自社サイトが売れない理由と対処法|ECモールとの違いやメリット・デメリット
自社ECを開設したものの、なかなか売れないというお悩みを抱えていませんか。ECサイトが売れない理由として、主に「集客が上手くいっていない」「購入したいサイト設計になっていない」「客単価が低い」といった問題が挙げられます。
そこで、自社ECサイトが売れない原因をもとに、それぞれの対処法を解説していきます。
自社ECサイトが売れない原因と対処法
自社ECサイトで売上が上がらないときに考えらえる原因として、主に次の3点が挙げられます。
- 集客が上手くいっていない
- 購入したいサイト設計になっていない
- 客単価が低い
ネットショップの売上の方程式は「訪問者数×購入率×顧客単価」といわれ、「訪問者数」「購入率」「購入単価」のいずれかが低いと売れない状況となります。いずれかが低い場合には、売上を伸ばすためには課題に合わせた対策を講じることが必要です。
集客が上手くいっていない
自社EC訪問者数が伸びないケースは、集客が上手くいっていないことが要因です。実店舗であれば、通りがかりに気になったお店を見つけて来店するケースがあります。しかし、ECサイトでは存在が認識されていない状況や、検索しても出てこない状況では集客は見込めません。集客が上手くいっていない場合は、認知が広まっていないことが考えられます。
集客が上手くいっていない場合に増やしていくには、次の方法が効果的です。
- SEO対策を行う
- SNS運用をする
- Web広告に出稿する
- リピーター対策を行う
SEO対策を行う
SEO対策とは、検索エンジンで上位表示されるような施策を行うことをいいます。自社ECサイトへの集客のために取り組みやすいのは、コンテンツSEOです。コンテンツSEOでは、自社サイトにブログやコラムのページをつくり、検索キーワードに関連する有益な情報を発信し、検索からの流入を狙っていくものです。SEO対策は潜在顧客へのアプローチに向いた方法です。
SEO対策は長期的に取り組んでいくことで、検索上位に表示されるページが増加し、安定した集客につながるほか、費用対効果が高いことがメリットです。一方で、多くの記事を発信しなければならないため手間がかかることや、効果が出るまでに数ヶ月かかることがデメリットに挙げられます。
また、SEO対策で上位表示を取るには、キーワードの選定や記事構成、効果検証などに関する専門的な知識が必要です。
関連記事:SEO対策の成功事例や施策|SEO対策の方法や例を解説
SNS運用をする
SNS運用は、自社ECサイトのアカウントを作成し、ショップの情報を発信し、フォローを集めることで集客につなげていく方法です。SNSによってユーザー層や使い方などに、異なる特徴があります。
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メインユーザー層 |
メリット |
デメリット |
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10代~20代、特に女性 |
キーワードをタグ付けでき、ハッシュタグで検索されやすい。 視覚的な訴求できる。 画像や動画によりブランディングできる。 |
テキストのみの投稿よりも画像を用意する手間がかかる。 拡散性が低い。 |
X(Twitter) |
10代~20代の男女 |
投稿へのリンク設定が可能。 リポスト(リツイート)による拡散性がある。 リアルタイム性に優れている。 |
140文字までに制限される。 拡散性・リアルタイム性による炎上リスクがある。 |
LINE |
10代~60代の男女 |
メルマガよりも開封率が高い。 リアルタイム性に優れている。 応答メッセージやステップ配信機能がある。 ※公式アカウント |
ブロックされる可能性がある。 |
YouTube |
10~50代の男女、特に30代 |
動画でわかりやすく伝えられる。 他のツールから誘導できる。 |
動画制作の手間がかかる。 |
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20代~50代のビジネスパーソン |
実名制で正確な属性が把握できる。 長文の投稿が可能で自由度が高い。 |
拡散性、検索性が低い。 |
