EC-CUBE(イーシーキューブ)とは|使い方・料金・特徴を解説!
株式会社これからの取締役。
2004年、IT系上場企業に新卒入社。ECサイトのコンサルティング営業に従事。
その後、株式会社これからに創業メンバーとして参画し、取締役就任。
小規模ショップから東証1部上場企業まで、500社以上のECサイト戦略について支援。
自社ECサイト支援で業界トップクラスの実績を誇る。
年間100回以上のECセミナー登壇や大規模展示会での講演多数。
書籍「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」(技術評論社)の執筆も手がける。
EC-CUBE(イーシーキューブ)とは
画像出典:EC-CUBE
EC-CUBEとは、株式会社イーシーキューブが提供する、オープンソース型のEC構築パッケージです。2006年にリリースされ、2023年8月時点で35,000店舗以上の導入実績があります。EC-CUBEの特徴は以下の通りです。
EC-CUBEは、クラウド版とダウンロード版があり、ダウンロード版に関しては、無料でダウンロードができ、月額料金や初期費用もかかりません。※1 ソースコードも自由にカスタマイズができます。そして、ECサイトを運営するのに必要な標準機能は全てそろっているので、スピーディーにECサイトを開店し運営することができます。
EC-CUBEは、ショッピングモールやASP型の特徴である低コストであることや独自開発の拡張性が高いという両方のメリットを備えています。そのため、小規模~大規模サイトまで、幅広いEC事業者様にご利用いただけるEC構築パッケージです。
※1:別途サーバー代はかかる
参考:ec-cube
EC-CUBEの料金
EC-CUBEには、ダウンロード版とec-cube.coというクラウド版のECプラットフォームがあります。ダウンロード版は月額料金や初期費用は発生せず無料でダウンロードが可能です。(※別途サーバー代はかかる) クラウド版には、LiteプランとStandardプランという2つの月額制プランがあります。
プラン |
クラウド版 Liteプラン |
クラウド版 Standardプラン |
ダウンロード版 |
月額料金 |
月額6,800円~ 販売額が50万円超過 6,800円+超過分×1.3% |
月額49,000円~84,000円 販売額が300万円超過 49,800円+超過分×0.5% 販売額が1,000万円超過 84,800円 |
無料 |
初期費用 |
無料 |
70,000円 |
無料 |
決済手数料 |
別途ご契約 |
別途ご契約 |
別途ご契約 |
引用:ec-cube.co
ダウンロード版のEC-CUBEとクラウド版のec-cube.coでは機能的な差は有りませんが、ダウンロード版はサーバーを自社で準備する必要があり、クラウド版は準備が不要という違いがありますので、自社でサーバーを用意するリソースがない企業はクラウド版を利用するとよいでしょう。
クラウド版 Liteプラン
クラウド版のLiteプランは、初期費用はは無料で月額料金が6,800円〜発生します。 ECサイトに必要な基本的な機能はそろっていますが、スタンダードプランとの違いは、 以下の機能がないことです。
- カスタマイズディレクトリ
- テンプレートディレクトリ
- Git・編集履歴機能
- ステージング環境
- エラーログの取得
そのほかの仕様や機能はスタンダードプランと同様です。 なお、 現在Liteプランは新規登録受付停止中です。 (※2023年11月現在)
クラウド版 Standardプラン
クラウド版のStandardプランは、初期費用が70,000円で、月額料金が49,800円~発生します。Liteプランと比較して使用できる機能が備わっているので、より本格的なECサイト運営ができます。
ダウンロード版
ダウンロード版は、無料でダウンロードすることができ、初期費用や月額費用は発生しません。ただし、サーバー代は別途発生します。(※料金はレンタルサーバー会社による。) ECサイト構築や運営に必要な基本機能は備わっています。また、管理・運用マニュアルや開発者向けドキュメントも用意されているので、わからないことがあればすぐに確認することができます。しかし、セキュリティ対策やバージョンアップ、カスタマイズなどは自社対応になるため、EC構築の知識が必要になります。
EC-CUBEで利用できる決済
EC-CUBEでは、EC-CUBEペイメント(公式)やGMOペイメントゲートウェイ、ゼウスなど利用できる決済サービスが23サービスあります。※ 例として、EC-CUBEペイメント(公式)で利用できる決済方法は以下の通りです。
- クレジットカード
- コンビニ決済
- Pay-Easy
- 電子マネー
- PayPal
- 代引き決済
- キャリア決済
- 楽天ペイ
- バーチャル口座
料金プランについては、EC-CUBEペイメントへ直接お問い合わせいただくことで、担当者からご案内いただけるそうです。
EC-CUBEの評判
EC-CUBEの評判をまとめました。
良い評判 | 悪い評判 | |
機能 |
