事業再構築補助金の採択結果発表後に取る対策とは|採択・不採択時の対応

category :  EC売上UP

update :  2023/06/01(木)

staff :  nakahara

事業再構築補助金第7回公募の採択結果が発表されました。中小企業庁の公式ホームページ上では、採択された件数だけでなく、応募枠ごとの件数や業種別の採択割合などを詳しく確認することが可能です。この記事では、第7回公募の採択結果を分析するとともに、不採択になってしまう理由について解説します。申請書類の作成時に役立つ相談先についても紹介しますので、最後までご覧ください。

事業再構築補助金の採択結果 

事業再構築補助金を受け取るには、公募の時期に申し込みを行い、採択結果を待つ必要があります。採択結果は、中小企業庁の公式Webサイトにて開示されており、過去の採択結果を閲覧することも可能です。ここでは、事業再構築補助金の第7回公募における採択結果と、第6回より前の採択結果をまとめて紹介します。

第7回公募の採択結果 

第7回目となる事業再構築補助金の公募は、令和4年10月5日に受付が締め切られました。15,132件の応募のうち、採択されたのは7,745件です。公募枠別の応募件数、採択件数は以下の通りです。複数事業者で連携している者も1件の申請とカウントされています。

 

応募件数

採択件数

通常枠

9,292件

4,402件

大規模賃金引上枠

11件

5件

回復・再生応援枠

2,144件

1,338件

最低賃金枠

162件

131件

グリーン成長枠

543件

217件

緊急対策枠

2,980件

1,652件

出典:事業再構築補助金第7回公募の結果について(令和4年12月事業再構築補助金事務局)

  • 全応募数に対する採択件数の割合は約50%
  • 通常枠の応募件数、採択件数が最も多い

といった結果となっています。応募しても採択されない可能性を懸念して、応募を控えている方もいらっしゃると思います。約半数が採択されているのであれば、前向きに検討すべき制度といえるのではないでしょうか。

第9回公募の採択結果

第1回目から第9回目における事業再構築補助金の応募件数は以下の通りです。

 

応募件数

採択件数

第1回

22,231件

8,016件

第2回

20,800件

9,336件

第3回

20,307件

9,021件

第4回

19,673件

8,810件

第5回

21,035件

9,707件

第6回

15,340件

7,669件

第7回

15,132件

7,745件

第8回

12,591件

6,456件

第9回

9,369件

4,259件

出典:事業再構築補助金 ホームページ

応募件数は各回で大きく増加していません。2万件前後の応募件数があった第1回~第5回に対し、第6回と第7回の応募数は1.5万件前後にとどまっています。直近でも新型コロナウイルスの流行による業績低迷に悩んでいる企業は多く存在するようです。一方で、その数は少し落ち着いてきているようにもみえます。

事業再構築補助金の採択割合 

事業再構築補助金の採択は、枠や業種、希望する金額などによって割合が変化しています。ここでは第7回の公募・採択結果を基に、「枠」「業種」「金額」に分けて採択割合を解説します。どのような数の変動・傾向があるのか見てみましょう。

枠による採択割合の違い

第7回の公募で設けられた枠は6つでした。枠ごとの採択件数の割合は以下の通りです。

枠別の採択件数の分布

通常枠

56.8%

大規模賃金引上枠

0.1%

回復・再生応援枠

17.3%

最低賃金枠

1.7%

グリーン成長枠

2.8%

緊急対策枠

21.3%

出典:事業再構築補助金第7回公募の結果について(令和4年12月事業再構築補助金事務局)より作成

採択割合が最も高かったのは「通常枠」でした。次いで「緊急対策枠」「回復・再生応援枠」も採択割合が高くなっています。「通常枠」以外の枠組みの内訳をみれば、足元で企業がどの様な環境に悩んでいるか、推察することができるでしょう。「緊急対策枠」は、原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けた事業者を対象にした枠組みです。一方、「回復・再生応援枠」は、新型コロナウイルスの影響により、継続的に事業の状況が厳しい事業者、事業再生に取り組んでいる事業者を支援するための枠組みです。

業種による採択割合の違い

事業再構築補助金は様々な業種からの応募があります。中でも「製造業」「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」の順に採択割合が高くなっています。採択件数の業種別割合は以下の通りです。

業種別の採択件数の分布

製造業

24.6%

卸売・小売業

15.3%

宿泊業/飲食サービス業

14.7%

建設業

11.9%

生活関連サービス業

6.4%

サービス業(他に分類されないもの)

6.0%

学術研究、専門・技術サービス業

5.8%

情報通信業

3.9%

不動産業、物品賃貸業

3.2%

医療、福祉

2.9%

その他

1.9%

運輸業、郵便業

1.7%

教育、学習支援業

1.7%

出典:事業再構築補助金第7回公募の結果について(令和4年12月事業再構築補助金事務局)

新型コロナウイルスの影響もあってか、宿泊業/飲食サービス業を中心に、多くのサービス業で事業再構築が必要になっていることがみてとれます。

金額による採択割合の違い

採択金額の分布としては、約4割が1,500万円以下の採択となっています。1,501~3,000万円の採択も同様に約4割となっています。中小規模の事業者からの応募が多くなっていることが推察できるでしょう。金額ごとの採択割合は以下の通りです。

採択金額の分布

100~500万円

13.76%

501~1,000万円

18.42%

1,001~1,500万円

11.30%

1,501~3,000万円

39.65%

3,001~4,500万円

9.06%

4,501~6,000万円

3.86%

6,001~8,000万円

2.34%

8,001~1億円

1.59%

1億円超

0.01%

引用:事業再構築補助金第7回公募の結果について(令和4年12月事業再構築補助金事務局)

