから IT 化を推進していた韓国は、EC市場規模は日本に次いで第五位です。
EC化率については、日本より高いです。韓国のGDPは日本の30%程度の規模感にも関わらず、EC市場は日本に匹敵しているからです。
日本
EC化が進んでいない考えられる理由は以下です。
- ・コンビニのように身近に便利なお店が存在しておりECサイトに依存する必要性に乏しい。
- ・通販の文化は以前よりあるが顧客はシニア層が多くネットへのシフトが遅れている。
- ・市場規模が大きい食品業界のEC化率があまり進んでいない
- ・主な決済手段のクレジットカードを使うことに抵抗がある
- ・経済が停滞しており企業の設備投資の抑制や国民の購買力が先進国と比べて低い
しかし、EC化率は、EC市場の拡大とともに今後も伸びていくと予測されています。
国内最大手のアパレルブランドのユニクロはEC化を推進、家電EC市場で2位のヨドバシカメラも、Amazonを追い抜くためにさまざまな施策を行っています。
※当社2023年10月実績
世界と日本のEC化率の今後の予測
世界と日本のEC化率は、全体的に右肩上がり成長していくことは間違いありません。
※2021年のEC小売市場上位5カ国を掲載。
参考:JETRO
今後の市場の予測は、EC小売市場規模は2025年に世界で7兆3,906億ドル、EC化率は23.6%とされています。
最大の市場である中国のEC化率は52.0%、日本は12.4%です。
海外市場が相対的に速いスピードで市場が拡大しており、国内よりも海外に向けた越境ECを検討する企業が増えてきそうです。
EC化率が高い海外への進出する企業が増えている
越境ECを取り組んでいる、または検討している企業の739社のうち約4割がメリットを感じています。
- ・黒字である:16.0%
- ・赤字だが今後黒字に転換する見通し:11.4%
- ・今後も赤字の見通しだが自社ビジネス全体にメリットある:14.9%
さらに今後も越境ECを検討している企業も増えています。
JETROの調査では、ECを利用または検討していると回答した企業のうち、69.4%が「海外向け販売」でECを活用または検討していると回答しました。
海外向け販売の割合が「日本国内への販売」(69.2%)を上回っており、海外への進出が加速しています。
参考:JETRO
まとめ
年々、ECが身近となり国内での EC 化率が拡大する一方で、海外へ進出するメリットも大きくなっています。
日本を上回る早さで成長している海外市場が魅力的だからです。
すでに海外に進出している企業も、一定の割合で何かしらのメリットを実感しています。
日本における小売業全体に占めるEC化率は2021年度は11.8%で、中国やアメリカといった EC先進国と比べたら低い水準です。
国内もEC市場の拡大が予測されていますが、世界各国の市場動向を考えれば海外海外進出のメリットがますます増えていくと考えられます。
※当社2022年4月実績
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