ECサイトの売上が上がらない|売上を伸ばす施策・売上アップの方程式を解説
ECサイトの売り上げが上がらない事業者の方に向けて、売上を伸ばす施策・方程式・事例などを解説します
結論、ECの売上アップさせるには解決すべき優先的な課題は「集客」「購入率」です。
特に月商100万円以下のECサイトの90%以上が、集客を十分にできていないと言っても過言ではありません。
そもそも自社ショップへの訪問者数が不十分だと、その分購入される機会が減るからです。
売上が伸びない原因や、売上向上のための改善ポイントを解説しますので参考にしてください。
ECの売上が上がらない原因
自社のオンラインショップの売上が上がらない原因を特定するためには、まず以下にある売上の方程式を覚えてください。
売上=訪問者数×購入率×客単価
売上は各指標から成り立っているため、売上が伸びない原因はこれらの指標の結果に原因があります。
個別で解説します。
1.訪問者数が少ない
集客の施策が不十分で訪問者数が少ないことが、売上が伸びない最も多い原因です。
そもそも購入してもらうためには、訪問者が一定数いなければ購入されることがないからです。
どんな優れたサイトでも同様です。訪問者がいなければただの「制作物」です。
オンラインショップにおいて、施策を何もせずに集客できることはほぼありえません。世の中にECサイトは無数にあるからです。
このことを自覚している事業者でも成果が出ていない場合は、集客施策において質・量が不十分と言えます。
質とは、訪問している顧客の質です。購入見込みがない顧客が多すぎる可能性が高いです。
商品・サービスの独自性が高くて競合が少ないカテゴリに参入している場合でも、施策の方向性が正しくなければ売上は必ず停滞します。また、偶発的に口コミで広がっていく事態を過度に期待するのは、事業計画においてリスクとなる要素が大きく不適切です。
「自分は集客施策をしっかりやっているつもり」になっていませんか?自分では気がつかなかった落とし穴が多くありますので見直すのも重要です。
2.購入率が低い
購入率も売上への影響が大きいです。訪問者数が一定数あっても購入率が低いとその分購入数が減るからです。
購入率が低いことが原因であるケースも多くあります。
購入率が低い主な原因
- 商品・サービスの魅力が伝わっていない
- ユーザーが商品を購入するまでの手続き・導線がわかりにくい
- 購入機会を増やせそうなページにユーザーを誘導できていない
- 商品数が少ない
購入率の基準として、まず目指すべきは1%です。これより大きく下回る場合は対策が必要です。
購入率は、月商規模によって異なるので目安としてお考えください。
3.客単価が低い
月商が100万円以下のサイトにおいて、客単価だけが低いことで売上が上がらない事例は少ないです。ほとんどが訪問者数、または購入率の問題だからです。
売上を伸ばす考え方の1つとして、注文件数か客単価を伸ばすことです
注文件数の計算式
注文件数=訪問者数×購入率 です。
売上目標が100万円の場合、客単価が3000円なら注文件数は333件以上が必要です。
この場合、ほとんどがケースでは注文件数が不足していることです。そのため、訪問者数、購入率の対策が優先順位として高いです。
もし客単価が予想より著しく低いなら対策が別途必要です。
ECサイトの売上を伸ばす施策
ECサイト(ネット通販・オンラインショップ)の売上アップのための施策と改善ポイントを解説します。
1.訪問者数を増やす
最初に自社サイト・商品の強みを理解してどのような施策を強化すべきか検討してください。
自社サイトの強みを理解するのが重要な理由は、強みに合わせて集客の戦略や手順を考える必要があるからです。
なお、主な集客の施策は広告・SNS・SEOです。
商品の強み | 優先すべき手法 |
・見栄えが良くトレンド性が高い |
InstagramなどのSNS |
・商品数が多い ・検索市場において競合が少ない |
SEO |
・強み関わらず実施は必須 | SNS広告・Googleショッピング広告などのWeb広告 |
Web広告はどのようなECサイトであれ基本的に必須で実施が必要です。売上が最も伸びやすい施策だからです。
広告のメリットとして、需要が顕在化された見込み顧客だけではなく、潜在的なターゲットにもトリーチすることが可能です。
そのため、売上が拡大しやすいです。
Web広告はMeta広告とGoogleショッピング広告を実施しましょう。ECとの相性が最もよく高い成果が出ている事例も多いからです。
