野菜・果物のネット販売を始める個人農家に必要な許可・やり方|儲かる理由もご紹介
ネット販売が主流になった時代になりました。 農家や家庭菜園で取れた野菜や果物をネットで販売して儲けたい!という方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、野菜・果物のネット販売をしたい方向けに必要な許可ややり方などについて解説いたします。儲かる理由についても合わせてご紹介しています!
野菜・果物のネット販売に営業許可は不要
野菜・果物(農産物)のネット販売に営業許可は不要です。しかし、作物を加工した農産物加工品(例:漬物・ジュース・ジャムなど)などを販売する場合は保健所を通した営業許可と食品衛生責任者資格が必要です。
種類 | 営業許可 | 食品衛生責任者資格 |
野菜・果物 | 不要 | 不要 |
農産物加工品 | 必要 | 必要 |
営業許可が必要な食品は他にもあります。該当する食品を販売する場合は管轄の保健所に行って営業許可をとるようにしましょう。
野菜・果物のネット販売に許可は不要ですが、1点注意点があります! ネット販売は「特定商取引法」の対象販路です。そのため、予め定められた情報をECサイト(ネット販売しているサイト)に記載する必要があります。例えば、「事業者の氏名・住所・電話番号」などは必ず明記する必要があります。実際に食品ECサイトの特定商取引法を見るとイメージがつくと思いますので、是非食品ECの事例をチェックしてみてください。
野菜・果物のネット販売が儲かる理由
野菜・果物のネット販売が儲かる理由は以下が考えられるでしょう。
- EC業界は今後も拡大していく市場である
- 消費者に直販できるので利益が拡大できる
EC業界は今後も拡大していく市場である
2012年に9兆5,130 億円だったBtoC EC 市場は、2020年には19 兆 2,779 億円と20 年間で103%拡大しています。2024 年には27 兆円を超えるという予測結果も出ており、EC業界は今後も伸びる市場であると考えられます。
2019年 | 2020年 | 伸長率 | |
物販系分野 | 10兆515億円 (EC化率6.76%) | 12兆2,333億円 (EC化率8.08%) | 21.71% |
サービス系分野 | 7兆1,672億円 | 4兆5,832億円 | ▲36.05% |
デジタル系分野 | 2兆1,422億円 | 2兆4,614億円 | 14.90% |
中でも物販系の市場やEC化率は拡大し続けており、物販分野は実店舗だけでなくECも合わせて展開していくことで販売機会を増やすことができます。
実店舗だけでの販売の場合、販路や営業時間に限られてしまいますが、ECの場合は、全国に向けて販売でき、24時間販売し続けることができるので機会損失を防ぐことができ利益拡大につながるでしょう。
消費者に直販できるので利益が拡大できる
通常の農家の場合、消費者まで農産物を届けるには、
- 農家
- JA
- 全農
- 卸売業者
- 小売店
の順番で流通されていきます。その際に中間マージンが発生してしまうため、農家の粗利は30%になると言われています。そこで、これまでの流通ルートを自社ECサイトに置き換えると、農家が直接消費者に商品を販売できるので、中間マージン分を利益に変えることが出来ます。その結果、利益拡大に繋がります。
※当社2022年11月実績
野菜・果物のネット販売を始める方法
野菜・果物をネット販売する方法は以下の通りです。
- 自社ネットショップで販売する
- モール型のネットショップに出店する
- 産直販売のプラットフォームに出店する
- フリマアプリに出店する
自社ネットショップで販売する
画像出典:三代目の愛媛みかん通販
自社ネットショップは、自社でオリジナルのネットショップを構築して商品を販売する方法です。
モール販売とは異なり、自社の魅力が詰まったオリジナルサイトを作成することができます。 自社ネットショップを構築するにはカートシステムが必要です。中でもポピュラーなシステムはASP型です。ASP型のメリットは以下の通りです。
- 汎用性が高い
- コストが安い
- 高度な知識が不要
ASP型カートシステムで代表的なカートシステムは、
- Shopify
- Makeshop
- Futureshop
- カラーミーショップ
が挙げられます。
〇自社ネットショップのメリット・デメリット自社ネットショップで販売するメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・接客や商品の認知度で勝負できる ・自社サイトのブランド力を高められる ・商品ページを自由にカスタマイズできる |
・立ち上げ時は集客力が低い |
最大のメリットはブランディングがきちんとできる点です。自社ネットショップは、サイト運営に原則制限がないため、販売のルールやサイト更新の方針などすべて決めることができます。デザインや機能などの自由度が高く、自社サイトのブランド力を高めることもできますが、立ち上げた直後は、EC モールと違いブランド力が弱いため、集客対策が必須です。
※当社2022年11月実績
〇野菜・果物の販売を自社ネットショップで開始する場合の流れ自社ネットショップで販売するならこのような流れになります。
ネットショップの制作期間は、サイトの規模にもよりますが1カ月から半年程度かかります。 ネットショップは実際の店舗と違い、オープンしてからも容易に改修作業ができるので、まずは最短でのオープンを目指して動くとよいでしょう。上記の工程を自社で行うのが難しい場合は、EC支援事業者に任せると良いでしょう
〇自社ネットショップ販売がおすすめの人自社ネットショップでの販売は以下のような方におすすめです。
- 野菜・果物のネット販売を本格的に行いたい方
- 自社でオリジナルのネットショップを作りたい方
- 自社のブランド力を付けていきたい方
