ECサイトの構築方法7選|それぞれのメリットや費用相場を比較しよう

category :  EC売上UP

update :  2022/02/18(金)

staff :  石澤ちゃん

IT技術の進化により、だれでもECサイトを構築できるようになっています。すでにECサイトを構築してしたり、オープンしたいと考えていたりする企業も多いのではないでしょうか。 今回は、7つのECサイト構築方法のメリットやデメリットなどを解説します。自社に適したECサイト構築の参考にしてください。

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ECサイトには複数の構築方法がある

ECサイトの主な構築方法は7つで、モール型・ASP・クラウド・パッケージ・オープンソース・フルスクラッチ・SNSとなります。自社適したものを選ぶためには、それぞれの特徴やメリット、デメリットを知ることが大切です。ここでは、モール型から順に解説します。一覧にまとめたので、まずはざっくりと目を通してみてください。

構築方法 メリット デメリット
モール型
  • ・集客をしやすい
  • ・コストが安価
  • ・顧客情報を蓄積できない
  • ・ブランディングが自由にできない
  • ・サイトのカスタマイズがほとんどできない
ASP型
  • ・高度な知識が不要
  • ・コストが安価
  • ・独自の機能追加はできない
  • ・売上に応じて手数料がかかる
クラウド型
  • ・自由度が高い
  • ・サーバーダウンしにくい
  • ・コストが高い
パッケージ型
  • ・自由度が高い
  • ・サポートが充実している
  • ・コストが高い
オープンソース型
  • ・自由度が高い
  • ・カートシステムを無償で使用できる
  • ・高度な知識が必要
  • ・サポートがない、全て自己責任
フルスクラッチ型
  • ・自由度が高い
  • ・高度な知識が必要
  • ・コストが高い
SNS
  • ・アカウントを所得するだけで、誰でも始められる
  • ・投稿内容に工夫が必要

モール型

インターネット上のショッピングモールにECサイト出店する方法です。初期費用は数万円程度で月額コストは安価です。

モール型のメリット

モール型は、知名度が高いため集客しやすいことがポイントです。誰もが知っているため顧客からも信頼されやすく、オープン後の売上をある程度予測できます。 ECサイトの初心者でも構築しやすいメリットもあります。

モール型のデメリット

モール型の顧客情報は、モールの運営者が管理しているケースが多いため、自社で顧客情報を蓄積できない場合があります。ブランディングが自由にできず、サイトのカスタマイズもほとんどできません。出店数が多いため、価格競争に巻き込まれやすいデメリットもあります。

ASP

ASPは、ITの専門知識がなくても簡単にECサイトを構築できることが特徴です。カート機能や決済機能など最低限の初期設定でECサイトをオープンできます。 無料からはじめられて、有料の場合でも1万円以下でスタート可能です。

ASPのメリット

ASPは、初期費用を抑えられることが大きなメリットです。事業者にもよりますが、豊富な機能が備わっているため、簡単にサイトを構築できます。保守やバージョンアップは事業者が行い、顧客管理は自社で行うため顧客データの蓄積が可能です。

ASPのデメリット

ASPは、ショップのデザインが決められていることが多いため、カスタマイズ性が高いとはいえません。また、自社システムなど外部との連携も難しいことがデメリットです。決済手数料以外に売上に応じた手数料などもかかります。

クラウド

クラウドの中でECサイトを構築し運営するサービスです。EC構築運用システムがレンタルされる仕組みであるため、システム開発・運用を事業者が行います。クラウドECサイトの費用目安は、初期費用が300万円以上で月額費用は10万円以上です。

クラウドのメリット

クラウドのECサイトでは、自社に適した自由なカスタマイズや自社のシステムとの連携が可能です。事業者が、開発するため常に最新のシステムを利用できることも、大きなメリットになります。操作だけでリソースを増減できるため、アクセス集中によるサバーダウンも防止可能です。

クラウドのデメリット

クラウドのECサイトは、ASPと比較すると初期費用や運用費が高くなります。自社での保守管理ができないため、雇用している人的リソースが余剰となるかもしれません。ECサイトのオープンに伴ってある程度の売上が見込める企業におすすめできます。