・機能を追加で導入できるプラグインがあり、かゆいところにも手が届く ・ECに必要な標準的な機能が一通り備わっている ・公式サイトでプラグインが無償のものから有償のものまで用意されているため、機能拡張も容易に行える。 |
・サードパーティーが提供するプラグインを複数併用していると稀に正常に動作しないケースがある。そのような場合は開発元へ確認するか、自分でプラグインのソースコードを確認する必要があり大変な作業となる |
料金 |
・ダウンロード版であれば無料で利用可能 ・自前でショッピングカートを構築できる為、出品手数料やサイト管理費などは最小限で抑える事ができる |
・プラグイン、テーマが高額で、中小には負担が大きい ・複数のバージョンが存在し、バージョン毎の買い切りなので、過去に購入した5万円以上のプラグインをリニューアルする度に買い替える必要が出てくる |
カスタマイズ性 |
・コードを書くことができるので、自分好みにカスタマイズができる |
・バージョンアップが大変な場合が多い。特にフレームワークが変わってしまう、2系から3系や4系への移行が大変 ・自由度が高い分、コーディングの知識が必要 |
サポート |
・公式ドキュメントが充実しているため、ある程度の知識をもったWEB系の技術者であれば問題なく使いこなせる |
・公式のドキュメントが分かりづらい。 ・コミュニティの情報量が多すすぎて何が正しいのかが分かりづらい ・バージョンがいくつか存在していて、古いバージョンの情報が出回っていたりするので、情報を探すことに苦労する |
セキュリティ |
・バージョンアップやセキュリティアップデートが早めに行われているため、ある程度のセキュリティは担保できる ・定期的な脆弱性診断の実施やセキュリティ機能の向上がしっかりと取り組まれているため、ユーザーとしてはある程度の安心感を持って利用できる ・バージョンアップごとに、機能面の強化はもちろん、内部のソースコードの構成の改善も継続的に繰り返している |
ー |
引用:ITreview
メリットとデメリットを踏まえて導入を検討しましょう。
EC-CUBEの使い方とは
EC-CUBEを使い始めるにあたって発生する過程は以下の通りです。
詳しく説明していきます。
EC-CUBEインストール前の準備・確認事項
①システム要件の確認
システム要件を満たしているサーバーを用意しましょう。EC-CUBEを動作させるためには、以下システム要件を満たす必要があるので、要チェックです。以下が、システム要件を満たしたサーバーです。
- Apache
- PHP
- PostgreSQL
- MySQL
- SQLite(開発用途向け)
②サーバー準備
レンタルサーバーは簡単に導入ができるので、おすすめです。EC-CUBEは動作検証済みレンタルサーバがいくつかありますので、そちらからサーバーを準備すると良いでしょう、 レンタルサーバーの申込方法は各社で異なるので、各社ホームページをご覧ください。
③データベースの準備
MySQL、PostgreSQLどちらかの空のデータベースを新しく作成しましょう。 作成方法は各レンタルサーバー会社のヘルプをご参照ください。
④メールアカウントの準備
EC-CUBEから送られるメールの送信元に必要な以下のメールアカウント情報を用意しましょう。 メールアドレス/メールアカウントユーザ名/メールアカウントパスワード/メールサーバアドレス(SMTP/POPetc)
⑤EC-CUBE最新バージョンのダウンロードファイル
サーバーにアップする、EC-CUBEの最新バージョンをダウンロードページ
参考:EC-CUBE
EC-CUBEインストール手順
①ファイルをサーバーにアップロードする ダウンロードしたEC-CUBEファイルをサーバーにアップロードします。FTPソフトなどを利用し、サーバーにアップロードしましょう。
②ブラウザからインストールウィザードへアクセス サーバーへファイルのアップロードができたら、ブラウザからEC-CUBEをアップロードしたURLへアクセスしましょう。
③パーミッション(ファイル権限)チェック パーミッションの設定で、エラーが出た場合は、FTPソフトや各レンタルサーバー会社の管理画面から、ディレクトリとファイルのパーミッションを変更しましょう。
④サイトの設定&メール設定 店舗の基本情報を入力しましょう。
- 店舗名
- メールアドレス
- 管理画面ログインID
- 管理画面パスワード
- 管理画面のディレクトリ名
- SSL経由
を入力します。
⑤データベースの設定③で準備したデータベースの設定を入力します。
⑥データベースの初期化 データベースに初期データを登録します。新規でデータベースを設定する場合は「データベースの初期化を行わない」にチェックは入れずに進みましょう。
⑦インストール完了 インストールが完了したら、管理画面にてIDとパスワードでログインができるかどうか確認しましょう。もし、ログインができない場合は、以下を実践してみてください。
- インストールしたディレクトリの.envの削除
- データベースを空にして再度インストール手順を行う
それでも、ログインできない場合は、各レンタルサーバー会社や開発コミュニティまでお問い合わせください。
参考:ec-cube
EC-CUBEを使ったECサイト運営
