【最新】事業再構築補助金の採択スケジュール|申請から入金までの流れは?
コロナ禍における新事業展開や事業継続をサポートする制度としてスタートした「事業再構築補助金」ですが、すでに多くの中小企業・中堅企業が利用しています。事業再構築補助金は公募ごとに申請期間が定められており、いつでも申請できる制度ではないことをご存じでしょうか。
今回は、現在(2022年11月時点)における最新の公募スケジュールをご紹介し、これまで実施された公募のスケジュールや申請から入金までの流れについて詳しく解説します。
【最新】事業再構築補助金の公募スケジュール
事業再構築補助金の公募がスタートしたのは、2021年3月であり、以来、定期的に公募が実施されています。最新の第8回の公募スケジュールは、以下の通りです。
【第8回の公募スケジュール】
|
スケジュール |
公募開始 |
令和4年(2022年)10月3日(月) |
応募締め切り |
令和5年(2023年)1月13日(金)18:00 |
採択結果発表 |
令和5年(2023年)3月中旬~下旬頃 |
公募で採択された場合は、改めて交付申請を出す必要があります。第8回の交付申請期日はまだ公表されていませんが、これまでのデータを見ると「採択通知から2週間程度」(グリーン成長枠は2.5ヶ月程度)で交付申請を行わなければならないと考えられます。
ただし、今回の公募から交付申請期日が変更される可能性もゼロではありません。
事業再構築補助金は、公募期限内・交付申請期限内に申請し採択しないと受け取ることができませんので、中小企業庁の事業再構築補助金のホームページで、更新される情報を随時チェックするようにしてください。
【公募回別】事業再構築補助金の採択スケジュール
事業再構築補助金は、最新公募(第8回)を除いて7回実施されています。各回の具体的な採択スケジュールは以下の通りです。
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公募期間 |
採択結果発表 |
交付申請期日(目安) |
事業実施期間 |
第1回 |
2021年3月26日~2021年4月30日(*5月7日まで延長) |
緊急事態宣言特別枠:2021年6月16日 通常枠・卒業枠・グローバルV字回復枠:2021年6月18日 |
2021年7月中旬 |
通常枠・緊急事態宣言特別枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) 卒業枠・グローバル V字回復枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
第2回 |
2021年5月20日〜2021年7月2日 |
2021年9月2日 |
通常枠・緊急事態宣言特別枠:2022年11月1日 卒業枠・グローバル V字回復枠:2023年1月1日 |
通常枠・緊急事態宣言特別枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) 卒業枠・グローバル V字回復枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
第3回 |
2021年7月30日〜2021年9月21日 |
2021年11月30日 |
通常枠・大規模賃金引上枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠:2022年12月27日 卒業枠・グローバル V字回復枠:2023年2月28日 |
通常枠・大規模賃金引上枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) 卒業枠・グローバル V字回復枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
第4回 |
2021年10月28日〜2021年12月21日 |
2022年3月3日 |
通常枠・大規模賃金引上枠 ・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠:2023年3月18日 卒業枠・グローバル V字回復枠:2023年5月18日 |
通常枠・大規模賃金引上枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) 卒業枠・グローバル V字回復枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
第5回 |
2022年1月20日〜2022年3月24日 |
2022年6月9日 |
通常枠・大規模賃金引上枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠:2023年6月23日 卒業枠・グローバル V字回復枠:2023年8月23日 |
通常枠・大規模賃金引上枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) 卒業枠・グローバル V字回復枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
第6回 |
