EC事業とは|EC市場規模や立ち上げの流れについても解説

経済産業省の調査結果によると、2020年の日本国内のBtoC-EC市場規模は19 兆 2,779 億円、BtoB-EC 市場規模は、334 兆 9,106 億円ととても大きな市場となっています。 新型コロナウイルスの影響により、国を上げてデジタル化が推奨されている中で、今後もEC化は進んでいくでしょう。 今回は、拡大し続けるEC市場への参入に興味を持っている方向けに、業界の現状やEC事業を立ち上げるメリット、デメリットをご紹介いたします。
そもそもEC事業とは?
EC とは「Electronic Commerce」の略で、日本語では「電子商取引」と訳します。馴染みのある言葉で表現すると「ネットショップ」のことです。EC の中には、商品が実際に送られてくる物販EC と、電子書籍や音楽のようなダウンロード販売などの非物販EC があります。一般的にEC サイトといえば、物販ECを指すことが多いです。
国内EC市場の動向|進むEC化

引用元:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf
2021 年 7 月31日に経済産業省によって発表された、「令和 2 年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、令和2年の物販/サービス/デジタル分野の国内 BtoC-EC 市場規模は、19 兆 2,779 億円となりました。サービス系分野の BtoC-EC 市場規模は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から前年の 7 兆 1,672 億円から 2 兆 5,840 億円減少し、4 兆 5,832 億円となりました。
一方で、物販系分野の BtoC-EC 市場規模は、前年の 10 兆 515 億円から 2 兆 1,818 億円増加し、12 兆 2,333 億円となりました。 物販系分野の大幅な伸長分とサービス系分野の大幅な減少分が相殺され、BtoC-EC 市場規模全体としては、830 億円の減少となりました。

引用元:https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html
市場の縮小はあるものの、EC 化率は、BtoC-EC で 8.08%(前年比 1.32 ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化は引き続き進展していると言えます。
国内EC市場の事業者数は2万7558事業者
EC事業に関わっている事業者数は、消費者向け電子商取引実態調査対象5万6199事業者のうち回答を得られたのが、2万7558 事業者でした。主な産業は、
- ・小売業 46.6 %
- ・製造業 16.2%
- ・卸売業 12.7%
となっており、上記の産業で全産業の 75.4%を占めています。
参考:経済産業省
国内EC事業売上ランキング
拡大しつづけるEC業界の中で特に売上を出しているECサイトは次のとおりです。ランキングは、通販新聞の姉妹誌「月刊ネット販売」で2021年に実施した売上高調査「ネット販売白書」を参考にしています。
順位 | 社名 | 売上 | 商材 |
---|---|---|---|
1位 | アマゾンジャパン | 2兆1,852億円 | 総合 |
2位 | ヨドバシカメラ | 2,221億円 | 家電 |
3位 | ビックカメラ | 1,487億円 | 家電 |
4位 | ZOZOTOWN | 1,474億円 | 衣料品 |
5位 | ユニクロ | 1,070億円 | 衣料品 |
アマゾンジャパン(2兆1,852億円)

アマゾンジャパンは、顧客が事前に指定した場所に商品を配達する「置き配」を都内を含む30都道府県で標準の配送方法として採用したことや、国内の有力メーカーと組んで開発する日用品のプライベートブランドの展開強化などを含めた直販品の拡充、スーパーマーケットチェーンを展開するライフコーポレーションと組み、ライフの商品を受注後最短2時間で配送するサービスの展開エリアを拡充したことが売上に貢献しました。
ヨドバシカメラ(2,221億円)

ヨドバシカメラは、ヨドバシカメラが運営するECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」で注文した商品を対象とし、 一品から配送料金無料、最短2時間30分以内に配達完了させるという「ヨドバシエクストリーム」という荷物配達サービスが他社との差別化になり売上を押し上げました。
ビックカメラ(1,487億円)

ビックカメラのECサイトでは、商品購入の後押しのためにサイト内のページを強化しました。 ユーザビリティの高いECサイトにチューニングしたことが売上拡大に貢献しました。
ZOZOTOWN(1,474億円)

衣料品ではZOZOがユニクロを抑えてトップになりました。自社サイトにとどまらず、PayPayモールへの出店を行い新規顧客の開拓を行いました。
ユニクロ(1,070億円)

ユニクロは、デジタル広告やテレビCMでECに関する情報発信を強化したことに加え、アプリ会員の特別限定価格を開始したことで新規顧客数が大幅に増加しました。 加えて、実店舗とECサイトの連携がスムーズに取れており、オムニチャネルの成功例と言えます。
EC事業を立ち上げるメリット
EC事業を立ち上げるメリットは以下です。
ランニングコストが削減できる
店員の人件費や家賃、公共料金、メンテナンスなどの費用が不要です。
時間や場所に制限されずに販売できる
時間や場所に制限されずに販売が可能です。 ユーザーのタイミングでどこからでも購入ができるため、販売機会を逃しません。
気軽に開業できる
ネット環境が整っていればいつでもどこでも事業をはじめることができるので、気軽に開業することができます。
EC事業を立ち上げるデメリット
EC事業を立ち上げるデメリットは以下です。
接客が難しい
お客様の顔が見えない中での接客のため、実店舗以上にお客様への案内をこまやかに行う必要があります。具体的には、商品の魅力が良く伝わる説明文の作成やクウォリティの高い商材写真、動画が求められます。 加えて、購入完了まで煩わしさを感じないユーザービリティの高いサイト構成になっている必要があります。
集客対策が大変
ECサイトを立ち上げただけではお客様にサイトの存在を認知してもらうことはできません。 多くのライバルがいる中で、自社ECサイトにアクセスしてもらうためにはWEB広告やSNS、SEO対策などを通して集客をする必要があります。
セキュリティリスクがある
サイバー攻撃などによりECサイトのセキュリティが侵される危険があります。ECサイトは多くの個人情報を取り扱うのでセキュリティ対策は万全に行う必要があります。
EC事業立ち上げの流れ
EC事業は以下の流れで準備していきます。
- 1,売りたい商品を明確にする
- 2,ECサイトのコンセプトを決める
- 3,カートシステムを選択する
- 4,ECサイト設計・デザイン制作を行う
- 5,商品登録・各種手続きを行う
- 6,サイトの不備から配送トラブルまでテスト注文で検証する
- 7,ECサイトへの集客を行う
特にコンセプト決めが売れるECサイトを作れるかどうかを左右するため、とても重要です。立ち上げの流れについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
EC市場や立ち上げのメリットデメリットまでご紹介しました。国を上げてEC化を推奨していることから今後もEC市場は拡大していくでしょう。本記事を通してEC事業への新規参入のきっかけになれば幸いです。
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