Shopify Plus(ショピファイプラス)とは|通常プランとの料金や機能の違い・できること・導入事例
2017年に日本上陸し、現在多くの企業で利用されるECプラットフォーム「Shopify」(ショピファイ)。実は、リーズナブルな通常プランの他に、機能やインフラサポート体制を強化したプラン「Shopify Plus」(ショピファイプラス)が用意されていることをご存知ですか。
今回はShopify Plusと通常プランの違い、Shopify Plusならではの機能を解説。さらにShopify Plusの利用による成功事例もご紹介しますので、Shopifyで大きな売り上げがあったり、通常プランに不足を感じるようになった方はぜひご覧ください。
Shopify Plus(ショピファイプラス)とは
Shopify Plusとは、ECプラットフォームサービス「shopify」の最上位プランです。
Shopifyは、175カ国以上の数百万以上の事業者をサポートするサービスで、中小企業はもちろん、世界的に名の知れたグローバル企業も利用しています。
そんなShopifyには3つの通常プランが存在しますが、Shopify plusは通常プランにはない機能やサポートで、円滑なECサイト運営を支えてくれるのです。
通常プランとの違い
ここからは以下の表から、Shopify Plusと通常プラン(ベーシック、スタンダード、プレミアムの3プラン)を比較します。
|
Shopify Plus |
ベーシック |
スタンダード |
プレミアム |
月額料金 |
2,000ドル/月 (*規模により変動) |
25ドル/月 (3,583円) |
69ドル/月 (9,889円) |
299ドル/月 (42,857円) |
スタッフアカウント数 |
無制限 |
2 |
5 |
15 |
構築できるサイト数 |
10サイトまで |
1サイト |
1サイト |
1サイト |
在庫のロケーション |
最大20 |
最大4 |
最大5 |
最大8 |
決済手数料 |
日本発行のカード 海外発行のカード |
日本発行のカード 海外発行のカード |
日本発行のカード 海外発行のカード |
日本発行のカード 海外発行のカード |
※円の表記は目安です。
Shopifyのプランは月額料金が高額になるほど、登録できるスタッフアカウント数や設定できる在庫のロケーション数が増え、逆に決済手数料は少なくなっていきます。
Shopify Plusは最も高額なプランなため、登録設定できるスタッフアカウント数・ロケーション数が最大で、決済手数料は最安です。
多額の売上と膨大な商品の動きがあるECサイトの場合は通常、管理・運営に多数のスタッフが必要で、なおかつ在庫を保管する倉庫の数なども多くなると考えられます。
したがって、Shopify Plusは、大規模ECサイトを大人数で管理・運営する企業に向いています。
また、10サイトまで構築できる点もShopify Plusの大きな特徴です。海外向けに複数のストアをするなど越境ECを考える企業にもShopify Plusは適したプランということができるでしょう。
Shopify Plusだけでできること
Shopify plusには以下のように、通常プランにはない機能やサポートが用意されています。
Shopify Plusだけでできること
- 専用のアプリを利用できる
- 専用のAPIを使用できる
- 専任のサポートが受けられる
Shopify Plusで利用できるようになる専用のアプリには、業務の自動化に関するものが多いです。Shopify Plusで利用できるようになる専用のAPIも多彩ですが、APIが大容量化・高速化することも大きな特徴です。また、Shopify Plusを利用すると専任担当者がつき、24時間のサポートが提供されます。ここからは、それぞれの詳細について見ていきましょう。
専用のアプリを利用できる
Shopify Plusでは、通常プランでは使うことができない、以下のような専用アプリを利用可能です。
アプリ |
できること |
Shopify Flow |
事業者やユーザーへの通知の自動化 |
Launch Pad |
キャンペーンやイベントリリースの自動化 |
Script Editor |
プロモーションや複合条件付きディスカウントの自動化 |
Transporter |
既存システムのデータをshopifyへ移行 |
Wholesale Channel |
卸業者向けにBtoBストアを開設 |
Shopify Flow、Launch Pad、Script Editorは業務自動化に関するアプリで、大規模ECサイト運営における業務負担の軽減に役立ちます。
特にLaunch Padは、海外ECサイトを展開している場合、人力でキャンペーンやイベントをリリースする必要がなくなるため、時差のある複数の国々で実施しても、タイミングを外す心配もありません。
・BtoBストアの開設(Wholesale Channel)
卸事業者向けに商品を販売することが可能になります。
具体的には、売っている商品を顧客(ユーザー)ごとに別価格での表示・販売を可能にするWholesale Channelの利用が可能です。卸売ストアでは顧客ごとにパスワードがかかっており、招待された卸業者のみがアクセスできるようになります
・既存システムからのデータ移行(Transporter)
既存システムの顧客・商品・注文のデータをshopifyに移行できる機能です。
進行状況を簡単に確認することができ、エラーの特定もできるようになります。
また、TranporterToolを使用し、既存システムのデータをshopifyに適したCSVデータに変換することも可能です。
