ECマーケティングとは|戦略やWebマーケティングとの違いを解説
EC事業で売上拡大を狙うには、ECマーケティングの強化が重要です。そのためには、ECマーケティングへの理解を深めておく必要があります。
この記事では、ECマーケティングを強化したいというECサイトの担当者に向けて、具体的な集客方法やCVR向上のための対策、リピート客を増やすための施策などについて解説します。
ECマーケティングとは
ECマーケティングとは、電子商取引(EC)におけるマーケティング活動のことを指します。具体的には、インターネット上の広告、ソーシャルメディア、メール、検索エンジン最適化(SEO)などの手法を用いて、オンラインショップへの集客や顧客との関係構築、売上拡大を目指す活動です。
ECサイトの売上拡大を目指すためには、戦略にあったマーケティング施策を打ち出す必要があります。
ECマーケティングは従来のマーケティングと比較して、以下の特徴があります。
- 広範囲にわたるリーチ
- ターゲットを絞ったマーケティング
- 測定可能な結果
- コスト効率が良い
ECマーケティングの成功には戦略が不可欠
ECマーケティングとは、インターネット上で商品やサービスを販売するためのマーケティング活動の総称です。従来のマーケティングとの違いは、オンライン上の顧客行動データを集計分析できる点にあります。このデータを活用することで、より効果的な販売戦略を立案することが可能です。
ECの販売戦略は大きく分けて3つあります。
- 集客施策
- CVR向上施策
- リピーター獲得施策
この3つの施策が戦略の軸になる理由は、売上はこれらの指標によって成立するからです。
売上=アクセス数×購入率(CVR)×客単価
よって、これらの施策を適切に組み合わせることで、より効果的なECマーケティングを実現することができます。
アクセス数の主な施策は、Web広告・SEO・SNSです。顧客の購買意欲を高めるための施策は、UIの見直し・カゴ落ち改善・LP最適化などが挙げられます。既存顧客にリピート購入してもらうための施策は、ポイント制度・メルマガ配信・定期購入制度などが挙げられます。
ECマーケティングの代表的な集客方法
ここでは、ECマーケティングのおもな集客方法の特徴について解説します。
- Web広告
- SEO
- SNS
Web広告
Web広告は、インターネットユーザーが閲覧しているウェブサイトやアプリ上に広告を表示することで、自社のオンラインストアへの誘導を図る施策です。
おもな広告の種類は、
- リスティング広告(Google・Yahoo!広告)
- リターゲティング広告(Google・Yahoo!広告)
- SNS広告(Meta広告)
- Googleショッピング広告
です。異なる種類の広告を出稿すれば、費用対効果も得やすくなります。
SEO
SEO(Search Engine Optimization)は、検索エンジンで自社のオンラインストアを上位表示させるための施策です。検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを検索した際に、自社のオンラインストアが検索結果ページの上位に表示されることで、顧客の目に触れる機会を増やすことができます。
SEO対策としては、以下の項目が重要です。
- コンテンツ最適化
- 内部対策
- 外部対策
コンテンツは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作成する必要があります。外部対策とは他のWebサイトから自社のオンラインストアへのリンクを獲得することです。内部対策はECサイトの構成やタグを最適化します。
SNS
SNSを活用した集客施策では、Instagramが筆頭です。その他にTikTok・X(Twitter)といったソーシャルメディアプラットフォームを利用して自社のオンラインストアを宣伝します。自社の商品やサービスに関連するコンテンツを作成し、フォロワーやファンに拡散してもらうことで、より多くの潜在顧客にリーチすることができます。
SNS活用で重要なポイントは、以下です。
- ターゲットユーザーの分析
- コンテンツ戦略
- エンゲージメント