2022年3月28日〜2022年6月30日 |
2022年9月15日 |
通常枠・大規模賃金引上枠・回復/ 再生応援枠・最低賃金枠:2023年9月29日 グリーン成長枠:2023年11月29日 |
通常枠・大規模賃金引上枠・回復/再生応援枠・最低賃金枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) グリーン成長枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
第7回 |
2022年7月1日〜2022年9月30日 |
準備中 |
準備中 |
通常枠・大規模賃金引上枠・回復/再生応援枠・最低賃金枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) グリーン成長枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
第8回 |
2022年10月3日〜2023年1月13日 |
準備中 |
準備中 |
通常枠・大規模賃金引上枠・回復/再生応援枠・最低賃金枠:交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで) グリーン成長枠: 交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで) |
公募期間については当初1ヶ月前後と短かったのですが少しずつ伸び、最新第8回では3ヶ月以上の期間が設けられています。
そして、上記の表からわかるように「採択結果発表が公募の終了日から2〜3ヶ月以内、交付申請期日が2週間程度(グリーン成長枠は2.5ヶ月程度)」がスケジュールの目安です。
また、事業実施期間については第6回から変わらず「通常枠・大規模賃金引上枠・回復/再生応援枠・最低賃金枠」が交付決定日から12ヶ月以内(ただし採択発表日から14ヶ月後まで)、「グリーン成長枠」が交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月後まで)となっています。
なお、補助金は事業実施期間の終了後、事業実績の報告を実施してからの入金となる点にご注意ください。
※当社2023年10月実績
事業再構築補助金の申請から入金までの流れ
事業再構築補助金は、申請から入金までに最低1年半程度かかります。具体的な流れとそれぞれの期間・タイミングは以下の通りです。
申請から入金までの基本的な流れ
スケジュール |
期間・タイミング |
1. 申請書類の準備 |
公募要領などが出次第、速やかに |
2. GビズIDの取得 |
アカウント発行まで2~3週間 |
3. 補助金の申請 |
受付締切の1週間前までの申請完了が理想的 |
4. 採択結果の発表 |
公募締切から約2〜3ヶ月以内 |
5. 交付の申請 |
2週間程度(グリーン成長枠は2.5ヶ月程度) |
6. 補助事業の実施 |
交付決定通知書の送付(受領)後、12ヶ月から14ヶ月 |
7. 事業実績の報告 |
補助事業実施期間の終了後、速やかに |
8. 補助金の入金 |
事業実績の報告から約2ヶ月後 |
ここからは、各スケジュールについて詳しく見ていきましょう。
申請書類の準備
事業再構築補助金の申請に必要な書類は、以下の通りです。
● 事業計画書
● 売上高減少に関する書類
● 決算書(直近2年分)
● 従業員数を示す書類
● 加点に必要な書類
● 認定支援機関の確認書(3,000万円以上の補助金希望では金融機関の確認書も必要)
● 緊急事態宣言の影響を受けたことの宣誓(緊急事態宣言枠のみ)
● 緊急事態宣言による売上高減少に関する書類(緊急事態宣言枠のみ)
● 固定費が協力金を上回っていることを証明する書類(緊急事態宣言枠のみ)
● 海外事業の準備状況を示す書類(卒業枠、グローバルV字回復枠のみ)」
個人事業主の方が申請する場合は、決算書ではなく「直近2期分の確定申告書(第1表)」「青色申告書の損益計算書(2ページ分)、もしくは白色申告書の収支内訳書」が必要です。
また、申請はミラサポplus(電子申請サポート)というWebサービスにて、事業財務情報を登録しなければなりません。操作方法の確認なども含め、初めての場合はそれなりの時間がかかる可能性が考えられます。
なお、上記の中で準備に最も時間がかかるのが「事業計画書」でしょう。公募要領を見ながら15ページ程度で作成しますが、支援機関選び、事業の立案、市場・競合等の調査、枠の選定、取得する設備等の計算などが必要であるため、初回はかなりの時間を要すると予想されます。
事業計画書は採択の可否を左右する重要書類ですので、作成にあたってはコンサルティング会社等の協力を仰ぐことも検討すると良いでしょう。
GビズIDの取得
事業再構築補助金の申請方法は、電子申請のみです。電子申請するためには、行政サービスの共通認識システムとして開発された「GビズID」の取得が必須となります。
事業再構築補助金の対象は法人や個人事業主ですので、「gビズIDプライム」を取得してください。gビズIDプライムは、すでにご紹介したミラサポplus(電子申請サポート)の利用にも必要です。
