【2023年】ものづくり補助金のスケジュールと14次の締切|採択後の日程も解説

「新たな商品・サービスの開発」「生産プロセスの見直し」などを実施したい中小事業者・小規模事業者向けの制度である「ものづくり補助金」。業種を問わず応募でき、最大3,000万円の補助金を得ることが可能です。
2020年のスタート以来、14回の公募が実施されており、年間4回ほど応募のチャンスがあります。
そこで今回は、ものづくり補助金に興味を持つ方を対象に、ものづくり補助金の概要と公募スケジュールをご紹介。補助金の申請方法や、採択された後のスケジュールについても解説します。
ものづくり補助金とは
ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者等の生産性アップのための取り組み(革新的なサービスや試作品の開発、生産プロセスの改善、設備投資等)をサポートする制度です。
働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度のスタートなど、相次ぐ制度変更に直面する中小企業・小規模事業者を支援することが大きな目的となっています。
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。
対象者
制度の名称は製造業向けのイメージですが、そうではありません。
ものづくり補助金は、あらゆる業種の中小企業・小規模事業者ほか、組合、特定非営利活動法人、社会福祉法人なども対象となります。
さらに、現在では「10億円未満の資本金の特定事業者」にまで対象が拡大され、中堅企業まで申請可能となっています。
補助金の申請枠
最新の「第14回公募」の申請枠は、以下の5つです。
- 通常枠
新たな製品・サービスの開発、生産プロセスやサービスの提供方法を改善するために要する、システム投資や設備、試作開発をサポートします。
- 回復型賃上げ・雇用拡大枠
概要は通常枠と同じですが、取り組みを通じて賃上げや雇用拡大を目指す事業者をサポートします。
- デジタル枠
概要は通常枠と同じですが、デジタル活用(DX化)を通じてこれに取り組む事業者をサポートします。
- グリーン枠
概要は通常枠と同じですが、温室効果ガスの排出削減への取り組みを通じてこれを実施する事業者をサポートします。
- グローバル市場開拓枠
海外市場の開拓・獲得に必要な設備投資などをサポートします。
補助率と補助上限額
第14回公募の申請枠の補助率と補助上限額は以下の通りです。
|
補助率 |
補助上限額 |
通常枠 |
1/2 (*小規模・再生事業者は2/3) |
1,250万円 |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 |
2/3 |
1,250万円 |
デジタル枠 |
2/3 |
1,250万円 |
グリーン枠 |
2/3 |
エントリー:1,250万円 スタンダード:2,000万円 アドバンス:4,000万円 |
グローバル市場開拓枠 |
1/2 (*小規模・再生事業者は2/3) |
3,000万円 |
ものづくり補助金には、事業内容の審査があり、採択されなければ補助を受けることはできません。
補助対象となる経費は「機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費」など、明確に定められています。それ以外の経費は補助対象とは認められないため、ご注意ください。
また、補助金の交付申請の際、審査次第で補助金額が減額するケースもあります。
※当社2022年8月実績
最新の公募スケジュールと採択発表日
ものづくり補助金の最新の公募スケジュールは「ものづくり補助事業公式ホームページ」で確認することができます。
ここからは、一般型・グローバル展開型、ビジネスモデル構築型の最新公募スケジュールと採択発表日を見てみましょう。
一般型・グローバル展開型
一般型・グローバル展開型の第14回・公募スケジュールは以下の通りです。
公募開始日 |
令和5年1月11日 |
申請開始日 |
令和5年3月24日 |
申請締切日 |
令和5年4月19日 |
採択発表予定日 |
令和5年6月中旬予定 |
第14回の公募は令和5年4月19日まで受け付けており、採択発表は令和5年2月を予定しています。なお、第14回の公募からは、以下のような変更点があります。
14回からの変更点
・グリーン枠を「エントリー」「スタンダード」「アドバンス」の3段階の補助上限設定に拡充 ・ 「JAPANブランド育成支援等事業費補助金」をグローバル市場開拓枠へ統合 ・大幅な賃上げ(事業終了後3〜5年で事業場内最低賃金を年45円以上引上げるなど)を達成した事業者に、最大1,000万円の補助上乗せ ・第13回までは「通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠」をまとめて「一般型」と呼称していましたが、第14回からこの呼称はなくなっています。 |
ビジネスモデル構築型
ビジネスモデル構築型は「複数の中小企業をサポートする事業者向けの補助金」です。
