オムニチャネルとは|オムニチャネルの成功事例から戦略を学ぶ
昨今オムニチャネルを導入する企業が増えてきています。 消費者の購買行動が多様化してきていることから、オムニチャネル化は企業にとって課題となっているのではないでしょうか。 今回は、「そもそもオムニチャネルは何か」から「オムニチャネルを取り入れている企業の事例」をメインにお伝えしていきます。
オムニチャネルとは
オムニチャネルとは自社のすべての販売チャネルを統合して総合的にお客様にアプローチする戦略です。オムニチャネルの「チャネル」という意味は「経路」をさします。具体的には、
- ・店舗
- ・ECサイト
- ・メルマガ
- ・テレアポ
- ・SNS(TwitterやInstagram等)
上記の経路がお客様の主な販売経路に含まれます。 オムニチャネルは、オフライン/オンライン問わずあらゆる経路を通じてお客様と接点を作り販売促進につなげます。
オムニチャネルを行った企業の成功事例
オムニチャネル戦略を取り入れている企業の成功事例を見ていきましょう。
ユニクロのオムニチャネル事例
ユニクロのオムニチャネル事例は、三井不動産が運営する三井ショッピングパーク公式通販サイト「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」に出店をしたことです。「&mall」では、三井不動産が運営する商業施設内のリアル店舗で販売している商品をEC販売することが可能です。
出典:PRTIMES
お客様へのメリットは以下です。
- ・&mall経由で注文した場合、配送先に近い店舗から商品が発送されるため、配送時間・距離を短縮することができる。
- ・店舗在庫情報が見れ、施設でも受け取ることが可能なため、自宅配送だけでなく三井不動産が運営する商業施設内のリアル店舗や、「&mall DESK」でも受け取ることができる
店舗側は、店舗にEC(&mall)からの注文が入ることで、これまで店舗毎にバラツキのあった在庫リスクを減少できるため長期的に店舗運営が可能になるなどのメリットがあります。
&mallは2020年11月時点ですでに会員数を300万人突破しており多くのユーザーがいます。アンドモールへの出店を通してユニクロはオムニチャネル化を加速させ売上拡大につなげていくでしょう。
参考:PRTIMES
資生堂のオムニチャネル事例
出典:資生堂公式HP
資生堂のオムニチャネル事例としては、 全国約300カ所にある百貨店の美容カウンターで一斉にwebカウンセリングを可能にしたことがあげられます。
百貨店にいらっしゃるお客様は、ビューティーコンサルタントにカウンセリングやタッチアップをしてもらいたい・対話をしたいというニーズが強いため、ビューティーコンサルタントの存在が必須でした。しかしコロナの影響でカウンターの閉鎖やタッチアップが禁止になったことで、お客様とのコミュニケーションが不可能になりました。そのため店頭からECで購入へ流れましたが、ECの場合どうしても化粧体験の満足度は低下しがちです。
そのため、全国約300ヵ所にある百貨店の美容カウンターでビューティーコンサルタントが対応する「Webカウンセリング」を開始しました。これを通して、コロナ渦で不可能になったお客様とのコミュニケーションを可能にし化粧体験の満足度UPヘ貢献しました。
参考:markezine
無印良品のオムニチャネル事例
良品計画(無印良品)のオムニチャネル事例としては、スマホアプリ「MUJI passport」の開発をおこないました。
出典:MUJI無印良品
アプリの基本機能は、
- ・店頭やECサイトでのお買い物で「MUJIマイル」というポイントがたまる
- ・無印良品からの最新情報(お知らせやお得な情報など)が届く
- ・MUJI passport Payというお支払方法を設定すると、無印良品のお店でスマホ一つで買い物ができる
という機能があります。
MUJI passportの活用を通じて、ネット/リアルの区別なく無印良品のファンとのコミュニケーションできるようになったことや、店舗の来店客数の増加につながり、アプリを活用した売上額が全体の3割まで達し売上アップにつながりました。
イオンのオムニチャネル事例
