ネットショップの廃業率を解説|失敗する理由と成功させるためのポイントを紹介

ネットショップ事業をはじめようとしたとき、どのくらい成功する可能性があるのか気になる人も多いでしょう。この記事では、ネットショップ事業が廃業する理由や、成功させるためのポイントについて解説します。これからネットショップをはじめる人はぜひ参考にしてください。
ネットショップの廃業率
結論からいうと、ネットショップの廃業率を示す厳密なデータは存在しません。一般的には、創業1年目で3割、2年目で5割、10年以内に9.5割が廃業するといわれています。あくまで目安ではありますが、成功率はかなり低いといえます。
少し古いデータですが、帝国データバンクの「通信販売業者の倒産動向調査」によると、2018年に倒産した通信販売業者は30件と過去最多を記録したそうです。
また、東京商工リサーチが実施した調査によると、2022年度の「無店舗小売業(EC、TVショッピング、産地直送など)」の倒産は86件となっています。
2020年に世界中で感染が拡大した新型コロナウイルスによる巣籠もり需要でニーズが拡大したことを受けて、新規参入者が増えましたが、資本力の乏しい小・零細企業を中心とした廃業が目立つ結果になっています。なお、両調査ともに個人事業主は含まれていないので、実際の廃業件数はもっと多いと考えられます。
また、東京商工リサーチの調査はネットショップ以外の無店舗小売業も含まれているため、ネットショップの純粋な廃業率は不明ですが、同じビジネス形態として参考になるでしょう。
※当社2022年11月実績
日本のEC市場規模
経済産業省によると、日本のEC市場規模は年々拡大しており、2022年には約22.7兆円規模になっています。市場が拡大しているということはそれだけ需要が拡大していることを示しているので、これからネットショップを開設し、EC市場に参入してもチャンスは十分にあるといえます。
しかし、それにも関わらず廃業率が高いのにはそれなりの理由があります。その理由について次章で詳しく見ていきましょう。
ネットショップの廃業率が高い理由
ネットショップの廃業率を高めている原因には、次のようなものが挙げられます。
- 競合が多く、差別化が難しい
- Webマーケティングの難易度が高い
- ネットショップ運営のノウハウが不足している
- サイトが“売れる”設計になっていない
需要の高まりに目をつけた数々の企業がネットショップを開設しており、競合が多いことが大きな原因として挙げられます。また、ネットショップは参入障壁が低く誰でも参入できる反面、運営にはWebマーケティングをはじめとしたさまざまな知識が必要です。この知識を得ないまま、もしくはプロによるサポートを受けないままネットショップをはじめてしまうと、数々のポイントで躓き、廃業に追い込まれることになるのです。
競合が多く、差別化が難しい
ECモールやショッピングカートなど、現代では簡単にネットショップを開設できます。さらに、物販のノウハウに手軽にアクセスすることもでき、個人でも参入しやすい環境が整っているため、ネットショップは競合が多くなっています。さらにニーズに対して物が飽和している時代。扱う商品も似通ってくるため、差別化が難しいことも廃業率を高めている要因といえます。
この状況のなかで勝ち残っていくためには、市場調査や競合調査を徹底的に行い、新たな着眼点によるユニークなブランドコンセプトを確立する必要があります。これにより差別化が図れれば、ネットショップ戦国時代にも活路を見いだせるでしょう。
Webマーケティングの難易度が高い
ネットショップで集客を行うには、Web上でのマーケティング活動が不可欠です。Webマーケティングといっても、Web広告やSEO対策、SNS運用、メールマーケティングなど、さまざまな種類があります。当然ですが、競合他社も同様にWebマーケティングを実施しており、この競争に勝てないと集客は難しくなります。
ただし、手当たり次第にWebマーケティングを実施するのはNGです。コストと労力を無駄にする可能性が高くなるので、効果的に施策を実施するためにも、まずは市場調査と競合調査を徹底しましょう。そのうえで最適なWebマーケティングを選択することで、確度の高い施策を展開できます。
ネットショップ運営ノウハウが不足している
Webマーケティングを含め、ネットショップの運営には知識とノウハウが求められます。開業前にはネットショップ制作に関する知識(導線、デザイン、ライティング、写真撮影など)が、開業後の運営時にはアクセス解析ツールの使い方や、SEO対策、SNS運用の知識など、幅広い知識が必要です。
こうした知識は一朝一夕で身につくものではないため、書籍やオンラインセミナーなどを活用し、開業前からある程度の知識を身に付けられるよう努力しましょう。なお、Webの世界はトレンドの移り変わりが早いので、開業後も継続して勉強していく必要があります。
サイトが“売れる”設計になっていない
売上を上げるためには、マーケティング活動も重要ですが、同じくらいサイトの設計も大切になります。売れるサイトは、とにかく「ユーザーファースト」を徹底しています。ユーザーファーストとは、ユーザーの使いやすさを第一優先する考え方です。
例えば、シンプルでおしゃれなデザインだけど、金額が分からない、購入ボタンがどこにあるかわからないサイトはユーザーファーストとはいえません。ブランドの世界観を重視するのも差別化するためには大切なポイントですが、購入に至るまでの過程は分かりやすい方が購入率を上げられるでしょう。