Instagramは10代~20代の特に女性がメインターゲット。画像や動画で視覚的に訴求できることから、ブランディングにも役立てられます。X(Twitter)は10代~20代の男女がメインターゲットです。リポスト(リツイート)による拡散性があり、リアルタイム性にも優れていますが、それゆえ炎上のリスクがある点に注意が必要です。
LINEは幅広い年齢層に対応し、ビジネス利用は公式アカウントの利用が中心です。メルマガよりも開封率が高いのがメリットですが、ブロックされる可能性があります。YouTubeは30代を中心に10~50代がメインターゲットです。動画の制作には手間がかかりますが、わかりやすく伝えられることがメリットです。また、他のツールにリンクを貼って、YouTubeで詳しく動画で紹介するという手法もとられています。Facebookは20代~50代のビジネスパーソンがメインターゲット。実名制という特徴があり、文字数や画像の挿入など投稿内容の自由度は高いですが、拡散性や検索性が低いことがデメリットです。
Web広告に出稿する
Web広告とは、Web上の媒体に掲載される広告を指します。Web広告の代表的なものとして、以下があります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- 純広告
- SNS広告
- メール広告
Web広告は配信するユーザーを設定できるため、ターゲットに情報を届けられ、短期間で効果を得られやすい点がメリットです。また、Web広告は1日数百円程度の低価格からの運用が可能で、広告からの流入や購入などの効果測定がしやすいことも特徴です。
ただし、Web広告は需要の高いメディアやキーワードでは広告費用が高くなるため、予算が少ない場合は掲載できない可能性があることがデメリットに挙げられます。
また、Web広告で成果を挙げていくには、広告施策や効果検証などに関する専門的な知識が必要です。
関連記事:Web広告(ネット広告)とは|主な種類や選び方・運用のメリット・コツを解説
リピーター対策を行う
リピーター対策とは、自社ECサイトで購入したことのある顧客に対して、繰り返し購入を促すための施策です。リピーター対策の代表例として、以下が挙げられます。
- サンクスメールの配信
- ステップメールの配信
- メルマガの配信
- ポイントシステムの導入
- クーポンの発行
- キャンペーンの実施
リピーター対策は、新規顧客の獲得のための施策を展開するよりもコストを抑えられることや、安定した収益が確保しやすくなることがメリットです。一方で、クーポンの発行やキャンペーンの実施を行うケースなど、施策によっては利益率の低下を招くことがデメリットとして挙げられます。クーポンの発行やキャンペーンの実施の頻度が高いと、安く買えるときにしか顧客が購入しなくなることも懸念されます。
また、メルマガやステップメールを頻繁に送ったり、売り込み色が強すぎたりすると、嫌悪感が生じる可能性がある点にも注意が必要です。
購入したいサイト設計になっていない
購入したいサイト設計になっていないと、離脱が起こりやすく、訪問者数に対して購入率が低くなります。これには大きく分けて2つの原因があり、1つは商品とターゲット層にズレがあり、訪問者の欲しい商品がないケースです。2つ目として、サイトの利便性や視認性の問題から、欲しい商品が見つけられないケースです。
訪問者が購入したいサイト設計になっていない場合は、以下の順で導線設計の見直しを行う必要があります。
- ターゲット層を再定義する
- ターゲット層のリサーチを行う
- ネットショップの導線設計を見直す
ターゲット層を再定義する
既存のターゲット層と実際の顧客層にズレが生じていることが、購入率が低い要因と考えられる場合には、ターゲット層を再設定する必要があります。たとえば、30代の主婦をターゲットとして、5,000円~1万円台の価格帯の化粧品を販売し、購入率が低い場合には、価格が高いことからターゲットが合っていない可能性が考えられます。
ターゲット層を再定義する方法として、競合他社のECサイトや、取り扱う商品のキーワードで検索した広告をチェックして分析する方法があります。また、新たなターゲットを30代の働く女性にするといった仮説を立てて、検証を行っていく方法も有効です。
設定したターゲットに固執せずに見直しを繰り返し行うことが、ターゲット層と顧客層のズレを解消するためには大切です。