採択結果発表後の流れ 

事業再構築補助金の採択結果が発表されたら、速やかに次の手続きにうつりましょう。採択が決まった場合は、補助金を受け取るための申請手続きを行います。ここでは、採択が決まった場合と不採択であった場合に分けて、結果発表後に行うべき行動と流れを解説します。

採択が決まった場合

採択決定の通知が届いたら、交付申請を出します。採択決定の確認のみで申請手続きを怠ると、補助金はおりないため注意が必要です。

手続きに期限は設けられていませんが、補助対象事業実施期間は定められています。そのため、期間内に全ての手続きを終えられるように早めの申請を心掛けましょう。

交付申請を行うと、追って「交付決定通知」が届きます。その後は実際に補助事業を行い、実績報告をしましょう。実績報告を行った段階で、金額の決定通知が届きます。決まった額に対して精算払請求を行うと、補助金が振り込まれる流れです。

補助金が振り込まれたあとは、補助事業完了の年度終わりから起算して5年間は「事業化状況報告」を行う必要があります。

不採択であった場合 

不採択となった場合は、補助金が振り込まれません。継続して採択を目指したい場合は、再申請を行うことが可能です。再申請の際には、不採択と判断された理由を事務局に確認しましょう。理由はどの事業者でも教えてもらえるため、不採択理由を明確にしておくことをおすすめします。

不採択になる理由はいくつかありますが、理由を基に申請内容を改善することで再申請が通るものもあるでしょう。内容ではなく、書類の不備によって不採択となっている場合も多々あります。

不採択だからといって事業そのものを諦める必要はありません。「何が不採択の理由なのか」「再申請するためにはどこを修正すればよいか」といった点を注意深く確認してください。仮にその年に再申請しないとしても、次年度以降で事業再構築補助金に応募する際にも活用できます。

事業再構築補助金が不採択となる理由

事業再構築補助金が不採択となるには、何らかの理由があります。代表的な不採択の理由は、「申請書類の不備」「申請要件を満たしていない」「事業計画の不備」です。

ここでは、それぞれの不採択理由についてまとめます。事務局で確認した理由がこれらに当てはまる場合、適切な対応の上で再申請へ向けた動きを始めましょう。

申請内容・書類に不備がある

申請内容や書類に不備があると、審査に入る前の段階で不採択となってしまいます。内容が審査にふさわしくないと判断された場合も同様です。

前提として、必要書類は全て揃えてから申請する必要があります。書類の記載についても、過不足がないかどうか確認することが大切です。

よくある不備の例としては、

  • 申請者名と事業者名が違う
  • Excel形式であるフォーマットをPDF形式で提出している
  • 書類の破損やパスワードがかかっている

などがあります。事務局では、よくある不備の事例を紹介していますので、申請時に確認しておくこと安心です。

書類の内容に不足や誤りがあって不採択となった場合は、事務局に電話を行えば該当箇所を教えてもらえます。指摘された箇所を念入りに見直し、再申請へ向けてもう一度書類を作り直しましょう。

必須申請要件を満たしていない

必須申請要件を満たしていない場合、書類をどれほど丁寧に作成しても不採択となります。事業再構築補助金は、名前の通り「事業を再構築する」ために振り込まれる補助金です。そのため、申請には事業の再構築が目的であることが必須とされています。必須申請要件から大きく外れているものは、不採用として扱われるでしょう。

他にも、事業再構築補助金の通常枠における必須要件としては、「売上において2020年4月以降とそれ以前を比較し10%以上減少していること」、「新分野展開、業態転換などに取り組むこと」などがあります。詳しくは中小企業庁のホームページで確認しておきましょう。

また、売上が減っていないにも関わらず申請しても、不採択となります。補助の必要がない状態の事業者は、再構築の必要がない事業者です。補助金を求める理由が不適切である場合には、当然ながら採択されません。

事業計画に不備がある

事業計画そのものに不備がある場合も、不採択となります。事業計画書には、必ず記載しなければならない項目が4つあります。記載必須の4項目は以下の通りです。

  • 補助事業の具体的な取組内容
  • 将来の事業展望
  • 事業を通して得る主な資産
  • 収益計画

補助金の受け取りに妥当性をもたせるには、事業を再構築する必要性の再考や市場や競合の分析、新しいサービスの強みなどを明確にしておきましょう。

事業の取組内容がしっかりとまとめられていても、市場調査が甘く将来の展望があいまいな場合には不備として扱われてしまいます。また、事業の実施スケジュールや資金調達の詳細など、収益計画に不足がある場合も事業計画書として完璧とはいえません。

図や表なども適宜用いながら、分かりやすい事業計画となるように説明を心がけることがポイントです。

まとめ

事業再構築補助金は、事業を再構築するために行う資金繰りの一種ともいえます。採択されるか不採択となるかは、「必須要件を満たしているか」「書類に不備はないか」「事業計画は適切か」など、さまざまなポイントで決まるのです。

業種や応募枠によって採択率は異なるものの、半数以上の応募が採択されるケースもあるため、まずは必須要件やその他申請条件を順守することが大切になるでしょう。

中には、事業を行う会社内では事業計画書を完成させられないケースもあります。その場合は、認定支援機関に相談することも有効な手段です。必要書類が揃っているか、フォーマットが大きく外れていないかといった細かいポイントも確認してもらえるため、申請について不安がある方は一度問い合わせてみましょう。

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