ネットショップ開業のおすすめサービスを比較|選び方のポイントは実店舗の有無とコスパ
ネットショップの売上が年々拡大しています。
経済産業省が2021年に発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、2020年のEC市場規模は19兆2779億円で、物販系は21%増の12兆円となりました。
いつでも誰でもスマホで買い物ができる時代、この機会にネットショップを開業したいけれど、どうすればいいか分からず、悩んでいる人も少なくありません。
今回はおすすめの出店方法、ネットショップの選び方などについて紹介します。
ネットショップのおすすめはASP型
ネットショップの主な出店方法として以下の2つがあります。
【ASP型】
ASPは、アプリケーション サービス プロバイダ(Application Service Provider)の略語で、インターネット上でアプリケーションを利用するサービスや、サービスを提供する事業者のことです。ASP型とは、ネットショップに不可欠なサービスやシステムを、提供する事業者からレンタルしてネットショップを運営する形態をいいます。
お店独自のドメインを取得し、オリジナルのホームページを開設できるだけでなく、デザインの自由度が高く、商品ページをカスタマイズできるのがメリットです。
一方、事業者が用意した機能を利用するため、もともとある機能以上に追加ができないのがデメリットです。
【ECモール型】
ECモール型とは、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどに代表される、巨大なECモールにネットショップを開く形態です。現実のショッピングモールの中で出店するようなイメージで、宣伝や集客などはショッピングモールが行ってくれるのがメリットです。
一方、初期費用が高額で、売上の一部を手数料として支払う必要があり、決められたルールの中で運営しなければいけないのがデメリットです。
最近では、ASP型のネットショップを開業する人が増えています。自由度が高く、お店の個性をアピールしやすく、SNSを使った集客や宣伝が充実してきていることが理由です。こだわり商品を扱うお店の経営者には、ASP型のネットショップがおすすめです。
以下、ASP型ネットショップについて解説します。
有料と無料どちらのネットショップがおすすめ?
ASP型のネットショップには、有料と無料があります。
有料ASPは、無料タイプと比べるとデザインや機能が豊富で、より多くの商品数を登録することができます。販売手数料だけでなく、初期費用や毎月の固定費も必要ですが、その分集客サポートやデータ分析などの体制が充実しているのが特徴です。
実店舗を持ち、費用負担に見合った成果を出したい人、商品数が多く、デザインやいろんな機能を使いたい人などに向いています。
無料ASPは、デザインや機能は限定され、商品数もそれほど多く登録できません。販売手数料は必要ですが、初期費用や毎月の固定費は不要です。ハードルを低くして始めたい人、費用負担を極力抑えたい人、商品数がそれほど多くない人などに適しています。
結局のところ、有料か無料かは、ネットショップにどこまで求めるかの違いといえるでしょう。
ネットショップの選び方
ネットショップを比較検討する際、“とりあえず費用”に目が行きがちですが、過不足のない機能が搭載されているか、費用対効果があるかどうかを確認する必要があります。
大きく関係してくるのは、実店舗を持っているかという点です。ネットショップで集客して、実店舗に呼び込みたい場合は、集客機能の優れたASPを選択するのが賢明です。
ネットショップだけで商売する場合は、“とりあえず費用”で構わないのですが、オンラインで販売する仕組みが軌道に乗った時点で、有料版に拡張するのも良いでしょう。
実店舗の有無
実店舗の有無によって、ネットショップに集客力を求めるウエイトが変わってきます。
集客力を求めない場合は、集客のために大きな費用をかけなくても大丈夫です。集客力を求める場合は、SNSと連携する機能や、クーポン利用などの集客のための機能が必要となります。「在庫管理」や「販売管理」の連携機能にも注目してください。
実店舗を持っている
エステや飲食など、実店舗を持っている場合、必要となる機能は、実店舗とネットショップを連携する機能(在庫管理、販売管理)、クーポン発行機能、メルマガ配信機能などです。
実店舗とネットショップの在庫が自動で同期する機能を選ぶと、一方の店で商品が売れるたびに、もう一方の店の在庫も自動的に調整されます。売上が一つの画面で管理できるのも魅力です。
実店舗で使えるクーポンを発行するのも有効です。ネットショップで購入してくれたお客様に発行することで、実店舗への来店を誘導できます。2つを連携したポイントサービスも効果的です。メルマガ配信は一元客を優良顧客にするための手段です。無制限で配信できるため活用すると良いでしょう。
逆に不要な機能は、実店舗でSNSをしている場合だと、SNS連携機能は不要になるかもしれません。
実店舗を持たない
ハンドメイド、雑貨、ノベルティなど、実店舗を持たない場合、ネット上で商品をより素敵に見せる工夫が必要となるため、デザイン機能を充実させると良いでしょう。商品の写真もプロカメラマンに撮ってもらうと、より映えるものになります。ネットショップの見せ方を良くする機能を積極的に使うことがポイントです。実店舗があるものの、Webでの集客を強化したい方にも当てはまります。