海外ソリューションもある

クラウドのECサイトには、海外クラウド事業者によるサービスもあります。海外向けの販売を検討している企業に適しています。

パッケージ

パッケージは、クラウドECサイトの1つで、ECサイト構築に関するシステムがパッケージされたものです。 クラウドなので、カスタマイズ性が高いため、自社の特徴を自由に表現できます。初期費用相場が500万円からで、運用費は月額10万円以上です。

パッケージのメリット

カスタマイズ性が高く、自社のイメージを全面に押し出したECサイトを構築できることがパッケージの大きなメリットです。サポート体制充実や初心者でも運営しやすいなどバランスがよいため、中規模以上のECサイトから注目されています。

パッケージのデメリット

初期費用や運用費が高いため、予算が確保できない企業での導入は避けましょう。モールやASPで一定程度以上の売上が確保できてから、移行する企業も少なくありません。導入期間が長めなので、計画を練ってから導入しましょう。

オープンソース

オープンソースは、公開されているプログラムコードを活用してECサイトを構築する仕組みです。自由度が高い反面、プログラムの知識が必要になります。無料でだれでも利用できるため、初期費用はかかりませんが、運用費は月額10万円以上見込んでおきましょう。

オープンソースのメリット

無料で誰でも使用できて、誰でも開発が可能であることが大きなメリットです。個人や企業が開発し、一般公開されているプログラムなので、ライセンス費用等が発生しません。カスタマイズ性も高いため、自社の特徴を前面に打ち出すことも可能です。

オープンソースのデメリット

プログラムに知見がなければ、ECサイトを構築できません。適した人材がいなければ、雇用するか外注するかになります。保守・トラブル・障害などついては、自社の責任となるため、万全のセキュリティ対策が必要です。

フルスクラッチ

フルスクラッチは、自社で最初からプログラミングしてECサイトを構築する方法です。既存のプログラムやサービスを利用しないため、一切の制約がなく自由自在にシステムを構築できます。数千万円以上の費用がかかるので、大規模サイトに適しています。

フルスクラッチのメリット

フルスクラッチは自由設計であり、決済からセキュリティ、他のシステムとの連携など全てを一から開発します。そのため、思い通りのECサイトを構築が可能です。自社専用の設計なので、自社の要望が全て満たされたサイトになります。

フルスクラッチのデメリット

フルスクラッチは、必要なリソースを得るために膨大な初期投資費用が必要です。また、高い技術力や豊富な知識を有したエンジニアがいなければ、システムを構築できません。保守点検やセキュリティなどを含めて運用費も高額となります。

SNS

SNSのECサイトは、アカウントを取得するだけで誰でも始められます。SNS上にECサイトを無料で開設できる機能を利用するだけです。InstagramやFacebookが代表的であり、自社ECサイトとSNSのECサイトを併用している企業も増えています。 ECサイトにおけるSNSの活用方法は、「ECサイトにおけるSNSの活用方法|それぞれのSNSの特徴や注意点も解説」に詳しく書いてあるので参考にしてみてください。

ECサイトを構築する際に確認すべきこと

ECサイトを構築する際に、確認すべきことがありますのでここで解説します。

費用

ECサイトの費用は、初期投資だけではなく、運用費(ランニングコスト)も必要です。初期費用が無料であっても、毎月の運用費がかさむ場合もあるため、注意しましょう。 ECサイトの構築方法によっては費用が異なります。詳しくは「ネットショップの開業資金の相場は?必要な費用や金額の目安を解説」を参考にしてみてください。

セキュリティ

個人情報の漏洩などがあれば、顧客からの信用も信頼も得られません。セキュリティ対策は重要であるため、事業者が提供しているセキュリティ対策の確認が大切です。

機能

ECサイトの構築方法によって機能に違いがあります。パッケージは機能が充実しているため自社独自のECサイトを構築する場合におすすめです。構築のしやすさで選ぶならASPを検討しましょう。

