ECサイトのマーケティング分析に必要なフレームワークとは 前編

category :  EC売上UP

update :  2018/11/21(水)

staff :  とだとだ

前回フレームワークの考え方について説明しましたが、 今回はより具体的に、ECサイトの目的ごとに、どのようなフレームワークを活用し分析すべきかについて解説します。

フレームワークというのは、無数にあるため、 今回はECサイトの分析で使えるフレームワークを

「問題を明確にするフレームワーク」 「市場分析を行うフレームワーク」 「消費者行動分析のフレームワーク」「課題解決・戦略立案を行うフレームワーク」

という代表的な4つに分けて考えていきます。 今回はその中の前半2つ「問題を明確にするフレームワーク」「市場分析を行うフレームワーク」 について解説いたします。

問題を明確にするフレームワーク

分析を行う第一歩は、何が課題であるかを明確にすることです。 そのためには、目標となる状態と、今の状態との差を明確にし、その差を埋めていくために何をしていくかを考えていく必要があります。

問題とは

問題を明確にする前に、そもそも問題とはどういうことかを、明確にしていきましょう。 例えば、「ネットショップの月商を100万円にする」が理想の状態だとします。 現状が月商10万円の場合、あと90万円足りません。 この90万円を上げなければなりません。 この理想の状態と比べた90万円の売り上げの差、これこそが問題になります。

課題とは

よく問題と課題を混同していることもあるため、ここでは課題についても解説いたします。 問題とは、発生しているネガティブな事柄を指します。 ここでは「目標と比べ90万円の売上がない」が問題です。

一方課題とは、そのネガティブな事柄を解決するために行うことを指します。 例えば売上を100万円にするために、 「広告を出稿する」「ECコンサルタントを雇う」「売れる新商品の開発を行う」などが課題となります。 そのため、まずは問題を明示し、その後にそれを達成するのに必要な課題を見つけ、解決策を施すというのが流れになります。

問題のあぶりだすポイント

問題を発見するのに大切なことは、問題をできるだけ深掘りし、抜け漏れがない形を作ることが大切です。 そのため、まずはあるべき理想の姿がどういう形なのかを明確にする必要があります。

当然ですが、どうあるべきかという理想の姿がわからない限り、現状との差を正確に測ることができません。 そこが正確にならない限り、正しく問題を見つけることができません。 そのため、まずはこの理想の状態を正確に描きましょう。

次に、「なぜ」その差が埋められないのかという理由を、漏れがないように書き出しましょう。 この埋められない「差」の理由がより詳細に分解されていればいるほど、より深い分析ができているといえます。

問題を明確にする代表的なフレームワーク

問題を明確化する際に有効な代表的なフレームワークを紹介します。

As is・To be

As is(現状)とTo be(理想)のギャップを可視化する際に使うフレームワークです。 現状と理想を比較し、その差を見えるようにしていきましょう。

6W2H

問題を多面的に見る際に利用するフレームワークです。 「Who(誰が)」 「What(何を)」 「Whom(誰に)」 「When(いつ)」 「Where(どこで)」 「Why(なぜ)」 「How(どのように)」 「How much(いくらで)」8つの疑問を投げかけることで、問題を多面的に見ることができるようになります。

ロジックツリー

「ロジックツリー」は物事をツリー状に分解して考えていくフレームワークです。 ある事象間をロジックによってツリー状に分解し、 結果に対してその原因を掘り下げます。 それによって、問題が何に起因しているかを整理し考えることができます。

緊急度/重要度マトリックス

物事を「緊急度」「重要度」の2つの評価軸で整理し、問題解決のために行う業務の優先順位をつけるフレームワークです。 ECサイトの売上を上げる施策はたくさんあるため、何から手をつければわからず、混乱してしまうケースがあります。 そういうケースを防ぐためにも、課題の優先順位を正確につけていくことが大切になります。

市場分析を行うフレームワーク

ECサイトの売上を伸ばすための問題をあげていく中で、平行して行うべき分析に「市場分析」があります。 この市場分析は大きく分けて2つのポイントで見ていく必要があります。

