自社ECサイトとは|ECモールとの8つの違いやメリット・デメリットを徹底解説
ECサイトを構築する手法には、自社ECサイトを制作する方法とECモールに出店する方法があります。自社ECサイトが気になるものの、ECモールとどのような違いがあるのか把握できていない方もいるでしょう。
本記事では、自社ECサイトとはどのようなものか、ECモールとの違いについて解説します。自社ECサイトをもつメリットやデメリットについても説明しているので、自社ECサイトの制作を検討している方はぜひ参考にしてください。
自社ECサイトとは
自社ECサイトとは、企業が独自に運営するオンラインショッピング(ネットショップ)プラットフォームのことです。企業が独自ドメインを取得し、設計から開発・運営まで行います。
企業は自社の製品・サービスを直接消費者に提供できるので、一般的なECサイトと比較し、ブランディングしやすい、利益率が高いなど、多くのメリットがあります。顧客データを取得できるため、マーケティング戦略や商品開発に活かせる点も魅力です。
自社ECサイトの設計や開発・運用には専門知識やリソースが必要であり、短期間で成果を出すことは容易ではありません。しかし、プラットフォームをレンタルし、ECサイトを構築できるASPを活用すれば手軽に始められるので、ASPの活用も検討してみるとよいでしょう。
※2023年3月28日 当社実績
ECサイトとECモール8つの違い
ECモールとは、複数の店舗が集まるオンラインのショッピングモールのことです。リアルのショッピングモールのように、顧客はさまざまな店舗を一度に巡れます。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが代表的な例です。
自社ECサイトとECモールは自社の商品・サービスを販売できる点では共通していますが、主に以下の8つのポイントで異なります。
- ドメイン
- 集客のしやすさ
- 顧客データの活用
- 初期・運営コスト
- 利益率の高さ
- 差別化のしやすさ
- デザインの自由度
- 顧客のニーズ
なお、下記の記事でECモールについてより詳しく説明しています。ECモールに出店するメリットやデメリット・種類について説明しているので、ECモールへの出店を検討している方はぜひ参考にしてください。
【関連記事】ECモールとは|自社サイトとの違いや大手モール型ECサイトを比較
1.ドメイン
自社ECサイトでは独自ドメインを使用するのに対し、ECモールに出店する場合は共有ドメインを使用します。
独自ドメインは任意の文字列を使用したドメインであり、「corekara.co.jp」のように、社名やブランド名を反映させられます。他社のページの影響を受けず、自社で行ったSEO対策が結果に直結するので、効果が現れやすい点がメリットです。しかし、取得や更新に費用が発生するというデメリットがあります。
一方、共有ドメインは複数ユーザーで共有しているドメインです。例えば、Amazonに出店する場合には「amazon.co.jp/○○」のように、ECモールのドメインの下に店舗のURLが位置付けられます。ECモールのブランド力を活用できる点はメリットですが、他社ページの影響を受けやすく、SEO対策が効果に直結しない点がデメリットです。
2.集客のしやすさ
集客のしやすさでは、ECモールが自社ECサイトよりも優れています。
ECモールはすでに確立されたプラットフォームであり、大量のトラフィックとユーザー基盤をもっています。例えば、Amazonや楽天市場のような大規模なECモールは日々多くの顧客が訪れており、新規出店で知名度がない場合でも容易に露出することが可能です。
一方、ECサイトでは集客を一から行わなければなりません。SEOの最適化やSNSでの宣伝、広告の出稿など、多くのデジタルマーケティング戦略を駆使し、潜在顧客に自社ECサイトを知ってもらう必要があります。集客に多くの時間と労力がかかり、ECモールよりも集客の難易度が高くなっています。
3.顧客データの活用
顧客データを活用してマーケティング戦略を実施しやすいのは、自社ECサイトです。