ターゲット層のリサーチを行う
ターゲット層を再設定した後、再設定したターゲットに合ったサイト設計を行うため、ターゲット層の絞り込みとニーズの把握するためにリサーチを行います。
リサーチを行うには、自社ECサイトを利用する既存の顧客のうち、ターゲット層に合致するユーザーに対して、アンケートを実施する方法があります。また、SNSを検索する、Q&Aサイトを検索してターゲットが抱える課題をチェックするといった方法も挙げられます。
ターゲット層のリサーチを行うことで、ターゲットの年齢や性別などの属性だけではなく、どういった悩みを持っているかなど、人物像までを明確にしましょう。
自社サイトの導線設計を見直す
自社ECサイトの導線設計を見直すのは、再設定したターゲットに好まれる導線に設計し直すとともに、視認性や利便性を高めるのが目的です。ターゲットを中心とした顧客が使いやすい、ユーザーファーストの設計であるかという点を判断基準として、導線設計を行います。
カテゴリがわかりにくい、あるいは検索機能がないなど、商品を探しにくいサイトでは、すぐに離脱してしまうことが考えられます。あるいは、カートに入れてから購入までの手順がわかりにくいサイトでは、カゴ落ちを招きやすくなります。
そのため、ECサイトの導線設計では、商品を探して購入するまでの導線をシンプルにし、視認性や利便性を高めるのがポイントです。視認性を高めるためには、ボタンの色をわかりやすくする、色数を抑える、情報量を詰め込み過ぎないといった方法をとります。
客単価が低い
客単価が低いのは自社ECサイトの使い勝手の悪さが原因となっていることがあります。サイトの視認性や利便性が低いケースなど、使い勝手が悪い場合には、顧客がサイト内を回遊しにくく、滞在時間が短くなることからも、客単価が低くなります。
こうした状況を打破するための効果的な改善策として、以下が挙げられます。
- 関連商品のおすすめ機能を搭載する
- まとめ買いによる特典を付ける
- 決済手段を増やす
- 3つの価格帯を用意する
関連商品のおすすめ機能を搭載する
自社ECサイトに、閲覧履歴や購入履歴をもとにおすすめ商品が表示されるレコメンド機能と搭載すると、高価格帯の商品や関連商品の購入を促せるため、客単価のアップにつながる可能性があります。
レコメンド機能にはアップセルとクロスセルという手法があります。アップセルは顧客が購入を検討している商品よりも上位の商品を提案する手法です。たとえば、5,000円の炊飯器を閲覧した顧客に、1万円の高機能の炊飯器を提案します。クロスセルは顧客が閲覧した商品と関連する商品を提案し、ついで買いを促す手法です。たとえば、パソコンを閲覧している顧客にマウスを提案します。
レコメンド機能を搭載すると、客単価のアップにつながるほか、ページ閲覧数や滞在時間が増加することもメリットです。ただし、ECサイトを利用するユーザー数や商品数が少ない場合には、提案の精度が低く、効果が上がりにくいとういデメリットがあります。
まとめ買いによる特典を付ける
まとめ買いによる特典を付けると、購入する点数が増えるため、客単価のアップにつながります。まとめ買いによる特典は、「3点以上で3%オフ、5点以上で5%オフ」といった購入点数による割引率を設定する方法や、「1万円以上の購入で送料無料」など、購入金額による送料無料特典をつける方法などがあります。
まとめ買いによる手法は、客単価がアップするだけではなく、売れにくい商品の余剰在庫を削減できるというメリットもあります。ただし、特典をつけていないと売れにくくなるというデメリットがある点に注意が必要です。
決済手段を増やす
顧客が普段利用している決済手段がない場合は、カゴ落ちの原因になりやすいため、決済手段を増やす施策は購入率や客単価のアップに効果的です。また、従来はカード決済や銀行振り込み、着払いといった決済手段が主流でしたが、最近では電子決済が広まっているため、多様な決済手段を用意する必要性が高まっています。
決済手段を増やすと、顧客の希望する決済手段がなく、機会損失が生じるリスクを軽減できる点がメリットです。ただし、決済手段を増やし過ぎると、運営側にとってはイニシャルコストやランニングコストが負担になるほか、顧客にとって利用できる決済手段がわかりにくくなるといったデメリットがあります。
関連記事:ECサイトの決済方法とは|決済サービス代行会社の比較から選び方まで解説!