一般型・グローバル展開型では主に「新商品・新サービス開発のための設備投資」に対して補助金が交付されるのに対して、ビジネスモデル構築型では「中小企業のイノベーション創出を後押しする事業計画の開発・実行」に関連した経費に補助金が交付されます。
ビジネスモデル構築型の第4回・公募スケジュールは以下の通りです。
公募開始日 |
令和4年10月24日 |
申請開始日 |
令和4年11月7日 |
申請締切日 |
令和4年11月11日 |
採択発表日 |
令和5年1月20日 |
第4回の公募はすでに終了しており、採択事業者も発表されています。
なお、第4回の公募を最後にビジネスモデル構築型は廃止されました。今後は申請することができないためご注意ください。
※当社2022年8月実績
過去の公募スケジュールと採択発表
「ものづくり補助事業公式ホームページ」では、過去の公募スケジュールについても確認できますので、気になる方はチェックしてみてください。
ここからは、一般型・グローバル展開型、ビジネスモデル構築型の過去の公募スケジュールと採択発表日を見てみましょう。
一般型・グローバル展開型
ものづくり補助金の一般型は、令和2年3月にスタートし、最新回を除いてこれまで13回実施されてきました。
グローバル展開型は、第4回から公募が開始されています。
第13回の公募スケジュールと採択発表
一般型・グローバル展開型の第13回・公募スケジュールは以下の通りです。
公募開始日 |
令和4年10月24日 |
申請開始日 |
令和4年11月7日 |
申請締切日 |
令和4年12月22日 |
採択発表日 |
令和5年2月中旬予定 |
第13回の公募はすでに終了しており、採択発表は令和5年2月を予定しています。
ビジネスモデル構築型
ものづくり補助金のビジネスモデル構築型は、令和2年の4月にスタートし、最新回を除いてこれまで3回実施されました。
第1回は応募数が350を超えていましたが、採択率が非常に低かったためか、第3回・第4回では応募数が約40程度となり、第4回公募で終了しました。
第3回の公募スケジュールと採択発表
ビジネスモデル構築型の第3回・公募スケジュールは以下の通りです。
公募開始日 |
令和4年3月30日 |
申請開始日 |
令和4年4月22日 |
申請締切日 |
令和4年5月31日 |
採択発表日 |
令和4年7月下旬 |
第3回の公募は令和4年5月31日まで実施しており、令和4年7月下旬に採択事業者が発表されました。
ものづくり補助金採択後のスケジュール
ものづくり補助金に採択された後は、以下のような流れに沿って、事業や事業の報告等を実施します。
- 交付の申請(採択発表から約1ヶ月程度)
採択が決定したら、交付申請手続きを実施します。手続きには見積書などいくつかの書類が必要です。無事、手続きが済むと交付決定通知が届きます。 - 補助事業スタートの実施(交付決定後より最大10ヶ月〜12ヶ月)
事業計画書に沿った補助事業をスタートします。 - 実績報告の提出(事業完了日から起算して30日の経過日か事業完了記念日の、どちらか早い日)
補助事業の完了後は、事務局へ「実績報告書」を提出してください。 - 補助金の振込(確定検査から補助金の振込まで1ヶ月程度)
実績報告書の提出後、確定検査を経て交付額が確定します。それに対して補助金請求を行うことで、補助金が振り込まれます。 - 事業終了後の報告(事業終了後の5年間)
事業終了後、毎年5年間は、事業成果の報告(賃金引き上げ・付加価値額向上の状況などについて)が必要です。
ものづくり補助金の申請方法
ものづくり補助金を活用したい方は、以下の手順で申請します。
- GビズIDプライムアカウントの用意
ものづくり補助金の申請方法は「電子申告のみ」となっています。電子申告するためには「GビズIDプライムアカウント」をあらかじめ用意しておく必要があります。詳しくはマニュアルをご覧ください。 - 「電子申請システム」へログインする
「ものづくり補助金総合サイト」 の「電子申請」のページより、システムにログインしましょう。 - 必要事項の入力/ 必要書類の添付
電子申請システムから必要事項の入力を行い、「事業計画書のPDF」などの必要書類を添付した後で、送信します。 - 審査完了
審査が完了すると、メールが届きます。再び電子申請システムへログインし、結果を確認してください。
まとめ
ものづくり補助金は、あらゆる業種の中小事業者、小規模事業者、そして中堅企業(特定事業者)までも利用できる制度です。
設備投資を通じて生産性向上を目指す事業者・企業に向いています。
最新の公募(第14回公募)は、令和5年4月19日まで申し込めるので、利用したい方は速やかに準備をスタートしましょう。
最新の公募(第14回公募)では「通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル市場開拓枠」の5枠が設けられていますので、 立案する事業計画などと照らして、最適な枠を選んでください。
※当社2022年8月実績
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