ECモールの種類やメリット・デメリットを解説!主要ショップ6社を徹底比較
ECモールとは、オンライン上のショッピングモールのようなものです。ECモールにはさまざまな形式、ショップが存在するため、自社に合ったものを利用するのがポイントです。
本記事では、ECモールの代表的な種類やショップを解説します。ショップ選びのヒントを多く紹介しているため、自社に合ったECモールを選択できるでしょう。
ECモールとはオンライン上のショッピングモール
ECモールとは、オンライン上のショッピングモールのようなものです。1つの大きなサイト(モール)の中に複数のショップが出店しており、ユーザーは気に入った店舗から商品を購入できます。
ECモールは一からサイトを構築する必要がなく、比較的手軽にオンライン上で商品を販売できる点が特徴です。また、楽天やAmazonなど知名度が高いECモールを利用すれば、ある程度の集客が見込めます。そのため、自社の力のみでは集客が難しい中小企業やショップにおすすめです。
ECモールと自社ECサイトとの違いは、サイトの自由度やコスト面にあります。自社ECサイトは自分たちでサイトを構築できるため、デザインの自由度が高いです。また月額利用料や手数料などもかかりません。
しかし、自分たちで集客を行わなければならないため、別途広告費やマーケティング施策の費用が必要です。知名度がないブランドは顧客獲得までに時間がかかるでしょう。
ECモールと自社ECサイトの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてお読みください。
関連記事:自社ECサイトとは|ECモールとの8つの違いやメリット・デメリットを徹底解説
ECモールの代表的な種類
ECモールの代表的な種類は、以下の3つです。
● マーケットプレイス型
● テナント型
● 統合管理型
それぞれの特徴を解説します。
マーケットプレイス型
マーケットプレイス型は、事業者がモール内に出品者や商品情報を登録するだけで販売が可能です。代表的なサイトとしては「Amazon」が挙げられます。
マーケットプレイス型はショップを出店するのではなく、商品を出品するのが特徴です。商品そのものの魅力が伝わりやすいプラットフォームのため、ショップとしての知名度が低くても挑戦しやすいでしょう。
マーケットプレイス型は、初期設定不要で商品情報の登録のみで出品できるため、手軽にECモールで販売したい方にも向いています。
テナント型
テナント型は、ECモール内にブランドごとにページを作成し、商品情報を登録して販売するタイプです。「楽天」や「Yahoo!ショッピング」などは、テナント型に該当します。
テナント型は、ブランドごとにショップページを作成できるため、マーケットプレイス型よりもオリジナリティを出しやすい点がメリットです。
ユーザーは大型ショッピングモールに訪れたときのように、ショップごとにページを閲覧して商品を購入します。
テナント型は、ショップページに力を入れたい方におすすめです。
統合管理型
統合管理型は、複数の自社ブランドをECモール化したものを指します。
例えば大手アパレル会社の「株式会社パルグループホールディングス」では「パルクローゼット」という統合管理型ECモールを運営しています。「パルクローゼット」には「3COINS」や「Chico」などの自社ブランドが複数集まっており、サイト内で購入が可能です。
統合管理型はサイト構築に時間がかかりますが、商品在庫や顧客データなどの管理やモール運用がしやすいです。またサイト内で顧客を回遊させられるため、集客力アップも期待できます。
複数のブランドを運営している場合は、統合管理型がおすすめです。
ECモールに出店するメリット
ECモールに出店するメリットは、以下の3つです。
● 集客力が高く売上アップが期待できる
● 手軽にECショップに参入できる
● サポートが充実している
メリットを理解した上でECモールに参入しましょう。
集客力が高く売上アップが期待できる
大手ECモールは知名度が高いので、出店すればある程度の集客が期待できます。
例えば楽天は、2023年度第3四半期の国内アクティブユーザー数が4,090万人でした。最初から多くのアクティブユーザーがいるため、自然と集客され購入される可能性もアップするでしょう。
ユーザーはさまざまなルートでECモールにたどり着きますが、中でも大きな割合を占めるのが検索エンジンを使った方法です。キーワードをGoogleやYahoo!の検索窓に入力し、上位表示されたショップから閲覧する傾向にあります。
新規ショップは検索上位に表示されること自体が難しいため、SEOや広告などの対策を併せて行いましょう。
出典:楽天グループ株式会社2023年度第3四半期 決算ハイライトに関するお知らせ
手軽にECショップに参入できる
自社ショップはサイト構築に時間と費用がかかりますが、ECモールなら手軽に参入できます。
ECモールによって異なりますが、出店申し込みから開店までは2週間〜1ヶ月ほどです。マーケットプレイス型なら、モール内に出品者や商品情報を登録すれば販売できます。早く開店できれば、その分集客や売上もアップするでしょう。
