ECサイトの補助金で構築やリニューアルに使える4選|審査条件も詳しく解説

ECサイトを構築する際に、国や地方自治体からの補助金を活用できる機会が増えています。
背景には、国が中小企業や小規模事業者による非対面型のサービスへの移行、IT導入による業務効率化など企業の活性化に向けた新たな取り組みを支援しているからです。
できるだけ費用の負担を減らしながら、事業の拡大等を図るために、ECサイト制作や販促に使える補助金にはどのようなものがあるのかご紹介します。
当記事では、ECサイトの補助金の概要についての情報を整理して記載しています。ただし、補助金はただ申請するだけは採択される可能性が下がります。
そのため、本記事を通じて補助金の制度を把握していただき、採択されるための具体的な方法につきましては行政書士や専門のパートナーへ相談することをお勧めします。
補助金の無料相談承ります。
ECサイト構築に使える補助金の種類とは?
ECサイトの構築を含めたIT導入で使える補助金は、以下の4つです。
- ・事業再構築補助金
- ・IT導入補助金
- ・小規模事業者持続化補助金
- ・各自治体によるIT補助金
各補助金の目的や金額です。
事業再構築補助金 | IT導入補助金 | 小規模事業者持続化補助金 |
各自治体の補助金 |
|
---|---|---|---|---|
対象 | 個人事業主、中小企業 ※諸条件あり |
中小企業、 小規模事業者 ※ |
法人、個人事業主、 特定非営利活動法人 |
個人事業主、中小企業※自治体による |
ECサイト構築 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
サイトリニューアル | × | × ※例外あり |
〇 | 〇 |
ECモール | × | 〇 | 〇 | 自治体による |
広告宣伝 | 〇 | 〇 | 〇 | 自治体による |
ツール | 〇 | 〇 | 〇 | 自治体による |
ハードウェア | × | 〇 | 〇 | × |
最小の補助金額 | 100万円 | 5万円 | 50万円 | 5万円 ※自治体による |
最大の補助金額 | 1億円 | 450万円 | 200万円 |
100万円 |
補助率 | 最大3/4 |
最大3/4 |
2/3 | 1/2 ※自治体による |
支給日 | 採択から約1年後 | 交付決定日から 約3か月後~ ※案件による |
審査から約1年後 |
自治体による |
他補助金との併用 | 〇 ※別事業のみ |
〇 ※別事業のみ |
〇 ※別事業のみ |
自治体による |
採択上限回数 | 1年に1回 | 1年に1回 | 1年に1回 | 自治体による |
事業計画書の提出 | 〇 | 〇 | 〇 | 自治体による |
申請先 | 補助金の事務局 | 補助金の事務局 | 補助金の事務局 | 各自治体の窓口 |
採択率 ※2021年実績 |
約40% |
約50~60% |
約60% | 自治体による |
EC サイトの構築の際に採択にされやすいのが 「IT 導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」です。支援の目的が「生産性向上に取り組む」「コロナ対策」となっているため、数多くの事業者に当てはまりやすい要件です。
採択されやすいのは採択率の実績から、「小規模事業者持続化補助金」です。逆に難易度が高いのは「事業再構築補助金」です。
事業再構築補助金は、上記の補助金で支給額が最も大きい分、敷居は高いです。
自社にマッチする補助金がどれか、それぞれの特徴と補助金の額、申請方法を紹介します。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響を受けて収益が悪化した企業が、事業の再構築に必要な費用を、国が一部支援してくれる制度です。ほかの補助金と比べて、事業再構築補助金は補助金額が高めです。
事業再構築補助金は、販路拡大するためのECサイトが使える補助金ではありません。基本的には、ITを活用した事業転換、事業の再構築などをする企業が対象となります。
支給の対象者
資本金、従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社、または個人であることが必要です。
業種 |
資本金 |
従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 |
3億円 |
300人 |
卸売業 |
1億円 |
100人 |
サービス業 |
5,000万円 |
100人 |
小売業 |
5,000万円 |
50人 |
ゴム製品製造業 |
3億円 |
900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 |
3億円 |
300人 |
旅館業 |
5,000万円 |
200人 |
その他の業種(上記以外) |
3億円 |
300人 |
【支給対象の中堅企業の定義】
会社、個人、法人税法別表第二に該当する法人、農事組合法人、公益法人等であり、下記の要件を満たしている企業です。
(1)中小企業に分類されないこと
(2)資本金の額又は出資の総額が 10 億円未満の法人であること。
(3)資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000 人以下であること。
補助金の枠
主要な申請要件を満たした中小企業と中堅企業の補助金額と補助率はそれぞれ異なります。以下を参考にしてください。
【通常枠】
従業員数 | 補助金額 |
20人以下 | 100~2,000万円 |
21~50人 | 100~4,000万円 |
51~100人 | 100~6,000万円 |
100人以上 | 100~8,000万円 |
中小企業等 | 補助率:2/3 ※6,000万円を超える部分は2/1 |
中堅企業 | 補助率:1/2 ※4,000万円を超える部分は3/1 |
【大規模賃金引上枠】
従業員数 | 補助金額 |
101人以上 | 8,000~1億円 |
中小企業等 | 補助率:2/3 ※6,000万円を超える部分は2/1 |
中堅企業 | 補助率:1/2 ※4,000万円を超える部分は3/1 |
【回復・再生応援枠】
従業員数 | 補助金額 |