どのプラットフォームにターゲットユーザーが多いのかを分析します。ECの場合、ほとんどがInstagramです。ターゲットユーザーの興味関心を引くコンテンツの作成には、流行に沿ったコンテンツの投稿が重要です。気になる、反応しやすい投稿は、フォロワーやファンとの積極的なコミュニケーションを促進します。
広告以外の施策
上記のような広告施策以外にも、オンラインストアへの集客を図る方法は多く存在します。
ブログやメールマガジンを活用した情報発信、動画コンテンツの作成や配信、オンラインイベントの開催などは、顧客とのエンゲージメントを高め、自社のオンラインストアへの興味を喚起するのに効果的です。
ちなみに、アフィリエイト広告は一部の事業者を除き、効果を期待しないほうが賢明です。
これらの施策を組み合わせて活用することで、より効率的に顧客を獲得し、オンラインストアの売上拡大につなげることができます。
ECマーケティングにおけるCVR改善のための施策
ECサイトの売上拡大には、CVR(コンバージョン率)の向上が欠かせません。以下では、CVRの向上に有効な施策を解説します。
- 新商品・特集ページを掲載する
- LPを最適化する(LPO)
- おすすめ商品を提示する
- 口コミの投稿を増やす
- かご落ち対策を行う
- 見やすくわかりやすいUIにする
- 決済方法はいくつかの種類を導入する
新商品・特集ページを掲載する
新商品、特集ページは売上に貢献してくれる可能性が高いです。顧客は新商品やオススメ商品に興味を持っているからです。特集ページのCVRは他のページの2倍になることもあります。
サイト上ではできるだけ目立つ位置に掲載することが重要です。
LPを最適化する(LPO)
顧客に「この商品がほしい」と思ってもらうためには、魅力的なランディングページ(LP)を作成する必要があります。
顧客の興味をひけなければ、ECサイトから離脱される可能性が高まります。
魅力的なLPにするためには、ファーストビューを工夫したり購入ボタンの位置や大きさ、色などのデザインを変更したりするなどの改善を行いましょう。
おすすめ商品を提示する
顧客が目当ての商品を検索できるというだけでは、施策として不十分です。プラスアルファの施策として、顧客の閲覧履歴や商品検索をしたキーワードなどから、色違いの商品や類似商品をおすすめとして提示するレコメンド機能を追加しましょう。
機能追加により、顧客1人あたりの購入単価を増やしたり、滞在時間を延ばしたりするといった効果が期待できます。
口コミの投稿を増やす
できるだけ口コミの投稿を増やすことが重要です。口コミの効果は高いです。
ECサイトで買い物をする際にレビューをどの程度参考にするのかを尋ねた結果、どの年代でも「かなり参考にする」、「まあ参考にする」を合わせると6割強に達しています。*
酸恋:総務省「情報通信白書」
かご落ち対策を行う
かご落ちとは、顧客が気になる商品をカートに入れたまま、購入に至らないケースのことを指します。
一般的なかご落ち率は70%です。かご落ちの原因には、購入時の入力フォームが複雑である、送料や手数料がかかることが後からわかった、利用可能な決済手段がないなどが挙げられます。
対策として、入力フォームを簡易化する、送料や手数料などの追加料金の有無を記載するなどの工夫が必要です。
見やすくわかりやすいUIにする
UIとは、User Interfaceの略語で、顧客の目に触れるすべての情報を指す言葉です。
ECサイトのデザインやレイアウトのほか、商品情報などもUIに該当します。顧客が見やすい、わかりやすい、操作しやすいと感じるUIほど、顧客の満足度が高まる傾向にあります。
UIは、顧客の視点に立って、見やすさやわかりやすさ、使いやすさを見直しましょう。
決済方法はいくつかの種類を導入する
決済方法はクレジットカード・後払いが主流です。最低限、この2種は導入してください。
最近は、Amazon Pay(アマゾンペイ)を導入する事例も増えています。「Amazon Pay」を実装すると、Amazonアカウントに登録された配送先住所と支払い方法を使って簡単に決済が完了できる利便性から、購入の後押しにつながる効果があります。
ECマーケティングでリピート客を増やすための施策
安定的な売上を確保するためにはリピート客を増やし、定期的に商品を購入してもらう必要があります。以下では、具体的な施策を解説します。
- メールマガジン・LINE