連携する実店舗がないため、在庫管理を連携する機能は不要です。
費用
ネットショップ開設する際にかかる費用の種類をみてみましょう。絶対に必要な費用、やり方次第で削れる費用があります。
イメージしやすいようにリアル店舗と比較しながら、ネットショップにかかる費用をみていきます。
初期費用
初期費用とは、開業するために必要な設備をそろえるための費用です。リアル店舗では、
リアル店舗では、お店を借りるための保証金、仲介手数料、内装費や外装費などの工事にかかる費用、テーブルやレジスターの購入費、看板などの製作費用、新聞の折り込みチラシなどの広告費などが挙げられます。
ネットショップでは、インターネット上にネットショップを構築するための費用に当たります。サーバーやソフトを用意して、お店のデザインを決め、商品の画像を載せる。SNSと連携し、広告する仕組みを作るのもすべて初期費用に含まれます。
BASE(無料版)やカラーミーショップ(無料)STORES、Shopifyなどでは初期費用は0円ですが、カラーミーショップ(有料)、ショップサーブ、Make Shopといった有料ASPでは3,300円~となっています。
月額費用
月額費用とは、事業を運営していく上で毎月かかる運転資金です。
リアル店舗だと、毎月の家賃、スタッフの給与、水道光熱費、仕入代金や原材料費などが毎月かかる費用ですが、状況によって金額が変わる変動費、毎月支払わなければならない固定費に分かれます。
ネットショップだと、サーバーの利用代金、システムのレンタル料などが該当します。
BASE(無料版)やカラーミーショップ(無料)STORES、Shopifyなどでは月額費用は0円ですが、カラーミーショップ(有料)、ショップサーブ、Make Shopといった有料ASPでは4,950円~となっています。
決済手数料・販売手数料
クレジット払いのとき、クレジット会社にカード決済の手数料を支払う必要があります。ネットショップでは決済方法としてクレジットを対応しているお店が多く、決済手数料はリアル店舗でもネットショップでも必須の費用です。BASE(無料版)は3.6% + 40円+3%、STORESは5%、有料ASPのショップサーブは3.675%∼4.725%となっています。
販売手数料とは、販売金額などに応じて委託事業者や仲介人に支払う手数料のことです。無料・有料ASPともに0円としているところが多いのですが、有料ASPのショップサーブは注文処理手数料として、1回の注文に付き、34円+税がかかります。
振込手数料・振込事務手数料
振込手数料とは、売上金額を指定の銀行口座に振り込む際に必要な手数料です。その事務処理にかかる手数料が振込事務手数料です。一定金額以上で無料となることもあります。
STORESでは、振込手数料は275円、振込事務手数料は10,000円未満だと275円、10,000円以上0円です。BASEの振込手数料は250円、振込事務手数料は20,000円未満で500円、20,000円以上は0円となっています。
送料
商品を発送するための費用です。初期費用など、前述した費用は運営会社やクレジット会社、決済代行会社などに支払う費用ですが、送料は、お客様から頂く費用です。
送料の相場は、各自で設定するのが一般的ですが、出荷数がそれほど多くない開業時から、送料を安くする方法を考えることが、売上向上につながります。お客様側からすると、全国一律送料無料というのが分かりやすく、嬉しいのですが、お店の負担になってしまっては大変です。
運送業者によっても異なりますが、ドライバーさんが金額の交渉権利を持っている場合があり、交渉次第で送料が安くなることもあります。複数の運送業者から見積もりをもらう相見積(あいみつもり)を行った上で、交渉すると良いでしょう。
段ボールなどの外装資材、商品を衝撃から守る緩衝材といった梱包資材の購入も必要です。こちらも運送業者が取り扱っている場合があるので、相談してください。
※当社2022年4月実績
対応している決済手段
ソフトバンクの子会社SBペイメントサービスが2020年に行った「ECサイトで物品・デジタルコンテンツを購入する際の決済手段に関する調査」によると60%以上の人が、希望する決済手段がないことを理由に購入を辞めていることが明らかになりました。
希望する決済手段がない理由で、購入する機会を逃さないためにも、できる限り選択肢は増やしておくことをおすすめします。ネットショップによって、対応している決済手段は異なります。またプランによっても違うため、確認しておきましょう。
今の時代、対応必須の決済手段は以下の通りです。
- ・ クレジットカード
- ・ 後払い
- ・ 銀行振込
- ・ コンビニ決済
- ・ ID決済(AmazonPay、PayPayなど)
- ・ スマホ決済サービス(d払いなど)
無料のおすすめネットショップ3選を比較
無料のおすすめネットショップを比較しました。
いずれも初期日よと月額費用が0円で、初心者でもネットショップを作ることができます。事業規模の拡大に伴い、有料プラン移行することも可能です。
比較項目 |
BASE |
Square |
STORES |
|
費用 |
初期費用 |
0円 |
0円 |
0円 |
月額費用 |
0円(有料コース有) |
0円(有料3コース有) |
