EC化率とは|日本や世界の今後の予測や推移を解説

category :  EC売上UP

update :  2022/05/27(金)

staff :  yamada

今後のEC市場がどんな市場になるのかを予測するうえで、EC化率の現状や予測は欠かせません。

今後の予測にあたり、国内の動向だけではなく、海外の状況についても把握しておくことも重要です。

そこで、国内のEC市場や分野別のEC化率、アメリカ・中国の状況について解説します。

EC業界の展望を踏まえて自社はどう取り組むべきか、参考にして下さい。

EC化率の意味や算出方法

EC 化率の意味は、電話・FAX・メール・対面等も含めた全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する EC 市場規模の割合です。

一言で言うと、「すべての商取引におけるECの市場規模が占める割合」

算出方法は、「EC化率 = (ECの総額 ÷ 全商取引の総額)」です。

計算によって市場ごとにECがどのくらいが利用されているか?が明らかになります。

  • ・EC化率が高い = ECの活用が進んでいる
  • ・EC化率が低い = 実店舗の売買が主流である

 

このようにEC化率を知ることで市場の実態や傾向が把握できます。

BtoCのEC市場規模とEC化率の現状

 BtoC(物販EC)のEC 市場規模やEC化率は、いずれとも毎年伸び続けています。

2013 年の市場規模が 5 兆 9,931 億円で、2020年までの7 年間で約 2 倍となり、EC化率も同様に約2倍となっています。

BtoCのEC市場規模とEC化率

※出典:2021年7月の電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

EC化率は2013年から2019年にかけて、毎年約0.5ポイントずつ増えています。さらに、2020年では前年比で1.32ポイントも増えて、2倍以上に成長しました。

大きな要因は、2020年に新型コロナによる影響で、ECの利用者が急増したことです。

この影響は2021、2022年も続いていることから、市場規模やEC化率は高い伸長率を維持していると考えられます。

 

物販ECにおける分野別の市場規模とEC化率の現状

物販ECにおける市場規模の2020年の伸長率は対前年比21.71%、EC化率は19.5%となり急激に伸びました。

特に伸長率が高い分野は、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」「書籍、映像・音楽ソフト」「生活雑貨、家具、インテリア」です。

※出典:2021年7月の電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

市場規模の成長率の順位は以下です。

1位:「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」 28.7%
2位:「書籍、映像・音楽ソフト」  24.7%
3位:「生活雑貨、家具、インテリア」 22.3%

EC化率の成長率の順位は以下です。

1位:「生活雑貨、家具、インテリア」 40.1%
2位:「書籍、映像・音楽ソフト」 25.7%
3位:「食品、飲料、酒類」 14.5%

 

市場規模とEC化率で1位の「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」は、ECとの相性が良い商品です。

この分野は型番(製品名)のいわゆる指名買いをすること多く、どこで買っても品質が変わらない、価格の比較をしやすいからです。

さらに、Amazon・楽天などのモール、ヨドバシカメラ・ビックカメラなどの大手小売りが、以前からサービス強化を進めており、ユーザーにとっても利便性が高かった分野であることも要因と言えます。

EC化率が遅れている「食品」も急成長しました。EC化率が低いですが大きな市場なので、ますます注目されるでしょう。

EC市場で主要な分野別のEC化率の傾向

EC市場で主要な分野のEC化率は、2020年からさらに伸びています。

主な要因はステイホームもありますが、それぞれの分野の特徴も合わせて紹介します。

アパレルの市場規模とEC化率

アパレル全体の市場規模が毎年衰退しています。しかし、EC市場では成長し続けています。

特に2020年の市場規模は昨対比で16%上昇、EC化率は40%も上昇しました。

年度 市場規模 EC化率 EC化率の伸長率
2015年 1.38兆円 9.04% 11.4%
2016年 1.52兆円 10.93% 20%
2017年 1.64兆円 11.54% 5.5%
2018年 1.77兆円 12.96% 12.3%
2019年 1.91兆円 13.87% 7%
2020年 2.22兆円 19.44% 40%

※出典:電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

  • ・アパレル自体がECと相性が良く、全国どこにいてもお目当てのブランド品を購入することができること。
  • ・ECサイトと在庫が連携ができるツールも増えて、参入コストが安くなり業務効率化も進んだ。
  • ・全国に店舗を構えるよりECサイトが販管費を抑えることができるため、収益性の改善も期待できる。
  • ・ネットで試着体験ができるサービスなどが登場し、店舗へ足を運ぶ必要性が減ってきた。
  • ・ブランドの世界観が重視されやすいアパレル業界は DtoC との相性が良いこと
  • ・コロナ禍の影響により、ECの需要がさらにに伸びた