5人以下 | 100~500万円 |
6~20人 | 100~1,000万円 |
21人以上 | 100~1,500万円 |
中小企業等 | 補助率:3/4 |
中堅企業 | 補助率:2/3 |
【最低賃金枠】
従業員数 | 補助金額 |
5人以下 | 100~500万円 |
6~20人 | 100~1,000万円 |
21人以上 | 100~1,500万円 |
中小企業等 | 補助率:3/4 |
中堅企業 | 補助率:2/3 |
【グリーン成長枠】
従業員数 | 補助金額 |
中小企業等 | 100~1億円 |
中堅企業 | 100~1.5億円 |
中小企業等 | 補助率:1/2 |
中堅企業 | 補助率:1/3 |
補助金の要件
補助金の要件の詳細は以下をご覧ください。
【通常枠】
(1)事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。
(2)2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等。
(3)事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること。
(4)補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
【大規模賃金引上枠】
(1)事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
(2)2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等。
(3)事業計画を認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること
(4)補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
(5)補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から 3~5 年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること
(6)補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は 1.0%以上)増員させること
【回復・再生応援枠】
(1)事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
(2)2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等。
(3)(ア)または(イ)のいずれかの要件を満たすこと。(ア)2021 年 10 月以降のいずれかの月の売上高が対 2020 年又は 2019 年同
月比で 30%以上減少していること。(イ)中小企業活性化協議会等から支援を受け再生計画等を策定していること
(4)事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること。
(5)補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
【最低賃金枠】
(1)事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
(2)2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等。
(3)(ア)又は(イ)のいずれかの要件を満たすこと。(ア)2020 年 4 月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比
で 30%以上減少していること。(イ)(ア)を満たさない場合には、2020 年 4 月以降のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること。
(4)2020 年 10 月から 2021 年 6 月までの間で、3 か月以上最低賃金+30 円以内で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること
(5)事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること。
(6)補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
【グリーン成長枠】
(1)事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。
(2)事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関。
(3)補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること。
(4)グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であって、その取組に関連する 2 年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと。
(5)既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること。
(6)既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること。
IT導入補助金
中小企業・小規模事業者がITツール導入に活用できる補助金です。業務効率化・売上アップをサポートするもので、ECサイトの構築も該当します。
支給の対象者
業種ごとの資本金や従業員数を下回ることが必要です。
業種 | 資本金 | 従業員(常勤) |
製造業、建設業、運輸業
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卸売業
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サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
