ものづくり補助金の採択結果の確認方法|採択率や発表のスケジュールも紹介

category :  EC売上UP

update :  2023/02/15(水)

staff :  nakahara

ものづくり補助金は「設備投資を通じて、新商品・サービスの開発や生産プロセスを見直し、生産アップを目指す中小事業者」を支援する制度です。

令和2年3月にスタートし、すでに複数回の公募が実施されています。

今回は、最新から過去までの全ての採択結果と採択率をご紹介。採択されるためのポイントや申請方法と採択後の流れも解説していますので、ものづくり補助金の利用を検討している方はぜひご覧ください。

 

ものづくり補助金の採択結果はいつどこで発表される?採択率は?

ものづくり補助金の採択結果は、公式ホームページである「ものづくり補助金総合サイト」で発表されます。

発表のタイミングは「申し込み期限から約2ヶ月後」であることが多いです。

なお、最新の締め切り回、採択発表日、採択率は以下の通りです。

 

締め切り回

採択発表日

採択率

一般型・グローバル展開型

14次

令和5年6月中旬予定

ビジネスモデル構築型

4次

令和5年1月20日

 

約20.9%

 

一般型・グローバル展開型の採択結果と採択率

ものづくり補助金の「​​一般型」は「生産アップのための新商品・サービスの開発、生産ラインの見直しのために設備投資が必要な事業者」向けの型です。

そして、一般型の内容を海外市場向けに展開する事業者向けの型が「グローバル展開型」となります。

一般型の公募はこれまでに14回、グローバル展開型は4回実施されました。

ここからは、一般型・グローバル展開型の応募者数・採択者数・採択率などを各回ごとに見ていきましょう。

 14次(最新回)と13次の採択結果と採択率

最新回である14次と、13次の採択結果や採択率は、まだ発表されていません。それぞれの申し込み期限と採択発表日は以下の通りです。

14次(最新回)の申込期限と採択発表予定日

申込期限

令和5年3月24日

採択発表予定日

令和5年6月中旬予定

 

13次の申込期限と採択発表予定日

申込期限

令和4年12月22日

採択発表予定日

令和5年2月上旬予定

 

12次の採択結果と採択率

12次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和4年10月24日

採択発表日

令和4年12月16日

応募者数

一般型:3,200

グローバル展開型:56

採択者数

一般型:1,885

グローバル展開型:22

採択率

一般型:約59%

グローバル展開型:約39%

採択者一覧(一般型)はこちら

採択者一覧(グローバル展開型)はこちら

12次は計3,256の応募があり、1,907事業者が採択されました。

一般型の採択率は約60%ですが、これは8次締切から共通する傾向です。

また、グローバル展開型の採択率についても、7次締切から40%程度で推移しています。

応募人数については、前回よりも1,000超減少しました。

11次の採択結果と採択率

11次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和4年8月18日

採択発表日

令和4年10月20日

応募者数

一般型:4,688

グローバル展開型:76

採択者数

一般型:2,786

グローバル展開型:31

採択率

一般型:約59%

グローバル展開型:約41%

採択者一覧(一般型)はこちら

採択者一覧(グローバル展開型)はこちら

「特定事業者と再生事業者の補助対象追加」「3つの新枠の創設」など大きな変化があり応募人数を増やした10次の勢いのまま、11次も応募人数を増やしています。

10次の採択結果と採択率

10次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和4年5月12日

採択発表日

令和4年7月15日

応募者数

一般型:4,224

グローバル展開型:70

採択者数

一般型:2,584

グローバル展開型:28

採択率

一般型:約61%

グローバル展開型:約40%

採択者一覧(一般型)はこちら

採択者一覧(グローバル展開型)はこちら

前回は過去最低クラスの応募人数でしたが、10次では回復傾向を見せました。

10次では「特定事業者と再生事業者が補助対象に加わり、これまで対象ではなかった企業が応募したこと」「新たな枠が3つ創設されたこと」などで、注目度が高まり、応募が増えたと推測されます。