EC-CUBEを使ったECサイト運営はどのような業務が発生するのでしょうか。 基本的にどのEC構築パッケージを使っても日々のECサイト運営の内容は変わりません。 ECサイト運営の業務内容は以下の通りです。
ECサイト運営の業務内容は大きく分けて、フロント業務とバックエンド業務の2つに分かれます。 それぞれの業務内容の詳細が知りたい方は、「ECサイト運営とは|仕事内容や必要なスキルについて解説」をご覧ください。
EC-CUBEの機能とは
EC-CUBEの機能は、以下4つの分野ごとに機能が分類されています。
- 構築・デザイン
- カート・会員機能
- 商品管理
- 店舗管理
ECサイトの構築や運営に必要な機能はすべて標準でそなわっています。 標準機能以外にも、拡張プラグイン>が350種類以上あり充実しています。標準機能だけでなく、拡張性も高い点はEC-CUBEの特徴だといえます。次に、具体的にどのような機能があるのか一部抜粋してご紹介していきます。
「構築・デザイン」機能
構築・デザイン機能の主な機能を抜粋してご紹介します。
- テンプレート機能 オリジナルのデザインテンプレートの作成や、購入したテンプレートの導入が行えます。
- ページ管理 各ページのコード編集が行えます。マイページ・カート周り・お問合せページまで編集可能
- レスポンシブ対応 デフォルトテンプレートでレスポンシブに対応
- プラグイン機能 オーナーズストアにて購入可能な350種類以上の拡張機能の追加が行えます。
「カート・会員機能」機能
カート・会員機能の主な機能を抜粋してご紹介します。
- 配送時間指定 お買い物時に配送時間の指定を行う機能
- 複数お届け先入力機能 お買い物時に登録したお届け先とは、別のお届け先の指定を行う機能
- ポイント購入機能 お買い物時にポイント付与・消費して購入する機能
- お気に入り機能 各商品をお気に入り登録する機能
「商品管理」機能
商品管理機能の主な機能を抜粋してご紹介します。
- 商品画像複数登録 複数の商品画像をアップロード、登録が行えます
- 商品規格管理 商品の規格(サイズ・重量・種類etc)を追加/編集が行えます
- 商品情報CSV 商品データのCSV出力/登録が行えます。
- 商品一括変更機能 商品一覧画面で、公開・非公開・廃止・削除 の4つの変更を一括で行えます。
「店舗管理」機能
店舗管理機能の主な機能を抜粋してご紹介します。
- 受注・売上げ状態表示 管理画面から現在の受注・売上の状態を確認できる。
- 新規受注情報入力 電話やFAXで発生した受注情報の登録ができる。
- お届け先管理 顧客毎に複数のお届け先を管理することができます。
- ポイント設定 ポイント付与率の設定/商品ごとポイント付与率設定ができる。
引用:EC-CUBE
EC-CUBEの開発会社
自社にプログラマーはいないけど、「EC-CUBEでECサイト構築をしたい!」という方に、 EC-CUBEの構築実績が豊富な開発会社をご紹介します。
- アイピーロジック株式会社 EC-CUBEでのECサイト構築実績は80サイト以上。会員数30万人以上の大規模サイトの保守・運営実績を持つ。システム開発に強みを持つ。
- ボクブロック株式会社 EC-CUBEでのECサイト構築やリニューアルの対応実績は500サイト以上。BtoBの構築実績が豊富で、カスタマイズに強みをもっている。
- 有限会社スプレッドワークス
EC-CUBEでのECサイト構築やリニューアルの対応実績は500サイト以上。BtoBの構築実績が豊富で、カスタマイズに強みをもっている。
EC支援歴20年以上。発注者の要望や課題に合わせてECサイトを構築。ECサイト構築だけでなく、 幅広く集客支援もおこなっている。オーダーメードのシステム開発にも対応できる。上記3社はEC-CUBEでのECサイト制作に強みを持っていますので、EC-CUBEでECサイト構築をしたい場合は、ご検討ください。
参考:WEB幹事
EC-CUBEの脆弱性について
EC-CUBEの脆弱性については、EC-CUBEの公式ページで情報が随時更新されています。 直近では、2023年8月17日に「EC-CUBE 2系におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性」という問題が報告されています。
EC-CUBEに関しては、2019年12月20日に経済産業省から「株式会社イーシーキューブが提供するサイト構築パッケージ『EC-CUBE』の脆弱性等について」という発表がありました。具体的な内容としては、「EC-CUBEを利用しているECサイトにおいて、クレジットカード情報が漏えいされる危険性がある」という内容です。現在では、定期的な脆弱性診断とセキュリティ機能の向上がされています。バージョンアップごとに機能面の強化とソースコードの改善が行われていますので、セキュリティは強化されています。
EC-CUBEを利用する方、また他のカートを利用される方も含め、ECサイトを開設・運営されている方は、必ずセキュリティ対策を講じ、定期的な保守・メンテナンスを実施することが重要です。
まとめ
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