0円(有料コース有) |
|
決済手数料 |
3.6%+40円+3% |
3.6% |
5% |
|
初心者向け |
◎ |
◎ |
◎ |
|
SEO対策 |
△ |
△ |
△ |
|
集客支援機能 |
△ |
△ |
△ |
|
SNS連携 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
サポート体制 |
お問い合わせフォーム、 |
メール、電話 |
WEBフォーム、メール、 |
無料のネットショップの主な違いと選び方を紹介します。
BASE(ベイス)
テレビCMで話題を集めた. BASEは、初期費用・月額費用が0円と、低いハードルからネットショップを始めたい人におすすめです。2022年4月から、有料の「グロースプラン」(決済手数料2.9%+月額サービス利用料5,980円)が追加されました。
会員登録すると、クレジットカード決済が導入できるエスクロー決済がすぐに使うことができるのが特徴です。BASEアプリに自分の店を出店することができるのも魅力で、メルカリやZOZOTOWNなどに出店するような感覚で、ネットショップデビューができます。
Square(スクエア)
無料サービスの中でも、決済手数料が一番安く、売上金額を出金する際の振込手数料も0円です。売上金額に関係なく、決済代金は最短で翌営業日に自動入金されるとあって、資金繰りにストレスを感じたくない、スモールビジネス初心者に最適です。
実店舗とネットショップを連携する機能もあります。Square POSレジで決済すると2つの店の在庫が連動するため、在庫と売上の管理がしやすくなるのも特徴です。有料プランもあり、事業拡大に合わせての移行もスムーズです。
STORES(ストアーズ)
初期費用と月額費用0円で、専門知識がなくても簡単にネットショップが開設できるのがSTORESです。ノーリスクで始めることができ、売上が読めなくて不安な人、副業として始めたい人にぴったりです。
有料のスタンダードプラン(月額費用2,178円、決済手数料3.6%)に移行することも可能です。導入するとヨガなどのオンライン教室、美容院向けのネット予約システムも使えるのも評価されています。
有料のおすすめネットショップ3選を比較
有料のおすすめネットショップを比較しました。検索結果の上位に表示される人気ネットショップです。それぞれ月額費用、決済手数料などが異なりますが、集客や売上アップに強みを持つサイトばかりです。
比較項目 |
カラーミーショップ |
MakeShop |
Shopify |
|
費用 |
初期費用 |
3,300円 |
11,000円 |
0円 |
月額費用 |
4,950円(無料版、 |
11,000円 |
29ドル |
|
決済手数料 |
2,500円 |
3.19%~ |
3.25%~4.15% |
|
初心者向け |
◎ |
◎ |
〇 |
|
SEO対策 |
〇 |
◎ |
〇 |
|
集客支援機能 |
◎ |
◎ |
◎ |
|
SNS連携 |
月550円 |
◎ |
◎ |
|
サポート体制 |
メール、電話、 |
メール、電話 |
メール |
有料のネットショップを比較してわかる、サービスごとの主な違いと選び方を説明します。
カラーミーショップ
ネットショップでの集客が目的の人向けの有料サービスです。デザインの自由度が高く、カスタマイズが柔軟に対応できるとあって、個性的なネットショップを作りたい人に最適です。機能をさらに充実したいときは「カラーミーショップアプリストア」で追加購入できます。初心者向けのセミナーも行っていて、初心者でも安心です。
2021年5月から初期費用・月額費用が0円のフリープランができました。しかし、フリープランは、集客機能が充実していないため、表記載の有料プランがおすすめです。
MakeShop(メイクショップ)
MakeShopのプレミアムプランはネットショップで集客したい人、売上を伸ばしたい人に最適なプランです。搭載されている機能は、651機能。クーポン発行、まとめ買い割引、会員ランクの自動振り分けといった集客アップにつながる機能が標準装備されています。
初期費用・月額費用は割高ですが、SNS連携だけでなく、Amazonとも連携しています。MakeShopを導入することで、Yahoo!ショッピングへの出店もできます。3年以上の長期契約を申し込むと、月額費用が30%割引され、さらにコストを抑えることが可能です。
Shopify(ショッピファイ)
海外で商品を販売したい人は世界規模のネットショップを作る必要があります。Shopifyは2022年4月現在、175カ国、170万店舗以上で使われているECサイトで、各国の言語や税率、決済方法などに対応しています。越境ECサイトを構築したい人、海外から集客したい人に最適です。
※当社2022年4月実績
まとめ
ネットショップの出店方法はモール型とASP型があり、今の時流はブランド化しやすくて、自由度が高いASP型に人気が集まっています。ASP型にも無料で開業できるサイトと、有料版に分かれています。ほとんどの人は費用に目を向けがちですが、自分がネットショップに何を求めてるのか(例えば副業か本業かなど)を明確にした上で選ぶことが大切です。自分のお店をネット上で作り、起業しましょう。
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