 

ファーストリテイリングは2021年8月期で国内ユニクロ事業のEC売上高は前期比17.9%増の1,269億円となり、EC化率は約18%まで拡大しました。

2022年4月の中間決算でさらなるEC化を目指すと宣言しています。自社開発のECプラットフォームを導入し、さらにECの強化を進めています。

そして、店舗とECが連動したサービスの構築を進めており、在庫の共有化やECで注文した商品を店頭で受け取りを実現しています。

参考:日本流通産業新聞

 

家電の市場規模とEC化率

家電の市場規模の推移は、2013年から2018年まではほぼ横ばいで、2018年から2020年は若干の減少傾向です。

ただし、EC市場は毎年成長し続け、EC化率も他の分野と比較して高いです。

 

年度 市場規模 EC化率 EC化率の伸長率
2015年 1.31兆円 28.34% 17.4%
2016年 1.42兆円 29.93% 5.6%
2017年 1.53兆円 30.18% 0.8%
2018年 1.69兆円 32.28% 6.9%
2019年 1.82兆円 32.75% 1.4%
2020年 2.34兆円 37.45% 12.3%

※出典:電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

 

家電のEC化率が大きな理由は、「型番」で購入することです。型番は指名買いとも言います。

型番が同じであればどこで買っても商品の性能・品質が変わらない家電は、型番検索や価格比較機能が充実しているECと非常に相性が良いと言えるでしょう。

家電は高価格帯の商品も多いため、さまざまな商品や店舗を簡単に比較し、検討できるというECの特徴は、ユーザーの利便性を大きく向上します。

  • ・型番で購入することが多く店頭に足を運ぶ必要性があまりない
  • ・価格を比較して購入することが多いため
  • ・家電量販店がECを強化しており品揃えやサービスの強化を図っている
  • ・コロナ禍の影響により、ECの需要がさらに伸びた

 

 国内でEC売上ランキングで2位のヨドバシカメラの2021年3月期におけるEC売上高は前期比60.3%増の2,214億円。

全社売上高に占めるEC売上高比率は30.3%。2020年3月期に比べると10.7ポイント増加しました*。

2020年のEC売上では、ヨドバシカメラは家電量販店で業界最大手のヤマダ電機より、約3倍の売上があります。

早くからECサイトの強化に取り組んできた結果、ECでの売上を伸ばしてきたと言えます。

※参考:ネットショップ担当者フォーラム(通販新聞ダイジェスト)

 

家具・インテリア・生活雑貨の市場規模とEC化率

家具・インテリア・生活雑貨のEC市場規模、EC化率は成長し続けています。

特に2020年の市場規模は昨対比で22%上昇、EC化率は365%も上昇しました。

 

年度 市場規模 EC化率 EC化率の伸長率
2015年 1.21兆円 16.74% 8.0%
2016年 1.35兆円 18.66% 11.4%
2017年 1.48兆円 20.4% 9.3%
2018年 1.6兆円 22.51% 10.3%
2019年 1.74兆円 23.32% 3.5%
2020年 2.13兆円 26.32% 12.8%

※出典:電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

 

市場の約7割が家事雑貨、家事用消耗品、残りの約3割が家具、インテリアです。

トイレットペーパー・洗剤などの消耗品の支出が大きく伸びており、家具類はテレワークの定着化によって机や椅子の購入が増えたと考えられます。 

  • ・生活雑貨は単価が安く送料が発生する都合で「まとめ買い」の需要がある。
  • ・種類が多い生活雑貨はECと相性がいい。
  • ・家具やインテリア商品はサイズや種類が豊富にあるため制限なく掲載できるECと相性いい。
  • ・ステイホームによる需要でECがさらに伸びた

家具の業界大手であるニトリホールディングスの2022年2月期におけるEC売上は、前期比0.8%増の710億円。売上高のECの構成比率は、同0.6ポイント増の10.5%に伸長しました。

2025年までの目標として、国内EC売上高1,500億円、アプリ会員2500万人と定めるほど、ECへ注力しています。

参考:日本流通産業新聞

 

食品の市場規模とEC化率

食品のEC化率は約2%と低いですが、ECの市場規模は2.1兆円と他分野で比較して大きいです。

そして、いずれとも右肩上がりで成長しています。

 