自社ECサイトを運営する場合、企業は顧客データへのアクセス権をもっています。顧客の購買履歴や行動パターン・好みなどの情報を収集できるため、これらの情報を基にリピーター獲得施策など、マーケティング施策を実施できます。また、ECサイトを改善したり、商品開発に活かしたりすることも可能です。
一方、ECモールの場合、顧客データの所有権はモール側にあるため、顧客データを自由に収集できません。顧客情報に基づいたマーケティング施策を実施できず、自社ECサイトを運営する場合と比較すると、効果的なマーケティングを行いにくくなっています。
4.初期・運営コスト
自社ECサイトとECモールでは、初期費用と運営コストが大きく異なります。例えば、自社ECサイトでは一からサイトを構築する必要があり、構築に数万円〜数千万円の費用が発生します。それに対し、ECモールでは既存のプラットフォームに出店するだけであるので、構築費用は不要です。
以下の表に、それぞれの費用をまとめました。
|
自社ECサイト |
ECモール |
初期費用 |
ECサイト構築費用:数万円~数千万円 デザイン費用:約10万円〜100万円 ドメイン取得費用:約1,000〜2,000円 |
出店費用:無料 |
運営費用 |
サーバー維持費:約500〜10,000円/年 ドメイン維持費:約500〜6,000円/年 |
販売手数料:数千円〜数十万円/月 決済手数料:売上の5〜10% |
自社ECサイトを構築する方法はさまざまであり、方法によって初期費用は大きく異なります。ASPを活用する方法であれば数万円で構築できますが、フルスクラッチという方法で構築する場合には数千万円かかることもあります。
5.利益率の高さ
自社ECサイトの利益率は、ECモールよりも高い傾向にあります。自社ECサイトでは販売手数料や決済手数料を第三者に支払う必要がないのに対し、ECモールでは販売手数料として毎月固定費が発生し、さらに商品が売れるごとに売上の5〜10%程度の決済手数料が発生します。そのため、商品ごとの利益率は自社ECサイトの方が高くなるのです。
ECモールの決済手数料は、売上が高くなるにつれて高額になります。また、モールの動向によっては販売手数料や決済手数料は増加する可能性もある点に注意が必要です。
6.差別化のしやすさ
差別化のしやすさにおいて、自社ECサイトはECモールよりも優れています。自社ECサイトは自由にデザインをカスタマイズできるので、他社サイトと差別化しやすいのに対し、ECモールでは限られた機能の範囲でしかカスタマイズできません。どうしても他社ページとのデザインが酷似しやすく、差別化が難しくなっています。
他社ページと差別化できない場合、顧客は価格のみを基準に商品を選ぶ傾向が強くなります。その結果、価格競争が起こりやすく、値下げを余儀なくされることがある点がECモールのデメリットです。
7.デザインの自由度
デザインの自由度は、自社ECサイトがECモールよりも優れています。
自社ECサイトでは自由にサイトデザインを設計できるため、ブランドカラーやロゴなどによって自社コンセプトを打ち出しやすくなっています。例えば、サイト全体にブランドカラーを使用することで、サイトを開いた瞬間に顧客は何のサイトか判断しやすく、ブランディングしやすい点が魅力です。
一方、ECモールの場合はデザインが統一されていることが多く、サイトのデザインでオリジナル性を出せません。商品を購入してもらっても、「○○というECモールで購入した商品」として認識されることが多く、どのブランドのものを購入したのか認識されにくくなっています。
8.顧客のニーズ
自社ECサイトを訪れる顧客は、ブランド名や商品名で検索して訪問していることが予想され、すでに「このお店のこの商品が欲しい」というニーズをもっていることが多いです。一方、ECモールではサイト内のジャンル検索などで店舗ページを訪問できるので、まだ購入したいブランドや商品は決まっていないことが多く、顧客は「他社よりも安くて目的にあった何かが欲しい」というニーズをもっています。
そのため、自社ECサイトはブランド認知度が高く、特定のターゲット顧客に訴求できる商品をもつ場合におすすめです。ECモールは多くの顧客にリーチし、比較ショッピングを行う顧客にアプローチする場合に向いています。