9次の採択結果と採択率

9次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和4年2月8日

採択発表日

令和4年3月25日

応募者数

一般型:3,552

グローバル展開型:61

採択者数

一般型:2,223

グローバル展開型:24

採択率

一般型:約63%

グローバル展開型:約39%

採択者一覧(一般型)はこちら

採択者一覧(グローバル展開型)はこちら

9次は、1次を除いて最も少ない応募人数となりました。

一方、採択率については過去最高レベルの高さとなりました。

8次の採択結果と採択率

8次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和3年11月11日

採択発表日

令和4年1月12日

応募者数

一般型:4,584

グローバル展開型:69

採択者数

一般型:2,753

グローバル展開型:27

採択率

一般型:約60%

グローバル展開型:約39%

採択者一覧(一般型)はこちら

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前回よりも、1,000人ほど応募人数が減りましたが、採択率は大きく上昇し、約60%に達しました。

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7次の採択結果と採択率

7次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和3年8月17日

採択発表日

令和3年9月27日

応募者数

一般型:5,414

グローバル展開型:93

採択者数

一般型:2,729

グローバル展開型:39

採択率

一般型:約50%

グローバル展開型:約42%

採択者一覧(一般型)はこちら

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前回と比較して通常枠・特別枠ともに応募人数を増やし、トータルの採択率も50%を超えました。

6次の採択結果と採択率

6次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和3年5月13日

採択発表日

令和3年6月29日

応募者数

一般型:4,875

グローバル展開型:105

採択者数

一般型:2,326

グローバル展開型:36

採択率

一般型:約48%

グローバル展開型:約34%

採択者一覧(一般型)はこちら

採択者一覧(グローバル展開型)はこちら

6次は「低感染リスク型ビジネス枠」という特別枠が新設されました。

前回よりも通常枠の応募は減ったものの、特別枠の応募は微増しており、トータルの採択率も上昇しています。

5次の採択結果と採択率

5次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和3年2月22日

採択発表日

令和3年3月31日

応募者数

一般型:5,139

グローバル展開型:160

採択者数

一般型:2,291

グローバル展開型:46

採択率

一般型:約45%

グローバル展開型:約29%

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採択者一覧(グローバル展開型)はこちら

5次は、前回と比較して応募者数が半減しました。

その理由としては「応募者数の増加に対して採択率が下がり続けたこと」「事業再構築補助金がスタートしたこと」などが考えられます。

4次の採択結果と採択率

4次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和2年12月18日

採択発表日

令和3年2月18日

応募者数

一般型:10,041

グローバル展開型:271

採択者数

一般型:3,132

グローバル展開型:46

採択率

一般型:約31%

グローバル展開型:約17%

採択者一覧(一般型)はこちら

採択者一覧(グローバル展開型)はこちら

4次は、グローバル展開型の応募が初めてスタートしました。

また、4次募集が実施された年度は、補助率が最大3/4となる「コロナ特別枠」が設けられましたので、その影響で「10,000超」という突出した応募者数になったと考えられます。

一方、採択率は過去最低となっており、コロナ禍の影響を受けた事業者にはハードルの高い補助金となってしまいました。

3次の採択結果と採択率

3次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和2年8月3日

採択発表日

令和2年9月25日

応募者数

6,923

採択者数

2,637

採択率

約38%

採択者一覧はこちら

3次は、2次と比較して、1,000人以上応募者数が増加しました。

一方、採択率は急落しており、前回よりも約20%も低下しました。

2次の採択結果と採択率

2次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和2年5月20日

採択発表日

令和2年6月30日

応募者数

5,721

採択者数

3,267

採択率

約57%

採択者一覧はこちら

2次からは特別枠が設けられ、前回と比較して応募者数が倍増しています。

1次の採択結果と採択率

1次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和2年3月31日

採択発表日

令和2年4月28日

応募者数

2,287

採択者数

1,429

採択率

約62%

採択者一覧はこちら

制度のスタート段階のためか、過去最も少ない応募人数となっています。

 ビジネスモデル構築型の採択結果と採択率

ビジネスモデル構築型は「複数の中小企業を支援する事業者向け」の型となっています。

ものづくり補助金の中では特殊な型で、一般型・グローバル展開型と比較して非常に少ない応募数です。

一般型・グローバル展開型と同様、 過去の採択結果と採択率は公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」で公表されています。

▼ビジネスモデル構築型の採択発表日と採択率一覧

締め切り回

採択発表日

採択率

4次

令和5年1月20日

約20.9%

3次

令和4年7月27日

約31.7%

2次

令和3年5月19日

約27.7%

1次

令和2年7月10日

約5.1%

なお、ビジネスモデル構築型は、2022年に実施された「4次公募」を最後に廃止されました。

すでに、終了した公募のため、申請はできません。

 4次の採択結果と採択率(最新)