「自社でECショップを立ち上げるのは大変」という方は、ECモールを利用すれば手軽にショップを運営できます。
サポートが充実している
サポートが充実しているECモールも多いため、疑問やトラブルが起こった際も対応してもらえる点がメリットです。
例えば楽天では、出店すると専任のECコンサルタントがつき、ショップ運営に関するさまざまなサポートが受けられます。
サポート内容の具体例は、以下のとおりです。
● 売上アップのための運営アドバイス
● 企画の提案
● ユーザー対応に関する相談
また出店者は「楽天大学」と呼ばれる動画講座を受講可能です。「集客「や「配送」などカテゴリ別で必要な情報を学べるので、効率良く知識をインプットできます。
充実したサポートで、初めてのECモール出店でも安心です。
ECモールに出店するデメリット
ECモール出店には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
● ランニングコストがかかる
● オリジナリティを出しにくい
● 価格競争に巻き込まれやすい
デメリットも理解して、ECモールへの出店を検討しましょう。
ランニングコストがかかる
ECモールによって異なりますが、出店には主に以下のランニングコストがかかります。
● 初期登録料
● 月間利用料
● システム利用料
● 売上手数料
● 決済サービス手数料
手数料や月額利用料は、ECモールの規模が大きいほど高くなる傾向にあります。そのため手数料などを考慮すると、自社ECサイトのほうがコストを抑えられるでしょう。
固定費ではありませんが、広告費も必須です。集客しやすいモールとは言え広告を実施せず売上を伸ばすことは簡単ではないからです。
オリジナリティを出しにくい
ショップや商品ページのデザインは、ECモール側で決められているケースが多いです。特にマーケットプレイス型の場合、商品ページでオリジナリティを出すことは難しいでしょう。
そのため「ショップページでオリジナリティを出して差別化を図りたい」とお考えの方には向きません。
オリジナリティが最優先なのであれば、自社サイトのほうが希望を叶えられる可能性があります。
価格競争に巻き込まれやすい
ECモール内には類似ジャンルの商品が溢れているため、価格競争に巻き込まれやすいといわれています。ユーザーは同じ商品なら少しでも安いほうを買う傾向にあるため、よほどの価値がなければ差別化は難しいです。
競合が値下げをすれば、同じように対応せざるを得ません。価格を下げれば集客できる可能性はありますが、当然売上も下がります。
価格競争に巻き込まれて売上が上がらない可能性がある点は、理解しておきましょう。
H2.主要ECショップ6社の特徴を比較
以下の表では、主要ECショップ6社の特徴を比較しています。
ショップ名 |
流通額 |
種類 |
特徴 |
公式HP |
楽天市場 | 6兆490億円(2023年1月〜12月) | テナント型 | ・イベントが多く集客が見込める ・サポートが手厚い |
https://www.rakuten.co.jp/ |
Amazon Japan | 260億200万ドル(2023年日本事業のドルベースでの売上高) | マーケットプレイス型 | ・1つの商品から出品できる ・デザインや管理画面がシンプル |
https://www.amazon.co.jp/ |
Yahoo!ショッピング | 7,762億円(2023年4月〜9月) | テナント型 | ・初期費用、月額利用料がかからない ・短期間のみの出店もできる |
https://shopping.yahoo.co.jp/ |
ZOZOTOWN | 5,443億円(2023年3月決算) | テナント型 | ・アパレルに強い ・クーポン配布やセールが多い |
https://zozo.jp/ |
au PAY マーケット | 3,155億円(2023年9月発表) | テナント型 | ・家電や食品などジャンルが幅広い ・auユーザーは恩恵を受けられる |
https://wowma.jp/ |
Qoo10 | 2,305億円(2023年9月発表) | テナント型 | ・韓国コスメなどの種類が多い ・メガ割期間中は集客が見込める |
https://www.qoo10.jp/ |
各ECショップの詳細を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
楽天市場
楽天市場は国内最大手のECモールです。2023年度第3四半期の国内アクティブユーザー数は4,090万人を誇り、出店すればある程度の集客が見込めます。
楽天市場は「楽天スーパーセール」や「お買い物マラソン」などのイベントを定期的に開催している点も特徴です。イベント中はアクセス数がアップする傾向にあるため、売上も期待できます。
また、専任のECコンサルタントによるサポートや、出店に関するノウハウをまとめた講座などが受けられる点も魅力です。
ただし楽天市場への出店には、手数料や月額利用料がかかります。詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひ併せてお読みください。