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小売業
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ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
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ソフトウエア業又は情報処理サービス業
|
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旅館業
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その他の業種(上記以外)
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医療法人、社会福祉法人、学校法人
|
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商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所
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– |
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中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体
|
– |
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特別の法律によって設立された組合またはその連合会
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– |
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財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)
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– |
|
特定非営利活動法人
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– |
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商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)
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– |
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サービス業のうち宿泊業・娯楽業
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– |
|
製造業その他
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– |
|
詳しい要件は補助金の公式サイトをご覧ください。
https://www.it-hojo.jp/applicant/subsidized-works.html
中小企業の詳しい定義は中小企業庁の公式サイトをご覧ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq01_teigi.htm#q1
補助金の枠
補助金の枠は3種類あります。それぞれの詳細を紹介します。
【通常枠】
種類 | A類型 | B類型 | |
補助額 | 30万~150万円未満 | 150万~450万円以下 | |
補助率 | 1/2以内 | ||
プロセス数※1 | 1以上 | 4以上 | |
ITツール要件(目的) | 類型ごとのプロセス要件を満たすものであり、労働生産性の向上に資するITツールであること。 | ||
賃上げ目標 | 加点 | 必須 | |
補助対象 | ソフトウェア費・クラウド利用料(最大1年分補助)・導入関連費等 |
1:「プロセス」とは、業務工程や業務種別のことです。
【デジタル化基盤導入類型】
種類 | デジタル化基盤導入類型 | ||
補助額 | ITツール | ||
5万円~350万円 | |||
内、5万円~50万円以下部分 | 内、50万円超~350万円部分 | ||
機能要件 ※1 | 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 | 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上 | |
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 | |
対象ソフトウェア | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト | ||
賃上げ目標 | なし | ||
補助対象 | ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分補助)・導入関連費等 |
1:該当する機能の詳細はITツール登録要領を参照
下記も補助金の対象です。
ハードウェア購入費 | PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器:補助率1/2以内、補助上限額10万円 | ||
レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円 |
【複数社連携IT導入類型】
種類 | 複数社連携IT導入類型 | ||||
補助額 | デジタル化基盤導入類型の要件に属する経費 | デジタル化基盤導入類型の要件に属さない複数社類型特有の経費 | |||
(1)基盤導入経費 | (2)消費動向等分析経費 | (3)補助事業者が参画事業者をとりまとめるために要した事務費 | |||
