EC物流とは|仕組み・流れ・課題をわかりやすく解説

category :  EC売上UP

update :  2023/07/31(月)

staff :  nakahara

ECサイトを円滑に運用するためには、EC物流の仕組みを理解しておく必要があります。EC物流は6つの工程で構成されており、いずれもミスが許されない重要な工程です。

本記事では、EC物流の仕組みについてわかりやすく解説します。近年問題となっているEC物流の課題や、EC物流代行サービスについても説明するため、「ECサイトを円滑に運用したい」「EC物流業務に多くの時間が割かれている」という方はぜひ参考にしてください。

EC物流とは

EC物流とは

EC物流とは、商品を仕入れてから購入者に届けるまでの一連のプロセスのことです。ECとは「Electronic Commerce」の頭文字を取ったものであり、日本語では「電子商取引」を意味します。

EC物流と聞くと、商品の梱包や配送だけをイメージする人もいるかもしれませんが、それだけではなく、製品の在庫保管や情報管理など多岐に渡る業務を含んでいます。入荷から出荷まですべてのプロセスをまとめてEC物流と呼ぶのです。

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EC物流の仕組み

EC物流の仕組み

EC物流の仕組みは、以下の通りです。

  1. 入荷
  2. 検品
  3. 保管
  4. 検品
  5. 梱包
  6. 出荷

EC物流の流れを大きく分けると、上記の6つに分かれます。入荷から出荷までいずれも重要な工程であり、リソース不足などを理由に手を抜いて作業した場合には、顧客の企業に対するイメージを悪くしてしまいます。ここでは、それぞれの工程の流れや重要性について解説していきます。

①入荷

EC物流は、まず商品の入荷から始まります。マーケティング分析を行い、どの市場に参入し、どの商品をどの顧客層に販売するのかを決定します。その上で、商品を確保できるように、信頼できる取引先を選びます。

②検品

商品が入荷したら、商品と伝票を照らし合わせながら、品番や数量に間違いがないか確認します。検品が正確に行われていない場合、在庫データベースと実際の在庫が一致せず、後続の業務に支障をきたす可能性があります。

検品はミスが起こりやすい業務であるため、間違いがないように注意が必要です。リソースに余裕がない場合、検品作業を怠ったり、後回しにしたりしがちですが、スムーズに業務を進めるためにも、検品作業はしっかりと行いましょう。

③保管

検品が完了した商品は棚入れして保管します。保管する場所は商品の特性によって異なり、例えば、生鮮食品や冷凍食品は冷蔵・冷凍設備のある倉庫に、湿気に弱い商品は除湿設備のある倉庫で保管しなければなりません。人力で棚入れできない場合には、フォークリフトなどの運搬機器を活用します。

注文があったらすぐに取り出せるように、どこに何があるのか把握しておくことが重要です。商品ごとにラベリングして、仕入数が多い場合には在庫管理システムを活用することがおすすめです。

④ピッキング

注文が入ったら、倉庫から商品を取り出すピッキングという作業を行います。ピッキングの方法を大きく分けると、シングルピッキングとトータルピッキングの2つです。シンプルピッキングは注文ごとに商品を取り出す方法であるのに対し、トータルピッキングでは複数の注文の商品をまとめて取り出す方法です。

EC物流では一般的に少量多品種の注文が多いため、多種多様な商品を正確かつ効率よくピッキングすることが求められます。そのため、倉庫内の動線を効率的に設計し、在庫状況を正確に把握しておくことが重要です。

⑤梱包

ピッキングが完了したらすぐに梱包するケースもありますが、流通加工を行ってから梱包をすることが多くなっています。流通加工とは商品に付加価値をつける工程であり、具体的には名入れやラッピング、カタログの封入などです。

流通加工が完了した後は、商品の梱包に移ります。運送中に商品が破損しないように、箱の中で商品をしっかりと固定します。精密機器や割れ物を梱包する場合にはエアキャップで包むなど、商品の性質に合わせた梱包が求められます。不適切な梱包は商品が破損するだけではなく、購入者の企業に対するイメージの悪化にも繋がるため、注意が必要です。

⑥出荷

商品を梱包したら、指定の配送業者に荷物を渡して、購入者のもとに出荷します。購入者から配達日時を指定されている場合には、配送先と併せて配達日時にも間違いがないか慎重に確認しましょう。

EC物流の課題

EC物流の課題

近年、EC物流の課題として、物流コストの高騰や作業ミスの発生、受発注管理の煩雑化などに注目が集まっています。これらの課題を放置すると、企業の利益の圧迫、従業員の負担増加に繋がるため、システム導入などによって対策を講じましょう。