また、昨今ではスマートフォンでネットショッピングをする人が増えています。休憩時間に欲しいものを検索することも多いので、サイトが重くなかなか表示されない場合やレスポンシブ未対応で見づらいサイトは嫌われます。
売れるサイトを設計するには、Webマーケティングの知識やネットショップ運営のノウハウが欠かせません。そのため、素人では難しく、またプロに制作を依頼する場合でも、ネットショップの作成に詳しく、かつWebマーケティングに強い会社を選択する必要があります。
※当社2022年11月実績
ネットショップを成功させるための10個のポイント
ネットショップを成功させるためには、次のポイントを意識してショップを制作・運営しましょう。
- コンセプトを明確にする
- 商品・業態に最適なカートシステムを選択する
- 集客に力を入れる
- 商品ページの情報を充実させる
- サイトの操作性・視認性・可読性を高める
- 決済方法を充実させる
- 配送方法やスケジュールを明記する
- レビュー機能を搭載して信頼性を高める
- セキュリティ対策を強化する
- こまめに更新する
とにかくユーザーが分かりやすく、使いやすいように設計することが重要です。そのうえでターゲットに最適な方法を選択し、集客に力を入れることがポイントになります。
コンセプトを明確にする
コンセプトとは「誰に」「何を」「どのように」届けるかを考えることです。コンセプトはショップのデザインや必要な機能にも関係します。コンセプトが明確になっていないと方向性が定まらず、ターゲットはおろか誰の興味も引けないサイトになります。つまり、売上が立たないサイトになってしまうのです。
ネットショップ事業の将来に大きな影響を及ぼすため、なんとなくでサイトを作るのではなく、「誰に」「何を」「どのように」と、コンセプトを明確にしてからサイトを制作しましょう。
関連記事:ECサイト制作の手順|自作と制作会社のメリット・デメリットや作成期間と構築費用の目安も
商品・業態に最適なカートシステムを選択する
カートシステムとは、インターネット上で商品を買うのに欠かせないシステムです。カートシステムはサービスによって、デザイン・機能のカスタマイズ性や初期費用・月額費用といった特徴が異なります。
たとえばECモールよりASPカートの方が決済方法の種類が多く、デザインや機能のカスタマイズ性に富んでいます。反対にASPカートよりもECモールの方が集客力に優れており、制作も簡単なのでスピード感を持ってネットショップの開設が可能です。
このようにカートシステムの各サービスが持つ特徴を理解したうえで、商品・業態に最適なサービスを選べないと、それが原因で売上を取りこぼす可能性が高くなります。そのため、商品・業態に最適なカートシステムを選択するのもネットショップの成功には欠かせない要素です。
関連記事:ECカートとは|カートシステムを比較して機能・種類をオススメ一覧で解説
集客に力を入れる
ネットショップは競合他社が多いため、ユーザーに自社を見つけてもらう努力が欠かせません。具体的には次のような施策の実施が求められます。
- ブログ
- SNS運営
- SEO対策
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
- ショッピング広告
これらすべてを行うには費用や労力がかかりすぎるので、ターゲットや商品の特性に合致した方法を選ぶ必要があります。各集客方法の詳しい内容については、下記の記事で解説しているので集客方法を選ぶ際の参考にしてください。
関連記事:ネットショップの集客方法のコツ11選!無料・有料別に効果的な宣伝手法をご紹介
商品ページの情報を充実させる
ネットショップは実店舗と違い、商品を実際に手に取って見ることができません。ユーザーはサイトに掲載されている商品情報を頼りに購入するかしないかを判断することになるため、商品に関する説明を充実させる必要があります。
使用感や魅力が伝わりやすいような文章はもちろん、商品1つに対してさまざまなアングルで撮影した、細部まで見やすいクオリティの画像を複数枚用意しましょう。
情報量は多ければ多いほど良いという訳ではありませんが、必要な情報が適切に伝わらなければ離脱のリスクを高めてしまいます。せっかく来てくれたユーザーに商品を購入してもらえるよう、商品情報の充実に努めましょう。
サイトの操作性・視認性・可読性を高める
サイトが重く、表示されるまでに時間がかかったり、背景の色と文字の色のコントラストが薄く見づらかったりすると、ユーザーは購入意欲を失いやすくなります。すべてのユーザーがインターネットでの買い物に慣れているとは限らないので、サイトの操作しやすさやボタンなどの場所の分かりやすさ、文字・画像の読みやすさは意識しておくべきです。
できるだけ商品の検索から購入に至るまでを短時間で終われるよう、デザインや導線はシンプルにすることを意識してサイトの設計を行いましょう。
決済方法を充実させる
世の中に物が溢れる現代では自社商品の類似品がたくさんあります。商品にそれほど差がない時代に、ユーザーが買い物をするサイトを選ぶ基準の1つとして決済方法が挙げられます。いくら商品が魅力的に映っても、ユーザーが利用しやすい決済方法が採用されていないと、そこでカゴ落ちする可能性を高めます。