専用のAPIを使用できる
Shopify Plusは、通常の5倍の速度・容量でAPIが使用できるようになります。
また、通常プランでは利用できなかった、以下のような専用のAPI(Application Programming Interface)が使用できるようになります。
・Product Recommendations
商品レコメンドが表示できるAPIです。ストアのページ内に、ユーザーが閲覧した商品の関連商品を表示させることで、購買アップやまとめ買いに導くことが期待できます。
・Multipass/single sign-on and user
ユーザーが簡単にログインできるようにサポートします。自社サービスと、Shopifyで作成したウェブショップで別の ID・パスワードを使うと手間がかかるため、これを簡略化します。
・Discounts
割引コードのロジックを設定し、チェックアウトの際に適用をします。
・Gift cards
ギフトコードカードの作成、編集、管理が可能です。
専任のサポートが受けられる
Shopify Plusのプランでは専任担当者がつき、24時間体制のサポートが受けられる点が大きな特徴です。そんなShopify Plusで受けられるサポートの一例は以下の通りです。
Shopify Plusのみで受けられるサポート例
- ローンチエンジニアによる、ECサイト構築時の優先サポート
- 売上アップの提案
- 自社ECサイトに適した機能のアドバイス
- 構築後のサポート など
Shopify Plusでは、ウェブショップの構築前から構築後まで、手厚いサポートが受けられます。Shopify Plusの機能は多岐に渡るため、技術面でのサポートは心強いと言えるでしょう。また、マネジメントや事業戦略に関わるアドバイスも受けられるため、より質の高いウェブショップを目指すことができます。
Shopify Plusの利用による成功事例
Shopify Plusは国内外の多くの企業で利用されており、ビジネス成功の足がかりとなっています。
ここでは、Shopify Plusの利用による5つの成功事例をチェックします。
ブルーボトルコーヒー
出典:ブルーボトルコーヒー 公式オンラインストアアメリカに本社を構え、コーヒー生産と販売を手がけるブルーボトルコーヒー。2015年には日本国内にも実店舗がオープンしました。
そしてオンラインストアが2020年に公開される際、構築に使われたのがshopfiyです。
簡単にローンチできる自走モデルでなおかつグローバルに認知されているサービスだった点が、採用の決め手となりました。
その後、Googleタグマネージャー(広告・計測タグの管理ツール)に対応しているため、通常プランからShopify Plusへ移行。より便利な運用を実現しています。
Shopifyの利用で実現したこと
- 自走モデルでグローバル対応のプラットフォーム環境の構築
- Googleタグマネージャー対応による、より便利な運用
Allbirds
出典:オールバーズ 公式オンラインストア
アメリカに本社を構えるスニーカーブランドであるオールバーズ。2020年には日本に上陸し、東京の原宿・丸の内に実店舗もオープンしています。
そんなオールバーズは、35以上の世界各国へのEC展開にshopfiyを使用。多言語・多通貨対応の強みを活かしています。
日本版のオンラインストアも高い安定性で運用できており、コンビニ決済や返品・交換の自動化など、アプリ追加による利便性向上を常に目指します。
Shopifyの利用で実現したこと
- 日本版オンラインストアの安定した運用
- 多彩なアプリ(機能追加)で、よりオンラインストアを進化できる
Furbo
ペットのお留守番を見守るカメラ製品を提供するFurbo。海外の有名ストアなどが使用したことで、知名度・人気ともに高い製品で、オンラインストアはShopifyで運営されています。
Shopifyを選んだ理由は、海外ユーザーが多く、商品の見せ方が気に入り、さらに直感的な使用が可能であったことです。
そんなFurboは、2017年からブラックフライデーセールを開催しており、緻密に戦略を立てた2018年には通常に比べて1日に最大数十倍の売り上げとなりました。
Shopifyの利用で実現したこと
- 直感的に使用できるプラットフォーム環境
- ブラックフライデーセールの成功
amirisu
出典:amirisu – 世界から選りすぐった毛糸・テキスタイルのオンラインショップ
オンラインマガジンによる手芸についての情報発信から、輸入毛糸の販売も手がけるamirisu。東京と京都には実店舗も構えます。
2015年にShopifyを導入した理由は、やりたいことが実現でき、実店舗と連動できるプラットフォームであったためです。
導入当初は日本語の情報があまりない状態でしたが、Shopify Plusで就く専任サポートに機能やアプリについて、多くの相談ができました。
さらに、Shopify POSやTradeGecko(オンライン在庫管理サービス)のShopify連携アプリなどを使用し、実店舗とECサイトのスムーズな運営を両立しています。
Shopifyの利用で実現したこと
- 専任サポートへの相談
- 実店舗・ECサイト運営の両立
KURAND
出典:お酒の通販ならKURAND(クランド) 日本酒/果実酒…お酒専門通販サイト
日本酒に関する様々な事業を展開するKURAND。100以上の日本酒ほか、焼酎や果実酒も揃うECサイトの運営ほか、お酒のサブスク、イベント実施など、精力的に展開しています。
そんなKURANDは、海外販売を想定したことで、ECサイトのプラットフォームをshopfiyへ変更しました。