ここでは、EC物流の課題や原因、解決策を解説していきます。

物流コストの高騰

2022年度物流コスト調査報告書によると、近年物流コストは長期的な上昇傾向にあります。物流コストの高騰は企業の利益を圧迫することに繋がるため、物流コストの高騰は現在注目されている課題のひとつです。

物流コストが高騰している主な原因は、ドライバー不足により人件費の高騰と、燃料である原油の価格高騰です。少子高齢化や低収入、長時間労働などによってドライバーは不足しており、人手不足を解消するための取り組みが必要とされています。

物流コストが高騰する中、物流コストの削減には物流管理システムの導入が効果的です。物流管理システムとは入荷から出荷までのプロセスを一元で管理するシステムであり、導入すると在庫管理を自動で行えて、物流コストの多くを占めている人件費を大幅に削減できます。

作業ミスの発生頻度

EC物流の各工程で発生するミスは、売上に大きく影響します。例えば、ミスによって返品が増えて、人的リソースが返品対応に奪われると、返品の費用負担が増加してしまうのです。

EC物流で作業ミスが発生する主な原因は、ヒューマンエラーと属人化によるものです。ヒューマンエラーは個人の努力だけでは完全に防ぎきれないため、組織として対策を講じる必要があります。また、特定の人のみが保管場所を知っているといった属人化を防止するためにも、倉庫管理システムの導入がおすすめです。

倉庫管理システムとは倉庫の入出庫管理などの機能を備えたシステムのことで、ピッキング時に商品が倉庫のどこにあるのか表示できたり、出荷時にバーコードを使ったデジタルチェックを行えたりします。これにより間違った商品の出荷を防止できて、さらには属人化も防止できます。

受発注管理の煩雑化

ユーザーが商品の購入を確定した後には、入金の確認やデータの反映、納品書の作成など、多くの作業を行わなければなりません。複数のECサイトを運営している場合には、特に管理が煩雑になりやすく、これは効率的な業務運営を妨げます。

Excelを使って納品書を作成したり、受注データと在庫データに手作業で変更を反映させたりしていると、膨大な手間と時間がかかるだけではなく、ヒューマンエラーの発生につながります。そのため、受発注管理を効率化させるために、受注や発注などの業務を自動化できる受発注管理システムの導入がおすすめです。

商品の在庫管理の最適化

伝票入力の漏れや仕入ミスなどによって、棚卸し時に差異が発生することがあります。適切に商品の在庫を管理できていないと、余剰在庫を処分しなければならなくなったり、販売機会を損失してしまったりするため、在庫管理システムを導入して在庫管理を徹底しましょう。

EC物流代行サービスとは

EC物流代行サービスとは、物流業務を外部の業者に代行してもらうサービスのことです。EC物流代行サービスを大きく分けると、定額物流代行サービスと、カスタム物流代行サービスの2種類です。定額物流サービスでは、料金体系や業務内容などがあらかじめ決まっているのに対し、カスタム物流代行サービスでは、業務内容を荷主によって自由にカスタマイズできます。

EC物流をアウトソーシングするメリット・デメリット

EC物流をアウトソーシングするメリット・デメリット

EC物流代行サービスを利用すると、物流業務の一部または全部を業者にアウトソーシングできるため、浮いたリソースを他の業務に充てられます。また、人件費や倉庫費用などの固定費用を削減することが可能で、近年問題となっている物流コストの高騰の対策になる点もメリットです。

一方、自社に物流に関するノウハウを蓄積できない点がデメリットです。EC物流をアウトソーシングすることでヒューマンエラーは減りますが、アウトソーシングをやめると、サービスの利用前と同じ状態に戻ってしまう可能性があります。また、流通加工の内容によっては対応してもらえないものもあり、不便に感じる場合があるでしょう。

一日の業務時間の半分以上が物流業務に割かれている場合には、EC物流のアウトソーシングがおすすめです。業務負担を大幅に軽減できて、より時間を有効的に活用できます。

アウトソーシングする場合、出荷件数が多いほど、出荷1件あたりの単価は低くなります。そのため、出荷件数が少ない場合にはアウトソーシングをしないで自社で対応する方が費用を抑えられます。また、出荷件数が少ない場合には、そもそも依頼を受けてもらえない可能性が高いです。

まとめ

EC物流は入荷から出荷の一連のプロセスを指し、いずれの工程においても作業ミスは売上に直接的な影響を及ぼします。作業ミスが多発している場合には、システムの導入などにより業務改善を進めることが必要です。ヒューマンエラーは個人の努力だけでは防ぐことが難しく、組織的な対策が求められます。

本記事では、EC物流代行サービスについても紹介しました。導入することで、EC物流の課題である「物流コストの高騰」の対策にもなります。出荷件数が多いほど1件あたりの単価が低くなるため、毎月の出荷件数が多い場合にはぜひ利用を検討してください。

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