商品をカゴまで入れてもらえたのに、決済方法で購入にまで至らないのはとてももったいないことです。こうした事態を避けるためにも、ターゲット層によく利用されるものを中心に決済手段を充実させておきましょう。
関連記事:支払い方法の種類一覧|コンビニ・Pay系などネットショップに必要な支払方法をご紹介
配送方法やスケジュールを明記する
ユーザーのなかには商品の購入を心待ちにしている人や、誕生日や記念日などの指定日までに手元にほしい人もいます。また、ネットショッピングは、配送方法によっては受け取りの必要があるため、配送スケジュールが分からないとすれ違いによりなかなか受け取れないケースもあります。
いつ届くか分からない、どうやって配送されてくるのかも分からない状態はユーザーにストレスを与えます。クレームや問い合わせの数が増えてしまうので、配送方法とスケジュールはネットショップの分かりやすい場所に明記しましょう。これらを記載しておくだけで、「ちゃんと届けてくれる」ことが伝わるため、ユーザーからの信頼感も得やすくなります。
レビュー機能を搭載して信頼性を高める
ネットショップには、商品の魅力を前面に押し出した文章・画像をサイトに記載します。しかし、ユーザーにそのメリットが当てはまり、生活を豊かにしてくれるかどうかは実際に使用してみないと分かりません。そこで有効なのがレビュー機能です。
実際に購入したユーザーに使用感や問い合わせ時の対応などをレビュー(口コミ)してもらうことで、商品購入を迷っているユーザーは販促意図のない意見を知ることができます。実際に使用したユーザーが書き込んでいるため、高評価が多ければ商品およびショップへの信頼性を高められます。
一方で悪い評価が多い場合は信頼性が下がるおそれもありますが、アンケートなどを実施しなくてもショップの改善点の把握ができるという利点にもなります。レビューは誰でも見られるので悪い評価に対して謝罪と改善する意思があることを返信し、実際に対応するようにすればショップの姿勢に期待したユーザーの購入を促す効果も期待できます。
セキュリティ対策を強化する
情報化社会の現代では、サイトのセキュリティ対策も欠かせません。
セキュリティ対策とはたとえばSSL化などです。サイトをSSL化していないと、ユーザーがサイトを訪問した際に「このサイトは保護されていません」という警告が出ることがあります。ユーザーに不信感を抱かせることになるため、SSL化は必ず実施しておきましょう。
また、商品を購入の際には名前や住所、クレジットカードなどの個人情報を入力します。セキュリティ対策を怠ったことにより、これらの情報が流出してしまうとショップの信頼性は一気に下落し、立て直しが難しくなります。そのため、万全にセキュリティ対策を実施し、サイトの安全性と信頼性を高めましょう。
こまめに更新する
ネットショップやSNS、ブログなど、ショップの情報を発信しているメディアの更新が滞ると、ユーザーに「稼働しているのか?」「詐欺のためのおとりショップなのでは?」といった不信感を与えてしまいます。そのため、ショップをはじめ各メディアはこまめに更新するようにしましょう。
特にSNSは多くの人の目に触れる媒体なので、新商品の情報やセール情報など、定期的に発信することでネットショップに興味を持ってもらいやすくなります。アクセス数の増加や売上アップにも繋がるので、できれば毎日、少なくとも週に2~4回は更新するのがおすすめです。
※当社2022年11月実績
売れるネットショップ制作なら株式会社これから
売れるネットショップを制作するには、サイト制作やWebマーケティングの知識はもちろん、商品の特性と業態に合致したカートシステム選ぶ必要があります。しかし、これらの知識をすべて持ち合わせた人材はなかなかいません。そのため、ネットショップの制作はプロに任せるのがおすすめです。
創業当初から3,000社以上のネットショップの制作を請け負ってきた株式会社これからでは、統計データを基にネットショップを制作。ユーザーが商品を探しやすく、買いやすいレイアウトの提案が可能です。また、カートシステムにおいても各サービスの特徴を熟知しているため、お客様の商品・業態に最適なサービスの選定が可能。その機能を最大限に活かし、公開後すぐに売れるネットショップを制作します。
さらにアクセス解析などのサイト分析においても1年間毎月、要約レポートをお送りするのでサイトの運営に集中できます。実際に弊社が制作したネットショップ開設で売上が10倍になった事例もあります。興味がある方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
厳密なデータはありませんが、その難しさからネットショップの廃業率は高いことが推測できます。しかし、ユーザーファーストの考えを徹底したサイトを構え、ターゲットに適切な集客方法を選定すれば、競合が多いなかでも勝機は十分に見いだせるでしょう。
無料でネットショップを開設できるサービスもあるため、とりあえず運営してみるのもありです。しかし、ネットショップの将来性を期待して事業を展開していくのであれば、この記事で紹介したようなポイントを踏まえてサイトを制作できる、プロに依頼することをおすすめします。
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