3つの価格帯を用意する
3つの価格帯の商品を用意する手法は松竹梅の法則と呼ばれています。同じカテゴリの商品で「松・竹・梅」3つの価格帯を用意すると、高いものを避ける意識と安いものへの不安から、真ん中の竹を選ぶ人が多いという傾向を利用したものです。また、商品の品揃えは「松2:竹5:梅3」という割合にするのがポイントです。
たとえば現状では、トートバッグは2,000円の価格帯のもののみを販売していたとします。「松」として5,000円の価格帯、「竹」として3,000円の価格帯、「梅」として2,000円の価格帯の商品を揃えると、理論上は3,000円の商品がよく売れるようになるため、客単価の向上につながります。
3つの価格帯の商品を用意すると、客単価のアップが期待できるというメリットがありますが、あまり売れない商品の在庫を抱えることになる点がデメリットといえます。
※2023年3月28日 当社実績
自社ECサイトで商品を売る際に必要な前提知識
自社ECサイトで商品を売っていくために必要な前提知識として、次の3つが挙げられます。
- 顧客心理に対する理解
- 売れない時期がある
- 売上には方程式がある
顧客心理に対する理解
顧客心理とは、商品やサービスの購入に至るまでに、購買行動に影響を与えた心理のプロセスを指します。自社のECサイトで商品を売るために、顧客心理の理解が必要なのは、顧客に効果的な広告やコンテンツの提供によってアプローチし、ニーズに合った商品やサービスを提供していくためです。
顧客心理に対する理解を深める方法として、顧客へのアンケートやインタービューの実施、SNSの分析といった手法があります。
売れない時期がある
自社ECサイトは開設したらすぐに売れるわけではなく、サイトが認知されるまでの半年から1年程度、売れない時期があります。この時期は自社ECサイトの準備期間と捉えましょう。
そして、コンテンツSEOなどによるSEO対策やSNS運用を行うなど、集客のための施策を展開します。自社ECサイトをできる限り早期に軌道に乗せるためには、Web広告の出稿を行うと効果的です。
売上には方程式がある
ECサイトには売上の方程式と呼ばれるものがあります。「訪問者数」と「購入率」、「顧客単価」の3つの要素を掛けたものです。
訪問者数 × 購入率 × 顧客単価 |
この3つの要素のいずれかの数値が低ければ、売上は低い状態となります。売上が少ない場合には、「訪問者数」と「購入率」、「顧客単価」のどの数値に問題があるのか分析し、対策を講じていく必要があります。
※2023年3月28日 当社実績
自社ECサイトとECモールの違い
自社ECサイトは、企業が単独で独自のドメインを取得して自社で運営するネットショップです。これに対して、ECモールはオンライン上のショッピングモールを指し、複数の企業のショップが出店して商品の販売を行っているという違いがあります。
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メリット |
デメリット |
自社サイト |
・利益率が高い。 ・自由にサイト設計ができる。 ・独自のマーケティング施策を展開できる。 |
・初期費用が高い。 ・成果をあげられるまでに時間を要する。 |
ECモール |
・集客力がある。 ・初期費用を抑えられる。 ・知識がなくても簡単に出店できる。 ・有名モールは信頼性が高い。 |
・出店料や販売手数料が発生するため、利益の確保が難しい。 ・ブランディングが難しい。 ・競争が激しい。 ・顧客データへのアクセスが制限される。 |
自社ECサイトとECモールのそれぞれにメリット・デメリットがありますが、自社ECサイトを成功させるには、特に初期展開を行う際には併用がおすすめです。自社ECサイトは軌道にのるまでに時間がかかるため、ECモールへ出店すると、認知度の向上に役立ちます。
関連記事:ECモールとは|自社サイトとの違いや大手モール型ECサイトを比較
まとめ
自社ECサイトで売れるようにするには、集客のための施策の展開とサイト設計の見直し、客単価のアップのための対策が必要です。売上の方程式などをもとに原因を分析して対策を講じましょう。
ただし、特に自社でECサイトを展開する場合には、特にユーザーファーストを徹底した導線・デザインが売上を査収します。そこで、売れる自社ECサイトの制作は株式会社これからのネットショップ制作サービスがおすすめです。3,000件以上のECサイトの制作による統計データをもとに、商品を探しやすく、購入しやすいサイト設計を行っています。また、集客支援や分析支援などのサポートも行っているため、初めての自社ECサイト運営でも安心です。
※当社2023年3月28日 当社実績
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