gビズIDプライムの取得には、まず「gBizIDプライム申請書作成 メールアドレス登録」のページへ移動し、指示に沿って各種情報入力を実施します。できあがった申請書はダウンロード・印刷して「GビズID運用センター宛」に郵送してください。
書類審査は2週間以内が原則とされていますが、入力や郵送期間も含めて3週間以上はみておいた方が良いでしょう。
なお、記載内容に間違いがあった場合などは再申請(再郵送)が必要となり、かなりの時間を要する可能性があるためご注意ください。
補助金の申請
補助金の申請は、中小企業庁の事業再構築補助金のホームページから行います。 GビズIDプライムアカウントでログイン後、 申請内容を入力してください。
申請者の概要、事業実施場所、組合特例申請、補助事業等の実績(これまでに交付を受けた場合)など入力項目が多岐にわたるため、初回は入力完了まで数時間を要する可能性があります。
情報入力中に不明点が出た際などは事務局へ問い合わせることも可能です。ただし、公募締切日が近づくにつれて電話がかかりにくくなったり、サイトに接続しにくくなったりするケースがあるためご注意ください。遅くとも公募締切日の1週間程度前には申請を済ませておくのが理想的です。
採択結果の発表
事業再構築補助金には審査があり、採択されないと補助金を受け取ることができません。直近の採択率は、おおむね半数(50%)程度です。
これまで、採択結果は公募締切から約2〜3ヶ月以内に発表されてきました。採択結果はメールで届くため、記載されたURLよりGビズIDプライムアカウントでログインし、結果を確認しましょう。
採択された場合は速やかに、次のステップである「交付の申請」に取り掛かってください。
不採択となった場合は、次回以降の公募から再度申請できます。ただし、同じ内容の事業計画書を提出しても不採択になる可能性が極めて高いので、問題点を修正した上で再度申請することが大切です。
なお、事業再構築補助金事務局コールセンターのナビダイヤル(0570-012-088)で、不採択の理由を聞くこともできますので、修正の参考にすると良いでしょう。
交付の申請
交付の申請では、経費の詳細や見積依頼書等の提出が必要です。その審査結果によって交付額が決定されます。
交付の申請の期限は定められていません。しかし、申請が遅れると交付額が決定されず、事業をスタートすることもできません。その結果、事業実施期間が短くなり、交付額の減額(申請した経費や設備投資の一部が認められないなど)につながる恐れがあります。
そのため、採択された事業者は速やかに交付の申請をしてください。
補助事業の実施
交付の申請が完了すると、事務局により「交付決定通知」が届きます。交付決定通知書に記載された交付決定日が補助事業実施が開始できる日となりますので、提出した事業計画書に基づいて事業をスタートしてください。
補助事業の実施期間は枠によって異なりますが、12〜14ヶ月です。
なお、事業の報告や補助金の申請に必要であるため、事業期間中の領収書・請求書・見積書・納品書などの書類は、全て保管しておいてください。
事業実績の報告
補助事業の実施期間が終了したら、事業実績の報告を行います。報告書提出の期限は交付決定通知に記載された「補助事業完了期限日」ですので、事業期間中に報告書を作成しておきましょう。
事業実績の報告書を提出し、内容に問題がないか審査した後、補助金額が確定します。
補助金の入金
補助金額の確定後「補助確定通知書」が事務局より届きますので、補助金の精算払い請求を行いましょう。1ヵ月程度で指定口座に確定した金額の補助金が入金されます。
なお、事業実績の報告は、初回を含めて6回(6年分)行わなくてはなりません。その間、事業で取得した物品や建物などの資産(50万円以上)の売却・廃棄には、事務局の承認が必要です。
また、補助金についての書類等も、計6年間保存する必要がありますので保管しておいてください。
※当社2023年10月実績
まとめ
事業再構築補助金の公募は、過去7回実施されており、8回目の公募もスタートしています(2022年11月時点)。事業再構築補助金を受け取るためには、12〜14ヶ月の事業期間を終える必要があり、申請から入金まで最低1年半かかります。その間、補助金の申請・交付の申請・事業実績の報告など様々なステップで期限が設けられているため、遅れないようご注意ください。また、申請書類の準備・GビズIDの取得には時間がかかるため、できるだけ早期から準備を始めましょう。
事業再構築補助金は申請のための準備が多くステップも少々複雑ですが、コロナ禍を期に事業転換を考える企業にとって最適な補助金です。この制度を利用して新たなビジネスステージに進むためにも、コンサルティング会社等の活用も検討しつつ、スムーズな採択を目指してください。
ちなみに、補助金でECサイトの構築を検討している方は、IT導入補助金の検討も並行して検討することをオススメします。
IT導入補助金の平均の採択率は54.1%*で事業再構築補助金よりも高く、並行して申請することも可能だからです。※2021年のIT導入補助金の採択実績から算出
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