サポート

オープンソースやフルスクラッチの場合はサポートがありません。ECサイト事業者を利用する場合は、サポート体制について詳細に確認することが大切です。

管理方法・耐用年数

EC サイト事業者を利用する場合は、管理方法や耐用年数などの確認が必要です。常に最新の状態をキープし、新機能などの追加がどのように行われるかを確認しましょう。

サイトの種類別|ECサイトの構築方法

モール型の構築方法

モール型の構築は、運営事業へ申し込むことからはじまります。次に、開店準備ですが、審査を受ける場合もあるため、商品やサイトデザインなど、開店に必要なもの揃えておきましょう。 審査が完了すれば開店できます。申込後14日~30日程度が目安です。

ASPの構築方法

自社に適したASPを選びます。申込後、ECサイトの基本情報を入力し、決済方法や配送方法などを設定しましょう。トップページや商品ページはテンプレートなどを活用すれば、効率よく構築できます。画像や商品説明、発送までの流れは必ず必要です。 ASPの場合は、HTML・CSSを編集できるため、好みのサイトデザインを制作できます。

クラウド・パッケージの構築方法

クラウドやパッケージの場合はまず、内製か外注かを決めます。外注の場合は、自社に適した開発会社を選びましょう。構築の流れは、基本設計→プログラム開発→動作確認→外部連携確認となります。カスタマイズがなければ、導入期間を短縮できます。

オープンソースの構築方法

必要なソースをダウンロードし設定します。構築の流れは、デザイン設計→プログラム開発→テスト→外部システムとの連携テストとなります。あらゆる工程で繰り返しのテストを行うことが大切です。全てが自社責任となるため、セキュリティ対策は最重要課題です。

ビジネスの規模別|おすすめのECサイトの構築方法

個人におすすめのECサイトの構築方法

個人でECサイトを構築する場合は、無料ASPからはじめることがおすすめです。無料ASPなら、初期費用・月額費用ともに無料です。ただし、商品が売れた場合には、決済手数料が発生します。将来的な拡大を視野に入れるのなら、有料のASPも検討しましょう

法人におすすめのECサイトの構築方法

事業規模がまだ零細の場合は、有料ASPから始めることをおすすめします。ビジネス展開の拡大、外部システムとのスムーズな連携を目指す場合は、パッケージやクラウドを導入しましょう。

サービスを乗り換える際の注意点

現在ECサイトを運営していても、サービスを乗り換えることは十分考えられます。その際の注意点を解説します。

SEO設定の引継ぎを忘れない

SEOで流入してくる顧客は大切です。SEOの設定を引き継がないとせっかく流入がストップするため、SEOに強いURLを把握しておきましょう。乗り換え時にリダイレクトを設定し、情報を削らずにコンテンツを引き継ぐことも重要です。

お客様に再ログインしてもらう必要がある

ECサイトのサービスを乗り換えると、cookieを利用している顧客は、これまでのIDやパスワードが無効となります。つまり、自動ログインができなくなり、顧客離脱の原因となってしまいます。乗り換え時には、顧客にログインを促す施策が必要となります。

レスポンシブでCVRが下がる恐れがある

ECサービスを乗り換える際に、スマートフォン向けのレスポンシブデザインを採用した場合は、パソコンでのCVRが下がるかもしれません。パソコンでは、スマートフォンの画面は見にくいからです。両方に適したサービスを選ぶことで解決します。

旧ベンダーとも良い関係を維持する

ベンダーとは、サービスの提供元です。旧ベンダーとは乗り換えが完了するまで良好な関係を維持することが大事です。

万が一に備えて、旧システムに戻すことも考えておく

大規模ECサイトなどは、乗り換え後にトラブルが発生するかも知れないので、旧システムに戻せる体制をキープしておきましょう。

まとめ

ECサイトは、誰もが簡単に構築できるものから、ITエンジニアでなければ構築できないものまで多種多様です。規模も個人規模から大企業向けまであるため、自社に適したECサイトを構築しましょう。

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