5万円~350万円 | 50万円×参画事業者数 | ((1)+(2))×10% | |||
内、5万円~50万円以下部分 | 内、50万円超~350万円部分 | ||||
機能要件 ※1 | 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 | 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上 | |||
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 | 2/3以内 | 2/3以内 | |
補助上限額 | 3,000万 | 200万 | |||
対象ソフトウェア | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト | 各種システム※2 | |||
賃上げ目標 | なし | ||||
補助対象 | ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分補助)・導入関連費 | ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大1年分補助)・導入関連費 | |||
ハードウェア購入費用 | PC・タブレット等※3 :補助率1/2以内、補助上限額10万円 | AIカメラ・ビーコン・デジタルサイネージ等 | |||
レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円 |
1:該当する機能の詳細はITツール登録要領を参照
2:対象例(消費動向分析システム、経営分析システム、需要予測システム、電子地域通貨システム、キャッシュレスシステム、生体認証決済システム等)
3:PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器
補助金の申請期間
補助金の申請期間が公表されています。補助金を申請する事業者は、IT導入支援事業者と共同で申請作業が必要です。予め支援事業者に相談しましょう。
【申請期間】
交付申請・ 事業実績報告
|
通常枠 (A・B類型) |
交付申請期間 | 2022年3月31日(木)受付開始~ 終了時期は未定 |
|
1次締切分 | 締切日 | 2022年5月16日(月)17:00(予定) | ||
交付決定日 | 2022年6月16日(木)17:00(予定) | |||
事業実施期間 | 交付決定日以降~終了時期は未定 | |||
事業実績報告期間 | 未定 | |||
2次締切分
|
締切日 | 2022年6月13日(月)17:00(予定) | ||
交付決定日 | 後日案内予定 | |||
デジタル化基盤導入枠 |
交付申請期間 | 2022年3月31日(木)受付開始~ 終了時期は未定 |
||
1次締切分 | 締切日 | 2022年4月20日(水)17:00(予定) | ||
交付決定日 | 2022年5月27日(金)17:00(予定) | |||
事業実施期間 | 交付決定日以降~終了時期は未定 | |||
事業実績報告期間 | 未定 | |||
2次締切分 |
締切日 | 2022年5月16日(月)17:00(予定) | ||
交付決定日 | 2022年6月16日(木)17:00(予定) | |||
3次締切分 |
締切日 | 2022年5月30日(月)17:00(予定) | ||
交付決定日 | 2022年6月30日(木)17:00(予定) | |||
4次締切分 |
締切日 | 2022年6月13日(月)17:00(予定) | ||
交付決定日 | 未定 |
【備考】
- ・2022年から制度の一部が見直しされています。これまでECサイトの構築が「低感染リスク型ビジネスモデル」が廃止され、「デジタル化基盤導入類型」が新設されました。
- ・IT導入補助金の申請は、ITベンダー・サービスなどの支援事業者に相談の上、申請手続きをしなければなりません。
- ・補助金を受けた後は、事業の実施報告が必要です。
- ・最新の情報や詳細はIT導入補助金の公式サイトをご覧ください。
補助金の無料相談承ります。
小規模事業者持続化補助金
商工会議所が運営する小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等の販路開拓等の取組みや、業務効率化の取組みを支援するものです。EC・Webサイト制作費用も対象となる補助金です。
支給の対象者
以下の全ての要件を満たす法人、個人事業、特定非営利活動法人が対象です。
業種 |
人数 |
商業・サービス業 |
常時使用する従業員の数 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 |
常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
(1) 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
(2) 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
(3) 本補助金の受付締切日の前10か月以内に、持続化補助金(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択されていないこと
補助金の枠
申請できる補助金の枠は下記です。
類型 | 補助率 | 補助上限 |
---|---|---|
通常枠 | 2/3 | 50万円 |
賃金引き上げ枠 | 2/3(赤字事業者は3/4) | 200万円 |
卒業枠 | 2/3 | |
後継者支援枠 | ||
創業枠 | ||
インボイス枠 | 100万円 |
【通常枠以外の申請要件】
・賃金引き上げ枠
補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上であること。ただし、この要件を満たさない場合は、補助金の交付はされません
または、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロである赤字の事業者。
・卒業枠