年度 市場規模 EC化率 EC化率の伸長率
2015年 1.19兆円 2.03% 7.4%
2016年 1.31兆円 2.25% 10.8%
2017年 1.45兆円 2.41% 7.1%
2018年 1.69兆円 2.64% 9.5%
2019年 1.82兆円 2.89% 9.4%
2020年 2.20兆円 3.31% 14.5%

※出典:電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

 

食品市場は、物販系の他分野と比べてEC化が進んでいません。物販系のEC化率の平均値が8.0%です。

伸長率が高いペースではありませんが、市場規模が最も大きい分野につき今後は大きく成長する市場に間違いありません。

  • ・もともと生協のように食材の宅配が行われていた習慣があり、ECの抵抗感はあまりない。
  • ・在宅時間が長くなったことことから健康食品の需要も伸びた。
  • ・サブスクによる宅配サービスの利用者が増えている。
  • ・外食を控えたことで家庭での食事回数が増えた。

 

EC化率が伸びなかった理由

  • ・生鮮食品は店頭で吟味したい需要がある
  • ・配送に時間や送料がかかる
  • ・近くにスーパー・コンビニなどがあり食材の手配に困っていない。
  • ・物流面で小売りの負担が大きく積極的な事業展開はされてこなかった。

 

本来、食品は毎日必要になる為、サブスクのサービスが相性が良いです。在庫数が予測しやすいので、食材の破棄を抑えられます。

 

世界のEC市場規模とEC化率の推移

日本のBtoC市場のEC化率は8%に対して、世界のEC市場を見ると日本のEC化率は低い水準です。

しかし、日本のEC市場やEC化が今後も伸長していくのは、世界的に見ても間違いありません。

※出典:電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

国別の EC 市場規模では、日本は世界で第4位です。

特に中国の市場規模の大きさが際立っており、第2位の米国とは 3 倍近く、日本とは14倍もの開きがあります。

 

 

※出典:電子商取引に関する市場調査 経済産業省 

1ドルを107円換算すると2020年の実績では、中国市場は約245.7兆円で、アメリカ市場は85兆円の規模です。

中国では農村部のEC利用がますます増えていいくと予想されており、今後更なる市場規模の拡大が見込まれます。

アメリカ・中国のEC事情

なぜ中国と米国ではEC市場が大きいことにはいくつかの理由があります。

  • ・GDPが大きい。アメリカと中国だけで世界のGDPの約41%を占める*。
  • ・人口が多く国土が広いため。店頭に行くまでに時間がかかる
  • ・小売店がEC化を推進。大きなECプラットフォームも存在する。

などが挙げられます。

中国のBtoCーECのEC化率が2020年は31.6%で、昨年対比で6.3%の成長となっています。

アメリカのEC化率は14%です。中国同様に今後も拡大していくことが見込まれています。

 

EC化率は今後も拡大していく

国内において、ECの市場規模やEC化率は右肩上がりで成長していくことが予想されます。

理由は様々です。

  • ・スマホの利便性の強化
  • ・過疎化・人手不足などの社会問題
  • ・視聴する媒体がテレビからネットへ移行
  • ・デジタル社会への移行
  • ・ECサービスの多様化
  • ・海外のEC化率の伸長

 

野村総合研究所の予測では、2025年のEC市場は27.8兆円規模になると算出しています。

EC化率は2020年の8.1%から以下の予測が立てられています*。

  • ・2025年:11.9%
  • ・2030年:15.6%
  • ・2040年:23.2%

 

2030年までは毎年0.4ポイント程度上昇していく見込みとなっています。

課題である物流については、ドローン・置き配・個人の参入など、新たな取り組みは始まっています。

物流の課題が解決されていくことで、配送コストが下がり、さらにECが身近な存在になっていくはずです。

参考:ニッセイ基礎研究所

まとめ

日本のEC化率は世界の中では決して遅れているわけではありません。

EC市場・EC化率は年々増加傾向にあり、これからさらに伸びると予測されています。

国内ではAmazon・楽天といったモールも直販を開始したり、競合他社も増えていくことを考えるとEC市場への新規参入は簡単ではありません。

しかし、EC市場が拡大していく中で、これまで接点がなかった顧客にアプローチできる機会が増えるため、販路拡大のチャンスとも言えます。

ECサイトの構築もコストが抑えらえるようなサービスが増えています。

自社がどんな戦略でECに取り組めばよいのか、EC専門の会社に相談してみることをおすすめいたします。

SNSでシェアする