アプリを活用したサイト運営は、開発業務の属人化を防ぐことができ、データ収集の簡単さも魅力的なポイントでした。
台湾・中国など取引エリアを順調に拡大しています。
Shopifyの利用で実現したこと
- アプリ活用と容易なデータ収集が可能な運用
- 順調な販売エリア拡大
Shopify Plus Partner(パートナー)とは
Shopify Plusパートナーは、Shopifyの公式認定企業です。審査を通じて、豊富な知識と実績に基づいてShopify Plusを活用していると判断された企業のみが認定されます。
現在、日本国内では十数社しか存在しません。Shopify Plusパートナーとなるためには、以下のように厳しい前提条件があります。
【Shopify Plusパートナーとなるための前提条件】
- あなたのビジネスは、急成長するエンタープライズマーチャントと取引してきた実績がある
- あなたのビジネスは、コマースにおいてソートリーダーとみなされており、公の市場でも同様に認識されている
- あなたのビジネスは、Shopify Plusで世界レベルのソリューションを構築するために必要な技術的専門知識と商業知識を備えている
- あなたのビジネスは、エンドツーエンドのサービスを提供し、いくつもの複雑なソリューションに対応する能力がある
- あなたのビジネスは、成功実績のあるエンタープライズマーチャントの既存のポートフォリオを持っている
参照:Shopify Plusパートナープログラムの資格を得る方法
なお、Shopify Plusパートナーと似たものに「Shopify パートナー」があります。登録するとテーマやアプリの販売ができるようになり、ソフトやサービスのディスカウントといった特典も受けられます。こちらは登録料無料で、誰でもなることが可能です。
また「Shopify エキスパート」は、Shopify パートナーとして実績を積んだ、Shopify公認のEC企業です。
Shopify Plus Partner(ショピファイプラスパートナー)一覧
日本では現在、以下の企業がShopify Plusパートナーに認定されています。
パートナー企業 |
専門分野 |
株式会社R6B |
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コマースメディア株式会社 |
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株式会社イーライフ |
|
株式会社ウェブライフ |
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株式会社KIYONO |
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株式会社CARTA COMMUNICATIONS |
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CREAM株式会社 |
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株式会社GO RIDE |
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株式会社これから |
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コロニーインタラクティブ株式会社 |
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株式会社電通ダイレクト |
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株式会社電通デジタル |
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トランスコスモス株式会社 |
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株式会社飛躍 |
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株式会社フラクタ |
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株式会社fluct |
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フラッグシップ株式会社 |
|
参照:Shopify ディスカッション 日本のShopify ExpertsとShopify Plus Partnersの一覧
なお、ShopifyでECサイトを運営していてサポートが必要な時などは、Shopifyパートナー・Shopify Plusパートナー・Shopify エキスパートの協力を仰ぐことができます。
選び方としては、パートナーの得意分野と自社の課題が一致すること、自社と似た課題解決に実績があること、自社の予算内で利用できることなどが挙げられます。
まとめ
Shopify Plusは、そのスペックに照らして「8箇所を超えるロケーション」「サイト運用に15人超」「複数のサイト構築」などが必要になった際に、利用を検討すると良いでしょう。
このような大規模サイト立ち上げ後も、専任担当者が様々な面からサポートしてくれるので安心です。
ぜひ今回の記事を参考にShopify Plusへの理解を深め、ビジネス成功に役立ててください。
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