補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大すること。ただし、この要件を満たさない場合は、補助金の交付はされません
・後継者支援枠
申請時において、「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者であること。
※アトツギ甲子園ホームページ(https://atotsugi-koshien.go.jp/)
・創業枠
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け開業した事業者であること。
・インボイス枠
2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス(適格請求書)発行事業者の登録が確認できた事業者であること。ただし、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合は、補助金の交付はされません、
【申請期間】
第8回受付締切分 | |
申請受付締切日 | 2022年6月3日 |
事業支援計画書交付の受付締切 | 2022年5月27日 |
事業実施期間 | 交付決定日から2023年2月28日 |
実績報告書提出期限 | 2023年3月10日 |
第9回受付締切分 | |
申請受付締切日 | 2022年9月中旬 |
事業支援計画書交付の受付締切 | 2022年9月上旬 |
事業実施期間 | 締切日が確定次第 |
実績報告書提出期限 | 締切日が確定次第 |
第10回受付締切分 | |
申請受付締切日 | 2022年12月上旬 |
事業支援計画書交付の受付締切 | 2022年12月上旬 |
事業実施期間 | 締切日が確定次第 |
実績報告書提出期限 | 締切日が確定次第 |
第11回受付締切分 | |
申請受付締切日 | 2023年2月下旬 |
事業支援計画書交付の受付締切 | 2023年2月中旬 |
事業実施期間 | 締切日が確定次第 |
実績報告書提出期限 | 締切日が確定次第 |
【備考】
- ・計画の作成や販路拡大の施策などは、商工会議所の指導・助言を受けられます。
- ・最新の情報や詳細は小規模事業者持続化補助金の公式サイトをご覧ください。
ものづくり補助金はECサイト構築は対象外
ものづくり補助金は、2021年度の公募ではECサイトの構築が可能でしたが、2022年では計上できません。よってその他の補助金で検討が必要です。
各自治体が提供するIT補助金
自治体によっては独自で実施しているIT系の補助金があります。国の補助金と比べて募集件数や金額は少ないケースが多いのですが、その分敷居は高くありません。
一例として、ECサイト作成にも使える3つの自治体によるIT補助金を紹介します。
ECサイト活用補助金(東京都中央区)
【対象者】
- ・中小企業者
- ・区内に主たる事業所を有すること
【補助内容】
- ・新たにECサイトを構築するための費用
- ・モール型ECサイトの初期登録費用(月額、年額等で定められた利用料は除く。)
【補助金額】
- ・補助対象経費の定められた割合(限度額6万円)
インターネットショップ等活用販路拡大事業 (愛媛県 新居浜市)
【対象者】
- ・中小企業者及び中小企業団体
- ・市内に住所を有する個人若しくは市内に本店を有する法人又は市内に事務所を置く団体
- ・市税の滞納がないこと(法人、代表者)
- ・市内において実店舗にて1年以上継続して事業を行っていること(申請書類提出時)
【補助内容】
- ・新たにECサイトを構築、リニューアル、広告費などの費用
- ・モール型ECサイトの初期費用・月額利用料や広告費などの費用
【補助金額】
- ・補助対象経費の50%以内の額(限度額20万円)
松戸市中小企業デジタル化チャレンジ補助金(千葉県松戸市)
【対象者】
- 本市に主たる事業所があり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により経営に影響を受けた中小企業者等
- 市税を滞納していないこと
- 自らが事業のデジタル化及び、売上の向上または生産性の向上に取り組むもの
- 自らが事業のデジタル化及び、売上の向上または生産性の向上を図る計画を策定するもの
- 計画策定及び補助事業の実施に際して、市と協議の上、千葉県よろず支援拠点等の専門家による支援を受けるもの
【補助内容】
- ・ECサイトの構築
【補助金額】
- ・補助対象経費の2/3(限度額50万円)
補助金で気をつけること
補助金を申請にあたり、事前に把握しておきたい2点を紹介します。
- ・補助金は後払い
補助金は後払いです。申請後、事業を実施した後に、請求手続きを行います。そのため、ECサイトの構築などの事業にかかる諸経費は、立て替えて支払う必要があります。申請した事業が完了して、事業報告を経てから、支払いとなります。
そのため、キャッシュフローに注意して運営する必要があります。
- ・審査に落ちることもある
補助金は申請後に必ず審査があり、審査に落ちることが十分にあり得ます。例えば、それぞれの補助金の採択率は約半分程度ですが、書類に不備があるだけ落ちます。
書類作成が心配な方は行政書士や専門の会社に相談することをおすすめします。
補助金の採択率を上げるなら支援事業者選びも重要
ECサイトの構築にあたりまず検討したいのが補助金の額が大きく、採択率も比較的高めのIT導入補助金です。
IT導入補助金を申請するには、支援事業者に事前の相談が義務付けられています。ここで重要なのがどのような支援事業者に相談するかです。
申請が採択されるか否かのポイントの1つとして、書類作成の方法によって大きく左右されます。そのため、実績のある支援事業者か、行政書士など専門家に相談するのが良いでしょう。
株式会社これからは「IT導入補助金」の支援事業者として、これまで数多くの事業者の申請をサポートしてきました。IT導入補助金の採択率は全国平均で約50%程度と言われている中で、弊社実績は約80%となっています。
補助金をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。担当者が対応させていただきます。
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