そのあとに商品の強みにあわせてSEOとSNSに取り組んでください。売上伸ばすためには広告で成果を出すことが先決です。
なお、SNS・SEOでの集客は、PDCAが必須です。最初から右肩上がりの事例は多くないので過度の期待は禁物です。
昨今のSEOはアップデートが多く過去のノウハウが通じないケースもあります。基本的なノウハウはECサイトのSEOをご覧ください。
2.購入率を高める
購入率を高める施策は以下です。主な方針としてユーザーインターフェース(UI)・ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善、決済・フォーム機能の改善です。
- ランキング・新着・特集といった主要コンテンツをサイトトップに掲載してそれぞれのコンテンツへの流入を増やす。
- サイトトップから商品詳細ページに流入できるように人気商品を掲載する
- 検索機能をサイトトップの分かりやすい場所に設置する
- 商品の強みを活かしたデザイン・情報を掲載をする
- 決済機能はクレジットカード・後払い・Amazon Payなど主要な方法を用意する
- 購入フォームの不要な項目はできるだけ削除する
ちなみに訪問者数が増えると購入率が下がる傾向にありますが、自然な成り行きにつき特に気にすることはありません。
前提として購入見込みの顧客を集客することなので、ターゲットでリーチできるように集客施策の精度を高めましょう。
3.客単価を上げる
客単価を上げるための改善施策は以下です。
- LINE・メルマガの登録者数を増やして限定クーポンや新商品、セール商品の案内を送信する
- カートで合わせ買いを促進する
- 同梱物に販促チラシを同梱する
- 福袋などのセット商品を販売する
- 価格帯や商品カテゴリが異なる商品を追加して合わせ買いの促進や新たな需要を取り込む
これらの施策によって購入回数を増やすことにつながるため結果的にLTV(年間における顧客あたりの売上)が上がります。仮に客単価が変わらずとも購入回数が増えることで売上は伸びます。
ECの成功事例
アクセス数や売上がアップした成功事例を紹介します。
それぞれのサイトで実施した施策やコツをぜひご覧ください。
1年で売上167%、セッション数148%に伸長したアパレルブランド
Instagram経由のユーザーのECサイト導線を確保したECサイト改修。
ランキングを各カテゴリーごとに掲載することでCVRが上がり、さらにセール価格の視認性をよくするだけで、CVRが改善しました。意思決定がしやすいECサイト導線にするとCVRが改善しやすいです。
結果、セッションが増加するにあたって、CVRも上がりました。 具体的には、CVR111%増、客単価も112%増になりました。
1年で売上167%・セッション数148%に伸長したアパレルブランド
広告や新規獲得向けの施策を強化しながらCVRを維持ができているアパレルブランド
広告配信を強化するとCVRが下がる傾向です。なぜなら購入意欲にバラツキがあるユーザーが訪問するためです。
それでもサイトを改修することでCVRを維持が可能です。
例えば、検索窓をサイトの一番上に配置することは、CVR改善につながります。
見た目として洗練されているとは言えないかもしれませんが、ユーザビリティを向上させるためには重要な要素です。
サイト開設時から売上は5倍に伸びたセレクトショップ
モールへの出店を経て、自社でECサイトを育てる重要性に気付き、今では店舗を支える販路にまでECサイトを成長させたセレクトショップ様。売上は3年半前の5倍になっています。
その理由の1つが、広告の強化も加わって、流入はますます増えているにもかかわらずCVRが低下していない状況が続いていることです。
サイトの改修を行ったことで、CVRが安定するようになりました。
開設時から売上は5倍に! ECサイト強化をしたアパレルブランド
さらに事例を知りたい方は、合わせてEC事例をぜひご覧ください。
ECで売上UPについてのQ&A
売上UPに関わることを回答します。
売上を伸ばすためにはトライ&エラーは重要です。「ECサイトを作ればたぶん売れる」という見切り発車的な発想では、想像通りいくことはほとんどないからです。
そのために参考となる基礎的な知識をインプットとしておくことは後で役に立つでしょう。
ECの売上の方程式とは?
売上の方程式は以下です。
売上=訪問者数×購入率×客単価
売上UPのためには、それぞれの指標を改善していくことが重要です。
ネットショップの売上の平均はいくらか?