イオンは、「コト」「モノ」「ネット」を軸とし、オムニチャネルに取り組んでいます。 オムニチャネルの具体的な事例は、商品やセールスの情報を集めたポータルサイト「AEONおトク!」というサイトをスタートさせたことです。
出典:AEONおトク!e予約
「AEONおトク!」は、イオンの商品をネット上で予約し、仕事帰りなどに自宅近くのイオンで商品を受け取ることができる予約サービスです。 具体的な活用事例は、テレビで商品CMを放映し、CMを見た人がCMの内容に関するキーワードでネット検索し「AEONおトク!」のサイトに訪れるように繋げています。例)イオン、コロッケ
ネット検索からさらに商品に興味を持ったお客さまは店頭に行って購入するか、ネットスーパーで購入することができます。「マスメディア→ネット→店頭」のストーリーでプロモーションを展開できた事例と言えます。「AEONおトク!」の存在は、店舗とネットとをシームレスにつなぎ、お客さまが商品に触れる機会の増加を可能にしました。
オムニチャネル メリット
オムニチャネルのメリットは以下が挙げられます。
- ・ユーザビリティの向上
- ・効果的な施策が実行可能に
オムニチャネル化すると、店舗が提供する商品をあらゆる手段でいつでも手に入れられるようになるため、ユーザーの利便性が向上します。 例えば、ECサイトでほしい商品の在庫を事前に確認できれば、「せっかく店舗にいったのに在庫がない」なんてことは起こらないですよね。 また、「買い物する時間がないから事前にネットで予約して、あとは受け取りだけ」等、オムニチャネル化することでユーザーの利便性を向上させることができます。ユーザーが満足するような購買体験を提供できると、リピーター増加につながります。結果として、売上アップにもつながるので企業にとってもメリットです。
オムニチャネルは複数チャネルを展開を通してお客様の情報を得る機会が増加し、多くのデータを蓄積することができるため、お客様の購買行動をより細かく分析することができます。分析を通して、よりパーソナライズ化された施策を行うことができ、顧客満足度を向上させることができるでしょう。
オムニチャネル デメリット
オムニチャネルのデメリットは以下が挙げられます。
- ・チャネル間の連携や運用に工夫を有する
- ・即効性がない
オムニチャネルは複数のチャネルを展開しているため、各チャネルをバランスよく運用していく必要があります。 例えば、いままで実店舗を利用していたが、ECサイトの利便性から店舗で購入せずにECサイト上だけで購入するケースがあります。 この場合、実店舗の売上が落ちるため、オムニチャネル化した意味がなくなります。複数チャネルの展開において成果の奪い合いにならないように工夫して運営する必要があります。 そして、オムニチャネルはWEB広告のように即効性のある施策ではありません。各チャネルを通して顧客満足度を上げ、ブランドに対する信頼や愛着を高めていくことで効果を発揮します。そのためには、コストをかけてPDCAを回しつづけていくことが必要になるので、資金を確保できるかも課題となるでしょう。
オムニチャネルマーケティング戦略の成功ポイント
オムニチャネルを成功させるには以下のポイントを押さえておくことも大切です。
- ・オムニチャネル化するにあたりゴール・計画を決める
- ・全チャネルの連携・運用を工夫する
- ・PDCAを回し続ける
オムニチャネル戦略を実行するにあたって、「何を成し遂げたいのか」を明確に定めましょう。施策にも様々な方法が考えられますので、企業の特性を踏まえて有効な方法を取り入れることが大切です。それから、オムニチャネルは複数チャネルを展開することから成果の奪い合いが起きる可能性がありますが、各チャネル間の連携をしっかりとって運用していくことでオンライン/オフライン関係なく総合的に売上を伸ばすことができるでしょう。また、PDCAを回し続けよりよい顧客体験の提供にを徹することでオムニチャネルの効果が発揮されていくでしょう。
まとめ
今回は、オムニチャネルの意味から主な企業の成功事例についてご紹介しました! 本記事を通してオムニチャネル化を進めるきっかけとなると幸いです。
関連記事
-
2024/09/30(月)
-
2024/09/30(月)
-
2024/09/26(木)
-
2024/09/24(火)
-
2024/09/13(金)