関連記事:楽天に出店して後悔する4つの原因!参入メリットや売上アップのためのポイントも解説
Amazon Japan
Amazon Japanは、マーケットプレイス型の代表ともいえるECモールです。世界中のユーザーが利用しているため、国内だけでなく海外からの集客が期待できます。1つの商品から出品可能で、管理画面がシンプルな点もメリットです。
ただしショップページはほぼレイアウトが決まっており、自分たちでデザインはできません。また競合も多いため、価格競争に巻き込まれやすい可能性があります。
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングは、大手ECモールでありながら初期費用や月額利用料が無料です。コストを抑えつつ出店できるため、予算が少ないショップでも利用しやすいでしょう。
短期間のみの出店も可能で「試しにECモールを活用してみたい」というニーズにも対応しています。
またYahoo! JAPANからの検索で流入が見込める点も、メリットといえます。
ZOZOTOWN
ZOZOTOWNは、ファッション系ショップの出店が多いのが特徴です。
クーポン配布やセールを定期的に行っており、ユーザー側から見ると「いつサイトを閲覧しても何らかの商品が安くなっている」という状態を作れます。そのため若者を中心に多くの集客が見込める点がメリットです。
また決済方法も豊富で、他のECモールではあまり採用されていない「ツケ払い」や「GMO後払い」なども利用できます。
ただし顧客のモラルによっては「商品を発送したのに支払いが行われない」などのリスクがあります。
au PAY マーケット
au PAY マーケットは、スマートフォンの3大キャリアの1つであるauの親会社「KDDI」が展開しているECモールです。
家電や食品など幅広い商品を取り扱っており、au PAY マーケット内でさまざまなジャンルのアイテムが揃います。
また「auPAY」との連携が可能で、auユーザーはau PAY マーケット内で買い物をすると、ポイントや特典などが付与される点もメリットです。
Qoo10
Qoo10は、ファッションや美容アイテムなどさまざまなジャンルを扱っています。特に韓国コスメや美容グッズなどが人気で、日本では手に入らないアイテムも購入可能です。
また年に4回「メガ割」と呼ばれるビッグセールが開催されるため、期間中は若い女性を中心に多くの集客が見込めます。
コスメやファッションアイテムを展開しているショップは、Qoo10に出店するとメリットが大きいでしょう。
ECモールの費用相場はいくら?
費用は各ECモールによって異なります。今回は以下の3つの費用相場を比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。
● 楽天市場
● Amazon Japan
● Yahoo!ショッピング
ショップ名 |
プラン |
初期費用 |
月額費用 |
各種手数料 |
楽天市場 |
・がんばれ!プラン |
6万円 |
・がんばれ!プラン:19,500円(年間一括払) |
・がんばれ!プラン:売上の3.5%〜7% |
Amazon Japan |
・大口 |
無料 |
・大口:4,900円 |
売上の8%~15% |
Yahoo!ショッピング |
なし |
無料 |
無料 |
・ストアポイント原資負担:1%~15% |
楽天は国内最大手のECモールで実績やサポートが豊富な分、初期費用や月額利用料が高いです。Amazon Japanの初期費用は無料ですが、売上手数料が高額です。
Yahoo!ショッピングは各種手数料はかかりますが、初期費用、月額利用料ともに無料で利用できます。
ECモールに関するよくある質問
ECモールに関するよくある質問をまとめました。
どのECモールを使えばいいの?
予算や目的などによって、最適なECモールは異なります。
どのECモールが自社に合っているか分からない場合は、プロのコンサルタントの力を借りるのがおすすめです。「COREKARA」では、ネットショップコンサルティングサービスを提供しています。貴社に合ったネットショップをご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ECモールはどんな人におすすめ?
ECモールは、以下の条件に当てはまる方におすすめです。
● デザイン性よりも簡単にECサイトを開設したい
● 自社ショップの知名度を上げたい
● 自社では集客のリソースを割けない
まとめ
ECモールはオンライン上のショッピングモールのようなもので、1つのモールに複数のショップが出店する仕組みです。
ECモールには以下の3種類があります。
● マーケットプレイス型
● テナント型
● 統合管理型
それぞれ特徴が異なるため、本記事で紹介した主要ECモールも参考にしながら、自社に合う形式を選んでみてはいかがでしょうか。
「適切なECモールが分からない」という方は、「COREKARA」のネットショップコンサルティングサービスの利用をご検討ください。
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