確固たるデータは存在しませんが、近しい数字として国内で最もショップ数(契約者数)が多いBASEの実績が参考になります。
ネットショップの平均売上は170,000円前後と考えられます。
BASEの2023年12月の決算資料によると、年月によってGMV(顧客が購入した商品の総額)は変動していますが、ショップあたりのGMVは月間平均171,000円だからです。
※参考:BASEのIR情報
ECサイトの購入率とは?
ECサイトの購入率とは、サイト訪問者のうち商品を購入した人の割合のことです。
計算式は購入率(%)=(購入者数 ÷ 訪問者数)×100で表します。
一般的な購入率がどのくらいかは商材・サイトによって異なります。目安としてまずは購入率が1%以上を目指しましょう。
月商規模が大きくなると購入率は高くなる傾向です。
ちなみに購入率は別の表現でコンバージョン率(Conversion Rate)とも言います。
ECサイトの客単価とは?
客単価とは、顧客1人が1回の買い物で購入する金額のことを指します。
仮にECサイトで3,000円と1,500円の商品を注文した際は、客単価は4,500円となります。
客単価は、サイトの全体売上を顧客数で割ることで算出できます。
客単価を上げるためには合わせ買いを促進させる、高単価の商品の品揃えを増やす施策が挙げられます。ただし、それだけでは頭打ちになるのでリピート率を高めて購入回数を増やすことが必要です。
ECサイトの商品数はどのくらい必要?
月商100万円以上を目指すなら、商品数は100点前後があると望ましいです。
理由はSEOや客単価・リピート率などに関わってくるからです。
例えば、客単価を上げるためには、合わせ買いが重要になってくるため、顧客に適切な選択肢を与えて購入の促進を図るには、商品数が充実していることが望ましいです。
ただし、あくまでも目安なので一概には言えません。
例えば、引きが強い商品1個でもあれば、商品数は少数でも売上を伸ばすことは可能です。
自社の商材・商品の特徴を踏まえて検討してください。
ECサイトの売上ランキング
2022年度の売上高ランキングの上位5位は以下です。
順位 |
社名(サイト名) |
売上高 |
主要商材 |
1 |
Amazon.co.jp |
3兆2,097億円 |
総合 |
2 |
ヨドバシカメラ.com |
2099億4,800万円 |
家電 |
3 |
ZOZOTOWN |
1834億2,300万円 |
衣料品 |
4 |
ヤマダウェルコム |
1505億円 |
家電 |
5 |
ビックカメラ.com |
1434億円 |
家電 |
ECサイトの成功の秘訣
あいにくですが、この施策を実行すれば成功するなことはコツや秘訣はありません。
どの業種もそうですが、成功する要因は複数ありそんな簡単に物事がうまくいくことがないからです。
ECサイトの運営における重要な課題から言うと、見込み顧客を効率的に集客して、リピーターを増やすことです。
そのためには、商品の強みを正しく理解し、自社にふさわしいターゲットに他社との差別化を明確にした訴求で、広告をはじめした手法で露出すること。リピーターを増やすために、LINE・メルマガ・同梱物といったタッチポイントを活用して、キャンペーン・特典を活用して購入促進を図ることです。
基本的に、実店舗でも顧客に提供する重要な価値は、ECでも同じく重要です。
例えば、スーパーやコンビニではレジの前に、価格が安くて誰でも買いやすい商品が陳列されています。これは「合わせ買い」を狙っているからです。
ECも同様にカートのページでオススメ商品を掲載することで、合わせ買いが起きやすくなります。
原理が同じ理由は、実店舗であろうが、ネットの技術やメディアが新しくなっても、その先にいるのは同じ「人」だからです。
普遍的なものと新しいものを取り入れていく「不易流行」の観点も大事です。
まとめ
ECサイトの売上が上がらない主な理由は見込み顧客からのアクセス数が少ない、サイトの設計やデザインが原因で購入率が低いことです。
対策はシンプルです。Meta(facebook)広告・Googleショッピング広告に出稿し、サイトを改修します。
ただ、いずれともノウハウが求められます。自分のやり方に固執せず、人気のECサイトを分析にしたり、ECの広告に詳しい人に聞いてみてください。自分では気がつかなかったノウハウが得られるはずです。
他者にアドバイスを求める際に気を付けたいのが、ECの分野において実績があることです。ECと他分野では細かいノウハウが異なること多いからです。
ECの売上を伸ばすために、これまでのやり方を改善してみてください。
やり続けることで成果が出るはずです。
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