4次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和4年11月11日

採択発表日

令和5年1月20日

応募者数

43

採択者数

9

採択率

約20.9%

採択者一覧はこちら

前回と比較して応募者数はあまり変わらないものの、採択率は10%以上低くなりました。

3次の採択結果と採択率

3次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和4年5月31日

採択発表日

令和4年7月27日

応募者数

41

採択者数

13

採択率

約31.7%

採択者一覧はこちら

前回と比較して応募者数が半分未満になったのと引き換えに、採択率は全ての回の中で最も高くなりました。

2次の採択結果と採択率

2次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和3年3月19日

採択発表日

令和3年5月19日

応募者数

101

採択者数

28

採択率

約27.7%

採択者一覧はこちら

前回と比較して応募者数が1/3未満になったものの、採択率は大幅に上昇しました。

1次の採択結果と採択率

1次の採択結果と採択率は以下の通りです。

申込期限

令和2年6月12日

採択発表日

令和2年7月10日

応募者数

356

採択者数

18

採択率

約5.1%

採択者一覧はこちら

300を超える応募があったものの、採択率はわずか5%程度という低さでした。

過去の採択事例などがない状態での応募であったため、厳しい結果になったと推測されます。

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ものづくり補助金に採択されるポイント

ものづくり補助金に採択されるポイント

ものづくり補助金に採択されるためには、審査員からの高い評価を獲得する必要があります。

そのためには「事業計画を練り上げ、わかりやすく明確に提示すること」が重要です。

加点項目をはじめとする審査項目をしっかりと確認しつつ、ポイントを押さえて事業計画を作成しましょう。

 

まずは審査項目を確認しよう

ものづくり補助金は、以下の観点で審査を実施しています。

  • 補助対象事業としての適格性
  • 技術面
  • 事業化面
  • 政策面
  • 加点項目
  • 減点項目
  • 各枠における取組等の妥当性

上記の審査では「ものづくり補助金の目的に沿った事業計画か」「高い付加価値や優位性を生み出せるか」「事業者が事業計画を実現する技術・リソース等を持っているか」「各枠における取組等の妥当性があるか」などが判断されます。

中でも「補助対象事業としての適格性」では、3〜5年の計画において「年率平均3%以上の付加価値額増加等を達成する取組か」など、事業者の適格性が多角的かつシビアに見られます。

事業計画の要件が未遂の場合、補助金が支払われなかったり、返還義務が生じる可能性もあるためご注意ください。

また、ものづくり補助金には以下のような「減点項目」が設けられている点にも注意します。合致する事業者は、専門家などとともに対策を考えることがベストです。

  1. 過去3年以内に「ものづくり補助金に類似する補助金」の交付決定を1度受けている(2度以上交付決定を受けている場合は申請対象外)
  2. 申請要件を繰越欠損金による課税所得控除で満たしている(回復型賃上げ・雇用拡大枠の場合)

 

加点項目も確認しよう

ものづくり補助金には以下のような加点項目があります。

  • 成長性加点
    有効期間内に「経営革新計画」承認を得た事業者
  • 政策加点
    創業第二創業から5年以内の事業者など
  • 災害等加点
    有効期限内に「事業継続力強化計画認定」を得た事業者
  • 賃上げ加点等
    事業計画期間内における一定以上の賃上げの誓約書を事務局に提出した事業者

ものづくり補助金は「加点方式」での審査で、わずかな点数が採択/不採択を分ける可能性があります。

上記内容が当てはまる事業者・取り組みが可能な事業者は、加点が受けられるよう、しっかりと提出書類に記載してください。

採択されるためのポイント

同じ内容の事業計画書でも、書き方一つで印象が変わり、採択の可能性が大きく左右される可能性があります。

ここからは、採択される可能性を高めるための事業計画書の書き方についてご紹介します。

 

