ECサイトの分析を行うために必要なSWOT分析とは
「市場分析」をする際に「顧客」や「競合」に関しての分析を行う人は多くいますが 「経済状況」や「技術革新」「顧客のニーズの変容」などの外的要因まで、分析ができていないケースというのはよくあります。
例えば、景気悪化は顧客の出費を落ち込ませる原因になりますが、それは競合が何をしたからという問題では基本的にはありません。 このような、外的要因と、自社の内部要因から、販売戦略を立てていく際に活躍するフレームワーク「SWOT分析」について解説いたします。
SWOT分析とは
SWOT分析は
外部環境(機会、脅威)と内部環境(強み、弱み)
の4つに分けて分析をするフレームワークです。自社の現状と、それを取り巻く環境を明らかにし、 現状の課題や将来起こりうる問題に対処するための販売戦略や 自社の強みを生かした販路の拡大などを行う際に利用します。
外部要因とは法律の規制、景気、技術革新、業界環境の変化、顧客のニーズなどなど、自分たちでコントロールが難しい要素を指します。 法律や政治が自社の内部環境に大きく影響を与えることもありますが、商材によってはそこまで精査するのは難しいです。 優先的に明らかにするべきものは、顧客のニーズの変動になります。
内部要因とはブランドの認知度や、商材の品揃えといった、自社の企業努力によってコントロールできる要素になります。 自社が抱える課題や、サービスの付加価値を理解していくことが大切です。
分析の順番
分析を行っていく順番ですが、 まずは外部要因の分析項目である「機会」と「脅威」を市場や社会状況など、マクロな視点の項目を洗い出していきます。 なぜなら、基本的に内部要因は、外部要因の影響を受けてしまうためです。
例えば、スマホという新しい技術を生かした商品が流行り、ガラケーのニーズは落ち込みました。 もともとガラケーもブランド名がある程度認知はありました。 しかし、技術革新によるスマホの市場の拡大により、一気にガラケーの市場は小さくなってしまいます。
このように、内部環境は外部環境の影響を多く受け、売上げが変わってしまうので、まずは外部環境から調査・分析を行っていきます。
SWOT分析の事例
ではSWOT分析の具体的な項目である 外部環境の「機会」「脅威」 内部環境の「強み」「弱み」 という4つのセクションについて 「地方で酒蔵と実店舗とレストランの運営を行う酒屋が、自社の酒蔵のネットショップ運営を行う」をモデルケースに解説していきます。
外部要因(外部環境)
まずは外部要因である「機会」と「脅威」の分析からです。 改めて外的要因とは、法律の規制、景気、技術革新、業界環境の変化、顧客のニーズなどなど、自分たちでコントロールが難しい要素を指します。
機会
「機会」はSWOT分析の「O」で、Opportunitiesの頭文字です。 目標達成に貢献してくれそうなポジティブな外部要因(市場動向や政治動向など)を列挙します。 上記の例で言えば、 ・酒蔵が観光地として、メディアでの特集が多い ・海外からの注目が増え輸出量が増えている ・酒税法の改定により、日本酒の価格が安くなる これらの内容が「機会」に該当します。
脅威
「脅威」はSWOT分析の「T」でThreatsの頭文字です。 目標達成の妨げになるであろう、ネガティブな外部要因(市場動向や政治動向など)を列挙します。 ・チューハイやウイスキーに顧客が流れている ・若者のアルコール離れが進んでいる ・天候や災害によって商材の廃棄が発生することがある これらの内容が「脅威」に該当します。
内部要因
外部要因を明らかにしたら、次は内部要因として「強み」と「弱み」の分析です。 改めて、内部要因とはブランドの認知度や、商材の品揃え自社の企業努力によって、コントロールできる要素になります。
強み
強みはSWOT分析の「S」で、Strengthsの頭文字です。 目標に対して武器となる自社の強みを列挙します。 ・酒蔵が観光地となっているため既存顧客が多く、認知度が高い ・酒蔵運営をしているため、日本酒に精通しているスタッフがいる ・プレミア価格が付く商材や、入手しにくい商品を販売できる これらが、「強み」になります。
弱み
弱みはSWOT分析の「W」でWeaknessesの頭文字です。 目標達成の妨げになりそうな自社の弱みや障害を列挙します。 ・ほかの銘柄を取り扱えないため、商材数が少ない ・自社の銘柄のブランドの認知度に依存した集客対策が大半を占める ・粗利益が低い これらが「弱み」になります。
まとめ
これで自社を取り巻く環境と、自社の強みと弱みが明らかになりました。 しかし、この4つのセクションが明らかになっただけは、施策としてはまだ不十分です。 次はこの分析の結果から販売戦略を考えていく必要があります。 そこで、このSWOT分析の結果を使い、販売戦略を立てるのに有効的な考え方として、「クロスSWOT分析」があります。 このクロスSWOT分析に関しては、次の章にて解説いたします。
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