- モール販売と合わせて多店舗展開がし売上を最大化させたい方
食品事業者様で自社ネットショップを作成している事業者様は数多くいらっしゃいますので、 是非、実際の食品ネットショップ事例をチェックしてみてください。
ECモールへ出店する
画像出典:楽天
楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECモールの中に、ECサイトを作る方法です。 代表的なECモールは楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonなどが挙げられます。
〇ECモールのメリット・デメリット ECモールで野菜・果物を販売するメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・ブランド力や集客力が高い |
・自社の名前が覚えられにくい ・ECモールの運営ルールに従う必要がある・手数料/出店料が高い |
メリットは、EC モール自体にブランド力があるため、自分たちのブランド力に関係なく集客が見込める点です。しかし、EC モールのブランド力に集客を依存してしまう点や、EC モールの運営ルールに出店側が振り回されてしまうなどのデメリットがあります。たとえば、EC モール側に対応していない機能やデザインで制限がかかることがあります。また、出店料など EC モールへの出店にお金がかかるだけでなく、売上件数によってロイヤリティが発生するケースも多くあります。
〇野菜・果物の販売をECモールで開始する場合の流れ 今回は、楽天市場への出店方法をご紹介いたします。
- 楽天の公式Webサイトから出店申込み
- 作成した書類の原本を楽天に郵送
- 審査が承認されたらRMSアカウントが開設される
- ショップ作成をする
- 開店前のオープン審査を受ける
申し込みから開店までの期間は、1-2カ月前後かかります。もっと短期間で始めたい場合は④ショップ作成の期間を短縮すると良いでしょう。審査は申込時とショップ完成後で2回あります。審査結果によっては期間が前後します。各申請フェーズの詳細は以下記事で詳しくご紹介しています。
〇ECモール販売がおすすめの人 今回は、ECモールでの販売は以下のような方におすすめです。
- 集客コストを安く抑えたい方
- 自社開発の予定がない方
ECモールはモール自体に集客力があるため集客コストを安く抑えられますが、その分価格競争が激しいため価格競争に勝てる商材を販売すると良いでしょう。
産直販売のプラットフォームに出店する
画像出典:食べチョク
産直販売のプラットフォームに野菜・果物を出店する方法です。 主なプラットフォームは、食べチョクやポケットマルシェが挙げられます。
〇産直販売プラットフォームのメリット・デメリット産直販売プラットフォームで野菜・果物を販売するメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・集客力が高い |
・自由度の高いサイトは作れない ・商品の競争率が高い・手数料が高い(15~19.7%程度) |
〇野菜・果物の販売を産直販売プラットフォームで開始する場合の流れ 今回は、食べチョクへの出店方法をご紹介いたします。
- 出店申請フォームより申請
- 最短で翌営業日に審査結果のご連絡
- 審査通過後、PCまたはスマホからページ作成をする
〇産直販売プラットフォーム販売がおすすめの人 産直販売プラットフォームでの販売は以下のような方におすすめです。
- 集客コストを安く抑えたい方
- 自社開発の予定がない方
産直販売プラットフォームでは、農産物に特化して販売がされているプラットフォームのため出店がしやすいでしょう。しかし、あくまでもプラットフォーム内での出店となるため自社ECのように自由度の高いオリジナルサイトは作成できないので注意です。
フリマアプリに出店する
画像出典:メルカリ
フリマアプリに出店する方法です。主なフリマアプリはメルカリやラクマが挙げられます。 安全面・衛生面に問題があるとされていている以下の食品類は出店禁止ですのでご注意ください。
- 生の食肉・魚介類
- 要冷蔵の食品類
- 保健所などの許可がない加工食品
〇フリマアプリのメリット・デメリット産直販売プラットフォームで野菜・果物を販売するメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・集客力が高い・手軽に出品ができる |
・自由度の高いサイトは作れない ・商品の競争率が高い・商品が売れると購入者とこまめに連絡を取る必要がある・配送料以外に売上の10%が手数料としてかかる |
〇野菜・果物の販売をフリマアプリで開始する場合の流れ 今回は、メルカリへの出店方法をご紹介いたします。
- 会員登録をする
- 商品写真登録をする
- 商品詳細を設定
- 商品名と説明を入力
- 配送設定
- 「出品する」をクリック
〇フリマアプリ販売がおすすめの人 フリマアプリでの販売は以下のような方におすすめです。
- 集客コストを安く抑えたい方
- 自社開発の予定がない方
- すぐに商品を出品したい方
フリマアプリは、誰でも気軽に出品できるプラットフォームで利用者も多いので売れやすいです。 しかし利用者が多い分出品数が多く商品が埋没してしまい売れ残るケースもある点は留意しておきましょう。
まとめ
今回は野菜・果物のネット販売をするのに必要な許可ややり方について主に解説をしました。 ネット販売の方法は多岐に渡ります。自社にはどの方法が合うのか迷っている方もいらっしゃるかと存じます。弊社ではネット販売の無料相談会を実施しています。12,000件以上※のECサイトを支援してきたノウハウを用いてお客様のお悩みにお答えします! お気軽にご相談ください!
※当社2022年11月実績
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