ストーリーや図表を用いてわかりやすい事業計画書を作る

ものづくり補助金の審査は、外部有識者らによる審査委員会が実施します。

有識者ではあるものの、提出する事業計画についての詳しい専門知識を持っているとは限りません。

また、事業計画書はA4サイズで計10ページ以内にまとめなくてはならず、しっかりと要点を示すことが求められます。

その意味でも「わかりやすさを重視した事業計画書」の作成が必要なのです。

そこで「どのような課題・問題意識に基づき、解決のためにどのような取り組みを実施するのか」といった明確なストーリーラインで、事業計画を説明しましょう。

さらに、文字だけでなく図表を用いることで、審査員に伝わりやすい事業計画書となることが期待できます。

 

具体的な数字を記載する

ものづくり補助金の公募要領では、事業計画書に盛り込む内容として「事業計画における付加価値額等の算出根拠」が挙げられています。

事業計画書は単にわかりやすいだけではなく「数字を使った具体的な根拠(エビデンス)」も求められているのです。

事業計画書の説得力が増すので、数字は積極的に盛り込むようにしてください。

 

ニーズを伝える

事業のニーズは、審査項目の1つである「事業化面」で見られるポイントです。

具体的には、ニーズの詳細(ユーザー・マーケット・市場規模など)を明確にしておかなければなりません。

市場調査などの結果が盛り込めればベターですが「オーダーを受けたが、提供できなかった」など、ニーズの気づきを得たエピソードを盛り込むことで、説得力のある事業計画書を作ることが期待できます。

 

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ものづくり補助金の申請方法と採択後の流れ

ものづくり補助金の申請方法と採択後の流れ

ものづくり補助金の申請には、事業計画書を含む各種必要書類を揃える必要があります。

申請は「電子申請のみ」となりますので、利用するための準備を早めにしておきましょう。

採択後にもしなければならないことがあるため、以下でチェックしてください。

必要書類

ものづくり補助金には、以下のような添付書類が必要です。

必要書類一覧

  • 事業計画書(A4サイズで10ページ以内)
  • 補助経費に関する誓約書
  • 賃金引き上げ計画の誓約書
  • 決算書等
  • 従業員数の確認資料
  • 労働者名簿
  • 応募申請時において再生事業者である証明する書類(再生事業者のみ)
  • 課税所得の状況を示す確定申告書類(回復型賃上げ・雇用拡大枠のみ)
  • 炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況 (グリーン枠のみ)
  • 大幅な賃上げ計画書(大幅な賃上げを行う事業者のみ)
  • 海外事業の準備状況を示す書類(グローバル市場開拓枠のみ)

さらに、加点審査を希望する場合には、追加書類が必要となるケースがあるため公募要領でご確認ください。

 

申請手順

ものづくり補助金の申請は、以下のような手順で実施されます。

  1. ものづくり補助金のホームページにアクセスする
    ものづくり補助金の公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」 にアクセスします。
  2. 電子申請システムへログインする
    「ものづくり補助金総合サイト」 の「電子申請」のタブをクリックし、電子申請システムのページにログインします。 電子申請の利用には「GビズIDプライムアカウント」が必要なので、事前に取得しておきましょう。
  3. 必要事項の入力・書類添付
    ログインした電子申請システムで、必要事項を入力し、書類を添付して、送信します。
  4. 審査結果の確認
    審査結果がメールで届くので、電子申請システムにログインして合否を確認してください。

 

採択後の流れ

ものづくり補助金に採択された後は、以下のような流れに沿って、事業の報告を実施します。

  1. 交付の申請
    採択が決定したら、交付申請手続きを実施します。手続きには見積書などいくつかの書類が必要です。無事、手続きが済むと交付決定通知が届きます。
  2. 補助事業スタートの実施
    事業計画書に沿った補助事業をスタートします。
  3. 実績報告の提出
    補助事業の完了後、30日以内に実績報告書を提出してください。
  4. 補助金の振込
    実績報告書の提出後に補助金が振り込まれます。
  5. 事業終了後の報告
    事業終了後、毎年5年間は、賃金引き上げ・付加価値額向上の状況などの、事業化報告を実施します。

まとめ

ものづくり補助金の公募は、これまで14回実施されています。

年間4回ほど公募が行われており、毎回の応募件数は数千件、近年の採択率は60%前後です。

ものづくり補助金は、外部有識者による加点審査で採択が決まるため、わかりやすく具体的で、加点ポイントをしっかり押さえた事業計画書作成が重要となります。

申請を検討される方は、実際に採択された事例などにも目を通しつつ、しっかりとスケジュールを把握した上で、余裕をもって申請するよう心がけてください。

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