※2023年3月28日 当社実績
自社ECサイトをもつメリット
自社ECサイトをもつ主なメリットは、以下の通りです。
- 独自ドメインをもてる
- ブランディングがしやすい
- 利益率が高い
- 運用コストが安い
- 価格競争を避けられる
- 顧客データを活用できる
自社ECサイトは独自ドメインをもてるので、SEO対策の効果が現れやすくなっています。顧客データを活用すれば、有効なマーケティング施策を実施することが可能です。
また、デザインの自由度も高いことからブランディングしやすく、価格競争を避けられます。自社ECサイトではモールのような販売手数料や決済手数料がかからないので、運用コストを抑えられて、利益率が高い点もメリットです。
自社ECサイトをもつデメリット
自社ECサイトをもつ主なメリットは、以下の通りです。
- 成果がでるまでにある程度時間がかかる
- 自社でのマメな更新が必要
- 制作に一定の費用と時間がかかる
- 認知度をあげるためにコストがかかる場合がある
自社ECサイトの設計・開発には数万円~数千万円程度の費用が必要になります。認知度が低ければ自社ECサイトを訪問する顧客は少ないため、認知度を向上するための施策を実施しなければならず、成果が出るまでに多くの費用や時間がかかる点がデメリットです。
また、運用も自社で行う必要があり、マメに更新する手間が発生します。運用する余裕がない場合には、専門会社に依頼して運用サポートを受けるのもひとつの手です。
長期目線で考えるなら自社ECサイトがおすすめ
自社ECサイトの構築の初期段階では多くの費用がかかるものの、ECモールのような販売手数料や決済手数料はかかりません。販売手数料は1か月あたり数千円〜数十万円程度で、決済手数料は売上の5〜10%程度ですが、積み重なれば高額となります。そのため、長期目線で見ると、ECモールの方が費用がかかることがあるのです。
また、自社ECサイトはデザインを自由にカスタマイズできることからブランディングしやすく、価格競争に巻き込まれにくくなっています。その他にも、自社ECサイトには顧客データを活用できる、顧客データを活用できるという多くのメリットがあるので、長期運用を検討している場合はECサイトがおすすめです。
なお、下記の記事ではECサイトの作り方や成功事例について成功しています。興味がある方はぜひ併せてご覧ください。
【関連記事】ECサイトの作り方|個人の構築方法や作成手順など簡単な始め方を解説
【関連記事】ネットショップ(ECサイト)の成功事例10選|開業で失敗しないためには
まとめ
本記事では、自社ECサイトとECモールの違い8つについて解説しました。紹介した違いは、以下の通りです。
- ドメイン
- 集客のしやすさ
- 顧客データの活用
- 初期・運営コスト
- 利益率の高さ
- 差別化のしやすさ
- デザインの自由度
- 顧客のニーズ
自社ECサイトの制作には初期段階に多くの費用がかかる、集客に多くの時間がかかるなどのデメリットがあります。しかし、販売手数料や決済手数料がかからずに利益率が高いことから、長期的に見ると自社ECサイトの方が費用を抑えられる可能性があります。また、データ活用によって効率的にマーケティング施策を実施できるなど、多くのメリットがあるので、長期目線で考えるなら自社ECサイトの制作がおすすめです。
なお、自社ECサイトにおいて、ユーザーファーストを徹底した導線・デザインが売上を左右するので、慎重に設計する必要があります。制作サービスによっては最適なレイアウトの提案や集客支援などの運用サポートを実施しているものもあるため、制作サービス選びも重要です。
弊社サービスの「これから」では、統計データを基に最適なレイアウトを提案しています。集客支援や分析支援、更新支援も実施しており、初めてECサイトを制作する方でも使いやすくなっているので、ぜひ利用を検討してください。
※当社2023年3月28日 当社実績
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