ミクロ環境とマクロ環境

経済の授業などで、ミクロやマクロという言葉を聞いたことある人も多いと思いますが、 市場分析においてはそのミクロとマクロの環境とで分解して分析していくことが大切です。 ミクロ環境というのは、「自社」「競合」「顧客」のような、直接的なかかわり影響を受けやすい要素になります。

例えば、ご飯屋さんで考えてみましょう。 自分のお店の隣に新しいご飯屋さんができ、それにより売上が減ったとしたら、 これは競合の登場による、 これが、ミクロ環境の考え方になります。

一方マクロ環境は、これらの外側の要因を指します。 景気や、政治、技術革新などの要因を指します。

例えば消費税の値上げが決まりました。それにより値上げまでの猶予期間に駆け込み的に売上が伸びたとします。 この売上が上がったことは、外部要因からの売上の拡大になります。 このような、要素が発生し売上が伸びたということは、明らかにする必要があります。

このミクロ環境とマクロ環境の両側面を見つつ、サイトの分析をしていくことが大切になります。

市場分析を行う代表的なフレームワーク

問題を明確化する際に有効な代表的なフレームワークを紹介します。

ペルソナ

「ペルソナ」はサービスを受ける顧客がどういう人かを明確にしたものです。 年齢や性別のほか、どこに住んでいて、仕事は何をしている、年収はどれくらいで、よく見るメディアは何かという そのターゲット像を細部まで明確にしていく必要があります。 これにより、サービスを考える際、より顧客目線に立ちやすくなるのと、 プロジェクトメンバーの中でのターゲット像のずれを減らすことができます。

PEST分析

マクロ環境を考える際に使うフレームワークです。 「Politics(政治)」 「Economy(環境)」 「Society(社会)」 「Technology(技術)」 の4つの要素から、事業の将来設計を行います。 長期的な未来の分析を行う際に、便利なフレームワークです。

SWOT分析

「SWOT分析」は自社を取り巻く環境を分析し、強みと弱みを把握するフレームワークです。 「好影響、悪影響」「内部環境、外部環境」の2つの軸で構成させるマトリックスをつくり、 それぞれ 「Strength(強み)」 「Weaknesses(弱み)」 「Opportunities(機会)」 「Treats(脅威)」 の4つの内容に当てはめ分析を行います。 自社の内部環境と、外部環境の良い点と悪い点をいっぺんに目を向けることができるのが、このフレームワークの特徴です。

RFM分析

「RFM分析」とは、自社にとって優良顧客を抽出・分類するマーケティング手法です。 「Recency(最新購買日)」 「Frequency(累計購入回数)」 「Monetary(累計購入額)」 の3つの項目を切り口に、 顧客をランク付けし、そのランクの顧客がどれだけいるかというのを可視化します。 例えば、昨日購入をし、今までに10回の購入、総額で20万円の購入をしているお客様と 1年前に、1回だけ、5000円の商品を買ってくれたお客様だと、 行うべき施策が変わってきます。 お客様の属性を明確にし、優良顧客はどれだけいるのか、 一度しか購入をしていない顧客をリピーターにするにはどうすればいいのかを分析するのに役立ちます。

4P分析

「4P分析」とは 「Product(製品)」「Price(価格)」 「Place(流通)」 「Promotion(販売促進)」4つの要素から、マーケティング戦略の分析を行うのに利用します。 どの商品を、どれくらいの価格で、どこで、どのような手段でというのを明確にすることで、 他社の施策と自社の施策を可視化することができます。 それにより、自社の優位性がどこにあるかという部分を考えるポイントとなります。 特に販売促進方法をどうするかというのは、ECサイトの運営において肝となりますので、 他社との比較をしっかりと行えるようにするのがポイントとなります。

いかがでしょうか。 代表的なフレームワークだけでも、こんなにもあります。

次の後編では「消費者行動分析のフレームワーク」「課題解決・戦略立案を行うフレームワーク」の2つについて解説いたします。

後編はこちら

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この記事はとだとだが書きました

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