- リマーケティング広告
- ポイント・クーポン配布
メールマガジン・LINE
メールマガジン・LINEを活用すれば、既存の顧客に対し、新商品やセールなどの情報を効率よく配信できます。
メールマガジン・LINEは、顧客とのコミュニケーションをとる手段として有効です。
配信したメッセージの反応率を分析すれば、開封率の高い件名などの情報を蓄積できます。これにより、効果の高いメッセージに改善でき、さらに精度を高められます。
リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、購入履歴がない場合でも、自社のECサイトを1度でも訪れたことがあるユーザーにアプローチするためのWeb広告です。
自社に興味をもつユーザーをターゲットに絞り込めるため、費用対効果が高い傾向にあります。訪問者数が多いECサイトで取り入れると、より高い効果を期待できます。
ただし、最近はユーザーを追跡するためのCookieが、端末側の制限により利用できないことが増えているため、施策の重要性は下がっています。
ポイント・クーポン配布
自社のECサイトで購入履歴がある顧客に絞って、会員ポイントや割引クーポンなどを配布する施策も効果的です。
ポイントやクーポンを配布する目的は、顧客の購入意欲を刺激し、商品購入の後押しをするためです。
ポイントの抹消やクーポンの利用などに期限を設けることで、顧客の購買行動を促しやすくなります。
ECマーケティングの課題
ECマーケティングを実施する際、以下の課題を意識した施策を行いましょう。
- 競合サイトが多い
- 集客が難しい
- 顧客の特定がむずかしい
- 中長期的な計画が必要
競合サイトが多い
インターネット上には多くのECサイトが存在するため、競争が激しくなっています。例えば、ECモールの大手である楽天は5万店舗、Amazonは18万店舗を超えています。
国内のEC市場が右肩上がりで伸びているとはいえ、多数あるサイトの中から顧客に選んでもらためには、マーケティングが必要です。
集客が難しい
売上を発生させるにはそもそもサイトへの訪問者が必要ですが、見込み顧客を集めるためには、Web広告・SNS・SEOの活用が必須です。サイトの強みによってどの手段がふさわしいかも判断が必要です。
しかし、正しいノウハウが必要です。我流では成果を伸ばすことは難しいので、専門の業者に相談することをオススメします。
顧客の特定がむずかしい
ECモールによる出店方法を選択した場合、ネットショップの運営者が入手できる情報は限られてしまいます。
一方で、自社ECの場合は、アクセス解析などとの連携によって、顧客に関する詳細情報を独自で管理できます。
この場合、取得できる情報が膨大な量になるため、それらを正しく分析できるスキルをもった人材を確保するとよいでしょう。
中長期的な計画が必要
Web広告などによる短期的な施策での集客も可能ですが、集客コストが増えるばかりで獲得効率が悪くなる場合があります。
また、リピート客を増やしたり、1人あたりの購入単価をアップさせたりするには、中長期的な施策が必要です。
中長期的な施策として、コンテンツマーケティングや、自社で開発したアプリなどの活用を検討しましょう。
まとめ
ECマーケティングとは、Eコマース(電子商取引)におけるマーケティング活動のことを指します。
従来のマーケティングとの違いは、ECマーケティングはオンライン上で行われるため、顧客との接点が少なく、購買行動データなどを活用した分析が重要になります。
ECマーケティングの施策には、集客施策、CVR向上施策、リピーター獲得施策などがあります。
課題としては、競争が激化していることや、顧客ロイヤルティの確保が難しいことなどが挙げられます。
しかし、ECマーケティングは、アクセス解析ができる、対面での接客が不要、全世界を対象にできるなど、従来のマーケティングにはないメリットもあります。
ECマーケティングは、今後もますます重要性が高まっていきます。
マーケティングによって、成果が大きく変わるため、企業は、ECマーケティングを駆使して、顧客との関係を構築し、売上を伸ばしていくことが求められます。
※当社2024年1月実績
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